267 愛の輪郭 回縞ロックス、久世香織
香織が目覚めると、そこは闇鴉のコクピット内ロックスの腕の中であった。
巨大十字架は香織の内にあるセラフィムには力を与えるが、香織の体力そのものは回復しないことを香織の口からロックスは初めて知ることになる。
にも関わらず戦闘で損傷した闇鴉を修理しようとする香織をロックスは必死で止める。
「なぜ俺のためにそこまで尽くそうとするんだ?」というロックスの質問に香織は「心優しいロックスが大好きだから、大好きなロックスが悲しむのも傷つくのも見たくないから」と答えた。
香織の自分への本気の愛と真心にロックスは涙を流す。
だがロックスも香織が自分のために身を削ってまで働こうとしていることを黙って見過ごせることができず、彼女の唇を自分の唇で塞いだ後に、コクピットのハッチを閉める。
そして香織に無理をさせないために、香織の愛に報いるために、ロックスはロボディの狭いコクピットの中で彼女と愛し合った……
268 痴漢戦士ヒュスレ ヒューマンスレイヤー、痴漢さん雪風はるか
一晩かけてヒュスレに己の痴漢技を叩き込んだ痴漢さん。
その二人にDeus教信者のはるかが来襲してきたので痴漢さんはヒュスレに痴漢技で戦うように言い、一体一で挑ませた。
結果、まだまだ荒削りなれど直伝の痴漢技ではるかを失神させ、今度こそ捕縛に成功する。

※女性は絶頂すると失神するケースが稀にあります。
269 鉄と赤錆の館にて サクマ、ミユ、エド
エドが工場にたどり着くとサクマが捕えたミユに陵辱の限りをつくしていた。
ミユの褥から多量の出血を強いるそれはもはや性交というより暴力であり、人を人と思わぬ所業にエドは感動すら覚えた。
サクマも工場でずっと遊んでいたわけではなく、殺したかためちゃんの首輪から60%までの解析を終えていた。
270 拷問王の落胆 アリスター・フィル・リリーホワイト
アリスターは二人が信長戦に出ている時に十字架施設に侵入し、二人が戻ってくると同時に退避するその時までには内部の構造を完全に把握していた。
後はメネスが来るのを待つだけである。
しかし拷問できそうな捕虜が一人もいなかったことだけがアリスターにとってはガッカリであった。
271 逆らうものは死けい! 須原毅ミルドレッド・イズベルス
今回の殺し合いは地球上で行われている。会場も某大国の領海にある島を勝手に占拠して執り行っていた。
そのために島を奪還するために一つの艦隊が会場に向かっていた。
しかし艦隊の前にミルドレッドが用意した戦闘AI「Q」搭載型のロボディと、それに搭乗する須原が立ちふさがる。
須原は戦いのプロではなかったが、無限に成長する「Q」の性能は圧倒的であり、艦隊はたった一機のロボディに為す術もないまま海の底に沈んだ。
調子に乗った須原はさらなる報復として艦隊を発進させた基地をも襲撃する。
そこには世界で指折りの実力を持つ異能者や最新鋭ロボディも配備されていたが小一時間足らずで全滅し、基地と周辺の街は火の海に包まれ、多くの罪のない人間が虐殺された。
それは戦いと呼べるものではなく弱いものいじめと同じであった。
そして須原は戦場で逆らう者をいじめきった高揚感から屍と瓦礫の上で高笑いを上げた。
272 くま☆さーもん 夕露美維兎、ロボロン勇者トロナ、大海ミリア、大海舞菜、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマンアイリスフィア・フォン・プリズムアーク、楽雅、ヒグマーマン、羽田桜、郷里沙織、夕露美維兎、ミーティア、御神薙立華真道阿須賀
学園から十字架施設に向かう学園の対主催一行。
道中の隠れられそうなスーパーを見つけたので、夕露らは非戦闘要員である沙織や桜はここに置いていく予定だったが、この殺し合いで安全な場所などないことと自分たちも何の役に立てるかもしれないと拒否し、共に向かうことに。
ヒグマーマンは沙織と桜はヒーローとして自分が守ると仕草で仲間たちに伝える。

桜(熊が……ヒーロー……??)

しかし腹が減っては戦ができぬのか、ヒグマーマンはスーパーにあった鮭を平らげるために数分ほど学園組は足止めされることになる。
273 サイレント・ヒル ディスメラ・スイートジョージ・ラングセン
隠れ家と後にしたジョージとディスメラ、ブッチャーは巨大十字架の近くまで来ていた。
そして中継用のカメラをセットする。
ブッチャーのエネルギー残量の都合上、戦闘はできそうにないので今回は撮影だけをして工場に帰還するつもりのようだ。
ディスメラは仲間を殺された恨みから撮影に集中していて隙だらけのジョージを殺したい衝動に駆られそうになるが、ブッチャーが見張っていたのとモリアーティ一行が考える計画を知るためにもグッとこらえた。
274 逃げてばかりの自分に 岬朔郎
とうとう学園長まで犠牲になったことにショックを受ける朔郎。
セータームーンから渡されたぬいぐるみによって危機は回避されるが、危機を避けてばかりで良いのかと考え始める。
275 Code: fish in troubled waters 田山秀雄
巨大十字架からやや離れた小高い山に田山が陣取る。
そこから多くの参加者が十字架に向かっていることに気づき、乱戦中に投球による狙撃で自分にとって危険な参加者を減らす漁夫の利作戦を思いつく。
もっとも、満身創痍の田山ではそれぐらいしかできなかったが……
276 MASK 追田真実、クライヴ、Deus、狩野光流、ジョン・ウェイン・ゲイシー、サキュバス、リエル・リュシエール
追田とクライヴは早くもDeusとその取り巻きを補足した。
さっそく追田は潜入を開始し、クライヴは物陰から隠れて様子を伺う。
ちなみに追田は支給品として異能の力を検知するセンサーを持っている――センサーが反応すればクライヴは異能者でありロボディで対処できるようになる、反応しなければ単なるペテン師であるということだ。
信者のフリをして偽装した追田はDeusの信者を見るとかつてクライヴによって顔面を傷つけられ顔面グチャグチャの狩野がいた。
だが狩野自体は傷は治ったと言い張っているが、次にDeusは「よく見ろよ、傷は治ってんだろ?」と言うとアラ不思議、狩野の顔は元通りになっているではないか。
しかし異能センサーは一切反応していない……目の前で奇跡じみたことがあったのにどういうことなのか?
一瞬、神の奇跡を信じかけた追田だったが、ここで彼は閃き、神を名乗る者の真実に気づいた。

――反応しない異能センサー Deusに言われた瞬間に治った狩野の顔 使用する武器はただのマシンガン――

(……そうか! そういうことだったのか!)

だがこの直後、何かに気づいたDeusは追田に銃口を向けて発砲。
信者にはこいつには自分への信仰心がなかったと説明して納得させて十字架に向かうことにした。
さらにDeusは追田の潜入からミーティアや学生たちと関わりを持っている教師の狩野を対主催集団に潜入させて、油断しているところを彼の能力である目からビームで一掃する企みを思いつくのだった。

Deus一行が去った後にまだ息があった追田を助けようとするが、既に手遅れであった。
「墓石に煙草を備えてくれ」という遺言と死ぬ間際までに書いたDeusの力の正体に関する資料をクライヴに渡し、真実を追った探偵は息を引き取った……同時刻、リエルが隠れていた場所では追田がコーヒーを飲むのに使ったマグカップがひとりでに割れ、リエルの不安を煽った。

クライヴは追田から渡された資料を読むが、そこには衝撃の真実が記されていた。

――Deusは神ではない、異能を持たぬ無能力者であると。
277 隠し砦の将 織田信長
敗走した信長が逃げ込んだ先は複数のロボディが配置された秘密基地であった。
これだけあれば香織とロックスに対抗できるかもしれないと考えたが、どの機体も燃料が入っていないことに気づく。
打倒セラフィムやマーダー、主催との戦いに備えて燃料を探すことに。
278 冒険の書はまだ消えていない 勇者ザコット
放送からディスメラがまだ生きていることを知り、上手くジョージに取り入ることができたと悟ったザコット。
傷が癒え次第、自分も対主催のために動こうと考える。
279 太陽はまだ遠く 桜井カリン時軸未色、水本拓哉、司空敢為
学園長が犠牲になったことに嘆く水本はロボディを使って単身で十字架施設に向かおうとするが距離が開きすぎてる上に、まだ夜明け前で暗く、夜襲を受けたらどうするのかとカリンになだめられ、夜明けを待ってから動くことを薦められる。
カリンとしてはセラフィムの建てた十字架には魔人が集まるので、乱戦で疲弊したところを一気に討つつもりであった。
未色と水本はそれに気づかずに賛同したが、心の色が見える司空ただ一人はカリンに疑いの目線を向けたままだった。
280 勇者の休息 A4
休息タイムに入ったA4。魔物(人間)退治にも休息が必要なのだ。
体力が回復次第、遠くにある十字架状ダンジョンを目指すつもりで勇者は眠った。
281 朝は寝床でぐうぐうぐう 千太郎勅使峰碧
生存を半ば諦めて引きこもりと化した同居人の千太郎に呆れる勅使峰。
ふと千太郎の支給品の中にカメラ付きのドローンを発見したので参加者探しや首輪解除のヒント探しも兼ねてドローンを飛ばすことに。
282 ただいま会議中 魔人モリアーティ、八雲柊、鈴木幸四郎、レイ=ラグナウッド
十字架施設に向かうモリアーティ一行。
その道中でモリアーティと柊は互いに考えた『例のゲーム』のシナリオを見せ合い、改良点を語り合う。
その近くに隠れ潜んでいたレイは彼らの口から『首輪にまつわるもの』『会場にあるに三つの施設』『ライヘンバッハ』までは盗み聞きすることに成功する。
実はモリアーティはレイが隠れていることに気づいていたが、ゲームを盛り上げるためにある程度までの情報までは漏らしていた。
283 戦乱の匂い 真崎洸、魔人ウロボロス、魔人メネス、アリスター・フィル・リリーホワイト
魔人の三人と斥候に出ていたアリスターが合流する。
アリスターに十字架内の情報をもたらされるも、とても善人とは思えないアリスターや、メネスのセラフィムを倒す気はあっても香織を救う気はない言動に洸は眉をしかめる。
そこで洸はウロボロスに、メネスが香織や対主催を殺そうとする素振りを見せたらメネスたちと戦うことを耳打ちする。
ウロボロスとしては後に敵になるかもしれない魔人相手とはいえ、裏切りという卑怯な真似はしたくなかったが……
284 The calm before the storm 回縞ロックス、久世香織
一夜を明かしたロックスと香織は、二人で闇鴉の修復作業に移っていた。
ついでに闇鴉の肩に香織の描いたエンブレム・ペイントが刻まれる。

香織「これはね、神様を乗せた戦車で『メルカバー』っていうの」
ロックス「知らなかったぜ、神様も戦車に乗るのか」
香織「私にとっては神様よりロックスの方が尊いけどね」
ロックス「こいつめ、また抱いちゃうぞ」

それは穏やかな時間であったが、夜も明けた以上はすぐにでも魔人や他の参加者が巨大十字架施設に攻めてくるだろう嵐の前の静寂であった。

男の愛が、女の希望が、巨大な十字架の中で、育まれる。
二人はゆだねた、姿現さぬ運命の支配者に。
やがて破られるであろう、しばしの安息を。
次回。グレート・ウォーの幕が開く。
285 聖戦 アポカリプト 真崎洸、魔人ウロボロス、魔人メネス、アリスター・フィル・リリーホワイト、魔人モリアーティ、八雲柊、鈴木幸四郎、回縞ロックス、久世香織、楽雅、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク、夕露美維兎、ロボロン、勇者トロナ、大海ミリア、大海舞菜、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、ヒグマーマン、羽田桜、郷里沙織、ミーティア、御神薙立華、真道阿須賀、田山秀雄
太陽が昇り、メネスが太陽の加護を十分に得られるようになったところで魔人三人衆は十字架への侵攻を開始する。
しかしそこでばったりとモリアーティ一行と接触してしまい、洸は仲間である学園組を傷つけられた怒りから先制攻撃を仕掛けてしまい、そのまま小競り合いに発展してしまう。
その争いに気づいた香織とロックスが十字架から出撃し、ロックス・香織VSモリアーティ組VSメネス組の大乱戦が始まってしまった。
まずはロックスは手始めに洸をロボディのバリアを使って異能を無力化させつつ、格闘攻撃で潰そうとする(殺そうとしている魔人が洸だとは気づいていない)。
そこへ一機のロボディが妨害に入り、洸を守った。
それは雅が異能の力でアイリスフィアを核に生み出したロボディ・魔造機イカロスである。
雅機に続いて学園組の大集団も殴り込みをかけるも洸による事前情報があった香織はともかく、ロックスも彼女に賛同していたことに学園組は驚愕する。
夕露や真道を中心に学園組の者たちががロックスと香織の二人を説得しようとするが、今ある世界を二人で壊して作り直すと言い張り、理想の邪魔をするなら一時的に死んでもらうと言って決裂する。

画して大乱戦は大混戦へと発展した。
一方、遠方の小高い山の上では田山が戦いを高みの見物をしていた。確実に潰すべき敵と潰せる瞬間を見極めるために。
286 聖戦 GOD OF WAR 楽雅、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク、回縞ロックス、久世香織、魔人メネス、アリスター・フィル・リリーホワイト、真崎洸、魔人ウロボロス、魔人モリアーティ、八雲柊、鈴木幸四郎、夕露美維兎、ロボロン、勇者トロナ、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、ヒグマーマン、御神薙立華、真道阿須賀、Deus
雅はロボディ戦なら任せてと、香織やそれ以外のマーダーを他の仲間に任せて空でロックスとの一騎打ちに専念する。
ロックスという最強の盾を引き離されてしまったセラフィム香織だが、それでも十字架によって集めたエネルギーを使用することで敵対者に猛威を振るう。
しかし太陽の加護を得たメネスも凄まじいパワーを発揮し、香織と勝るとも劣らぬ戦いをする。
だが戦いの余波は学園組にも響いており、エジプト国民ではない者の配慮は一切しない攻撃に洸は怒り心頭。
加えてあくまでもセラフィムを殺さなければならないと主張するメネスと香織を殺すつもりはない洸で対立が起き、仲違いが起こることで戦いは更に混迷を深める。
その最中、新たな乱入者としてDeusが単身で戦場に現れた。
なんだこいつは? とこの場にいる全ての者が疑問に思ったが、その直後にDeusは香織とメネスにマシンガンを乱射すると皆中し、この場で最大級の戦闘力を持っていた魔人の二人に決して軽くはないダメージを負わせ、全ての者を仰天させた。
287 聖戦 寂しい羽、重ねて 回縞ロックス、楽雅、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク
空で繰り広げられるロックスVS雅、アイリスフィアのロボットバトル。
クラスメイトでありライバルであり仲間であるロックスを止めようとする雅だったが、ロックスは香織のセラフィムの力を使えば世界を作り直して死んでしまった弟のみならず、羅天のようにこの殺し合いで死んだ者や、浄化杜による江洲衛府島の紛争さえなかったことにできるのだ。
悲劇をなかったことにして何が悪い、死んじゃいけない善い奴を生き返して何が悪い、たった一人の肉親を取り戻して何が悪いと叫んだ。
紛争で友達や生徒を失っている雅とアイリスフィアは、かけがえのない人々の喪失を極端に嫌うようになったロックスの気持ちは察しつつも、香織はまだしも彼女の中にいるセラフィムは信用できないことや、妄執に囚われているロックスの理想を否定し、戦うことで救おうとする。
雅の乗るイカロスは飛行能力・機動性・運動性では最新鋭機であるロックスの闇鴉をも上回っており(総合火力では劣る)、本来、異能で産まれたこの機体もロボディの異能バリアに触れてしまうと消えてしまうが魔術師であるアイリスフィアの放つ特殊な魔力によって中和されてバリアを短時間無力化することが可能である。
まさにロックス・香織を救いたいという雅・アイリスフィアの気持ちが詰まった機体と言えた。
そして砲撃戦を得意とするロックスと天才的な格闘戦センスを持つ雅の戦いは熾烈を極め、闇鴉の銃撃が、イカロスの斬撃が、互いの装甲を削りあった。
288 聖戦 Dは神なのか? Deus、久世香織、魔人メネス、アリスター・フィル・リリーホワイト、真崎洸、魔人ウロボロス、魔人モリアーティ、八雲柊、鈴木幸四郎、夕露美維兎、ロボロン、勇者トロナ、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、ヒグマーマン、御神薙立華、真道阿須賀、楽雅、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク
突如乱入してきたDeus一人に、十字架に集まった参加者たちは苦戦を強いられる。
魔人たちの攻撃が全てDeusの横をすり抜け、銃撃も打撃も異能攻撃もDeusに届かない。
力だけならず、あらゆるモリアーティ・柊の策略、あらゆる夕露の作戦をも用いるが全く効果がなく、Deusの能力の正体を掴めないまま、武装はマシンガン一丁にも関わらずにダメージだけが蓄積されていく。

そしてモリアーティに迫る弾丸……それは柊によって庇われたが、柊自身はこれにより致命傷を負う。
普通の銃ならモリアーティはどうとでもできるが、柊には神々しいDeusの持つ銃が普通の銃には見えず、今後の為にモリアーティを失うわけにはいかないと判断したための献身であった。
Deusの能力の正体が掴めない以上はやむを得ないと、モリアーティは鈴木と死に体の柊を連れて戦線離脱する。

さらにDeusが適当に銃を乱射していただけでロックスの攻撃で剥がれた装甲の僅かな隙間から銃弾が侵入し、雅機の生体部品になっていたアイリスフィアに直撃してしまう。

アイリス「ぐっ!」
雅「先生!?」
アイリス「雅! 構わず戦い続けて!」

アイリス「今度は・・・救うんだ、あの時救えなかった子供たちを・・・・・・」

Deus一人に次々と深手を負わされていく参加者たち……
彼らは本当に神を相手にしているような得体の知れない恐怖を感じざる負えなかった……
289 聖戦 最終鬼畜唯一神Deus Deus、久世香織、魔人メネス、アリスター・フィル・リリーホワイト、真崎洸、魔人ウロボロス、夕露美維兎、ロボロン、勇者トロナ、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、ヒグマーマン、御神薙立華、真道阿須賀、ジョン・ウェイン・ゲイシー、サキュバス、レイ=ラグナウッド、魔人モリアーティ、八雲柊、鈴木幸四郎
Deus「あ、さ、じゃあ全ての毛皮刈ってきて、ハイ、ヨロシクゥ!」
ヒグマーマン「!?」

メキメキ ブシャアアアアアアアア

襲いかかってきたヒグマーマンすら軽くあしらうように、言葉を発しただけで全ての皮を剥がして瀕死の重傷を負わせるDeus。
神を名乗る者を拷問したいと己を抑えられずに突出したアリスターも、拷問器具の召喚能力が暴発してダメージを負い、逆に拷問されて芸術品のように仕立て上げられてしまう。
出し惜しみはまずいと思った香織がセラフィムの力と十字架で集めたエネルギーを一挙に解放することでDeusを仕留めようとするが、その前に十字架の内部にワープ能力を使って侵入したゲイシーとサキュバスの工作によって巨大十字架を爆破されてエネルギーを得られなくなってしまいパワーダウンを起こす。

Deus一人に壊滅の危機に陥った参加者たちだが、そこへ神気取が気に喰わないと魔族であるレイが参戦する。

レイ「僕ら魔族からすれば神は不倶戴天の宿敵
それをこんな簡単に名乗ってもらっちゃ困るんですよねぇ、面子的に」

しかしレイ一人参戦したところでDeusの優勢は揺るがない。
だが、レイはDeusから魔力や異能の類は一切感じ取れないところから、Deusは実は無能力者で何らかのトリックを使っていることにいち早く気づき、学園組のリーダー格である夕露にそれを伝える。


一方その頃、戦線離脱したモリアーティ一行だが、致命傷を負った柊の体は既に限界であった。

柊「私の教え子に今の光景を見せれば面白い本が創作されたでしょうね」
鈴木(この感情…これが怒りというものなのか?)

柊の喪失はモリアーティにとっても惜しい者を失ったと嘆かせた。
特に仕事仲間の死に鈴木が今までとは違う空虚感を感じていた。本人も自分がこんな感情を抱けるとは驚いていたようだが……
そして亡くなった柊に変わってモリアーティと共に柊の遺した物語を実行に移すことを鈴木は決める。
290 聖戦 ブラックホーク・ダウン ミーティア、大海舞菜、大海ミリア、羽田桜、郷里沙織、ヒグマーマン、狩野光流、夕露美維兎、クライヴ
学園組の後方、ミーティア・舞菜のような後方支援要員と沙織・桜・ミリアの非戦闘要員は重傷を負ったヒグマーマンの手当に追われていた。
泣きじゃくりヒグマーマンに寄り添う沙織だったが、ここで彼女たちは違和感に気づいた。
ヒグマーマンは皮を全部剥がされたハズなのに触ると肉の感触ではなくモフモフした毛皮の感触がするのだ。
どういうことなのかと疑問に思ったミーティアたちの前に狩野が現れる。
助けにきたと愛想よく笑う狩野に、助けがきたと信じたミーティアたち。
……しかし狩野の顔は怪我でも負ったのかグチャグチャ、さらに他人から執拗ないじめを受けて生きてきた沙織と桜は狩野の目を見て嘘をついていると直感的に悟った。
そして油断しきったミーティアたちに不意打ちの目からビームを浴びせて殲滅しようとした狩野だったが、とっさの判断で桜は自分の髪を切って狩野に浴びせて能力を発動。爆竹のように弾けた桜の髪の毛によって狩野のビーム攻撃は不発に終わる。
狩野はこの直後に騒ぎを聞きつけた夕露によって射殺されるが、死ぬ直前に顔面を治してくれたDeusへの恩と信仰を口にしながら逝った。
顔が治っていないのに治してもらったと言った狩野の言葉の矛盾に気づいた夕露。
その時、夕露たちの背後に一人の男が立っていた。

クライヴ「また会ったな、ブレーメンズ……」

男の片手には、Deusの正体に関する資料があった。
そしてDeusを殺すために手を組めと彼は言った。
291 聖戦 真実と虚偽のラグナロク Deus、ジョン・ウェイン・ゲイシー、サキュバス、レイ=ラグナウッド、夕露美維兎、クライヴ、ロボロン、勇者トロナ、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、ヒグマーマン、御神薙立華、真道阿須賀、ミーティア、大海舞菜、大海ミリア、羽田桜、郷里沙織
魔族であるレイをも神の奇跡で焼き払ったDeus。
狩野の失敗に感づいたDeusは学園組を一網打尽にすべく、彼らの後方へと攻め込む。
それを阻止するために真道がDeusに殴りかかるが、超人的戦闘力を持ってしても通じず、むしろ腕の方が真っ二つに裂けて出血多量の重傷を負う。
真道自体は立華のフォローにより戦線離脱したが、ヒグマーマンに続いて戦力を失った学園組は苦境に立たされ突破を許してしまう。

だがサキュバスとゲイシーと共にDeusが後方に攻め込むと、そこにはかつて仕留めそこねたクライヴが資料を持っていた。
それは追田が見つけた「Deusの能力の真実」である。
Deusの能力の正体は動画サイトでも“神”と称えられるようになった原因である『神だと誤認させる印象』とただの『運の強さ』である。
その運の良さと印象のせいで、実際は何の力もない一般男性なのに関わらずちょっと親切にすると神の慈悲と騒がれ、勘違いが広がり続けていただけのこと。
例えば傷を治したように見えたのも、実際は治ってないにも関わらず、印象のせいで神っぽいから治ったと周囲が錯覚するのである。
だがこれは決して異能ではない……他人に自分を神だと思い込ませる印象に特化した『進化』なのだ。
オリロワ世界では拳や筋肉だけで強力な異能者にも引けをとらない戦闘力を持つに至った進化を遂げた者もいる。
Deusの場合は、擬態動物のように周囲を自分を神だと誤認させて畏れさせる進化を遂げてしまった人間なのである。
今まで敵対者の攻撃が届かなかったのも畏れから外してしまうだけであり、そこに生まれついての強運の要素が加わればDeusを本当に神だと誤解する悪循環が生まれるのだ。
Deusの正体はそれらを利用して神を気取っていただけの無能力者、異能判定されない異能じみた詐欺の才能の持ち主だったのだ。

クライヴにタネを暴かれたDeus。それでも自分への畏れを捨て去ってない限りは自分を倒すことはできないと自負するDeusは強気に出るが……

Deus「種を暴いたところで君たちには神である俺を殺すことなんて」
トロナ「快・心・撃!」
ロボロン「ガンズ!ガンズ!ガンズ!」

最初に仕掛けたのは勇者トロナの斬撃とロボロンによる砲撃。
一人と一機の攻撃に頬を掠める程度であったが初めてダメージが入ったDeusは焦る。

Deus「な、にぃ!?」

ダメージこそ僅かだが、これはDeusは神の力を持っていない、畏れさえ持たなければ倒せるという証左であった。
直撃は受けなかったところからして確かに強運の持ち主ではあるようだが、百に一つの攻撃が届かないほどの強運は持ってないようだ。
さらにDeusの神の力は嘘であるとわかったヒグマーマン、レイ、真道、その他の学園組の面子が復活。
皮を剥がされたのも、神の奇跡で焼かれたのも、腕が裂けたのも全てただの思い込みによる錯覚……銃で受けた傷以外は虚構だったのである。
化けの皮ならぬ神の皮を剥がされた悪漢Deusの額から夥しい冷や汗が流れる。

Deusの虚飾、虚構がすべて剥ぎ取られたのを見て夕露とクライヴは勝利を確信する。
真実を持ってきたクライヴに夕露は敵同士でありながら彼にお礼を言いつつ、前に殴られ活入れられた返礼として倍返しと言わんばかりに顔面を殴り返した。

クライヴ「勘違いするな、私は同志であるヒュナスの仇を――はぶあ!?」
夕露「悪いが私は一発殴れらたら殴りかえさないと気がすまないタチでね。
   貴様とは敵同士だが、情報支援を感謝するぞ、浄化杜の糞虫」
クライヴ「……無事に己を取り戻せたようだな、異能者の豚め」
292 聖戦 偽神を討つ、白銀の意志 Deus、ジョン・ウェイン・ゲイシー、サキュバス、レイ=ラグナウッド、夕露美維兎、クライヴ、ロボロン、勇者トロナ、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、ヒグマーマン、御神薙立華、真道阿須賀、ミーティア、大海舞菜、大海ミリア、羽田桜、郷里沙織
神ではないと暴かれたDeusは最後の悪足掻きとして怪物化する霊薬を飲み、高性能ロボディ並の図体と戦闘力を持った怪物――悪魔へと姿を変え、先に真実を暴かれて混乱する信者のゲイシーとサキュバスを邪魔だと吹っ飛ばし(この時、ゲイシーがワープ魔法を使わないと二人は踏まれて死んでいた)学園組に戦いを挑む。
ただの運が良いだけの一般人から怪物になることで戦闘力を格段にアップさせたDeusであり、それは力に優れたヒグマーマンが捕えられるほどであったが、勇気を振り絞った沙織がヒグマーマンの口に向けて銘菓『白い恋人』を投げて食べさせることで北海道パワーが漲り、体力を回復させ、Deusの腕を木っ端微塵にする。
更にそこから沙織から夕張メロンをもらい、強大な北海道パワーを得たヒグマーマンは強化形態・スーパーヒグマーマンに進化する。
デザインが某仮面ライダーのメロン兄さんっぽいのは秘密だ!

ヒグマ<ヴォー(沙織ちゃんありがとう)

スーパーヒグマーマンのパワーは怪物化したDeusを遥かに上回っており、北海道パワーで一方的にボコボコにしていく。
さらにDeusはお礼参りとして真道とレイに渾身の一撃を叩き込まれてボロボロになり、見苦しく命乞いをするもヒグマーマンに容赦ないヒグマブリーカーをその身に受ける。
死ぬ間際にDeusは信者たちに助けを求めるが、彼が神ではないと知った上に先程傷つけられた件からゲイシーとサキュバスは信仰を捨て、彼を見捨てて逃走する。
そして真実にたどり着いた者たちの手によって神を気取った詐欺師の野望と体は潰えた。

神であるというのは、ほんの些細なきっかけから始まった偶然の塊に過ぎなかった。
本人の悪運の強さが奇跡として扱われて、いままでは神としての地位を維持し続けていたが、ここにきて虚構がはがれたことによって積み重ねてきた信仰が崩れてしまった。
神である以上信仰は命みたいなものだから弱体化は免れない……例え、本物の神ではないとしても信仰を失えばいざという時に助けてくれる信者もいなくなるのだから意味は同じである。

Deusの奇跡(錯覚)を打ち破る攻略の鍵はパワーでも異能でも知略でもない。

神にも欺かれない覚悟を持つ心の強さだったのだ。
293 聖戦 Titanfall 回縞ロックス、楽雅、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク、夕露美維兎
地上でDeusとの決着がついて間もない頃に、空での戦いも決着がつきかけていた。
お互いに被弾し装甲がボロボロのイカロスと闇鴉。どちらかに一撃が入れば確実に決着がつくであろう。
そこへ闇鴉に乗るロックス宛に地上の夕露からの通信が届く。
それはロックスに正気に戻って欲しいという言葉と、自分の通信の不手際によって弟を死なせてしまったことへの謝罪であった。
だが、ロックスはその言葉を聞き入れない……それはロックスが未だにモリアーティによって作られた夕露への恨みを抱いているからではなく、香織についていくことはかけがえのない人々や日常を取り戻す最後のチャンスであり、世界をやり直すことで弟のような守れなかった者たちへの償いであるからだと述べた。
そして自分に尽くしてくれた香織の気持ちを裏切りたくないから、俺は香織についていくとも言った。。
語る瞳はかつてのトラウマを抱えて自分の殻に引きこもっていた少年ではなく、確固たる意思をもって突き進むことを決めた男の瞳であった。
……しかし彼の突き進む道は修羅の道。雅とアイリスフィア、夕露は彼の意志は理解しつつも、その道を阻むことを決めた。

そして夕露の指揮によるバックアップを受けた雅のイカロスと、香織と共に堕ちることを決めたロックスの闇鴉による二つの翼が最後の衝突をする。

――勝ったのは僅差で剣が届いたイカロスだった。
剣に貫かれた闇鴉が地上に墜落するが、コクピットは幸いにも無事であった。
それは雅の優れた格闘戦の技量とイカロスの性能、彼を救いたいという三人の女の意志が結びついた結果であった。
294 聖戦 ラブ&デストロイ 回縞ロックス、久世香織、魔人メネス、魔人ウロボロス
地上に墜落した闇鴉から脱出するロックス。
そんな彼の目の前に十字架が破壊された結果、パワーを発揮できなくなりメネスとウロボロスに叩きのめされた香織であった。
機体を失ったロックスでは魔人には太刀打ちできない、そして愛する彼を守るために香織は彼を逃がすことを決める。
「大丈夫、セラフィムには全員やっつけられるだけの切り札があるよ。
威力が高すぎてロックスを巻き添えにするかもしれないからできるだけ遠くへ逃げて」
中々逃げようとしないロックスに嘘をつき、彼女の優しい嘘に騙されたロックスもようやく逃げ出す。
その後に香織を追ってきたメネスの影が迫り、香織は最後の力を使って挑もうとする。


「我が名は'魔人'セラフィム――久世香織」
「愚かにも『審判』に歯向かおうとする愚かな罪人よ、私はここに『裁き』を下してやろう!」

(ごめん、ごめんね。私、もうロックスとお別れになるかもしれない)
(でもね、ちょっとでもね、あなたの恋人でいれてよかったと思ってるんだ)
(たとえそれが刹那の幸せであっても、たとえそれが一炊之夢であっても)
(私にとってはそれだけで十分だったから――それだけでも私は幸せだったから)

「さぁ、かかってくるが良い!」(――たとえこの身体が壊れてでも、私はあなたを守ってみせる!)

その香織の立ち向かう勇姿をメネスは認めつつも、太陽の力をもってメネスは排除しようとする。

「よくぞ吠えた'魔人'セラフィム――久世香織。ならばこちらも礼をもって返さねばなるまい」

「我が名はメネス、天空神ホルスより玉座を賜りし始まりのファラオである」

「天を見よ! 余に力を与えし太陽神ラーが貴様の最期を見届ける神となる!」

「では始めるぞ、余の全霊をもって――貴様を処刑する」

魔人二人による決戦が始まった。
一方、ロックスは逃げる道中でウロボロスと鉢合わせしたが、ウロボロスは彼を逃がし、メネスとセラフィムとの戦いにおいても傍観を決め込んだ。
実はウロボロスはロックスを逃がそうとする香織とのやり取りを目撃しており、全てを殲滅できる切り札も嘘であると見抜いていた。
それでも恋人を守るために勝てない戦いを挑むセラフィムの姿にいつぞやの姉妹を思い出し、本来なら殺すべき彼女への闘志を確実に鈍らせたのだ。
295 聖戦 少年ハート 回縞ロックス、アリスター・フィル・リリーホワイト、楽雅、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク、真崎洸
この場から脱出するハズだったロックスだったが、逃げ切る直前に香織の嘘に気づく。
切り札があるのならどうして今まで自分に教えず、大量の集団が攻めてきた時点で使わなかったのか?
闇鴉のバリアがあればたいていの異能攻撃は防げる上に、飛んで空に退避すれば攻撃も避けられるハズだ。
先ほどの言葉が自分を逃がすための嘘だと気づいたロックスは闇鴉の墜落現場に戻り、大破した闇鴉を再起動させようとする。
香織を守るためにはどうしてもロボディの力が必要だった。

「・・・・・・・・・・・・くぅ、すまねぇ、香織、ラップス。
俺、馬鹿だから・・・・・・」
「頼む、たったの10秒で良いんだ!
あの娘のために動けよ、動いてくれ。
動けえええええええええ!!!」

だが現実は非情である…ロボディは起動しなかった。
さらに運の悪いことに、ロックスの背後にはDeusによる拷問から解放されたアリスターがおり、ロックスを拷問処刑せんと迫る。
しかし、雅の乗るロボディ・イカロスの剣がアリスターを真っ二つに切り裂いた。
アリスターはロックスを拷問できなかったことを悔やみながら死亡する。
雅たちに助けられキョトンとするロックスだったが、そこに魔人Fの姿をした洸も現れ、共に香織を救いに行こうと言っていた。
さっきまで敵同士で殺し合った仲で、ロックスは複雑な気分であったが、ロックスは香織を救うために見苦しいとはわかっていながらも雅や洸の手を借りることにした。
296 聖戦 女たちの戦争 久世香織、魔人メネス、回縞ロックス、楽雅、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク、真崎洸、夕露美維兎、クライヴ、ロボロン、勇者トロナ、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、ヒグマーマン、御神薙立華、真道阿須賀、レイ=ラグナウッド、魔人ウロボロス
香織「ろっぐず……ま゛っで、で、……わたじ、あ゛な゛だのこと、まも゛っ゛で……」

一人孤軍奮闘していた香織であったが頼みの綱である十字架を失い、太陽の加護を最大限に得た魔人メネスを相手にできるレベルではなく、ほぼ一方的に叩きのめされていた。
ロックスたちが現場に到着した頃には、片目片腕喪失、綺麗だった羽も所々千切れてボロボロ、脇腹あたり思いっきりえぐられ大量出血。
所々に破片が刺さった傷やら火傷の傷やら、スフィアも全部消滅して防御力皆無。
それでも気力と愛すべき人のためという想いだけで何度意識がぶっ飛びそうになろうとも戦おうとする香織の姿に雅とアイリスフィアにすら「もうやめて!」とメネスを本気で止めに来るほどであったが、イカロスと洸もあっさりと弾き飛ばされてしまう。
そして香織にトドメを刺そうとするメネスに、周りの制止を振り切って香織を守るために生身でメネスに突っ込んでいったロックス……人間程度の脆い盾ではメネスの攻撃は防ぐことはできない。それでも――


(ようやくわかったよ、俺が弟の死を認められない弱い男だから香織もみんなも傷ついたんだ。
俺の我が儘のせいで皆が振り回されていたんだ。
そして香織は身勝手な俺についてきただけだ、彼女に罪はねえ。
皆への、香織への償いをしなけりゃ、カッコ悪すぎてラップスの兄貴を名乗る資格がねえだろ!)

――それでもロックスはメネスから香織を庇おうとする。

メネス「余の前に立ちはだかる者は、誰であろうと許しはせぬ!」
雅「危ないっ!」
ロックス「…………雅?」

メネスの攻撃が来ると思い、死を覚悟して身構えるロックス。
しかしロックスに攻撃は来ない。
目を開けると、自分の代わりにイカロスが……パイロットの雅が真っ二つに切り裂かれていた。
友の死にロックスは嘆きの叫び声を上げた。
雅自身は紛争の時にはできなかった友を守ることができ、友のために死ねるなら本望だと思い、上半身と下半身が泣き別れになってもロックスが正気を取り戻しかけていたことの方を喜び、機体の爆炎に消えていった。

爆散した機体の中から、ロボディの部品と化していた瀕死のアイリスフィアが雅の死によって能力が解除されると同時に飛び出し、意表をつかれたメネスに向けて全魔力と命を引き換えにした魔力の剣を叩き込んだ。
青空教室の悲劇を回避して今度こそ自分の手で生徒を守るという意志を抱きつつ、Deusに負わされた傷も加えてアイリスフィアは消耗で死亡する。
残りの学園組の面子が遅れて現場に駆けつけるが、そこにはロックスら生存者の他に、イカロスのものであったと思われる爆発痕と穏やかな表情で死んだアイリスフィアの死体、怒りに打ち震えるメネスであった。
アイリスフィアの一撃で小さくない傷を負い、エジプトを滅ぼしかねないセラフィムを守ろうとするメネスは学園組をエジプトに刃向かう敵と認定する。
しかしここでメネスの前に立ちはだかったのは、ロックスを救おうとする学園組の意志に感服したウロボロスだった。
彼は先の戦いで負傷している学園組を下がらせ、一体一でメネスに挑む。

そして繰り広げられる常識を超越した魔人同士の戦い!
297 聖戦 太陽神と無限の龍 魔人ウロボロス、魔人メネス
メネスの太陽の力と、ウロボロスのやきうの力。
それは装甲を持つロボロンが盾にならなけらば余波だけで人間が吹き飛びかねない戦いだった。

メネス「太陽神の加護を受けた我にはそのような玉遊びなど・・・・・・!?」
ウロボロス「メネス、否、ファラオよ、貴様は確かに王としては優れている。それは認めよう。
しかし、貴様はあまりにも自国以外のことを見なさすぎだ」
メネス「打ち上げた無数の玉で空を隠しただと!?
これでは太陽の加護を受けられん!」
ウロボロス「世界は広い、野球は奥が深い。それを教えてくれたのは野球の王・キングだった。
野球を玉遊びと決して舐めるな、ファラオ!」
メネス「単なる玉遊びだと思っておったが、おのれこのような時でなければ興じたかったものを…!」

熾烈な戦いの中でメネスは太陽の加護を受けて強くなる特性を知ったウロボロス。
ならば太陽の光を浴びさせなくさせてしまえば良いと、ウロボロスは成層圏までボールを打ち上げ、太陽の光を一時的にシャットダウンさせる荒技・新奥義「ドラゴンボール」を放ち、優勢に立つ。
メネスの趣味は異国文化について知ることであったが、やきうの奥深さまでは知らず侮っていた故の失敗であった。『趣味』のレベルでは本当に知ったうちに入らないのだ。
太陽の加護を受けられないチャンスを逃さず、ウロボロスは長王から伝授された技を徹底してメネスに叩き込む。
敵の視界の死角をついで確実に攻撃を避ける『夢想盗塁』
生半可な攻撃なら威力倍増で投げ返せる『波動送球』
何百球でも精密に攻撃を当てるカウンター技『白金制球』
人類が磨いてきた野球文化の力がメネスの身に放たれ、最後に究極奥義「沙世鳴羅場外家走」が炸裂する!

バット一本で、偉大なるファラオ・魔人メネスは会場の端まで飛ばされた。
ウロボロスの完全勝利であった。


だがウロボロスを待っていたのは、勝利への賞賛ではなく、自分たちが戦っている間に何者かに野球ボールで胸を貫かれた香織と、嘆き悲しむロックスと学園組の面子であった……
298 聖戦 天使の嘲笑 田山秀雄、久世香織、回縞ロックス、真崎洸、夕露美維兎、クライヴ、ロボロン、勇者トロナ、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、ヒグマーマン、御神薙立華、真道阿須賀、レイ=ラグナウッド、ミーティア、大海舞菜、大海ミリア、羽田桜、郷里沙織
時間はウロボロスとメネスが決闘をしている間にまで遡る。
香 織 を 狙 え――そのような幻聴らしき声を隠れていた田山は聞いていた。
何が何だかわからなかった田山だが、確かにセラフィムの力は強大であることは他の参加者が戦っていた裏で見ている。
もし対主催になってもマーダーになっても力を取り戻されたら田山の障害でなることは明らかであり、田山は声に従って投球による香織の暗殺を決意し、消える魔球を投げた。
ロックスと学園組は魔人二人の戦いに集中していたばかりに魔球に気付かなかったが、魔人である洸だけは田山の攻撃に気づき、香織を守るべくボールを防ごうとした。

しかし、そのボールは洸が弾く寸前にカーブする変化球でもあった……洸の防御も虚しく、香織はボールに貫かれて胸もとにぽっかりと穴の空け、ロックスと学園組が唖然とする。

するとセラフィムの意志と力が、香織の体から分離したかと思いきや、それらが香織を殺した田山に吸収されセラフィムのような翼とスフィアが田山に付随された。
魔人セラフィムが田山の口を借りて真実を語りだす。
自分は人類粛清の邪魔になる香織が邪魔で、以前からセラフィムの力を受け継げる者を探していた。
この十字架での戦いそのものも、本当は継承者を探すためのテストでしかなく、十字架も参加者が集まるようにわざと遠くからでも見えるように大きく作ったのだと、全てはセラフィムの手の内で踊っていたのだ。
選別の結果、香織より優れた肉体を持ち、人類に恨みを持つ田山という乗り換え先が現れ、田山も人類及び自分を馬鹿にした淫○民の粛清できるならそれもよしと乗り気であり、セラフィムの絵図通りに事が運んでしまったのだ。
更に香織を通してロックスに話した人類粛清後の世界再創造は全てデタラメであり、香織とロックスを騙すための方便にすぎなかった。
全人類粛清後に不完全で愚かな人類を再生したところで意味はないと吐き捨てる。

セラフィムとして新生した田山はすぐには肉体と力が順応しないためか、この場では逃走することに決め、天使の羽を羽ばたかせて離脱した。
その際に田山かセラフィムかその両方の言葉か、力が戻り次第必ずおまえらも粛清してやると宣言して。


主だった戦いが終わり、遅れてミーティア率いる後方支援組が夕露たちに合流する。
致命傷を負った香織に対して、普段の淫乱な態度をもかなぐり捨ててミーティアが必死に手当しようとするが助けることはできなかった……彼女の死に親しかった学園組が、ロックスが嘆く。


しかしそこで驚くべき事態が起こった。
香織の肉体が消えて……一個の球体に変わったのだ!

そして明かされる衝撃の真実とは
「ごめんねロックス、これが私の本当の姿なの」
「久世香織という人間は最初からどこにも存在しない」
「魔人セラフィムの緊急補助装置用スフィア『ダアト』、それが私の正体……」


299 聖戦 世界の中心で愛を叫んだ付属品 久世香織、回縞ロックス、真崎洸、夕露美維兎、クライヴ、ロボロン、勇者トロナ、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、ヒグマーマン、御神薙立華、真道阿須賀、レイ=ラグナウッド、ミーティア、大海舞菜、大海ミリア、羽田桜、郷里沙織
香織ことダアトは語る。
久世香織に魔人の力が宿ったのではなく、魔人のオプションが香織(=ダアト)だったのだと。

「‘魔人'セラフィムは元々は人間だった」
魔人セラフィムの元になった人間たちは世界の調和を守りたいと願う異能者たちであり、世界を守り続ける永遠の守護者を作り出すために自分たちの異能の力を注いだヒトガタの魔人セラフィムを作り出した。
彼らの死後にセラフィムは世界に放たれ、最初の内は世界の調和を乱すものを退治していった。
ところがセラフィムが戦闘と学習の果てに暴走を開始。
人類を世界の調和を乱すものと見なす冷酷非情なる審判者になってしまう。

ある日、別の魔人との戦闘に敗れ、人混みに紛れて逃走するために人間の少女に姿を変えるのだが、この際にロックスに出逢い、助けられるのだ。
その日こそ、ロックスと香織が初めて出会った日だったのだ。
事情を知らないロックスに助けられたがために人の優しさを知ってしまったセラフィムだが、同時に感情という名のバグを抱えてしまう。
セラフィムはバグを抱えたままでは人類粛清の使命を果たせなくなると思い、そこでセラフィム本体とバグを隔離するための新しいスフィアと人格を作り出す。

それがダアトであり香織だったということ。


香織は作られた偽りの存在にすぎない。
それでもダアトは……香織は江洲衛府島で過ごした青春は偽りのものではないと信じていた。
彼女の世界の全てとも言えた学園の者たち……戦いに巻き込んでしまったことを謝罪し、単なる補助装置だった自分に香織として生を与えてくれたことを感謝しつつ、「いままでありがとう」と言った。
そして一夜だけでも恋人だった想い人のロックスには香織としてはロックスを守りたかったんだけどもうすぐ消えてなくなってしまうからと謝りつつ「ごめんね、でも大好きだよ」と言い残し――


そこに残ったのはスフィアの欠片と修学旅行時に撮ったみんなとの記念写真だった……
写っていたのはスケベだが偉大な学園長、ナルシストだが善人でもあった教師の狩野、蠱惑的だが生徒想いなミーティア、クラスの母親的存在だったアイリスフィア。
ロボディが大好きなオタクエース部員の楽雅、最近イメチェンをして姿をやたらひけらかす朔朗、舞菜とミリアは姉妹で仲がよくそれをリエルはそれを羨ましそうに眺めている。
由奈は影があるが微笑んでおり、その横で水本は己の筋肉を見せびらかし、それにビビる隣にいたかためちゃん。
九曜は学年が違う上、この時は手違いで後輩の修学旅行に付き合う羽目になったが、本人は非常に楽しげであった。
真道は一見すると不満気でムスッとしているが目は楽しげであり、洸(魔人F)は怖い目をしているがきっと中身の洸は楽しんでいたに違いない。
はるかはどういうわけかアヘ顔みたいな表情になっており、何か変な毒物でも食べたのではないかと三月が治療薬を必死に調合している。
殺し合いの前に紛争で死んだラップスもここでは微笑んでいた。
そしてロックスと香織……写真の中のみんなは楽しそうに明るく笑っていた。

その幾多の笑顔も紛争とこの殺し合いで失われ、二度と戻ってくることはない。

全ての戦いが終わった後に、ロックスは香織だった欠けたスフィアを抱えて学園の仲間たちに迷惑をかけたと謝罪し、この場を後にした。
学園の者はロックスがマーダーに舞い戻る危険はないとはわかっているが、失意の中にあるロックスを一人で放浪させるのは危険であると思い、呼び止めようとするも、ロックスはセラフィムに騙されていたとはいえ仲間を傷つけた死なせた以上はみんなと一緒に戦う資格はないと言って拒否する。
一方で雅やおかん(アイリスフィア)、香織に助けられたこの命を散らすつもりはないと言い、生きる気はあると伝えて学園組の下から去ったのだった……


こうしてセラフィムを中心とした大混戦の幕は降りた。
だがそれは多くの者の心に悲しみを与えた戦いでもあった。
そして偽りの神を除く悪意の芽は潰えておらず、新たなる粛清者が産声を上げた。
黙示録はまだ終わらない――後に戦いの生還者たちは次の巡礼地(戦場)に向かう。一足先に自由になった者のために。
300 ブレアウィッチ・プロジェクト ディスメラ・スイート、ジョージ・ラングセン
巨大十字架での戦いの撮影ができたことにご満悦のジョージは、戦いが終わったのを見て撤収する。
そして撮影された内容の一部始終は会場中のテレビに流された。
ディスメラは後輩である雅の死に様に性的興奮を覚えると同時に強い悲しみを覚え、ジョージの見えないところで涙を流していた。
それをブッチャーが目撃していたが、彼はこの件をジョージに特に報告はしなかった。
301 ノーモア! 洗脳泥棒 ヒューマンスレイヤー、痴漢さん、雪風はるか
ジョージの配信した映像を痴漢さん一行も見ていた。
気絶から醒めたはるかも先程までは「Deusは神」「Deus is God」と言ってほどの狂信者だったが、映像からDeusの真相に気づいたことで漸く我に返った。
まだ誰も手にかけてないとはいえマーダーの手伝いをしてしまったはるかはこれからどうすれば良いのかと途方に暮れていたが、そのはるかに対してヒュスレと痴漢さんは一緒に来ないかと優しく手を引いた。
302 皿も乾くほどの熱さで 千太郎、勅使峰碧
ドローンを使って十字架での戦いを見ていた千太郎と勅使峰。
特に対主催やロックス・香織の戦いを見て感化した千太郎は生存を諦め怠惰を貪っていた今までの自分に恥を覚え、しがない自分にも何かできることはないかと勅使峰に聞くのだった。
303 クロイウタ 桜井カリン、時軸未色、水本拓哉、司空敢為
夜明けと共に出発したアイドル組だったが、彼らが到着は間に合わず、遠くで十字架は崩壊した。
とうとう間に合わなかったことにカリン以外は嘆きを覚えた。
カリンはこの戦いでメネス、セラフィムの力が弱まっていることを感知し、どちらかを討ち取るために水本たちをどうにか誘導できないかと考える。
304 警告:クエスト制限時間オーバーです A4
起き上がったと同時に遠くで十字架型ダンジョンが崩れ去るのを見てガッカリするA4。
再び、獲物を求めて会場を彷徨うことに。
305 嬉しくない三大ヒーロー集結 偽ブラスターギガンファックマンヤッタルマン
ブラスターギガンはボロボロのファックマンと彼を担ぐヤッタルマンと接触する。
二人のヒーローがスーパーレッドよりは信頼できると思ったブラスターギガンは戦闘禁止ハウスという安全地帯を二人に教え、避難するように伝えた。
ファックマンとヤッタルマンは別れ際にお礼として握手の代わりに三人で兜合わせをしようと言い出すが、流石にブラスターギガンは拒否した。
306 受難の始まり? ブレイン、勇者スーサイド
これまで休息を取っていたブレインの前に勇者スーサイドが現れる。
ブレインの知る方法(筋肉)で時間はかかるが片玉の再生ができると知ったスーサイドはブレインについていくことに。
これがブレインの受難の始まりであった……
307 「武器よ、さらば」はまだ早い 夕露美維兎、クライヴ、ロボロン、勇者トロナ、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、ヒグマーマン、御神薙立華、真道阿須賀、真崎洸、ミーティア、大海舞菜、大海ミリア、羽田桜、郷里沙織、魔人ウロボロス、レイ=ラグナウッド
十字架戦後、雅とアイリスフィアの墓を建てる学園組一行。
友と親友の別れに涙をしていない者は学園組に誰ひとりいなかった。
特に母親のような存在であったアイリスフィアの喪失に夕露の心は悲しみで一杯だったが、学園組を率いる者として挫けるわけにはいかないと怒りと悲しみをこらえた。

その中でレイは「やれやれ勇者と魔族が共闘…時代は変わるもんですね」と静かに去ったがどこか楽しそうであった。
またモリアーティの計画も気になるために単独行動を取ることになる。
また、もう一人学園組の前からこっそりと離れようとするクライヴの姿もあったが、その前にミリアと夕露に見つかった。

ミリア「…行っちゃうの、イヴァンお兄ちゃん」
クライヴ「Deusを殺すという目的は果たした、これ以上奴らと慣れ合うつもりはない」
ミリア「もうやめようよ…異能者がいなくなってもクランベリー家は…」
クライヴ「それ以上言うなミリア、お前はもうクランベリー家とは関係ない人間の筈だ」

それは兄妹の切ない別れであった……血はつながっていても思想は交わることはできなかった。
さらにクライヴは夕露にヒュナスから語られた「異能者が増え続ければ世界が滅ぶ」話をした。
その話は世間に露呈すると人間が人間を狩る事態になりかねないので、指揮官として冷静さを持っている夕露にだけこの秘密の話をした。
信じる信じないは貴様の勝手だが、いずれは異能者によって世界が滅ぶかもしれないのは事実であると。
そして同志の意志を引き継いだ自分は世界を救うためなら喜んで浄化杜という「悪」になるとも。
この話を聞いた夕露は異能者による世界の破滅を起こりうる未来として受け止めるも、異能者と無能力者との共存を信じている夕露は異能者を駆逐する以外の方法があるハズだと否定する。
結局、真逆は似ていても、世界を守るための「正義」と、世界を守るための「悪」は交わることはできず、クライヴは去っていった。

なお、基本的にはシリアス回だが、話の中にはトロナがDeusを倒したヒグマーマンの姿にあこがれ、変身が解けて元のヒグマに戻った時には開いた口が塞がらなくなるギャグの一幕もあったりする。
308 今宵のヲタクは血に飢えているようです デニス・ブルックス
二次元の世界で虐殺の限りを尽くしたデニスは血を求めてとらのあなを後にした。
とらのあなにある漫画、同人誌、ゲームは全て血みどろの内容になった。
文字通り血に飢えたデニスは、もはや二次元では満たされないのだ。
309 The cross セラフィム田山
学園組から離れた田山は自分の中に入ったセラフィムの指示のもと、この前殺したスーパーレッドを土に埋めて、その上にスフィアで十字架状のエネルギー集積装置を作った。
サイズは香織の時に作ったものと比べ物にならないほど小さく、見ようによっては墓にしか見えない。
下に死体が埋まっていれば参加者はなおさら墓だと誤解し、偽装は完璧になるだろう。
小ぶりなだけに巨大十字架ほどのエネルギーは回収できないが、一個作るたびに田山のエネルギーは少しずつ増大していく。セラフィムは十字架を墓に見立てて大量生産して田山にパワーを回復・増大するつもりなのだ。
さらには十字架を一個作るたびに今まで田山が負わされた傷は治っていく……十字架でエネルギーを集めても香織自身は回復しないというのは嘘であり、いつでも邪魔なダアト(香織)を乗り捨てられるようにわざと回復させなかったのである。
田山は力を十全に取り戻せるまでには十字架を各地に量産することに決める。
310 時計じかけの摩天楼 魔人モリアーティ、鈴木幸四郎、サクマ、エド、ミユ
モリアーティと鈴木はサクマのいる工場に戻った。
サクマによる首輪の解析率はこの時点で90%を切っている。
次のゲーム開始まで、あとは時間とジョージたちの帰還の問題であった。
311 おニャンニャンこ倶楽部 痴漢さん、ヒューマンスレイヤー、雪風はるか、ジョン・ウェイン・ゲイシー、サキュバス
短距離ワープの連続使用で学園組から逃げてきたゲイシーとサキュバスは痴漢さん一行と出会った。
Deusに騙されていたという事情を話し、これからは殺し合いに乗る気はないのでなんとか対主催と手を取りたいと願った二人であったが、痴漢さんは快く受け入れ、取りなし役を引き受けた。
引き換えに五人でレズプレイを楽しもうと痴漢さんは言い、当初は困惑していた二人だったが、Deusとは違う本物の快楽と心洗われるようなプレイにいつしか心酔する。
一方で痴漢さんも五人で楽しんでいるうちに新奥義のインスピレーションが湧いたらしく、プレイが終わった後に新奥義の内容を五人に伝えた。
312 日はまた昇る 魔人メネス
ウロボロスに敗れ、会場の端まで飛ばされたメネスは辛うじて生きていた。
完全敗北だったが、誇り高きファラオは自身を打ち破ったウロボロスに敬意を表し、彼の強さに免じて学園組とロックスを許すことに決める。

メネス「――見事。貴様の奮戦に免じて、あやつらの此度の不届きは不問とする」

しかし先程まで戦っていたセラフィムから感じる気が何か違うと察したメネスは、何があったのか知るために今一度十字架のあった場所へ向かう。
313 悲しみのデビルマン ミーティア、御神薙立華、真道阿須賀、夕露美維兎、ロボロン、勇者トロナ、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、ヒグマーマン、真崎洸、大海舞菜、大海ミリア、羽田桜、郷里沙織、魔人ウロボロス
先の戦いで少なからず負傷した学園組の看護に回るミーティア。
背中を負傷したらしい立華を診るべく、彼女の背中を見た時は思わず青ざめたりした(ひどい怪我があったわけではない)。
しかしそんな彼女も体はともかく傷ついた心まではどうにもできない。
何だかんだで悪くは思っていなかった真由や知り合った仲間たちの死、自分が能力の都合上後衛に回らなければならないので前衛で戦えないことに立華はすっかり落ち込んでいた。
そんな彼女へパートナーである真道は言った。

「てめえは自分が弱いと思っているが、俺からしてみりゃ十分強者だ」

希望を決して忘れないという彼女の信念は真道からしてみれば「強者」という認識なのである。
彼という心の薬のおかげで立華が少しでも立ち直ったことにホッとするミーティア。
一方、洸は内なる敵と戦っていた。

『洸、その屑を殺したいんだろ?正直になれよ……あの女の仇だぞ?お前には殺せる力があるじゃないか』
「違う……僕は……!」

隙あらば誘惑して肉体を乗っ取ろうとするFに困惑する洸。
このまま皆に一緒にいるのは危険だと思った洸は仲間が気づいていない内に学園組から離れようとする。
そこをミーティアに見つかり仲間と一緒にいるように諭されるが、自分の中にいる魔人はウロボロスと比べ物にならないほど危険であると告げて、こんな僕では皆と一緒にはいられないと言って去っていった。
洸を追いかけたかったミーティアだったが、負傷者だらけの学園組を置いていくわけにもいかず、引き返すしかなかった。
314 信長協奏曲 織田信長、クライヴ
運良く無傷でロボディの燃料を確保した信長の前にいつぞやの仮面の男・クライヴが現れる。
秘密の格納庫に量産機に混じって自分の愛機であるシルキーがあるとわかったクライヴは信長に譲ってくれるよう頼み込むべく交渉に入る。
315 突撃ラブハート!! 桜井カリン、時軸未色、水本拓哉、司空敢為
ずっと不眠不休でアイドル二人を守っていたために水元の疲労が溜まっていると思ったカリンは水本を休ませてロボディの操縦を交代することを決める。
これは水本の体調に気を使ったわけではなく、いざという時にロボディの操縦を覚えた方が良いと思ったことと、単にロボットを操縦してみたいという興味本位からである。
が、カリンの操縦は滅茶苦茶で機体を壁にぶつけまくり機体の装甲が削れていく……
こんな荒い操縦では水本を休ませるどころではなかったので未色に交代するが、カリンが機体をぶつけまくったせいかブレーキが壊れており、ロボディは暴走特急のごとく止まらなくなってしまった!
316 第五回放送 須原毅
第五回放送で呼ばれたのは
追田真実、八雲柊、狩野光流、Deus、アリスター・フィル・リリーホワイト、楽雅、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク、久世香織
以上8名、残り51名

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最終更新:2017年07月20日 10:39