【名前】遊城十代
【出典】遊戯王GX
【性別】男
【称号】覇王
【名ゼリフ】「戦わない戦士に興味はない。だが、貴様も悪を憎み倒そうとするなら、悪にでもなれ!
      弱肉強食の世界では、力こそが、勝ち残る者こそが正義だ!」

【本ロワでの動向】
アニメ遊戯王シリーズ第2作、遊戯王GXの主人公。しかし、今回は遊戯王史上最高クラスの鬱展開で知られる第3期ユベル異世界編の途中から――即ち、覇王十代としての参戦となった。
普段の十代との外見上の相違点は、フェイスカバー完備の金色に縁取られた漆黒の鎧に赤いマントと回転鋸を思わせるデュエルディスク、そして輝きが失せた黄金に変化した瞳である。
このロワでは十代と呼ばれることは極めて稀で、覇王という通称で一貫していた。

ロワでは登場話から苗木誠と遭遇。希望を謳う彼を絶望の闇から生まれた覇王は一蹴し、モンスターを使役するまでもなく殺人デュエルディスクを用いて撲殺。
少しして隣接するエリアで立花響と真月零の2人に遭遇。響の資質を見抜き「戦士ならば構えろ」と一方的に開戦を宣言。問答無用の覇王に響は戸惑うばかりだったが、真月を守る為に応戦する。
覇王はネオスペーシアンたちを放逐し再構築したE-HEROを使役し、シンフォギア装者をも圧倒。響の攻撃に的確に魔法罠でカウンターし、確実にそのライフを奪っていく。
デュエルエナジーの昂りと共に闇のオーラと瘴気が迸り、圧倒的なプレッシャーで歴戦の勇士である響さえも怯ませ、真月を戦意喪失させる。

覇王「我が名は覇王。十二次元宇宙を遍く全て支配する者。力こそが全てを決するこの地で、貴様は欺瞞を語るだけか?」
響「この人、強い……! けど、どうしてそんな悲しそうな目をしてるの!?」
覇王「成長したんだよ。心の闇を糧に」
響「心の、闇……?」
真月「響さん! よかれと思って、退路を確保しておきました! 早く逃げましょう! 彼は強過ぎます!」
覇王「戦わない戦士に興味はない。どこへなりとも行くがいい、負け犬」
響「……響かせてみせる。いつか必ず、貴方の胸に私の歌を。絶対の、絶対に!」

しかし、響と真月が逃げ出そうとするとすぐさま矛を収め、敢えて見逃した。
立花響に潜む心の闇を見抜き、その闇が育つのを待ち、闇に堕ちた魂を超融合の更なる進化の糧とする為に。
戦闘直後、次なる戦場へ向かおうとする覇王に、ローブを纏った男が接触した。その名はベクター。バリアンの七皇に名を連ねしよからぬデュエリスト。
覇王はベクターから同盟を持ちかけられ、その策を聞いた上でこれを了承する。
その後はベクターと行動を共にし、ベクターが度々ワープ能力で姿を眩ませてはよからぬことをしでかして来るのも黙認し、覇王はひたすら前へ前へと進んでいた。

途中、ベクター(分身)がよからぬこと(天使の2人にノイズばら撒きの辺り)をしに離脱している間に、ポケモントレーナーのレッドと遭遇し交戦。
ポケモントレーナーとデュエリスト、似て非なる者同士が操るモンスター同士の戦いは拮抗。覇王は決定打となる一手として、支給ポケモンのギャラドスを繰り出しレッドのライフをゼロにしようと迫る。
しかし、レッドが身に着けていた笛は当初ポケモンの笛かと思われていたが、なんと実体化したクリボーを呼ぶ笛だった。持ち主の危機に反応して現れたクリボーに、覇王はかつての相棒ハネクリボーの姿を見出し動揺。初めて自分から戦闘を中断し撤退することとなってしまった。

気を落ちつけた後、屈指の強豪マーダーのブロリーと接触し、一時的な協力関係を構築することに成功。が、ベクターの進言もあり制御しきれない暴力そのもののブロリーを、デュエル制限の実験台として始末することを決定。
力を求めるブロリーに大量の装備魔法カードを与え、最終的にデュエル制限の抵触による首輪の爆発にまで追いやる。同時にデュエル制限の性質を見抜き、超融合のちょっとした応用でデュエル制限の無効化に成功する。

ベクターの分身が予定よりも早い段階で立花響への“仕上げ”の為に離脱し、覇王は再び単独行動となった。
その間に、ベクターから聞かされていたエクシーズ召喚という未知の、未来の新戦術への対抗策となるカードを求め市街地のカードショップへと出向く。
辿り着いたのが、かつて修学旅行で訪れたデュエリストの聖地の一つである武藤遊戯の実家のカードショップを模していたのは、何の因果か。
覇王はカードショップでカードを物色し、見覚えの無いパックを中心に手当たり次第に箱ごと持ち出し開封。リアルファイト用のデッキとは別に、純然たる決闘用デッキの調整を進めた。
未来のカードをも組み込んだデッキ調整を終えて、カードショップを出てすぐにマリア・カデンツァナ・イヴと遭遇。戦闘になるが勝負にさえならず、正義の為に悪を貫くと歌う戦乙女の覚悟を覇王は一笑に附す。
倒す価値すら無い雑魚としてマリアを捨て置きその場を立ち去ろうとした時、一部始終を見ていたグリーンが現れ、彼とバトルをすることになった。
グリーンの要望に応えたポケモンとデビルの異種バトルの決着は、覇王のオーラに呑まれたグリーンとジャックフロストの敗北となった。
敗北したグリーンはこうなることを予期していたように取り乱すようなことはせず、ただ、覇王に請うた。あんたのように強くなりたい、あんたと一緒に行かせてくれと。
覇王はこれを了承し、グリーンを傘下に加えてベクターとの合流場所へ向かった。
ベクターとの合流を果たすと、ここに妄想アニロワ2屈指のマーダー(正確には危険対主催)集団『覇王軍』の結成となった。

まずは対エクシーズを想定した模擬デュエルを行い、グリーンにもデュエルモンスターズ特有のフィールを第三者視点で学ばせた。
その後も行軍を続け、ベクターのよからぬことによって聖王として覚醒したヴィヴィオと交戦。時空を超えた覇王と聖王の決闘は短時間だったが、エリアを1つ壊滅させるほどの激戦となった。
ヴィヴィオを追って来たチームロリコンが現れると、覇王は決着をつけたければ柵を断てと告げて、ベクターとグリーンをつれて聖王の前から姿を消した。
聖王との戦いから時間を置かず、鬼柳京介率いるチームサティスファクション(仮)と交戦。かつて撤退という失態を演じた相手であるレッドの相手はグリーンに、ベクターには相田マナの相手を任せ、覇王は死神と呼ばれるデュエリストとの決闘に臨む。

鬼柳「さぁて……満足させてもらおうか」
覇王「苦悶に満ちて死ぬがいい」

デュエル序盤は覇王もベクターも知らない未知のタクティクス――シンクロ召喚を操る鬼柳が優位に進めた。シンクロを除いても、インフェルノ・ウィングの追撃をインフェルニティ・デス・ガンマンの効果で迎え撃ち無力化するなど、無手札必殺の死神は、覇王も真のデュエリストと認めるに足る実力者だった。
だからこそ解き放つ。心の闇が創り出した力の象徴を。
絶対無敵、究極の融合カード――超融合。
覇王はクレイマンと鬼柳のインフェルニティ・デス・ドラゴンを融合。波導龍騎士ドラゴエクィテスを融合召喚し、一瞬で形勢を逆転。
しかし鬼柳もこの程度では屈さず、ハンドレスからドローしたインフェルニティ・デーモンの効果でインフェルニティ・ガンを手札に加え、発動。効果により再びモンスターを展開し次なるシンクロ召喚を行おうとした。だが、この瞬間に覇王は鬼柳から希望を奪う罠を発動した。
グリザイユの牢獄。自分の場にアドバンス召喚したモンスターか融合モンスターが存在する時にのみ発動できる、シンクロ・エクシーズをモンスター効果どころか召喚そのものさえも封じる、覇王がこのバトルロワイアルに参じる為にあったかの様なカード。
逆転の一手を封じられた鬼柳はターンエンドを宣言。ほぼ同時にベクターがキュアハートを始末し、グリーンとレッドの戦いも間も無く決着となる。
この戦いの勝利は決した。だが、それだけでは足りない。
圧倒的にして絶対的な力でねじ伏せる。敗者の絶望という名の闇を、超融合の進化の糧とする為に。

十代「魔法発動、ダークコーリング! 墓地の幻魔皇ラビエルと手札の地球巨人ガイア・プレートをダークフュージョン!
   現れよ! E-HEROダークガイア!! この力の前には、あらゆる防御が無意味と知れ!」
鬼柳「攻撃力……6800!」
覇王「装備魔法、巨大化を発動! ダークガイアに装備し、攻撃力を元々の攻撃力の2倍にする!!」
鬼柳「更に倍の、攻撃力13600だと!?」
グリーン「スゲェ……! 流石は覇王だ。いつかは俺も、あいつのように……いや! あいつよりも強く……!」
レッド「グリーン、お前、本気で言ってるのか!? あんな、悲しい戦い方で本当にいいのかよ!」
ベクター「はぁっ! この世は力こそが絶対の正義! 弱い奴らは悔しいよなぁww
     どんなに正義や理想を語っても、強者の前には死を持って屈服するしかねぇんだからなぁ! 精々足掻いてみせろや!」

ダークガイアの力により、ライフ初期値の倍以上のダメージを与えるオーバーキルによって鬼柳のライフを奪い尽くし、覇王は勝利し、自らの力をこの場にいる全員に誇示した。
やがてグリーンも宿敵との戦いに勝利し、その心を覇王と同様に闇に染めていった。
戦いを終えて立ち去ろうとした時、何と鬼柳が息を吹き返した。ライフが尽きても敗北とならないインフェルニティ・ゼロの効果を現実に発動し、辛うじて命を永らえていたのだ。

覇王「貴様……どういうことだ? 何故、ライフゼロで食い下がれる?」
鬼柳「死神は……死なねぇ……! インフェルニティ・ゼロの効果が発動したのさ。ライフゼロでも、俺は……まだ戦える……!」
覇王「……面白い。ならば死の淵から這い上がり、再び俺の前に対峙するがいい。その時にトドメを刺してやる」
ベクター「おいおい、いいのかよ? そんな温い事を言っちまってよぉ」
グリーン「そうだぜ! こういうやつこそ、力でねじ伏せるのがあんただろ!?」
覇王「超融合を更に進化させるための糧……怒り、悲しみ、憎しみ、苦しみ、疑い、そして絶望。それを得るためだ。俺は常に、覇道の先を見据える」
鬼柳「待ち、やがれ……! 今、ここで、俺と……!」


チームサティスファクション(仮)との戦いを終えて休息を取った後、黄金バットと遭遇。覇王は相手がヒーローであることから警戒し、ベクターに戦いを任せる。無敵とも思えるタフネスと力だったが、ベクターの機転で奈落の落とし穴での除外に成功する。

次いで蓮城寺べると遭遇。
母に失望されるのを恐れ焦りから心を闇に染めかけたことのある彼女は、仲間たちから失望されたことことが覇王化の一因となった十代を説得しようとする。
プリズムライブで愛を届けようと跳躍したベルを、しかし覇王は神の警告でペアとも及びプリズムフェニックスの召喚を無効。
彼女が乗り越えたはずのトラウマを再現するかのような転落死に追いやる。
更に鵺野鳴介の死によって解き放たれた覇鬼に対して、覇王は超融合を発動。モンスターとの融合が無理と見るや即座にベクターを素材に指定して融合、覇鬼ベクターへとパワーアップさせた。
この件でベクターから色々と抗議されたが、覇王は持ち前のスルースキルで全て無視し、ひたすら前へと向かった。

ロワも終盤に差し掛かろうという頃に、覇王は序盤で相見えた響とその仲間達と接触。ベクターの煽りから一触即発の状態、響の呼び掛けも覇王は威圧によって黙らせたが、1人の男が覇王の本名を呼んだ。
未来の人間世界で極東エリア・アジアリーグチャンピオンの座に輝くプロデュエリスト、Ⅳ。デュエルを挑まれたなら迷わず応えてこそのデュエリスト。覇王とⅣのデュエルの開始の合図が、双方の戦いの幕開けとなった。
かつて、心の闇を受け入れず成長していなかった遊城十代に巨大な敗北を刻んだ2人のプロデュエリスト。その2人と比して遜色がないほどに、Ⅳは強かった。互いに渾身の一撃を打ち合い、凌ぎ合い、勝負は一瞬の油断が敗北へと直結する次元へと高まった。
Ⅳが遂に切り札を切ろうとした瞬間に、覇王は温存していたグリザイユの牢獄を発動しエクシーズ召喚を封じる。Ⅳは素材モンスターを守備表示で並べていたが、覇王の場には貫通ダメージを与えるマリシャスエッジがおり、勝敗はほぼ決したも同然だった。
だが、覇王がドローをしようとしたその瞬間に、衝撃の一撃がデュエルに割って入った。カズマの衝撃のファーストブリットが、デュエルなぞ知ったことかとばかりに打ち込まれたのだ。
覇王はデュエルディスクを盾として防ぎ、そのまま弾き飛ばすが、デュエルに無粋な横槍をしたチームロリコンの面々に激怒。
「どうやら、貴様らは真のデュエリストではないようだな」と痛罵を浴びせた後、グルリと集った戦士達を見回すと、ポケモンやデビルなどの自分の手持ちを全てベクターとグリーンに委ね、覇王は一人先へ向かった。まだ、狩るに足る心の闇の持ち主がいなかったのだ。

戦いが終わり、合流場所へ来たのはベクターのみ。グリーンと少なからぬ手勢を失ったものの、Ⅳを討ち、立花響の心に少なからぬダメージと闇の種を与えられたことを知り、ただ一つ頷いた。
仲間だった者への弔いは一切せず、ただその名と存在だけを覇王は自らの脳裏に刻んだ。

合流した2組を始め、生き残った対主催メンバーの大半が銭湯に終結したことを、覇王とベクターは目視しながらもすぐには動こうとしなかった。自分達の他にも気付いている者がいる、ならば動くべき時にはまだ早い。
そして、先んじて銭湯から出て来たチームロリコンを東方不敗が襲撃し、カズマが討たれ、東方不敗も九郎と一方通行によって斃された。それを見計らったように、大導師マスターテリオンが満を持して最愛の好敵手の前に現れる。
その迎撃の為に銭湯に残っていた全てのメンバーが動き出したのを見て、遂に覇王は動く。

十代「よくぞ勝ち抜いてきた、歴戦の決闘者たち、そして類稀なる戦士たちよ。
  今こそ、我が力と貴様らの掲げる理想の、雌雄を決する時!
  誰一人として逃がしはしない、この戦いに勝ち残った者こそが正義だ!!」
ベクター「さぁ! よからぬ最終決戦と洒落込もうじゃないか!」

ポケモン、デビル、ノイズの複合軍団を率いて、覇王軍は最後の進撃を開始した。マスターテリオンのリベル・レギスを迎撃しようとしていた者達は虚を衝かれ、数の暴力に圧倒されて防戦一方となる。
しかし、グラハム・エーカーがリベル・レギスの相手を一手に引き受けたことにより、対主催メンバーの全員が覇王軍のモンスターとの戦いに専念し始めた。しかし覇王とベクターはノイズの接触即死の特性を十全に活用し、対主催メンバーの連携の輪を乱し、じわりじわりと追い詰めていく。
そこへ何かが飛来し、覇王とベクターは咄嗟にデュエルディスクで防ごうとして、そのままデュエルディスクを捕えられた。デュエルアンカーを打って来たのは、因縁の鬼柳京介、そして――かつて自分にロードを示したデュエリストのオリジナル。伝説のデュエリスト、海馬瀬人
覇王、七皇、死神、社長――4つの時代から招かれた、我こそは最強と憚らぬデュエリスト達の決闘の火蓋が、ここに切って下ろされた。

タッグデュエルは連携で一歩先を行く覇王とベクターのタッグが優位に進めたが、敵もさる者、容易に勝利とはいかない。
ならばと、先のデュエルで虫の息となっていた鬼柳に攻撃を集中。容赦の無い連撃を鬼柳も捌き切れず、デス・カウンターが3つ溜まってしまい、遂に命を落とした。
だが、その時の鬼柳の心に超融合の糧とすべき闇は無かった。代わりあるのは、かつては十代も持っていた、絆という名の光。
命尽きる間際に鬼柳が不敵に笑った、その瞬間、かつて足すべき価値も無いと断じたマリアの指揮するコンボによって覇王軍のモンスターたちが壊滅的な被害を受けてしまった。全ては、モンスターたちから指揮官を引き離す為の策だったのだ。
覇王はベクターを戦線の維持の為に下がらせ、1人、海馬瀬人と対峙し、デュエルを続行する。

デュエル終盤、海馬が繰り出した真の切り札、青眼の光龍を超融合によって奪わんとしたが、絶対無敵の力と信じた超融合の力が、光龍には通用しなかった。
狼狽し、動揺を露わにする覇王。同時に、覇王は自らの『底』を暴かれる。
悪を倒す為ならば悪にでもなり、弱肉強食の世界を力によって支配するという思想。それは所詮、闇に逃げ、闇の溺れた臆病者の戯言に過ぎないと。
超融合のカードとて、本当は他者に依存することしかできなかった心の弱さの表れなのだと。
だから、覇王は弱い。今まで対峙して来た戦士や決闘者達、そのいずれよりも。
そんなことは断じてないと、覇王は怒りと共に自らの闇と力を迸らす。そして輪廻独断を用いたコンボによって、ダークネスネオスフィアと幻魔皇ラビエルをダークコーリングによってダークフュージョン、攻撃力8000のダークガイアを召喚し海馬の命に迫る。
しかし、海馬は全く揺らがない。絶望的な状況でも、勝利を信じて未来に向けてドローする。そして集う、海馬瀬人の決闘者としての結晶たるモンスターたちが。

社長「青眼の白龍、青眼の究極竜、青眼の光龍、蒼眼の銀龍、そしてオベリクス!
  見るがいい……力とは、こういうことだ!」
覇王「ブルーアイズの系譜に、神……! だが、俺のダークガイアの攻撃力を超える者は1体としていない!」
社長「それはどうかな?」
覇王「なに?」
社長「行け、青眼の究極竜! アルティメットバースト!!」
覇王「劣る攻撃力で攻撃だと……? いや、融合モンスターで攻撃ということは、まさか!」
社長「手札から、速攻魔法を発動! 決闘融合―バトルフュージョン―! 貴様のダークガイアの攻撃力を、究極竜の攻撃力に上乗せする!」
覇王「ば、バカな……! このタイミングで、そのカードを……!」
社長「ふぅん。貴様には分かるまい。真の決闘者のドローとは、全て必然!
    俺ほどの決闘者ならば、常にドローは俺を勝利へと誘う必勝の切り札となる!」
覇王(なんだ……? 海馬瀬人の手が、輝いている……!?)
社長「さぁ、受けるがいい! 我がモンスターの一斉攻撃! ゴッド・シャイニング・バァーストォ!!」

完敗。
そうとしか言い様の無い、完全なる敗北だった。
実体化したダメージによって兜と鎧は半ば砕け散り、覇王も辛うじて即死を免れていた。
しかし、そんな痛みなど些細なことだった。
闇に覆われた心を貫いた、鮮烈な光。真のデュエリストと信じるデッキとの結束の力、絆と呼ぶべき光。
それに直面した瞬間に覇王の心に湧いたのは、死と敗北への恐怖や焦燥ではなく、わくわくだった。
純粋にデュエルを楽しんでいた、あの頃の遊城十代の心だったのだ。
覇王は悠然と立つ海馬に向けて右手を上げ、親指と人差し指と中指を揃えて伸ばした。
遊城十代が、デュエルを楽しんだ後にやっていたお決まりのポーズだ。

覇王十代「楽しい……デュエルだった……」

その言葉を遺して覇王・遊城十代はデュエルの果てに力尽きた。

余談であるが、GXを知らないロワ住人は十代のことを主人公ではなくラスボスかそれに準じる大ボスと勘違いしていた。今回のロワの顛末を見れば、その勘違いも已むを得ないだろう。

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最終更新:2014年02月23日 14:15