【名前】鬼柳京介
【出典】遊戯王5D's
【性別】男
【年齢】不明
【名ゼリフ】「でゅ↑エルだぁ!」
      「さぁ……俺と逝こうぜ、満足の向こう側へ……!」
【支給武器】チョコレート@DEATH NOTE、一本満足@現実

【本ロワでの動向】

遊戯王5D'sの主人公不動遊星達がかつて所属していたチームサティスファクションのリーダー。
遊戯王といえば、ぶっ飛んだキャラが数多いることでも有名だが、そんなシリーズの中でも屈指のインパクトを誇るのがこの鬼柳京介である。
彼は原作内の時間軸により外見や設定・性格の変化が激しい人物だが、今回は、原作主人公をして輝いていたと称したダークシグナー時代より登場。
ダークシグナーとは冥界の王と契約し蘇った死人であり、地縛神を始めとした闇のカードを使う者達のことである。
鬼柳個人に関して言えば、「でゅ↑エルだぁ!」「ヒャーッハハハハハ!!」といった台詞のハイテンションっぷりが人気な時期であった。
また、どの時期の鬼柳を語る上でも忘れてはならない言葉に“満足”があるが、本ロワではこの言葉が大きな意味を持つようになる。



登場話にて、いきなりハイテンションに不満足を露わにする。
原作主人公である不動遊星への復讐の最中から呼び出された彼は、到底満足できるはずがなかったのだ。
いるよな、いてくれるよな~っと覗いた名簿にも遊星の名前が載っていたなかったことにぷっつんした鬼柳は、八つ当たり気味に巴マミトゥーサン・ネシンバラの実況解説コンビを強襲。
詳細名簿に夢中になっており、他の支給品へのガードが甘くなっていた彼らから支給品を奪い取る。
運のいいことにその中には鬼柳のデッキも混じっており、これには鬼柳もいくらか満足。

「でゅ↑エルだぁ!」

デッキを手にし、元から支給されていたトリニダード・ウロボロスに跨り、実況解説コンビにライディングデュエルを仕掛ける。
バイクに乗りながらのカードゲームという、まるで意味が分からんぞな置いてけぼり展開になりかけるも、そこは相手が相手である。

「こ、これはまさか……ライディングデュエル!?」
「知ってるのかい、巴さん!?」

まるでチュートリアルモードの如く、ライディングデュエルのルールやダークシグナーについての設定が語られ出し、原作未把握の人間にも優しい展開となった。
しかしながら、マミやネシンバラからすれば、難易度はチュートリアルどころからハード。
超一流のデュエリストの腕を見せつけ、鬼柳は二人を追い詰めていく。
特にライディングデュエルにはつきもののフィールド魔法スピードワールド2が、実況解説コンビには相性最悪だった。
このカードが発動している限り、スピードスペルという種類の魔法カードを除き、遊戯王カードに限らずあらゆる魔法の使用に際し、ダメージを受けてしまうのだ。
戦力の大半が魔法と術式頼みの二人は満足に攻撃することも防御することもままならず、鬼柳は早速二つの白星を得て満足できる……かに思われた。

だが、ネシンバラの“だが、巴マミはスピードワールド2発動前に、既に魔法を発動させていた”という記述により、ダメージを踏み倒され、逃亡を許してしまう。
慌てて追いかけるも、トリニダード・ウロボロスの巨体を逆手に取られ、撒かれてしまう。
結果、ストレスを発散しようとして更なるストレスを抱いてしまった鬼柳は暴走。

修羅チームと遭遇したときは、ミスター・ブシドーがバイクに乗っていたからというただそれだけの理由でデュエリストだと決めつけ、ライディングデュエルをアクセラレーションする。
当然のことながらブシドーはデュエリストでもなんでもなかったのだが、一度デュエルを始めた以上、そんなことはお構いなし。
鬼柳は切り札である地縛神を召喚し陸奥九十九を生贄にしようとするも、退魔の家系である七夜志貴に阻止される。
それでも圧倒的な力を誇る地縛神の召喚自体は成功したため、鬼柳は勝利を確信するも、七夜にフィールド魔法がなければ自壊してしまうという地縛神の弱点を見抜かれてしまう。
とはいえ、スピードワールド2は除去不能である以上、ライディングデュエルなら本来弱点にはなりえないのだが……。
フィールド魔法を破壊できないのなら、地縛神の方をフィールドから引き離してしまえばいいという逆転の発想により、ブシドーに地縛神を場外へと押し出され敗北。
幸い地縛神ともどもブシドーもコースアウトしたため、デュエルに負けたとは見なされず命拾いしたものの、鬼柳の不満足は貯まる一方だった。

そして鬼柳にとって運命の時が訪れる。
成すこと全て上手くいかず、それでも、復讐にしがみつくことしかできず、遊星の名を叫びながら彷徨う鬼柳。
そんな彼の目の前で一つの光景が繰り広げられる。
それは一見、いがみ合っているように見えた。
互いに相手が嫌いだと言いはり、ぶつかり合っているように見えた。
なのに。
何故、あいつらは、独りにならない。
ずっと、一緒にい続けるんだ。
嫌いなら別れるべきだ。見捨てるべきだ。裏切られるべきだ。この俺のように。
俺はもう、仲間たちと喧嘩することさえできないというのに――。

蛮「ちぃっ……さっきから笑い声がうるせぇんだよ、てめーは!」
鬼柳「ひゃーっはっはっはっはっ!! どうしたぁ、ゲットバッカーズぅ? この小娘を助けたいんじゃねぇのか?」
ハルヒ「ぐぅ」
蛮「そもそも、てめぇ、どうしてハルヒを目の敵にしやがるんだ!?」
鬼柳「……むかつくんだよ。SOS団などとほざいて、仲よしこよしのチームごっこをしているのがよぉ!!」

在りし日の自分と仲間たちチーム・サティスファクションをハルヒとSOS団に重ねた鬼柳。
つまらない世界に抗い、満たされることを求めた者同士、かつての、または未来の鬼柳ならハルヒと意気投合していたことだろう。
けれどもダークシグナー時代の彼からすれば、むしろだからこそ、涼宮ハルヒという存在を許容することはできなかった。
自分と同じように生き、それでいて、自らとは違い未だ仲間に囲まれ楽しそうな涼宮ハルヒだけは認めるわけにはいかなかったのだ。

「漆黒の帳下りし時、冥府の瞳は開かれる。舞い降りろ闇よ!ダークシンクロ!いでよ、《ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン》!」

激情に駆られた鬼柳は強かった。
本ロワ屈指のチートである美堂蛮藤井蓮のカドケウスコンビ相手に一歩も退かず、効果を上乗せした原作版ワンハンドレッド・アイ・ドラゴンで優位に立つ。
カードゲームとの抗戦経験があった蛮の指示の下満足竜は打ち破られるも、満足竜の破壊された際に発動する効果で地縛神を手札に呼びこむことに成功。
地縛神共有の効果により、強固な蓮の護りを無視して、最も目障りなハルヒをダイレクトアタックで殺しにかかる。
しかし、地縛神による攻撃宣言が言い切られることはなかった。

「いい夢、見れたかよ……」

夢――ああ、それは確かに夢だった。幸せな、夢だった。
遊星、ジャック、クロウ。チーム・サティスファクションの仲間達とともに満足していた過去の夢。
失ったものは取り戻せない。過ぎし日々は帰ってこない。
だからそれが夢なのは分かっていた。
分かっていて尚、再び喪うのが怖くて、この手で壊すことができなかった。

「夢じゃ…満足…できねえよ」

哀しげに返し、鬼柳は膝をつく。
自分が本当に求めていたのは、復讐などではなく、仲間たちとのラストデュエルだったことを思い出した鬼柳にはもはや戦意はなかった。
鬼柳の精神を支配してデュエルを続行させようとした地縛神も、蓮の逆鱗に触れカードごと破壊され、仮初の生命を与えていた神を失ったことでダークシグナーの宿命に従い、鬼柳もまた生命を落とす――はずだった。












だが、奴は、奴らは 弾 け た










ハルヒ「満足……」
蛮(鬼柳だろ……)
鬼柳「なんだ?」
蛮「返事すんのかよ、おい!?」

なんと鬼柳は生きていた。
鬼柳がそうであったように、ハルヒもまた、つまらない世界に抗い、満たされることを求めた者同士、シンパシーを感じており、結果、鬼柳への未練から自らの能力を無自覚ながらも発動。
神と称されるハルヒの能力は地縛神の呪縛をも凌駕し、鬼柳は塵とならずに済んだのだ。
鬼柳の蘇生に関しては、要因がハルヒの能力であり、この話が通ってしまったら、以後もハルヒによって死者蘇生が無制限に行われてしまうのではという危惧もあった。
が、実際は、常識人のハルヒは死者蘇生などという幻想を願えるはずもなく、鬼柳の延命に関してはその常識が上手く働いただけの偶然だったため通ることとなった。
「ちょっと返事しなさいよ、満足。カードゲームで人が死ぬなんてありえるわけないじゃない!」
ごもっともである。
そのため、正確には蘇生と言うよりも死に直しそびれた状態であり、ダークシグナーのままである。
闇の力こそ自らの意志で制御できるようになったが、テンションはダークシグナー時の最高にハイッなままである。
カドケウスコンビとの戦いで地縛神を失ったこともあり、以後はワンハンドレッド・アイ・ドラゴンを切り札として使用していくこととなる。



憎しみから解き放たれた鬼柳は、ハルヒの誘いや蛮の叱咤もあり、SOS団こと刹那オブサティスファクション団の副団長に就任。
原作のダークシグナー編後と異なり、自暴自棄になることもなく、ハルヒ共々あくなき満足を追求し仲間たちを引っ張っていく。

ハルヒ「殺し合いだろうと何だろうと関係ないわ! 私達はこの一瞬を、刹那を、満足するのよ!」
鬼柳「ヒャッハァ! だったら、手始めにデュ↑エルだぁ!」

手始めとしてまずは団内でのデュエルの普及に尽力。
ハルヒに海馬瀬人のデッキが支給されていたこともあり、自身のデッキと合わせてデュエル教室を開催。
闇のゲームではない本来のデュエルの楽しさを教えていく。
SOS団内の交流としても微笑ましい結果に終わり、死人である彼を受け入れづらかった蓮とも距離を縮めた。

それからも鬼柳は、トリニダード・ウロボロスを分離させてSOS団の移動力の向上を図ったり、デュエルタクティクスを活かし蛮共々戦闘時のブレインを担ったりと、意外にも副団長という役職を的確にこなしていった。
流石は伝説のチームサティスファクションのリーダーだ!
機械いじりに強いアーチャーがSOS団に加入した時は、遊星のことを思い出し、大層満足していた。
叶えたい願いのために蘇った死人同士、通じるところもあった模様。
尚、アーチャーの裁縫の腕を見込んで、ハルヒの腕章ついでに作らせた素敵デザイン過ぎるSOS団の制服(満足ジャケット)は、団員全員から猛反発を受けお蔵入りした。
こんなんじゃ満足できねえぜ……。

満足といえば一本満足バーも忘れてはならない。

鬼柳「満・満・満足、1本満足!」
アーチャー「なんだそれは」
ハルヒ「もう、乗り悪いわね。ほら、蓮と蛮も歌いなさい!」
蓮「俺もかよ!?」
蛮「つうか鬼柳、満足できないんじゃなかったのかよ」
マリィ「まんまん、まんぞく?」

例の歌を全員で口ずさみ、ハルヒと鬼柳の状態表にはサティスファクション状態という謎の表記が出現したほど。
二人してあまりにも満足しすぎてしまい、思わず走りだして、他の団員たちを置いてけぼりにしてしまったのはご愛嬌。
かと思えば、ハルヒと二人っきりになったことを機に、本ロワでただ一度の普通のテンションでの会話も行なっている。

鬼柳「……おい、ハルヒ」
ハルヒ「なによ、満足」
鬼柳「SOS団の連中、ここにいるのだけじゃねぇ、元々のメンバーも含めてだ。
   ある日、そいつらと一緒にいる理由がなくなったら、お前はどうする?」
ハルヒ「どうもしないわよ、だって、私達が一緒にいられなくなる理由なんてあるわけ無いもの」
鬼柳「……どうかな。まぁ、いいさ。だが、覚悟しておけ。別れの時ってのは、嫌でもやって来るものさ」

ハルヒは尚も言い募ろうとするも、迎えに来た蓮達に対し、鬼柳は既にいつものハイテンションへと戻っており、これ以上この話が続けられることはなかった。
後からすればSOS団の未来を暗示させるものだったが、仲間たちとの別離を経験し、今尚死人である鬼柳だからこそ口にしたのだろう。
或いは先達として、ハルヒには仲間たちとの別れに絶望せず、自分のようにはなってくれるなという願いが込められていたのかもしれない。


続く話では前話の最後で見せたシリアスな素振りはなんのその。
ヨハネ・クラウザーⅡ世の歌に感化され、ハルヒをも置いてけぼりにしてしまうほどに暴走。
クラウザーさんのシンパの一人として、デモンベインレイプ事件でも巴マミ安心院なじみらとオーディエンスを務めていた。
だったら後から来たハルヒたちの誤解を解いてやれよと思わなくもないが、目にした事実をありのまま説明しても、それはそれでやっぱりクラウザーさんが危険人物視されることには変わらなかったろう。
何はともあれ、SOS団はカズマ・アーディガン東風谷早苗イエス・キリスト羽瀬川小鳩としばらく行動を共にすることに。
常識にとらわれない早苗と意気投合したり、カズマに突っ込み入れられたり、小鳩ちゃんに怖がられたり、キリストの神業で死後も冥界の王に取り込まれないようにしてもらったりした。
一方通行の襲撃を受け、デモベコンビとは離れ離れになってしまった時には、仲間との別離に嫌な思い出のある鬼柳は不満足気であった。
その腹いせにあろうことか一方通行のベクトル反射をミラーフォースで更に反射した時は、双方妙にチンピラっぽいテンションのままハイになっていたため、元世界の敵を思い出した蓮にすごく嫌そうな顔をされていた。

常識の壁が揺らいだハルヒが能力を暴走させた時は、団長代理としてSOS団のメンバーらを率いるというチームサティスファクションのリーダーの面目躍如な活躍を見せる。
何故か一歩踏み出しただけで謎のドヤ顔を披露したりとやりたい放題。
鬼柳のノリに引きずられ、元からチンピラっぽい蛮だけでなく、蓮にマリィ、アーチャーさえも「「「「デュエッ!」」」」と口走ってしまう程であった。
実はこの時、ハルヒの能力で現世につなぎとめられていた鬼柳も、ハルヒの暴走の影響を受け、非常に危ない状態ではあったのだが、蓮の時間停止の力で無理矢理に自身の存在を安定させた。
そこまでしてハルヒを救おうとした姿からも見て取れるように、本質的には仲間思いの男であり、また、自分の心を救ってくれたハルヒに心の底から感謝していたことがこの騒動では発覚した。

鬼柳の中でSOS団は、チームサティスファクションとは違えども、確かに彼のチームとして、新たな居場所になっていたのである。
夜神月とデスノートを巡る一連の事件後も、相変わらずのテンションながらも、ハルヒ達を慰めていた。
自身がダークシグナーとなったことで変わってしまったように、月もまたデスノートに憑かれ変わってしまったのではと推測。
善人であった頃の月を知っているがために、裏切られて尚、月の豹変を信じられないハルヒや表遊戯に、そのことを伝える。
そして、彼らが信じたがっている月の全てが嘘ではなかったかもしれないと肯定し、豹変を信じられないのなら、月を信じたままでもいいんじゃねえかと諭した。
ダークシグナーの姿でのこのような発言は原作ファンからすれば感慨深いものであったろう。
かと思えばクラウザーさん達との合流時の諍いでは、すっかりDMC信者になっていた鬼柳はクラウザーさんを擁護し、ハルヒと子どもじみた喧嘩を繰り広げた。
なんだかんだでそのおかげでハルヒが元気になったのだから、結果オーライではあったのだが。

偶然にもシックスのおかげで対主催同士の誤解が解けたあとは、SOS団の副団長として団員たちと蓮の因縁の相手であるラインハルト・ハイドリヒの討伐へと向かおうとする。
そこにラインハルト以上に蓮に因縁があるとも言える未来の蓮の可能性の一つである天魔・夜刀が顕現。
愛する女のために生き恥をさらし続けた彼に満足を思い出させてやれと蓮を送り出し、蓮が窮地に追いやられるとワンハンドレッド・アイ・ドラゴンのカードを投げ貸した。
そして、敗北を受け入れ満足して消え逝く夜刀を見送りながら、やっぱ自分もまたいつか刹那に還んねえとなと、ハルヒに聞かれぬようひとりごちていた。

夜刀との激戦により全身全霊を尽くして消耗した蓮の回復を図ることもあり、SOS団はひとまずラインハルトは後回しにして、決められていた合流場所へと向かう。
メンバーに一人の欠落も出ていなかったSOS団とは違い、多くの対主催チームには死者が出ていたが、離れ離れになっていたデモベチームとの再会など、嬉しい出来事もあった。
またこの時、かつて争った巴マミと一本満足バーを一緒に食べただけで和解したことには蓮に突っ込まれていた。
しかしこれをきっかけに決戦前の団欒に発展。
皆で一本満足を食べ、ブルーアイズマウンテンを飲み、キリストの逆奇跡を止め、クラウザーさんの思わぬ正体に驚愕し、アーチャーにオリカを作らせたりと楽しい一時を過ごすこととなる。
この時鬼柳は満たされていた。
ハルヒと肩を組み、SOS団に囲まれ、新たに得た仲間の中で鬼柳は満足していた。


だから、きっと、今度こそ。
鬼柳京介は未練を残すことなく、満足の向こう側へと逝く事を選べたのだろう。
死になおすことが、生き直すことができたのだろう。
ジ・エーデル・ベルナルとの最後の戦いにおいて、あれほどに忌避していた仲間たちとの別れに直面して尚、鬼柳は絶望しなかった。
終わらない、終わるものかと。
ヒャアアアッハッハハッハ! いいぜえ、教えてやるよ。たかが死くらいで断てる程、この絆は脆くはねえと!
かつて絆を信じられず、仲間との絆を自ら断ち切ってしまった男が、今は不動遊星のように、強く強く絆を信じられるに至った。

「閉鎖空間の帳落りし時、無限の邪眼は開かれる。抱きしめよ、刹那を! ダークシンクロ! ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン!」

なればこそかの龍は死しても途切れぬ絆の――満足の象徴。
墓地のあらゆる闇属性モンスターのモンスター効果を得るその力で、全ての死者の闇の力=厨二力を集結させる。
SOS団を始めとした対主催だけではない。
そこには、この地において人を殺すことを選んだ者たちの力も込められていた。
何も不思議な事はない。
対主催だろうがマーダーだろうがジ・エーデルをうぜえと思わない人間など一人しかおらず、その一人であるラインハルトも愛を破壊という形でしか表せられないのだから。

「さぁ……俺と逝こうぜ、満足の向こう側へ……!」
「い、嫌だ! こんな意味不明で厨二臭い終わり方はいやだああああああああああああ!!」

そうして、全てが終わった。
灰は灰に、塵は塵に、伝説は伝説に。
自らをこの世に繋ぎ止めていた全ての闇の力を費やしてまで、ジ・エーデルを二度と蘇ることの叶わない冥府へと連れて逝った鬼柳。
もうこの世界のどこにもいないその姿を求め、彼が存在していた証である塵へと手を伸ばしたハルヒが触れたのは、ワンハンドレッド・アイ・ドラゴンの効果により、最後に鬼柳が手札に加えた一枚のキャードだった。


満足 SATISFACTION


最後の団欒のおりに、結束 UNITYのカードを参考にアーチャーに冗談交じりで作らせたそのキャード。
笑い合うSOS団が描かれたそのキャードの中で鬼柳京介もまた、心のそこから笑っていた。

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最終更新:2013年11月29日 00:03