363 ゲームの達人 夕露美維兎、ロボロン御神薙立華、九条由奈、ダン・デュールマン、真道阿須賀、天城九曜、勇者トロナ、ミーティア、大海ミリア、羽田桜、郷里沙織、ヒグマーマン大海舞菜、魔人ウロボロス
レイの導きにより、モリアーティたちの拠点にたどり着いたブレーメンズ一行。
巨悪たちが待ち受けているダンジョンに入った途端、広がっていた光景はロボディと魔力よって建設されたロンドンの町並のようであった。

ダンジョン入口に設置されたスピーカーから録音されたモリアーティの声がする……

「来たか、ホームズの助手、そしてホームズの意思を継ぎし者よ」
「さて――即興ではあるが君たちにこの『謎』を解いてもらおう」

「この偽りのロンドンの街に鍵をばら撒いた。鍵の名はそれぞれ」

「『最後の事件』『空き家の冒険』『恐怖の谷』の3つ」

「この3つの内の一つが私と君たちとの決戦の舞台への鍵だ」

「正解の鍵を見つけ、無事舞台への扉を開ければ君たちの勝ち。もし間違った鍵を扉に差し込めば――」

サクマが仕掛けた特殊な電波によってここにいる全員の首輪が起動し、死ぬ」

「さて、君たちがこの『謎』を解いてくれる事を期待しているよ」

この直後にサクマによって起動した無人ロボディ軍団による攻撃が始まる。
攻撃によってブレーメンズは夕露とロボロン、由奈とダン、真道と九曜、トロナと立華、マハトマに乗った舞菜とウロボロス、ミーティアと非戦闘員たちという形でバラバラになってしまった。
仕方なくそれぞれ個別でダンジョンを探索することに。
由奈とダンは英国大使館へ、真道と九曜はロンドン塔、舞菜とウロボロスはサイエンスミュージアム、夕露とロボロンはその後方から指揮をとり、更に前線から離れた位置では非戦闘員が謎解きと負傷者の手当をするように待機させるよう夕露は命じる。
一方で直感力に優れたトロナと防御に優れた立華にはモリアーティの捜索を命じた。
364 最強最悪のヲタは彼なのか? デニス・ブルックス
アイドル組にしてやられたデニスが気絶から覚めると、そこはモリアーティのダンジョンから遠くない位置であった。
血と処女の匂いにつられて吸血鬼はダンジョンに向かう。
そろそろ幼女の生き血を吸いたいと思いながら……
365 交わらぬ二つの線 真崎洸岬朔朗
洸が目覚めると、朔郎からアイドル組が田山に敗北したことを教えられた。
傷の癒えた洸は朔郎を基地に残し、ロックスたちを迎えに行くために彼らが飛んでいった場所へ向かう。

洸「あの魔人…セラフィムは何故あんなに強いんだ?」
F『決まってんだろ、奴は常に二人がかりだからさ』
洸「あいつの体は一つしかない筈だぞ?それに人格だって同化が進んでいるとお前が…」
F『その同化が問題なんだよ、同化と言っても片方が消えてなくなっただけじゃない、一つに一つがくっついた分だけデカくなるのさ』
洸「だから強いと?」
F『そうだ、二つの人格ベクトルが破滅的な方向に合致してる分だけ奴のパワーも強くなる』
洸「何も論理的じゃない。いくら魔人が出鱈目だからってそんな事で強くなられてたまるもんか」
F『だが少なくともお前よりは強い。いや、我々よりは、か。一つと一つが分かれて存在している俺たちよりはな』
洸「力を合わせろと?」
F『もしくは力を寄越せ、だな』
洸「お前なら奴を止められると?」
F『殺せるさ』
洸「…無理だね、この逆転体質は別に僕もお前もなろうとしてなったわけじゃないんだ。出来ないから僕らは分かれ分かれでいるんだろう」
F『知っている。ただ仮定の話を教えてやっただけさ』
洸「…口だけ魔人」
F『くたばれ糞人間』

向かう途中にこのようなやり取りをしていた洸とF。
本当に一つになった魔人と野球選手に対し、この二人が一つになる道は遠いのだろうか……
366 メタトロンの意志 セラフィム田山
邪魔な対主催たちを蹴散らした田山。
彼は遅れてモリアーティの放送を聞き、モリアーティが首輪を解除したことを知る。
首輪を外せばこの殺し合いから解放され、クソ淫○民とクソ人類粛清をスムーズに進められると思い、野望のままにダンジョンへ向かう。
太陽も昇り、メネスの力によって怪我も修復し、ほぼ万全の状態になった。
田山による黙示録の幕開けは近い。
367 悲嘆の蛹 時軸未色桜井カリン、織田信長、回縞ロックスヒューマンスレイヤー、雪風はるか、ジョン・ウェイン・ゲイシー
二度の敗北と多くの仲間の喪失によってアイドル組とヒュスレ一行は完全に意気消沈になっていた。
強すぎる田山への攻略の糸口が見えないことが大きな影を落とす。
また未色の驚異的な回復速度や田山戦で僅かに見せた羽から信長は未色の正体が絶滅したハズの不死蝶であることを見抜く。
噂では最後に目撃された時の姿が人間の少女に転じた瞬間であり、それがおそらく未色であるとのこと。
彼女の記憶力の問題は脳の構造が蝶のものと同じであることから来ることであり、記憶を人並みには留めておけないのはこれが原因である。
真実を知った未色は嘆く……自分が人間ではなかったことではなく、仮に生き残れても自分たちを助けてくれた司空や水本のことを忘れてしまうんじゃないかと思うと悲しみしか湧いてこなかった。
そんな彼女に対し、カリンは言った。「歌おう」と。
彼女の瞳にはいつもの明るさはなかったが、邪心も一切ない涙目が浮かんでいた。
368 鉄騎 クライヴ、勇者スーサイド、ブレイン
クライヴはスーサイドとブレインと接触した。
スーサイドが「読者」と会話して得た情報によって、モリアーティ一行には旧ブレーメンズを貶めたジョージがおり、そのジョージはサイエンスミュージアムにいるのだという。
クライヴは一人で決着をつけにいくために二人と別れた後にロボディで現場に急行する。
途中で張り巡らされた罠に対してディスメラが残したヒントがあったが、あくまで一人でジョージを討ちとることに拘るクライヴはあえてヒントを書き換えて、自分以外の参加者が通ってこれないようにした。
369 ヘッポコ勇者、行動開始 勇者ザコット
足元をガタガタさせながらもザコットはダンジョンへと侵入する。
少しでも対主催の助けになるために、勇者として勇気を振り絞る。
370 そして誰もいなくなるのか? リエル・リュシエール
ブラスターギガンやクラスメイトの水本まで亡くなったことをリエルは嘆く。
その後にモリアーティの放送を見て、リエルはダンジョンに向かう。
対主催だけでなくブラスターギガンを殺した田山もおそらくそこへ向かう……対主催には田山の危険を教える必要があったからだ。
怪我をしてろくに動かない体を引きずりながら、リエルは戦場へ向かう。
371 騙し打ち ヤッタルマン、魔人モリアーティ、エド、勇者トロナ、御神薙立華
我武者羅に逃げているhしてフリをしてヤッタルマンを特定の場所へ誘導するモリアーティ。
バイアグラの影響で勘が鋭くなったヤッタルマンも「よくない気がBIN☆BINするでござる」と思いながら追跡を続ける。
すると追跡の途中で椅子に大量の爆弾と共にくくりつけられた女性がいた。感じていた悪い予感はこれだったのか。
「掘るか救うか、君が選びたまえ」と言いつつ、モリアーティは去っていく。
悪は見過ごせないが、無辜の民を見捨てるわけにもいかないヤッタルマンだったが、幸運なことにトロナと立華と鉢合わせる。
股間丸出しのヤッタルマンに対して赤面し戸惑う二人だったが、爆弾解除は自分がやるからモリアーティを追って欲しいと指示を出し、自分の代わりにモリアーティ追跡を任せた。

そしてなんとか爆弾を解除して少女を救い出したヤッタルマンはホッと一息







した瞬間に、ヤッタルマンのスカイツリーにチク・ビーの死骸から抽出した毒が塗られたナイフが突き刺さる!

ヤッタルマン「貴様……まさか」
エド「悪いですね私はこちら側なんですよ。
   教授たちにはジェシカさんの意思を抹消できたお礼もありますしね」

少女の正体はモリアーティ一派であるエド。彼(彼女)は無害な一般人を装ってヤッタルマンを騙し討ちにしたのだ。
ヤッタルマンは反撃しようとするも毒のせいでスカイツリーが萎えてしまい力が入らないまま、フニャフニャになったスカイツリーを切断された挙句に毒のナイフで滅多刺しにされて死亡する。
ファックマンと違い、冷静さが足りなかったのがヤッタルマンの敗因であった……
更にエドをモリアーティの仲間だとは知らない立華とトロナは、ジェシカ(エド)を敵に囚われた女性が来るかもしれないと非戦闘員組に連絡してしまったばっかりに危険性を知らない。
これを計画通りだと思ったエドはほくそ笑みながら、ブレーメンズの非戦闘員を毒牙にかけるために後方へ向かう。
372 さよならヲタク吸血鬼 ミーティア、大海ミリア、羽田桜、郷里沙織、ヒグマーマン、デニス・ブルックス
後方で謎解きに集中するブレーメンズの非戦闘員一行にデニスが潜んでいたテレビの中から奇襲を仕掛ける。
ロリとビッチしかいねえから余裕のじゃんwwとタカをくくり、まずは桜と沙織を背後から襲おうとしたデニスだったが、突如、近くにあった箱の中からヒグマーマンが現れる。
夕露は非戦闘員の防衛のためにヒグマーマンだけ護衛に残しておいたことが功を成した。
ヒグマーマンの圧倒的なパワーに窮地に陥るデニスは能力で逃げようとするも、テレビから出てきたことでミーティアに二次元に移動できる能力を看破されてしまい、四人に二次元に連なるものを破壊・墨塗りされてつつ、一個だけわざと残されて誘導され、そこに逃げ込もうとしたところを羆が鮭を取るように捕まえられて……

ヒグマーマンのしめつける

デニス「グエエエエ(メキメキメキ)」

ヒグマーマンのたたきつける

デニス「ギャボボボボ(ビタンビタンビタン)」
デニス「あべぶ(プチン)

ヒグマーマンののしかかり

デニス「死~ん(チーン」

デニスはミンチより酷いことになった。
人間の心も二次元への愛も捨てた男にはお似合いの最期かもしれない。
373 The Fool On The Hill 真道阿須賀、天城九曜、鈴木幸四郎
鈴木の守るロンドン塔にたどり着いたのは真道と九曜のコンビであった。
内部は多数のトラップが張り巡らされたビートルズの楽曲が流れる迷宮だった。
進化し続ける肉体を持つ真道と妖狐を先祖に持つために優れた体をもつ九曜が迷宮のトラップをかき分けて進んだ先には鈴木がいた。

鈴木「私には何もない。生きる目的も守りたい誰かも何一つない。
   柊が死んだときも、ああそうかと思っただけだ。
   だからこのロンドン塔の番人として仕事を果たして死んだとしても、
   それでいいのかもしれないな」

真道は後の戦いを鑑みて九曜に戦力を温存させるために、何よりも気に入らないこの男を倒すために一騎打ちで戦いに挑む。
ノゥ・ウェア・マンの鈴木と進化する真道。軍配が上がるのはどちらか?
374 怪我の功名 魔人ウロボロス、大海舞菜、千太郎勅使峰碧、ファックマン
ウロボロスと舞菜はクライヴの仕掛けたニセのヒントに騙されたせいでミュージアムに向かえなくなってしまった。
そればかりか無人ロボディ軍団の強襲によって二人は散り散りになってしまう。
しかしウロボロスとはぐれた先で舞菜が出会ったのは千太郎たち、ハウスの中で首輪の解除を模索している者たちであった。
一方のウロボロスはミュージアムに向かうことは後回しにし、邪魔な無人ロボディ軍団の駆逐に全力を注ぐことにする。
375 死神13 九条由奈、ダン・デュールマン、サクマ
由奈とダンの暗殺者タッグはサクマのいる英国大使館にたどり着いた。
英国大使館は無人ロボディ軍団に守られており、たった二人での突破は困難かと思われる。
そこでダンは由奈にロボディ軍団の囮になるように指示し、自分は向かいのビルでサクマの捜索と狙撃を試みる。
暗殺者のスキルを最大限に生かし、忍者のようにロボディの攻撃を避けていく由奈。
彼女の時間稼ぎが功を成し、ダンは大使館の窓際に立ったサクマを発見する。
そして防弾ガラスすら貫徹する徹甲弾を狙撃銃に装填し、発砲する。
完璧な狙撃故にサクマ暗殺は成功したかに思われたが……
376 クライヴが来る! クライヴ、ジョージ・ラングセンディスメラ・スイート
ミュージアムの奥にいたジョージの下へたどり着いたクライヴ。
クライヴは好敵手であるブレーメンズを貶めた下賎な輩としてジョージを討とうとする。
それを阻むは劣化「Q」を搭載した無人AIロボディ・ブッチャー。

ジョージ「さて、既にビデオカメラは回っている。レンズが映しだすのは彼の死体か?それとも私か?」

激突するクライヴのシルキーとブッチャーのロボディ。
その裏方でディスメラは震えていた。
望んでいた展開はブレーメンズや他の対主催がやってきて、憎きジョージを殺せることだったが、やってきたのは恋人のラップスを殺した浄化杜の幹部であるクライヴであった。
対主催の助けにならないとはわかっていながらも、江洲衛府島に戦争を持ち込み、恋人を惨殺した組織の一員であるクライヴを殺したい……ディスメラの心の中で憎悪の炎が燃え上がる。
377 胡蝶の歌 時軸未色、桜井カリン、織田信長、回縞ロックス、ヒューマンスレイヤー、雪風はるか、ジョン・ウェイン・ゲイシー、レイ=ラグナウッド
未色とカリンの歌は傷ついたロックスたちの心を癒していった。
その歌は自分達を守って散っていった司空と水本への鎮魂歌。
敗れ、傷つき、仲間を失っても絶望せずに戦い続けようとする意志がロックスたちに芽生えさせ、再び立ち上がらせたのだった。
未色もまた、形見のマルチウェポンを手に絶対に忘れないと決意する……頭で覚えてられないなら魂で覚えていればいいと、誓いながら。
未色とカリンの二人のアイドルのおかげで立ち上がった対主催たちだったが、そこへ歌を聞いていたレイが通りがかり、夕露たちネオ・ブレーメンズがモリアーティのダンジョンで戦っていることを教える。
モリアーティ一行も危険だが、田山もそこへ向かう可能性がある以上、合流は急がなくてはいけない。
ロックス・未色・カリンとヒュスレ一行は急いで大破寸前であったロボディを修理に取り掛かり、修理ができ次第ダンジョンへ向かおうとする。
信長は先の戦いの田山の突然のパワーアップの謎を解き明かすために一旦秘密基地へ帰投する。
首輪の制限すら無視して力を発揮した田山の謎を解く鍵として『真実の眼』を持つ朔郎の力が必要であった。
378 勇者、推理中 勇者トロナ、御神薙立華、勇者ザコット、魔人モリアーティ
モリアーティを追いかけていたトロナと立華であったが、途中で見失ってしまう。
なんとか追跡を続けようとしつつ、考察をしていた立華は小説でのモリアーティの最後、そしてこのゲームの名前から正しい鍵を『最後の事件』と推理する。
トロナは直感なのかどうかは別として「これの気がした」として『空き屋の冒険』を選択。

正解はどっちなのだろうか―――?

そんな考察をしている最中にサクマの無人ロボディ軍団が現れ、襲撃を仕掛けてくる。
ロボディ軍団に挟まれてあわや撃ち殺されかけたが、そこへ二人を助けに来た勇者ザコットが滑り込み、二人を逃走魔法で助け出す。
ロボディ軍団から逃げることができて御礼を言おうとした二人だったが、ザコットの腹には僅かに逃走魔法の効果発動が遅れたために大きな風穴が空いていた。
だが死にゆくザコットに後悔はなく、勇者らしからぬ自分が最期は勇者らしく散ることができることに満足したことを伝えて静かに逝った……

他所ではモリアーティがある扉の奥で、敵でありながらザコットの勇敢さに拍手した。
379 死の予兆、終焉、風前の灯 九条由奈、ダン・デュールマン、サクマ、夕露美維兎、ロボロン
ダン「防弾ガラス……!」

ダンの狙撃は窓ガラスに弾かれ失敗した。
ただの防弾ガラスなら徹甲弾で貫徹できたが、鈴木によって超防壁となったガラスを貫くことはできず、サクマに居場所がバレてしまう。

サクマ「ばぁ~か、その程度の対策ぐらいしているよ! ロボディ共、向かいのビルを壊せ!」

そして無人ロボディの一斉射撃で崩れるダンのいるビル。ダンは崩れるビルの屋上から転落する。

由奈「ダンさぁーーーん!!」

しかし、由奈の叫びを聞き、自分がすぐ死ぬことがわかっていながらも奮起して落ちながら狙撃する。
せめて由奈には生き延びて自由を手にさせるために……
そうしてダンは自身の転落死と引き換えに一発の銃弾をサクマの居場所を撃ち込んだ。
弾丸はやはり鉄壁のガラスを貫くことはできなかったが。

サクマ「悪あがきのつもりか? ガトリングの掃射でも貫けないように鈴木に強化してもらったんだ
    この程度じゃ……あれ? この弾丸ちょっと形が――」

それは銃弾に見せかけた発信機であった。
大使館から離れた位置で信号をキャッチした夕露とロボロンが支援を開始する。

夕露「ダンからの信号が着た! 位置20-I-7! 砲撃支援開始!
   ロボロン、一発しかない貴重な爆弾だぞ、絶対に外すな」
ロボロン「イエス、マム! オープン・ファイア!!」
夕露「ダン、九条、退避しろ!」

サクマと無人ロボディ軍団のいる英国大使館に落ちてくる大きな ナ パ ー ム 弾 頭。
威力はガトリングの掃射の比ではなく、強化されたガラスすら易々と爆砕する。
これによって英国大使館にいた無人ロボディ軍団は全滅、サクマは辛うじて生きていたがそれなりのダメージを追う。

サクマ「一杯食わされたぜ、おかげでお気に入りのジャケットが灰になっちまった。まあ機械弄りにも飽きてきたところだったし、最後は喧嘩と洒落込もうか!」

そのサクマと対峙するのがダンの相棒だった暗殺者・九条。
日本刀を片手に弔い合戦を挑む九条はサイバーパンク世界の悪鬼に勝てるのか?
380 瞳の奥の暗殺者 ミーティア、大海ミリア、羽田桜、郷里沙織、ヒグマーマン、エド
デニスを難なく撃破したミーティアたちの前にジェシカ/エドが現れる。
エドが味方を装っていたことと、事前にトロナたちがジェシカは敵に囚われていた女性とミーティアたちに教えていたことを良いことに味方と信じこませ、エドはチク・ビーの毒を使った非戦闘員組の全滅を企てる。
そうとは知らずに近付いたのはミリア。彼女は同情から親身になってエドに接してしまった。

そしてミリアと二人きりになった瞬間を見計らって、油断していた彼女の腕を毒のナイフで刺した。
床に倒れたミリアはじきに死ぬだろうと、次なる獲物として非戦闘員の最大戦力であるヒグマーマンを暗殺するためにミリアを離れた位置に放置する。
一方、なかなか戻ってこないミリアとジェシカから一瞬ではあったが「人を嘲り蔑む時の視線」を感じた桜は胸騒ぎを感じ、ミリアを探しにいった。
381 ゆ゛る゛ざん゛ セラフィム田山
ダンジョンに向かう途中で突然「自分を殺し合いに参加させた主催は淫○民に違いない」と言い出した田山。
実際、主催が支給品として田山の出演したホモビの映像が絶対ホモ許さないマンに支給されなければ参加者にホモビ出演者とバレることもなかったので、(かなり身も蓋もない理由で)優勝を目指すのではなく、参加者も主催も粛清するマーダー対主催になった。
382 温存された飛車角 織田信長、岬朔朗
信長は朔郎を迎えに行くために秘密基地に帰参した。
そしてロボディの腕に眼鏡を外した朔郎を載せて会場中を探し回ることに。
セラフィム田山の強さの秘密は会場のどこかにあると、信長は睨んでいた。
383 Revolution 真道阿須賀、天城九曜、鈴木幸四郎
ロンドン塔の屋根で繰り広げられる真道と鈴木の死闘。
鈴木の能力であるノゥウェアマン、しかもディザスタの魔力で強化された異能で真道の腕と皮膚を劣化させ、錆び付いたような体になった不良少年を前に鈴木は勝利を確信する。

真道「舐めんなよ…そんなんで俺を劣化させれると思ったか?」
鈴木「能力がきかな……いやそれすらを糧にして成長するだと…」

だが戦いはこれで終わりではなかった。
Deusと同じく真道が手にしていた進化の力は鈴木の劣化を抑え込んだのだ。
それでも常人なら立てなくなるようなダメージを負ったことに変わらず、真道は前に進んで一瞬でも気が緩んだ鈴木を持ち上げる。

鈴木「止めろォオオ!私は仕事をするんだ!仕事をして私の存在価値を証明するんだッ」
真道「残念だが、あんたが仕事をすることはもうねえ。退職金も失業手当もくれてはやれねえなッ」

真道と以前に殺した最強男との最大の違いは意志にあった。
最強男は最強であるために慢心や油断、その時の実力に満足し、それが一気に失われると容易く絶望した。
真道はどれだけ強くなっても弱くなっても満足も絶望もせずに進み続ける意志の持ち主なのだ。
真道阿須賀の本領は進化する肉体ではなく、敵や障害に打ち勝とうとする「進化する精神」にあったのだ。
そんな男に劣等感を晴らすためだけに「仕事に逃げる」真面目系クズの意志が通じる道理はなかったのかもしれない。
鈴木は仕事に逃げられない絶望に駆られながら、ロンドン塔の天辺に叩き込まれて串刺しになった。
瞬間、死亡した鈴木の肉体から魔力のようなものが離れて一箇所に向かうのを見送り、九曜は傷ついた真道を抱えて戦闘の余波で崩れるロンドン塔から脱出した。

真道は「立華、後は任せたぞ」と九曜に担がれて一時の眠りにつく。
九曜は真道をミーティアに治療させるべく一旦後退する。
一方で九曜は真道の戦いぶりから「仲間のために身を投げ出す覚悟」の必要性を学んだ。
384 最初の鍵 勇者トロナ、御神薙立華
ザコットの犠牲のおかげでなんとか無人ロボディ軍団から逃げ延びたトロナと立華は一枚の扉にたどり着いた。
どうやら魔力で封鎖されているらしいが、ちょうどその頃、真道によって鈴木が撃破され、彼から放出された魔力が扉の前に届くと一つの鍵になった。
モリアーティの手によって鈴木・サクマ・ジョージは特殊な魔力が付加されており、死がスイッチとなって鍵が現れる仕組みなのだ。
モリアーティの居所に攻め込むにはどうしても三人のマーダーを倒さなければならない。
現在、所持している鍵は『恐怖の谷』。残りの鍵が揃うには仲間を信じるしかなかった。
385 ブレイクブレイド クライヴ、ジョージ・ラングセン、ディスメラ・スイート
戦う度に強くなるロボディ・ブッチャー相手にボロボロになりながらも食らいつくクライヴ。
ブッチャーの戦闘力はエースパイロットであるクライヴすら一瞬でも気を抜けば殺されるレベルであったが、クライヴは羅天を貶されたことへの怒りと支えてくれた同志ヒュナスや追田への友情から勝機を諦めなかった。
そしてブッチャーが弾切れを起こした決定的な隙を狙って一気に決着をつけようとブレードを振りかぶる。


クライヴは、あまりにも目の前の敵に集中していたために(集中しなければ殺されてしまうために)背後から自分を狙う照準に気づかなかった。
獲物を仕留めようとする瞬間が逆に隙となり、クライヴの乗るシルキーに背後からのミサイルが直撃した。
衝撃で機体から投げ出されたクライヴにはディスメラの乗る炬火隹擂が迫り、ガトリングのシリンダーを回転させる。
自分の最期を悟ったクライヴは信長が言っていた因果応報とはこのことかと思いつつも、自分が何もなし得ていないことを悔いながら頭を残してバラバラに弾けとんだ……
とうとう恋人を殺されたことへの怒りを抑えられなかったディスメラは曲がりなりにも対主催を撃ってしまったことを大いに後悔した。
耳の中では聞き覚えのある泣き声のような幻聴が聞こえた。

しかしそれ以上に復讐を成したことへの喜びとクライヴの惨死体を見たことによる高揚感とエクスタシーが上回ってしまった。
そしてクライヴ射殺の瞬間を撮影できたことにジョージが喜びながら、ロボディから降りてきたディスメラの股ぐらに手を突っ込んだ。
目的は淫行ではなく、死体を見て濡れているかを確認するため……すなわちディスメラがネクロフィリア嗜好の持ち主であることを確認するためである。

そしてジョージの口から明かされた真実……実はブッチャーを介すまでもなくディスメラが自分の首を虎視眈々と狙っていたステルス対主催であることを見抜いていたのだと言う。
先程も自分たちが仕掛けた罠にヒントを施していたことにも気づいていながらわざと泳がせていたのだ。
さらに逃がしたザコットの服にもサクマお手製の盗聴機が仕込まれており、ザコットは運悪く他の対主催になかなか出会えず、命を落とすまでにディスメラが対主催の仲間であると教えるチャンスを逃したらしい。
全てはジョージの手の中で踊っていた……その事実にディスメラは戦慄した。
対主催に味方だと気づいてもらえず、対主催を撃ち殺した以上、もうディスメラに対主催と共に歩む術はない。
助けたロックスの裏切り、つなみとめぶき・ザコットの死なども含めて全てが裏目に出たことに彼女は絶望する。
そんな彼女にジョージは女優(マーダー)として生きる道を選択させる。
人殺しの快楽に身を委ね、全てを忘れるために全部殺してしまえばいいとジョージに諭され、何もかも嫌になったディスメラにはそれが心地良い勧誘に見えた。
さらにサクマのハッキングによる情報筋から、クライヴことイヴァン・クランベリーには妹がいて現在は大海ミリアと名乗って参加者として参加させられるらしい。
クランベリー家と言えば悪名高い犯罪一家であり、ミリアのことをよく知らないディスメラからすればそんな者が雅のクラスに混じっていたことが驚きである。
加えてクライヴがテロリストだったために、クランベリーの血筋は危険であると勝手に決めつけてしまう。
ラップスが死んでテロリストの血族がのうのうと生きているのが許せなかった彼女は復讐を決意し、監視カメラによりここから遠くはない場所にいることを知るや、ジョージと共にそこへ向かおうとする。
そしてミリアへの怒りと、死ぬ前に好きなだけ死体を見ようという諦めの意志からディスメラはマーダーに鞍替えした。
映像栄えする体のいい女優(駒)が手に入ったと密かな笑みを浮かべるジョージと、何も言わないブッチャーだけが彼女の背中を見ていた。
386 絆への、一歩前進 回縞ロックス、ヒューマンスレイヤー、時軸未色、桜井カリン、雪風はるか、ジョン・ウェイン・ゲイシー、レイ=ラグナウッド
急ピッチで二機のロボディを修理するロックス一行。
未色が乗る予定の亡き水本の機体だったグリフォンはすぐに直せそうだが、ロックスの乗るバーゲストは耐久性に限界がきており、あと一度の出撃で確実に壊れることがわかった。
その一幕でロックスは知り合ったヒュスレが元は人類を憎むマーダーであったことを告げられる。
しかし痴漢さんの愛のおかげで自分は目を覚ますことができたのだという。
痴漢さんは今はもういないが今ある自分は彼女のおかげ。その友情と愛に報いるために授かった痴漢技でこれからも全ての敵を愛し絶頂させ幸せにするのだと言う。
痴漢技はともかく、ロックスも香織やラップスなど多くの者の友情と愛のおかげでここまで生きてこれた身として、お互いに愛に報いるために頑張ろうと拳を合わせた。
また一歩、人間とエルフの間に平和的な絆が生まれた。
387 見えてきた希望 大海舞菜、勅使峰碧、千太郎、ファックマン
勅使峰の手元にあるのはアマンダの遺した首輪に関するメモと勅使峰の得た魔法知識。
首輪を完全に解除するにはサクマレベルのハッキング技術か魔法の力が必要なことはわかったが、勅使峰には知識はあっても魔力が足りない。ハッキングは高度すぎて現状で生き残っている対主催では無理である。
そこで美魔女を名乗る舞菜の出番であった。
首輪を外してしまえば主催による爆破の危険性はもちろん、直面しているモリアーティによるゲーム敗北による対主催全滅の危機も回避できるのだ。
その希望が目の前にあることに舞菜は笑みをこぼしつつ、解析作業に没頭する。
舞菜としては仲間や妹のミリアの喜ぶ顔が早く見たかった。
女子二人が作業している一方で千太郎とファックマンはハウスに仕掛けを施していた。
千太郎の直感であるが、モリアーティはおそらく戦闘禁止ハウスに戻り、ここを利用しようとするだろう。
そうなる前に備えようというのだ。
388 Goodbye, my sister... 羽田桜、大海ミリア、エド、郷里沙織、ヒグマーマン、ミーティア
桜の疑念は正しかった。ミリアを迎えに行けばエドに刺された毒のナイフで刺されてうずくまっていた。
まだ息のあったミリアだが腕に致死毒があり、このままでは死亡するだろう。
そこで桜は自分の爪を剥がしてミリアの手に刺し、起爆して片腕を木っ端微塵にした。
一見仲間を傷つける行為であるが毒が体に回るより早く腕を吹き飛ばすことでミリアの毒殺を防ぐのはこれしか手段がなかった。
奇策でミリアを救った桜だがエドがこの場にいないことから沙織たちが危ないことを察し、すぐに仲間の下へ戻る。

エドはまずはヒグマーマンを毒殺しようとするも刃が毛皮に防がれて失敗する。
しかしエドはモリアーティが生み出した魔道具によって急速離脱する手段を持っており、ヒグマーマンの手から逃げるには容易であった。
だがキルスコアをもっと稼ぎたいと欲を出したエドは離脱前に沙織だけでも殺そうとする。
ヒグマーマンやミーティアのカバーは間に合わず、殺されそうになる沙織。
しかしそんな彼女を守ったのは桜であった。
エドの毒のナイフが桜の心臓に深々と突き刺さり、桜は致命傷を負った。

沙織「桜お姉ちゃん!!」
桜「……言ったでしょ?
  『他の奴』を犠牲にしてでも妙織ちゃんのことは絶対見捨てたりしないってね……」
沙織「!!」

当初は殺し合いに乗ろうとしていたが沙織のおかげで踏みとどまれた。
沙織とは最初こそ共依然でしかなかったが、今や血の繋がりを超えた姉妹となった。
そんな彼女を見捨てることなど桜にはできなかった。
沙織だけでなく仲間のために戦い命を燃やす者たちに感化され、自分も必要な人間であると教えられた時、桜の中で何かが変わったのだ。

桜「おかしいねえ、死ぬとわかっているのにみんなのためだと思うと不思議と幸せいっぱいだよ」

世間と自分の不幸を呪うだけの少女はもういない。
自分の身を犠牲にしてでも仲間を助けたいと願う少女に桜はなったのだ。
そして自分が死ぬとわかっていながら渾身の力でエドに抱きつく桜。
ヒグマーマンの追撃を避けたいエドは桜をナイフで滅多刺しにして引き剥がそうとする。
武器も持っていないこんなガキなど簡単に殺せると思いながら。
しかしエドは知らなかった……桜の肉体は全身武器の爆弾人間なのだと。

沙織たちが巻き込まれない位置にいることを確認し、エドが二度目のナイフを振った瞬間、桜は自分を起爆させた。
次の瞬間には桜とエドは閃光に包まれ、大爆発の後に少女は散華し、炎と灰による桜吹雪となった……

目の前でもうひとりの「お姉ちゃん」を失い、呆然とする沙織。
そんな沙織の傍にただただ立つ、ヒグマーマン。
ミリアとミーティアは瞳に涙を貯めるしかなかった。
389 再スタート、新展開、起死回生 九条由奈、サクマ、夕露美維兎、ロボロン、ジョージ・ラングセン、ディスメラ・スイート
一騎打ちにもつれこんだ由奈とサクマ。
しかし工場で自己改造して強化されたサクマの戦闘力は同じサイボーグの田山とは比べ物にならない戦闘力を持っており、形成は不利であった。
周辺の無人ロボディを殲滅し終えた夕露とロボロンが救援に向かっているそうだが、おそらく間に合うまい。
サクマの装甲の前に武器である日本刀も折られて弾丸も全て撃ち尽くし、打つ手がなくなった由奈にトドメを刺そうとするサクマ。
もうダメだと由奈が諦めかけたところで死んだハズのダンのエールが耳に入り、瓦礫の中から光るもの――ダンの形見である狙撃銃を発見する。
そして完全に殺せると慢心したサクマの脳天の、先の爆撃で僅かに装甲がめくれた部分に狙撃銃のゼロ距離射撃を浴びせて逆転勝利する。
ギリギリで生きていたサクマはまだ生きているであろうエドやジョージに救援を求めるが、エドは同時期に死んでおり、ジョージはディスメラが起こす惨劇を撮りたいのとどうせ間に合うまいと思って要請を拒否した。
無人ロボディも全滅した以上、救援は見込めないと知り、サクマは最後の悪足掻きに早駆けで由奈から高速離脱する。
だが頭部の被弾による機能低下で思うように体が動かず、数キロ離れたところで由奈によって再び脳天を狙撃され、今度こそ生命を停止した。
同時にトロナたちの元へ『空き家の冒険』の鍵が転送され、他の無人ロボディもコマンドポストを失って機能を停止。
サクマを倒した由奈は父親のように慕っていたダンの亡骸に寄り添い、「ありがとう」と静かに泣いた。

元暗殺者でありながら人間性に目覚めた少女と、人を人を思わぬ世界の住人の男。
後者は他人を物同然に扱ったがために誰も助けてくれず敗死し、前者は人との繋がりを持ったために授かった技術と武器が自身を生かした。
たった一つの、されど尊い絆が雌雄を分けたのだった。
390 メッセージ・ボール ミルドレッド・イズベルス、魔人ウロボロス
無人になったミュージアムにてミルドレッドは密かにクライヴの生首を回収する。
クライヴは即死だったがヘルメットに守られていたために頭だけは無事だった。
浄化杜組織内でも邪魔者だったクライヴの死をミルドレッドは大いに喜びつつ、生首を手にミュージアムから主催本拠地へと転送される。
その入れ替わりで周辺の無人ロボディを殲滅し、モリアーティとその一派を探していたウロボロスがミュージアムに入るも中はもぬけの殻であり、マーダーたちが何処へ移動したことを知ると、危険を呼びかけるために『ミュージアムから敵が移動した模様、鍵は見つからず』と刻んだ野球ボールをダンジョンの各地にいる対主催に届くように空へ投げた。
391 答―ファイナルアンサー? 勇者トロナ、御神薙立華、魔人モリアーティ
ブレーメンズの活躍によって『空き家の冒険』と『恐怖の谷』の鍵は揃った。
しかし『最後の事件』の鍵とそれを持っているジョージだけが最後まで見つからず、タイムリミットもすぐそこまで着ていた。
ウロボロスの野球ボールを使った通信からいるべき場所にジョージがいないことも分かり、立華の提案した『最後の事件』だけは諦めざるおえず、話し合いの末、立華はトロナの選択『空き家の冒険』を信じることにした。
扉に鍵が差し込まれたその結果は――



「私が一度『死んだ』後、ホームズが実は生きていたという事実を知るのに何年かかっただろうね。そんなこと、いまさら気にすることではないか」
「わざわざ彼との決着の地の名をゲームタイトルに選んだのだ。もし相手がホームズならば私が勝っていたであろうな」
「ふむ、『感』というのも案外手強いものだ」

扉の向こう側は首輪の爆破によって訪れる天国ではなく、巨大な滝と断崖であった。

「おめでとう諸君、この『ライヘンバッハの滝』こそ、私と君たちとの決着の舞台にふさわしい」

トロナと立華は賭けに勝ち、見事に正解したのである。
392 世紀末の犯罪紳士 勇者トロナ、御神薙立華、魔人モリアーティ、勇者スーサイド、ブレイン
モリアーティは因縁とブレーメンズの勇気に経緯を払って戦いを挑もうとする。
事件は犯人を殺すか捕まえるまでは解決とは言えんぞと言わんばかりに。
すぐにでも始まるであろう戦いに立華は身構えるがトロナはなぜか剣を抜かない。
その理由をトロナは自身の推理を交えて言った。

トロナ「私は困っていたり助けて欲しかったりする人の声が聞こえます
きっと正しい扉を私が選べたのは、貴方が『止めて欲しい』とか『助けて欲しい』とかどこかで思っていたからだと思うんです
だから私は勇者として、魔人の貴方を助けてみせます!」

トロナの選択はまさかの説得であった。
勇者にはモリアーティが打ち倒すべき悪魔ではなく救済を求める迷い人に見えたのだという。
すでに鈴木とサクマとエドも死に、残っているマーダーはジョージのみ。
生き残っている対主催が結集すればどのみち勝ち目はないと、トロナはモリアーティに降伏を迫った。
普通なら罠を警戒するだろうがトロナの目には恐れも悪意もなく、真剣にモリアーティを救いたいという勇者の意志を感じ取れた。


そして差し出されたトロナの手に対してモリアーティは――



――払い除けた挙句に、彼女の心の蔵を貫いた。


「あっはっは……アハハハハハハッ!――残念だ」
「私が『助けて欲しい』と? 冗談もほどほどにしたまえ」
「そのような浅はかな希望を信じる姿はある意味褒め称えたいところだが」

トロナの推理が当たっているにしろ外れているにしろ、降伏を迫る彼女の願いは犯罪紳士のプライドを傷つけたのだ。

「私は『犯罪紳士』ジェームズ・モリアーティ。英国最大の犯罪王が自首とは笑い話にもならないのでね!」
「もし私を捕まえたいのであれば、私を力づくで倒してからにしてもらおうか!」

説得に失敗したトロナが殺されて怒る立華はモリアーティに一騎打ちを挑むも、首輪による制限がなくなった超常の力の前に一蹴されて一撃で再起不能寸前に追い込まれる。
下手をすると本当に一人で生き残った対主催を駆逐できるかもしれないモリアーティの力を前にして立華は恐慌状態に陥ってしまう。
その立華の姿に落胆したモリアーティは彼女を消し飛ばそうとするが、寸前で救援に駆けつけたスーサイドとブレインに阻まれた。
393 信長の野望 織田信長、岬朔郎
信長は朔郎の持つ真実の目とセータームーンのぬいぐるみを使ってセラフィム田山の強さの正体である、墓に偽装した十字架型エネルギー吸収装置を発見する。
さっそく壊そうとする朔郎だが、信長は「もっと良い方法がある」と悪い笑顔をしながら十字架に退魔師流の細工を施した。
まだこのような十字架があるかもしれないと、できるだけ多く細工するために信長と朔郎は次のポイントへ向かった。
394 tanasinnは真実だ 勇者スーサイド、ブレイン、御神薙立華、魔人モリアーティ、セラフィム田山
「あ~あ、トロナちゃん死んじゃったよ。しかし馬鹿だねこの子。
悪党や魔物なんて無理して助けようとせず、シンプルに殺せば良かったのに。
それが勇者っつうか世界の摂理だろうに……ま、そこが好きだったんだけど」

モリアーティを前にふざけたテンションのスーサイド。
以前にも思ったが、モリアーティにはこの男が奇妙で奇妙で仕方がなかった。
そんなふざけたノリの中にセラフィム田山が乱入しモリアーティの魔力を奪うべく襲撃を仕掛けた。
そして始まるモリアーティVS田山。
首輪による制約のないモリアーティと首輪はあるが十字架の加護で無制限のエネルギーを得ている田山は互角の戦いを見せる。
それは強者であるブレインとて近づくのを躊躇うレベルであった。

その裏でトロナ蘇生を試みるスーサイド。
だが全く動く気配がなく、立華とブレインには死体で遊んでいるようにしか見えなかったので物凄く非難された。

スーサイド「ちぇ、ザオリクはダメか。まあやったら荒れるし判断としちゃ正解だが。
あくまで演出だよ演出、そうカッカなさんな。














その代わり、私の本気を見せてやるから貴様らの力を少し貸せ。
私がモリアーティと田山を倒すにはどうしても悪魔を越える力がいる」
ブレイン(な、なんだこいつ・・・・・・急に雰囲気が)
立華(この邪気……この人はまさか!?)
スーサイド「おまえたちは離れてろ、ここは直に瓦礫しか残らなくなる」

突如、異次元からスーサイドに向けてエネルギーが降り注いだ。
そしてスーサイドの肉体から勇者には似つかしくない魔力と名状しがたき触手や細胞が生え、立華はおろかブレインにすら宇宙的恐怖を植え付け、このまま留まるのは危険であると本能的に悟った二人を逃走させた。
その膨大なエネルギーの流動にはモリアーティと田山すら驚かせ、戦いを中断させた。
変わり果てていくスーサイドを見たモリアーティと田山の中にいるセラフィムの記憶が囁いた。
「古き神々――旧支配者」と。
395 終わりの始まりの終わり 旧支配者スーサイド、魔人モリアーティ、セラフィム田山、スエボシ、真崎洸
スーサイドが今まで会話していたのは読者ではなく異次元に住む異界の神、彼曰く常人なら見ただけで容易く発狂しかねない古き神々だった。
そしてスーサイドの肉体には彼本来の魂は既になく、中身は異界の神に憑依されていたのである。
さらに神格者故に神から天啓を受けることが出来るトロナに目をかけていたとのこと。
その理由は自分の手で最弱の勇者から最強の救世主に仕立て上げることとも、育て上げてから神聖なマナを喰らって世界の侵略の糧にするとも、単なる気まぐれともスーサイドは嘯きを交えて言い、はっきりしない。
だが自分の友人もしくは玩具のトロナを殺した怒りは本物であり、今から異界のエネルギーを得て魔人二人すら容易に屠れる神へと姿を変えるのだという。
本当に急激に魔力を増していくスーサイドに驚異性を感じるモリアーティと田山。
後悔をしたところでもう遅いと二人に向けて高笑いを上げるスーサイド。


ところが、異界からのエネルギーの流入は突然止まってしまった。
素で動揺するスーサイドだったが、そこへ神通力を使ってスエボシがテレパシーを送ってきた。
比較的に若いらしいスーサイド(の中の神)は知らなかったが、古き神々はかつて支配者と呼ばれるほど世界を制していた。
ところが数十万年前にある人物によって敗北し、“旧”支配者たちは滅ぼされるのを避けるために異界へ逃げ込むハメになったのだ。
それを成し遂げたのがあらゆる異能力――神々の力すら無力化する人類の先祖・古の巫女のスエボシだったのである。
スエボシにとって人類に害をなす古き神々は敵であり、古き神々にとってスエボシは天敵である。
そして異界にいる旧支配者たちに脅しかけ、エネルギーの流入を止めさせたのだ。
最後まで勇者を装っていれば気づかれなかったのだが、スーサイドが自ら古き神々の正体を明かし、例え嘘が混じっていても侵略の意図を仄めかす台詞を吐いたために、人類の母であるスエボシの怒りに触れてしまった。
スーサイドは名前の通りに『自殺』行為を働いてしまったのである。

旧支配者すら凌ぐスエボシの途方も無い力にスーサイドは普段の狂気すら忘れて唖然とする。
その瞬間が命取りとなり、一時的に手を組んだモリアーティと田山が襲い掛かる。
田山としては熾天使である自分を差し置いて現れた時代遅れのロートルには退場を願い、モリアーティは異次元を使って謎解きもせずに答えだけを見る無粋な輩と唾棄して、二人でスーサイドを取り押さえた。
そして今度は二度と蘇えらないように二人の魔人がスフィアと魔術を使ってスーサイドの魂を書き換え、スーサイドこと旧支配者の一柱は事実上消滅させた。

そして中途半端に異界のエネルギーを注がれたスーサイドの死体が暴走し、ゾンビのように夕露たちの所へ向かっていった。
邪魔者が消えたのでモリアーティと田山は再び決斗を始めるが、そこへ洸が現れて三つ巴の戦いになる。
396 第七回放送 須原毅
第七回放送で呼ばれたのは
ヤッタルマン、デニス・ブルックス、勇者ザコット、ダン・デュールマン、鈴木幸四郎、クライヴ/イヴァン・クランベリー、羽田桜、ヘンリー・ジェシカ/エド、サクマ、勇者トロナ、勇者(?)スーサイド
以上11名、残り32名

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最終更新:2017年07月22日 22:50