「ふぅうっ!むーっ!むーっ!」
声が出せない。苦しい、苦しい。助けて、でも、来ては駄目。
「うるさいわねぇ…ちょっと黙りなさぁい?」
「むっ!むー!んぐ!?」
「黙れ、って…言ってるでしょう…?その綺麗な髪、刈られたい?」
「…!!」
…怖い。ひたすらに、怖い。でも、耐えなければ。一人で、耐えなければ…!
「真紅っ!」
重い扉が、大きな音を立てて開く。…来て、くれたの…?
「やぁっと来たのぉ…?蒼星石。待ちくたびれちゃったぁ…」
「水銀燈…真紅を、離して欲しい…。僕の真紅を!」
…僕の、真紅…か。嬉しいわ…でも、逃げて。本当に、来ては駄目なの…
「…僕の真紅ですってぇ?ふふ…生意気」
…声が出ない。歯痒い。もう止めて、水銀燈。そして、蒼星石。
「君は真紅を愛していると、言っていたよね。愛する人を、そんな目に合わせるなんて…」
「……」
「何も言えないの?それなら、真紅は返してもらう!」
――やめて!!
「まだ罠にかかったことに気づかないのね…」
「なっ…」
「ばいばい、お馬鹿さぁん♪」
蒼星石の立っていた床に、大きな穴が開いて――
「んんんんんんーー!!!」
もう無理
水銀燈「双子の家に侵入成功したわぁ」
水銀燈「うふふ・・・気持ちよさそうに寝てるわね・・・同じベッドで」
水銀燈「・・・まずは布団をめくるわぁ」
水銀燈「幸せそうに手をつないでるわこの子達」
水銀燈「さぁ・・・どっちをいただこうかしらねぇ」
「水銀燈…水銀燈…」
銀「だ、だれ?」
「神様だよ…」
銀「え!?」
「今日はおまえの願いを叶えに来たんだ。一つだけ願いをいってごらん…」
銀「ほんと!? じゃあ神様、私真紅と一緒に住みたいわぁ」
「……」
銀「神さま」
真紅「…考えておくわ」
銀「なっ!? あっ! ……っ!」
薔「お姉ちゃん…あんまり銀ちゃんにベタベタしないで…」
雪「あら、どうしたのばらしーちゃん。珍しく怖い顔して…」
薔「銀ちゃんは私と一緒に居るときの方が幸せなの…そう言ってくれた…。…だからお姉ちゃんは離れて…」
雪「あら。銀お姉さまは私といると落ち着くって言ってくださったわ。そう言うばらしーちゃんこそ…」
薔「…あんまり言うとお姉ちゃんでも許さないよ…」
雪「まあ怖い。アリスゲームに発展するのかしら?」
紅「どうしたの二人とも。姉妹喧嘩?」
薔「じつはかくかくしかじか」
紅「なるほど…それなら私にいい案があるわ」
薔雪「なに?」
紅「二人とも水銀燈の嫁になれば良いのだわ! 多重婚と考えれば良いのよ!」
薔雪「!! なるほど!!」
銀「……なんで二人が私の鞄にいるの…?」
雪「だって夫婦は一緒に寝るものと昔から決まってますわ」
薔「私達は銀ちゃんのお嫁さん…多重婚だよ…」
銀「多重婚!? 誰が吹き込んだのそんなの!?」
薔雪「真紅」
銀「真紅ー! 変なこと吹き込んでー!!」
紅「…ふふふ…これで新たなネタが生まれるのも期待できるわ…! しっかり観察しとかないと…ふふふ…」
「おはよぉ、皆ぁ」
「…おはよう、ございます…」
「また寝坊なの?長女なんだからもっとしっかりなさい」
「仕方ないでしょぉ?良い夢見てたんだからぁ」
「良い夢?」
「どんな夢見たのー?」
「ふふ…内緒ぉ。(妹達を攻めてイかせてたなんて言えないわぁ…)」
「あ。水銀燈、おはよう」
「ほれ、朝御飯冷めちゃいますよ。皆待ってたんですからね!」
「あらぁ、優しい妹達ねぇ…」
百合長女の朝はこうやって始まる