【名前】海馬瀬人
【出展】遊戯王デュエルモンスターズ
【性別】男
【職業】社長
【名セリフ】
「強靭!無敵!最強!」「粉砕!玉砕!大喝采!」「フハハハハハ!」「それはどうかな?」
「果てしなく続く戦いのロード……それがお前たちの未来となるのだ!」

【本ロワでの動向】
海馬コーポレーションの若き社長にして主人公・武藤遊戯の最大のライバル。通称社長。弟モクバと嫁こと「青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)」をこよなく愛する男である。キャベツ?知らんな。
過酷な幼少期ゆえ冷酷で高圧的な性格だが、その最大目標は身寄りのない子供ならタダで遊べるテーマパーク『海馬ランド』を作るという立派な夢である。
膨大な名言、ネタに溢れる遊戯王屈指の人気キャラだが、意外にも妄想ロワには初参加である。
その存在感はやはり絶大で、今ロワの主役格と見なされている。

アニメ終了後でGX開始前後からの参戦という、絶妙な時期が後々の壮大な展開に対しての大きな伏線となる(話についてこれる奴的な意味で)。
かつてDEATH-Tという悪辣な殺人ゲームを作った身とはいえ今の海馬にこのゲームに乗る意思はなし。堂々と主催を叩き潰す宣言をする。
支給品にはお馴染みの海馬デッキにデュエルディスク。形状が形状なのでリアルファイトにも有効なディスクがあることで意気揚々。
だが制限にある「デュエル禁止」の二文字に社長は激昂。こんなところで主催への怒りゲージを溜めるあたり流石の本家決闘脳である。

ご立腹の社長の初遭遇参加者は、現代のSAKIMORIズバババン……改めズババンナイト……ではなく風鳴翼
翼の提示したカードと自らに起きた不可思議な現象……マスターテリオンとの戦いで突如として実体化したズババナイト……の話を契機に情報交換に踏み切り、早期にして十二次元宇宙の概念に気づく考察の冴えを見せた。
このほぼ同時期に接触しにきた早乙女アルトとグラハム・エーカーの中村組からの情報も合わせてより考察を深めていく。


グラハム「我々の情報を総合するに、我々は世界を成す重要な要素がそれぞれに異なっているという認識でよいだろうか」
アルト「そうだな。まさか西暦2010年代に統合戦争も何も起きていないなんて、驚いたぜ」
翼「聖遺物がただの博物資料というのは良いが、よもや巨大ロボットが星の大海を駆け巡る世界とはな……」
海馬「ふぅん。貴様らは甚だしい考え違いをしている」
グラハム「どういうことかな?」
海馬「我々の世界はそれぞれに重要な部分が異なっているのではない。
   重要な根幹部分は共通しつつも、それに付随する要素こそが大きく異なっているのだ」
アルト「……そうか! 地球と言う舞台は同じで、そこで行われている演目や芝居の道具が違っているということか!」
翼「言われてみれば、その通りだ。最も重要なのは私たちが手にする力ではなく、私たちが生きている場所の在り様だった」
海馬「さながら、俺達の世界とは同じ名前のカードでありながら、記されたテキストやイラストが異なっているというべきだ」
グラハム「完全な異世界ではなく、さりとて量子力学の可能性分岐ほど近縁でもなく……どういうことなのだ、この不気味な符号は」
海馬「そこまではわからん。だが、その謎を解き明かすことに、俺達を無粋な殺し合いに呼び寄せたゲスどもの真意があるはずだ」


元より高校生にして大企業の社長に収まる身、加えて遊戯王世界出身ということもあって(未だラスボスの存在自体不明にも関わらず)裏に潜む影を察知するなど主要考察メンバーの一人として頭角を表し、後に他の考察メンバーの説を組み込むことで、予め知っていた者以外では最も速く真実に辿りつくことができた。
だが翼はともかく海馬の最も忌む「軍人」のアルトやグラハムには侮蔑を露わにするなど、その気難しさから当初は信頼関係に大きな罅があった。
遊戯との戦いを経て若干ながら軟化したものの、我が強い上に人との信頼には未だ否定的。比較的穏健な翼とも意見の相違がしばしば見られている。
徘徊するモンスターやマーダーの対応に追われなし崩しに行動を共にしその過程で彼ら個人の人となりは理解するものの、各人の間には溝が残っていた。

こんな時に海馬にとっての他者との交流するための道具とは……そう、デュエルモンスターである。


翼「ふむ。色々と試行錯誤をしたが、どうやら私にはこのデッキが一番性に合っているようだ」
海馬「ふぅん。俺の知らぬ未来の新カテゴリ……六武衆と武神の複合デッキか。貴様らしいと言っておこう。
   だが……やはりそのカードは入れるのだな」
翼「無論だ。ズババナイト……彼がいなければ、今頃私は涅槃にいただろうからな。さぁ、瀬人、私の初デュエルに付き合ってくれないか?
  基本ルールは抑えたが、応用が利くかは分からないからな」
海馬「よかろう。貴様に真の決闘の如何なるかを叩きこんでやろう!」


忌々しいデュエル制限をあっさりと解除し、翼のデッキ構成と練習相手に快く付き合う姿は年相応の高校生のものであり、周りとの蟠りも僅かながら解けていった。
実戦で容赦なく叩き込むスパルタ方式だったが戦場の心得を知る翼にとってはむしろ馴染みよいものだった。
ちなみにこの二人、ほぼ同年代(17歳)。言動が揃って老成しすぎである。

さる研究施設で海馬愛用のブルーアイズ型ジェットを始めとした飛行機体の起動ロックの解除に取り掛かる途中に接触した極東デュエルチャンプ、Ⅳとの通信越しの挑戦にも堂々と受けて立った。
Ⅳのデッキは海馬にとって未知なる種族・エクシーズ。苦戦を重ねるもそこは伝説と呼ばれるデュエリスト。即座にエクシーズの仕組みを理解し的確に反撃、トドメにはブルーアイズという小粋なファンサービスを見せて決着をつけⅣを感嘆させた。
この他、海馬とはまた別の超理論で考察を進めるキt……ドクターウェストとの会話についていくという地味に半端ない真似をしたり、翼の後輩で同じく新米デュエリストの立花響をデュエルで大人げなくフルボッコにしている。凡骨、馬の骨と散々に叱るが光るものは認めていた模様。
Ⅳとの決闘で新種のカードの強力さを思い知った海馬はデッキの再構築を決意。道中で入手したカードを検分し、行軍の合間を縫ってデッキの強化に勤しみ、まだ見ぬ未知のデュエリストとの戦いに備えていくのだった。

Ⅳ達とは直接会わないまま別れを告げ、首尾よく入手した各機動兵器により戦力・移動力が充実したことから、情報と仲間集めを並行させるため二手に別れることを提案。
これには効率の面もあるが、やはりしこりの残るアルトとグラハムとの連携に不安を感じたがためもあったのだろう。
しかし最年長のグラハムは快く了承、再び見える時には真に肩を並べる戦友となることを誓い軍人二人は先を飛んでいった。
大人に配慮をされたと感じた海馬は屈辱を覚えると同時に自らの浅慮さを自戒。翼からの言葉をあえて受け止め、次会う時は二度と後れを取らんとデルタイーグルに乗った翼と共にブルーアイズジェットで会場を全速前進するのだった。あ、ツンデレごちそうさまです。
翼とのレーシングコンビの連携は中々のもので、嫁ジェットで板野サーカスする社長と、副座コクピットでシンフォギアを纏い、魔法カード『多分影分身』を発動した上で騎刃ノ一閃の応用技『蒼眼ノ一閃』を放つズババンナイト。
予備の車両を何台も廃車にしながらも戦いのロードを突き進むこの二人はやがて名コンビと扱われる。初代キャラなのにDホイーラー化?そもそも片方はシンフォギアキャラ?受け入れよ。
当然だが、この二人にフラグなど微塵も立ちはしない。どこかの三股王とは違うんです。

デュエルを通して何かを掴んだのか、ここから海馬の華麗なる決闘伝説が幕を上げることになる。
クラッシュタウン編、いわゆる不満足状態の鬼柳京介には出会うなり理不尽にキレて強制デュエル。
再び燃え出した満足心からのトリシューラ三体召還という鬼畜コンボを受けるも、除外を逆用し次元融合からの青眼の究極龍(ブルーアイズアルティメットドラゴン)で逆転勝利する。おかげで鬼柳は満足に戻る。
中でも特に印象的なのは、翼を軽く捻る実力の持ち主、マスターテリオンとのディアハ(決闘)だろう。
たまさかデュエルモンスターカードを手にしたテリオンの気紛れの挑戦に、主催に繋がりのある人物と勘付いた海馬は己の命と主催の情報を秤にデュエルを受ける。
が、ここでテリオンが出してきたのはなんとまさかの東映時代版カード。分かる人には分かる中の人ネタである。


テリオン「ふふふ、余の手札は全て揃った!聖なる白龍よ!邪悪なる鎖に縛られ、魔に落ちよ!ブルーアイズ三体連結を特殊召喚!」
社長「ば、馬鹿な!奴にもブルーアイズだと!それにその禍々しい鎖は!」
テリオン「ふはははは!ブルーアイズの特殊効果!このモンスターは八回攻撃が出来る!」
ズバババン「攻撃力4500で八回攻撃だと!?インチキ能力もいい加減にしろ!」


ゲームバランスなど知ったこっちゃないインチキ仕様のカードに、しかし海馬はあくまで正式なルールに則りデュエルを続行する。
怒涛の連続攻撃を受け切り新たなる切り札、青眼の光龍(ブルーアイズシャイニングドラゴン)による逆転勝利をもぎとる。
予想以上の退屈しのぎにご満悦の大導師は約定通り主催と十二宇宙に関する情報を褒賞に渡す。これによりほぼ核心に近い真実にまで行き当たる。

終盤になり銭湯にて結成された対主催連盟に合流し、アルトとグラハムとも欠員なく無事に再会を果たす。面構えに磨きがかかったなと言葉をかけるグラハムに、貴様の魂も見させてもらったぞと素直でなくとも認める発言を零す。
この時に響からⅣの死を聞かされ、海馬はⅣを真の決闘者と認め、その魂の安息をいつも通りの上から目線で祈った。同時に、Ⅳを圧倒した覇王の攻略の筋道を描き、決闘者と呼ぶことすらもおこがましい真のゲスへの怒りを静かに燃やした。
この後はⅣの代わりとばかりに、ヴィヴィオやかなみやしんのすけら、子供たちにデュエル教室を開講。翼の時とは打って変わって、デュエルモンスターズの楽しさと面白さを伝えることに注力した。忘れがちだが、海馬は子供に非常に優しい男なのである。この中で、海馬は子供たちを海馬ランドに招待し、最高の賓客としてもてなすことを約束した。ちなみに何故かアルも混ざってました。
デュエル教室を終えると、各チームから提出された情報から考察を纏め、再会した鬼柳から満を持して社長専用ストラクチャーデッキ「青眼龍轟臨」を入手。Ⅳや鬼柳との戦いで得たシンクロ・エクシーズのノウハウも活かし自らの最強デッキの最終調整を進めていく。この時、すぐ傍でアルトとグラハムが非常にアレな展開をやらかしていたのだが、海馬はデッキ調整に集中して徹底的に無視していた。

チームロリコンと東方不敗、それを呼び水として動いたマスターテリオン。翼達シンフォギア勢や中村組が動き出す大戦の中、海馬は未だ静観を保っていた。傍らにいる鬼柳と共に。
そして程なくして、その時は訪れた。


十代「よくぞ勝ち抜いてきた、歴戦の決闘者たち、そして類稀なる戦士たちよ。
    今こそ、我が力と貴様らの掲げる理想の、雌雄を決する時!
    誰一人として逃がしはしない、この戦いに勝ち残った者こそが正義だ!!」
海馬「……ふぅん。よくも吠える。貴様の従えているケダモノどもよりも、よっぽどな」


『覇王』遊戯十代と『バリアン七皇』ベクター。鬼柳を死に際まで追い込み、再戦を誓ったⅣを闇討ちした覇王軍団が大量のモンスターを引き連れて参戦したのだ。
残存マーダーと対主催がぶつかり合うこの機を奴らが逃すまいと見ていた海馬は鬼柳と共に魔物の軍勢を掻き分け進む。Ⅳより受け継いだ力で新たな領域に踏み入れた響と翼の援護も合わさり指揮を執る二人の下まで辿り着き、デュエルディスクにデュエルアンカーを打ち込み、タッグデュエルの形式を取り付ける。
これは指揮系統を分断させる為の策でもあり、一度敗北を味わった鬼柳のリベンジでもあり、そして何よりも、初代、GX、5'Ds、ZEXAL、作品の垣根を超えた、自らこそ最強と憚らないデュエリスト同士の頂点を決める文字通りの「決戦」だった。

インフェルニティ・ゼロの効果でライフ0の状態でも辛うじて生き残っていた鬼柳は集中攻撃を受け、奮戦するもデス・カウンターが溜まり今度こそ命を落としてしまうが、その間にモンスター軍団に他の対主催によって壊滅的打撃を与えることに成功する。
覇王はベクターを残存兵力の統率の名目で下がらせ、海馬も鬼柳の求める満足に応えるべく、ここに真の一騎討ちが果たされることになる。

圧倒的な力で敵を屠り恐怖を与え続けてきたという覇王十代。
しかし響、鬼柳から話を聞いた海馬は、実際に対面して漸く、目の前の男の「底」を知った。
悪を倒すためなら悪にでもなり、この弱肉強食の世界を力により支配するという思想。しかしそれは所詮闇に逃げ、闇に溺れた臆病者の戯言に過ぎない。
超融合のカードとて他者に依存するしかなかった心の弱さの現れだ。
故に海馬は断言する。この男は、弱い。響よりも。鬼柳よりも。そして無論―――この己にも。


社長「青眼の白龍、青眼の究極竜、青眼の光龍、蒼眼の銀龍、そしてオベリクス!
   見るがいい……力とは、こういうことだ!」
覇王「ブルーアイズの系譜に、神……! だが、俺のダークガイアの攻撃力を超える者は1体としていない!」
社長「それはどうかな?」
覇王「なに?」
社長「行け、青眼の究極竜! アルティメットバースト!!」
覇王「劣る攻撃力で攻撃だと……? いや、融合モンスターで攻撃ということは、まさか!」
社長「手札から、速攻魔法を発動! 決闘融合―バトルフュージョン―! 貴様のダークガイアの攻撃力を、究極竜の攻撃力に上乗せする!」
覇王「ば、バカな……! このタイミングで、そのカードを……!」
社長「ふぅん。貴様には分かるまい。真の決闘者のドローとは、全て必然!
   俺ほどの決闘者ならば、常にドローは俺を勝利へと誘う必勝の切り札となる!」
覇王(なんだ……? 海馬瀬人の手が、輝いている……!?)
社長「さぁ、受けるがいい! 我がモンスターの一斉攻撃! ゴッド・シャイニング・バァーストォ!!」


新規カードも含めたオールブルーアイズとオベリクスによる粉砕・玉砕・大喝采。
前に前にロードを切り開き続けた者と、道を開いたたつもりだったが何も切り開かれてない十代。
進む者と止まる者との差を徹底的に見せつけ、かつて人の死により歪んだ男は、闇に溺れた男にデュエルの楽しさを思い出させ、安らかに眠る様を見届けるのだった…。

激戦を乗り越えて、疲弊も激しい対主催だが、世界の真実、次元の融合の危機を知る海馬は一刻も早く主催を叩き潰す必要があると強硬路線を促し、ついてこれる奴だけついてこいッ!とばかりに全速前進。回復もそこそこにしつつ全員ついていくあたり社長としての求心力の高さがうかがえる。
門番の魔物を蹴散らして黒幕たるナイアとポラリスの元に辿り着きその企みを暴露&阻止の電撃戦を敢行。
直接対決と踏み切る直前……事態は思わぬ急展開を迎えることとなる。
カードの表世界の限定的な融合に引き寄せられた、カードの裏面世界の化身・ダークネスの襲来である。


アルト「なんなんだ……なんなんだよ、あいつは!」
アル「あれは、アザトース……いや、邪神ですらないが、似て非なる者か? あ奴は、一体……」
九郎「だが、本能みたいなもので分かるぜ。あいつは俺達の敵だ、ってな!」
海馬「……もしや、ツバインシュタイン教授の予言していた、十二次元宇宙全ての暗黒エネルギーか?」
響「まるで意味が分かりません!」
ダークネス「眠れ……我が闇の中で。己の闇に、飲まれて溺れよ」


「世界は一枚のカードから生まれた」「ヌメロン・コード」「カードの表と裏側の住人」等、多くの者が頭を痛める中、唯一ごく普通に対応し丁寧に説明をしてくれる海馬社長(西博士は除外)。
主催もまるで関知してない存在の為、正直この人がいなければ話がまとまりきらなかったぐらいである。

かくして始まるダークネスVS対主催連合の戦いだが……その勝負は「絶望」の二文字に尽きた。
ブルーアイズ全種の総攻撃、攻撃力∞状態のオベリクス、海馬の渾身の攻撃は何ひとつとして通用しない。挙句、最大戦力であるデモンベインさえも一方的に打ち負けてしまう。
一人、また一人と身を切られ、心を折られる仲間達。翼が、アルトが、響が倒れ、遂に海馬までもが闇に落ちてしまう。
生涯の夢である世界海馬ランド計画が道半ばで頓挫し、最愛の弟と引き裂かれる。夢が砕かれ、絆を断たれる、最悪の絶望。
悪夢に蝕まれ、底なしの泥に融かされ、しかし――ただ一人立ち尽くすアーチャーが、それに続いて立ち上がる響の姿が海馬に奮起を呼び起こす。

幻想は幻想。過去は過去。己が目指すのは光り輝くロード一本のみ。それ以外に目を映す意味も、理由も、最初からないのだ。
真の決闘者に相応しき天運が、閃きが、海馬に逆転のチャンスの糸口をもたらす。
考察の中で導かれたひとつの結論。全ての世界の起源が同一であり、それぞれの世界にまつわる要素もまた共通点と互換性を持ち合わせている。
即ちシンフォギアや魔導書といった世界固有の概念は、海馬にとってのデュエルモンスターズのカードと起源を同じく結ばれており、それを扱う者は『潜在的な決闘者』であると概念を転換。
そしてカードの裏側の化身であり廃人級の決闘脳であるダークネスには、デュエルで行われるバトル・ダメージは全て有効……ッ!!
この逆転の発想から、西博士が『コードチェンジ』の応用にてカード効果を一部書き換えて発動した超融合で世界観を重ね合わせ、全員の攻撃を「デュエルによるバトル」と見なすことでダークネスへ攻撃を通じさせ、形勢そのものを逆転させることに成功する。

だが海馬は気づいていた。闇そのものであるダークネスを滅することは何ものにも不可能。
全身を消滅させようとも、邪神の宇宙に封印しようとも時を置けば必ず復活する。
シャイニングトラペゾヘドロンの多重展開により外宇宙に放逐されながらも嗤うダークネスを見た瞬間……海馬は行動に出た。
全参加者、主催者、黒幕、ダークネス、そしてロワ住人すらも予想し得ない「ブッ飛んだ」行動に。



ダークネス「人が、光がある限り、闇も常にそこにある。我は不滅だ――」
「ふぅん。それはどうかな?」
ダークネス「なに!?」


なんと、ダークネス自身が引き込まれたトラペゾヘドロン内に自ら飛び込むという、前代未聞の自殺同然の行為に走ったのだ。
無論気が狂ったわけでもない。それどころかここから逆に邪神が発狂しかねない、社長最後の攻撃ターンが始まる。


社長「フハハハハ! 貴様の勝利へのロード、ここで絶たせてもらうぞ!
  3体のブルーアイズで――」
ダークネス「究極竜か? 無駄だ、今この場で一時の勝利を得ることはできようと、それは永遠では――
     「オーバーレイネットワークを構築!」――なん、だと!?」
海馬「見るがいい、我が強靭にして無敵、光をも超越した最強のブルーアイズを!」


表れるは最新。見せるは最強。海馬の繰り出す最後の切り札、その名も「伝説の白き龍(レジェンダリー・ドラゴン・オブ・ホワイト)」。
その効果は、直接攻撃による一度の勝利を絶対のものとする「マッチキル効果」。
……そう。殺すことも封じることも不可能なダークネスも、デュエルの勝敗には抗えない。
そしてこの先ダークネスの暗躍が起きる事もない。永劫の存在であるが故に、この敗北もまた永久に刻み付けられ、永遠に負け続けることになるのだから。


海馬「さあ、貴様の闇に俺という勝者を刻み付け、永遠に敗北者で在り続けるがいい!白き龍の攻撃―――」
ダークネス「や…やめろ……我の傍に近付くなァァァァァ――――――ッ!」
海馬「ヴィクトリー・レジェンド・バースト!!!」


そして、白き伝説は原初の闇を呑み込んだ。
閉じるトラペゾヘドロンの中から、お馴染みの高笑いを聞かせながら生き残った者達へ未来への言葉を託す。
その声は戦姫の絶唱の歌の音に乗って全次元世界へと鳴り響き渡り、新たな伝説(ロード)の1ページを刻むのであった……。





数日後、そこには元の世界で相変わらず海馬コーポレーションの事業に勤しむ瀬人様の姿が!


いかなる絶技を用いたのか、ちゃっかりと帰還していた海馬はロワの影響で部分的に繋がれた次元世界の調査と、いずれ起こる問題の対処を検討。
以前ヴィヴィオに約束した海馬ランド招待の件も合わせ、世界を超えた事業発展を目指すのだった。
どうやって帰還したかについては、旧神化した九郎の助力、アテム王やハネクリボー、カイバーマンといったカードの精霊の導き、罠カード「異次元からの帰還」で自力で脱出(数日姿を見せなかったのはライフ1/2のコストのせいだとか)、西がやらかした、社長だから仕方ないと意見が散見してはっきりとしてはいない。
これだけやりたい放題すれば井う……邪神が逆に発狂するのもやむなしか。




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最終更新:2013年10月28日 21:26