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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ
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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

Please Kiss me

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rozen-yuri

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だれでも歓迎! 編集

 
 
 蒼星石が翠星石の部屋の前に行くと、ドアを軽くノックする。
 それから少しして中から「開いてるですよ」と聞こえてきてから部屋の中に入った。
「やあ、お邪魔するよ」
「どうぞ、ですぅ」
 中では翠星石がベッドに腰掛けており、その隣に蒼星石も同じように腰掛けた。
「どうしたですか?」
「別に用は無いけど、ただ翠星石と一緒にいたくなって…」
「ふふ、甘えんぼな妹ですね」
「うん…だって好きなんだもん…」
「私だって大好きですぅ…」
 少しはにかみ、そのままお互いに黙った。
 沈黙、と言っても居心地の悪いものではない。むしろ心地良い沈黙。
 お互いがそこにいることが感じられる、それだけで十分楽しかった。

(…そろそろ良いかな…)
 何だか良いムードになってきて、そろそろキスの一つでもしようと思って蒼星石が翠星石の手を握ろうとする。
 やがて手が触れてそのまま包み込もうとしたが、それと同時に手がするりと抜けそのまま翠星石が立ち上がった。
「あれ…翠星石?」
 拍子抜けを喰らった蒼星石は目をパチクリさせて翠星石を見上げる。
「…喉が渇いたですね、ちょっとジュース持ってくるですぅ」
「え、ちょっと…」
 いきなりお預けを喰らい、引き止めようとしたが翠星石は部屋を出て行ってしまい蒼星石の手が空しく宙を切った。
 蒼星石は溜息を吐き、そのまま俯いた。
「…まただ…」
 最近の様子を思い出し、深い溜息を吐いた。

 何だか避けられている…最近そう思うようになってきた。
 いつも良いムードまでは行くのだが、そこから先へ行こうとするといつも向こうからムードをぶった切られる。
 そうなってもう一週間以上…やり場のないフラストレーションが蒼星石の中に溜まっていく。
 何故なのか、さっぱり分からない…自分が何をしたのだろうかまったく分からなかった。

―※―※―※―※―

「…それで私に相談に来たわけ?」
 翌日のある喫茶店、蒼星石は真紅に相談してもらっていた。
 呼び出された真紅はその相談内容を聞いて呆れながらアイスティーにミルクを入れる。
「…深刻そうな声で電話よこすから何かと思ったら…下らないわね…」
「下らないって…僕は真剣なんだけど…」
 真剣な悩みを下らないと言われ、蒼星石はムッとして真紅を睨み付けた。
 睨み付けられた真紅は苦笑いを浮かべてアイスティーを一口飲む。
「ごめんなさい、そんな顔しないで」
「もう…」
「…それで、何か思い当たる節はないの?」
「色々考えたけど何も…」
「例えば了承を得ないで事に及んだとか」
「…そんな事しないよ」
「例えば翠星石の歯ブラシを舐めたとか」
「僕はどんな変態だ」
「翠星石のパンツを盗」
「…絶対馬鹿にしてるでしょ…」

 ゴゴゴ、と怒りのオーラを立たせて震えながらテーブルに手を掛ける。
 それを見て真紅は慌てて謝った。
「ご、ごめんなさい。ちょっと調子に乗りすぎたわ…。今から真剣に話聞くから」
「…頼むよ」
 蒼星石の怒りが何とか落ち着いたのを確認して真紅は溜息を吐いた。
「…それで、いつ頃からそうなったの?」
「大体…一、二週間ぐらいかな…」
「そう。その間何か変わったことは無いの?」
「…特には無いけど…キスとかしようとするといつも…」
「ふぅん…」
 そこまで聞いて、真紅はアイスティーを飲みながら考え始めた。
「…浮気?」
「う、浮気!?」
 ボソリと聞こえたその言葉に蒼星石の顔が一気に絶望的になった。
「へ、い、いや、まだそうと決まったわけじゃ…」
「…翠星石が浮気なんて…そんな…」
「ち、違うわ! そういうつもりで言ったわけじゃ…」
「…浮気…そんな…浮気なんて…」
「いいから人の話を聞きなさい!!」
 まるでうわ言の様に呟く蒼星石の頭をメニューでぶっ叩いた。
 それで蒼星石は我に返ったものの、不安げな顔はそのままだ。

「とにかく、そうと決まった訳じゃあるまいし、結論を出すのは早すぎだわ」
「…そうかな…」
「…どうしても気になるなら本人に聞いたら良いわ。悪いけど、私にはよく分からないわね…」
「そう…分かった」
「ゴメンなさいね。役に立てなくて…」
「良いんだよ。ありがとね…」
 とりあえずそう礼を言うと伝票を持って蒼星石は立ち上がり、レジで清算を済ませて喫茶店を後にした。
 何か良いアドバイスがもらえるかと思ったが、結局何も解決しまい。
 しかも一番考えたくないパターンが浮かんでしまった。
(…もう直接聞こうかな…)
 今日も避けられたら聞こう。そう決めた。

―※―※―※―※―

「どうしたですぅ? 暗い顔して…」
「へ、いや…何でもないよ…」
 その夜、いつも通り部屋で翠星石と過ごしていると不意にそう言われた。
 あれからどうしても浮気と言う最悪のパターンが頭から離れず、嫌な想像が何度も浮かんだ。
 もしそうだったらどうしよう…そんな不安が胸から離れない。

 しばらくして、蒼星石はいつも通りアプローチを仕掛ける。
 まずは手を握り、それから肩を…のつもりが、やはりまたかわされてしまった。
「翠星石?」
「えと…ちょっとトイレに…」
 そう言って立ち去ろうとする翠星石。だが、蒼星石はその手をしっかりと掴んだ。
 手を掴まれて翠星石は驚いて蒼星石の方を見た。
「そ、蒼星石?」
「…なんで…」
「へ?」
「なんで僕の事避けてるの? ねえ何で?」
 いつもと違う様子の蒼星石に、思わず翠星石はたじろぐ。
「べ、別に避けてなんか…」
「いや、避けてる! 僕から避けてる!」
 悲痛に満ちたその叫びとともに翠星石の手を引っ張った。
 突然の事に翠星石は対応し切れず、そのままベッドへと蒼星石に押し倒されてしまう。
「ちょっと蒼星石!! 何するですぅ!!」
「最近キスもさせてくれないし…僕が何かした?」
「そ、そんな事は無いですけど…」
「じゃあ何で! …まさか、本当に浮気してるんじゃ…!」
「は、はぁ!? 何わけわかんねーこと言ってるですか!?」
「どうなの翠星石、相手は誰!? 雛苺とか…!?」
「分かったから! 訳を話すから放すですぅ!!」
 迫り来る蒼星石から何とか逃げ出して乱れた息と服を直す。
 しばらくして二人とも落ち着くと、翠星石は溜息を吐いて訳を話し始めた。

「…実は…虫歯が出来て…」
「虫歯?」
 予想もしていなかった言葉が出てきて、蒼星石は思わず素っ頓狂な声を上げた。
 それから翠星石は恥ずかしそうに顔を背けて続ける。
「…それで、キスとかされそうになると避けてたんですぅ…」
「何でそれが関係あるの?」
「知らないんですか? 虫歯ってキスするとうつるんですよ」
「そうなの?」
「…蒼星石に虫歯うつしたら大変だから…でも、かえって悩ませてたみたいですね…」
 …なんだ。それだけの事だったのか。
 訳を聞いて、色々悩んでいた自分が急におかしくなって来た。
「そうだったんだ。でも、じゃあ歯医者行かないと…」
「…う…」
「…怖い?」
「うん…」
 そう尋ねると、翠星石は顔を赤らめて頷いた。そんな翠星石の頭を蒼星石はそっと撫でる。
「しょうがないなあ。じゃあ僕も一緒に行くから。それならいいでしょ?」
「…じゃあ…行くですぅ」
「分かった。明日学校終わったら早速行こうね」
「はい…」
「それで治ったら…またたくさんキスしようよ」
 肩を抱き寄せて囁いたその台詞に、翠星石ははにかんで頷いた。

―※―※―※―※―

 次の日から約束通り歯医者に通い始め、それから一ヶ月が経ち…。
「蒼星石ぃー、もう虫歯治ったですよぉー」
 部屋に入って来たと同時に蒼星石に抱きついてきた。
 その翠星石を抱きしめて頭を撫でる。
「一ヶ月間よく頑張ったね。治ってよかった…」
「うん…だから、蒼星石…」
 今度は蒼星石を見上げて目を閉じ、そのまま唇を突き出してくる。
 そのまま距離が縮まり、唇と唇が重なる…というところで蒼星石は顔を背けた。
「……」
「あれ…蒼星石? どうしたですか?」
「いや…その…」
 薄らと苦笑いを浮かべて翠星石の方を見ない蒼星石。
 その様子を不審に思いながら眺めていると、あることが思い浮かんだ。
「……蒼星石…まさか…」
「…何だか最近痛むんだよね…はは…は…」
 そう乾いた笑いを浮かべて頬を擦る蒼星石。
 翠星石は愕然とし、次第に怒りが浮かんできた。そして。
「蒼星石のバカー!!」

 キスはまだお預けのようです。

終われ 
 
 

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