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『眠りに』

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rozen-yuri

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『眠りに』


 陽は地平線に沈み、月と星の光が世界を照らす。例外を除いた全ての生き物達が、眠りにつく時間の事。

「銀ねぇ……」

 不安そうな表情で、開いた扉の隙間から顔を覗かせる少女がいた。そんな少女の言葉に反応する様に、ベッドの上で一人の女性が顔を上げた。
 銀色の長髪を揺らし、紅い瞳で少女を見上げる美しい女性、水銀燈だった。

「どうしたのぉ?」
「…その……怖い夢、見たから……」
「一緒に寝て欲しいのねぇ?」

 水銀燈の言葉に少女は俯きながら、小さく頷いた。俯いていなければ、顔が紅いのがよく分かったかもしれない。

「良いわよ、こっち来なさぁい」

 クスリと笑い、ベッドに一人分のスペースを開けると、そこに来るように少女を手招いた。少女はそれに従い、水銀燈の隣で丸くなった。

「よっぽど怖い夢見たのねぇ。涙の痕がある…」

 そ、と少女の目元を指でなぞる。怖い夢、で思い出したのか、再び少女の目に涙が溜っていく。

「どんな夢見たのぉ?」
「…ぐす……銀ねぇや…皆が…どっか、行っちゃう…夢……」
「おばかさぁん。私は何処にも行かないわぁ」

 その言葉を証明するかの様に、ギュ、と少女を抱き締めた。少女もギュ、と抱き返した。

「……ん?」

 暫く経って、ふと聞こえたのは少女の寝息。どうやら眠りについたらしい。

「……これが、天使の寝顔ってやつねぇ」

 我ながら、臭い事を言ったと思う。自分はシスコンなのかもしれない、そんな考えが水銀燈の頭をよぎった。

「おやすみ、蒼星石ぃ」

 幸せな寝顔で眠る少女の唇に、そ、と口付けを落とした。



end

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