アットウィキロゴ
ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ
掲示板 掲示板 ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー

ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

『秋色のマフラー』

最終更新:

rozen-yuri

- view
だれでも歓迎! 編集

 
 
『秋色のマフラー』


 秋も深まり、そろそろ冬の足音が聞こえる時期。いつもより少しだけ厚着の巴は、桜田家を訪れていた。

「こんにちは」
「あ、トゥモエー!」
「いらっしゃい、巴」

 いつものように巴に飛び付く雛苺。本を読みながら迎えてくれた真紅。二人に親しみの笑みを向けると、誰かを探すように辺りを見渡した。

「あら、ジュンなら二階で翠星石と喧嘩してるわよ」
「そうじゃなくて……のりさん、いるかなぁって」
「のりを?」

 真紅は微かに首を傾げた。巴がのりを指すなんて珍しかったのだ。

「のりなら、お部屋で何かやってたのよ」
「そっか、ありがとう。お邪魔します」

 優しく雛苺の頭を撫でると、靴を脱いで玄関にあがった。そのまま階段を上っていき、のりの部屋の扉を軽く叩いた。

「こんにちは。巴です」
「あら、巴ちゃん。入って良いわよぅ」

 声を確認し、扉を開く。のりはベッドの上に座って微笑んでいた。巴が来るのを知っていたかのようにも見えた。

「いらっしゃぁい。…あ、手貸して」
「? はい」

 よく分からないまま、言われた通り両手をのりに差し出した。すると、のりはその手を取り、ギュッと握りしめた。

「…やっぱり。寒かったでしょう」
「…ちょっと、だけ」
「じゃあ暫く温めてあげるねぇ」

 そう言うと、今度は体ごと抱き締められた。

「! の、のりさ…」
「のり、でしょう?」
「……の、のり…」
「うん。良くできました」

 子供のように頭を撫でられ、段々恥ずかしくなってきた。けれど、巴を抱き締めるのりの腕は微動だにしない。

「え、えっと……さ、さっきまで何してたんですか?」

 巴の視線は、のりが座っていた真横に向けられていた。そこには毛糸で出来た何かと、編み棒があった。

「そろそろ寒くなってきたでしょ?だからマフラー編んでたの」

 一旦巴を解放すると、マフラーを手に取った。ふふ、と微笑み、それを巴に差し出した。

「さっき出来たのよぅ。…はい」
「………え?わ、私にですか?」
「もちろん。巴ちゃんの為に作ったのよぅ」
「あ、ありがとうございます…」

 ベージュ色のマフラーを受け取ると、大事そうに抱き締める。ほんのりと頬を赤くして。

「あ、お姉ちゃんがいる時はマフラーしちゃ駄目よぅ?」
「え?どうしてですか?」

 不思議そうに首を傾げる巴。そんな巴をよそに、のりはいつものにっこりとした笑みを見せながら言った。

「巴ちゃんを温めるのは、お姉ちゃん自身の役目だもの」

 その後、呆然としていた巴の顔が真っ赤になったのは言うまでもない。


end
 
 

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー