「いけない、ちょっと遅れそう…」
めぐとの待ち合わせの広場に向かいながら、携帯の時計を見て足を少し早める。
本来ならもう少し早く家を出る予定だったが、雛苺と翠星石がケンカを始めてそれを沈めるのに時間が掛かってしまった。
そして家を出たのは予定よりも二十分以上も過ぎた時間。
急ぎ足で向かっているが、いつもよりも遅れることは免れないだろう。
めぐとの待ち合わせの広場に向かいながら、携帯の時計を見て足を少し早める。
本来ならもう少し早く家を出る予定だったが、雛苺と翠星石がケンカを始めてそれを沈めるのに時間が掛かってしまった。
そして家を出たのは予定よりも二十分以上も過ぎた時間。
急ぎ足で向かっているが、いつもよりも遅れることは免れないだろう。
「いた…待たせちゃったかな…」
結局着いたのは待ち合わせ時間の五分前で、めぐはベンチに座って待っていた。
時間には間に合っているが、めぐはいつも時間の二十分位前に待ち合わせの場所に来ている。
そう考えるとこれは大遅刻だ。
「めぐちゃんごめん、待っ…」
慌ててめぐに駆け寄っていくが、ふとめぐが何かを口に咥えていて、手に見慣れない物を持っているのに気が付いた。
その形状は、まさに未成年が持つべきではない…むしろ大人でもあまり持つのは良くない物であるタバコだ。
(めぐちゃんがグレた…!? そんな…!)
それを理解すると強いショックが襲い、同時に悲しみや怒りなど、様々な感情が心の中で渦巻いていく。
そしてやり場のないそれは、のりの口から吐き出されていくこととなった。
「めぐちゃんっ!!」
突然の怒鳴り声にめぐは思いっ切り驚き、慌ててこちらを向いて来た。
その口には変わらずタバコが咥えられていて、それがまたのりの感情を刺激する。
「び、びっくりしたぁ…いきなりどうしたのよ」
「どうしたもこうしたも、何でそんな、そんなのを…!!」
言いたい事があり過ぎて言葉になって出て来ず、頭の中がグチャグチャになっていく。
めぐは何でのりが怒っているのかまったく分からず、目を点にしたまま戸惑うばかりだ。
「どうしたのよ、のり…私が何かした?」
「何かしたって、どうしてタバコなんか…!」
「タバコ?」
結局着いたのは待ち合わせ時間の五分前で、めぐはベンチに座って待っていた。
時間には間に合っているが、めぐはいつも時間の二十分位前に待ち合わせの場所に来ている。
そう考えるとこれは大遅刻だ。
「めぐちゃんごめん、待っ…」
慌ててめぐに駆け寄っていくが、ふとめぐが何かを口に咥えていて、手に見慣れない物を持っているのに気が付いた。
その形状は、まさに未成年が持つべきではない…むしろ大人でもあまり持つのは良くない物であるタバコだ。
(めぐちゃんがグレた…!? そんな…!)
それを理解すると強いショックが襲い、同時に悲しみや怒りなど、様々な感情が心の中で渦巻いていく。
そしてやり場のないそれは、のりの口から吐き出されていくこととなった。
「めぐちゃんっ!!」
突然の怒鳴り声にめぐは思いっ切り驚き、慌ててこちらを向いて来た。
その口には変わらずタバコが咥えられていて、それがまたのりの感情を刺激する。
「び、びっくりしたぁ…いきなりどうしたのよ」
「どうしたもこうしたも、何でそんな、そんなのを…!!」
言いたい事があり過ぎて言葉になって出て来ず、頭の中がグチャグチャになっていく。
めぐは何でのりが怒っているのかまったく分からず、目を点にしたまま戸惑うばかりだ。
「どうしたのよ、のり…私が何かした?」
「何かしたって、どうしてタバコなんか…!」
「タバコ?」
一瞬呆気に取られためぐだったが、手に握られているタバコの箱を見て納得したように頷いた。
しかしのりは相変わらず怒ったままだ。
「どうしてタバコなんかに手を出したの! 何か不満でもあったの!?」
「いや、そういう訳じゃ…ちょっとのり、落ち着いて」
「落ち着いてって、めぐちゃん状況を分かってるの!?」
「だから…はい」
「めぐちゃ…んむっ!?」
若干呆れ気味のめぐが口からタバコを取ったと思ったら、あろう事かそれをのりの口に突っ込んできた。
突然の事で思わずタバコを咥えてしまい、慌ててそれを取ろうとしたが何か違和感に気が付いた。
「…あれ?」
甘い。
それは全然タバコ臭くなく、味もまるでチョコのようだ。
訳が分からずそれを咥えたまま確かめるのりに、めぐは持っていた箱を掲げて見せた。
「これ、シガレットチョコよ」
「…チョコ?」
「そう。そこのコンビニで買ったの」
箱を手渡されてそれをしっかり見ると、確かにそう書かれていた。
本物そっくりのデザインで、しっかり見なかったから見間違えてしまったようだ。
しかしのりは相変わらず怒ったままだ。
「どうしてタバコなんかに手を出したの! 何か不満でもあったの!?」
「いや、そういう訳じゃ…ちょっとのり、落ち着いて」
「落ち着いてって、めぐちゃん状況を分かってるの!?」
「だから…はい」
「めぐちゃ…んむっ!?」
若干呆れ気味のめぐが口からタバコを取ったと思ったら、あろう事かそれをのりの口に突っ込んできた。
突然の事で思わずタバコを咥えてしまい、慌ててそれを取ろうとしたが何か違和感に気が付いた。
「…あれ?」
甘い。
それは全然タバコ臭くなく、味もまるでチョコのようだ。
訳が分からずそれを咥えたまま確かめるのりに、めぐは持っていた箱を掲げて見せた。
「これ、シガレットチョコよ」
「…チョコ?」
「そう。そこのコンビニで買ったの」
箱を手渡されてそれをしっかり見ると、確かにそう書かれていた。
本物そっくりのデザインで、しっかり見なかったから見間違えてしまったようだ。
―※―※―※―※―
「…もう気にしてないからそんなに気を落とさないでよ」
「でも、めぐちゃんに悪い事しちゃった…。遅れてきた挙句に早とちりで怒ったりして…」
道を歩きながら、めぐはずっとのりをフォローし続けていた。
誤解が解けたのは良いものの、今度はのりが完全に落ち込んでしまった。
めぐは言った通りまったく気に止めてないのだが、それでものりは俯いたままだ。
「いいからさ。せっかくのデートなんだから、楽しみましょうよ」
のりの腕に抱きついて微笑みかけると、それで少しだけ弱々しく微笑んだ。
その目を覗き込みながら、めぐは少し真剣な表情になって口を開く。
「…それにね、正直あんなに真剣に叱ってくれて、少し嬉しかったのよ」
「え…?」
予想していなかっためぐの台詞に、のりは驚いたような表情を浮かべる。
肩に頭を軽くもたれさせて、優しく話を続けていく。
「本当に私のことを想ってくれてるっていうのが伝わってさ。そう思うと、私って愛されてるなって…」
「…当然じゃない。私はめぐちゃんの事を本当に大事に想ってるわ」
これまでの落ち込んだ表情は引っ込み、真摯な表情でめぐを見つめ返す。
それが嬉しく、めぐは一層抱きつく力を強くして密着度を高める。
「…ありがとう。私も負けないくらい、のりの事を大切に想ってるわよ」
「ふふ、ありがとう。そう言って貰えて」
やっとのりにも笑顔が戻り、めぐも安心して微笑んだ。
「でも、めぐちゃんに悪い事しちゃった…。遅れてきた挙句に早とちりで怒ったりして…」
道を歩きながら、めぐはずっとのりをフォローし続けていた。
誤解が解けたのは良いものの、今度はのりが完全に落ち込んでしまった。
めぐは言った通りまったく気に止めてないのだが、それでものりは俯いたままだ。
「いいからさ。せっかくのデートなんだから、楽しみましょうよ」
のりの腕に抱きついて微笑みかけると、それで少しだけ弱々しく微笑んだ。
その目を覗き込みながら、めぐは少し真剣な表情になって口を開く。
「…それにね、正直あんなに真剣に叱ってくれて、少し嬉しかったのよ」
「え…?」
予想していなかっためぐの台詞に、のりは驚いたような表情を浮かべる。
肩に頭を軽くもたれさせて、優しく話を続けていく。
「本当に私のことを想ってくれてるっていうのが伝わってさ。そう思うと、私って愛されてるなって…」
「…当然じゃない。私はめぐちゃんの事を本当に大事に想ってるわ」
これまでの落ち込んだ表情は引っ込み、真摯な表情でめぐを見つめ返す。
それが嬉しく、めぐは一層抱きつく力を強くして密着度を高める。
「…ありがとう。私も負けないくらい、のりの事を大切に想ってるわよ」
「ふふ、ありがとう。そう言って貰えて」
やっとのりにも笑顔が戻り、めぐも安心して微笑んだ。
「そうだ、のりもこれ食べる?」
コートのポケットからさっきの箱を取り出し、中から数本のりに手渡した。
「ありがとう」
自分も一本手に取って、それの紙を剥がしてタバコと同じように咥える。
のりも同じようにそれを咥え、二人とも無意識の内に同じ食べ方をしたことが可笑しくて思わず笑い合った。
「ついついこうやって食べちゃうのよね、これ」
「本当ね」
「子供の頃、よくパパに買ってもらってたわ」
「私も昔おやつで食べた事あるわ。久しぶりで懐かしいわね」
そんな他愛も無い話をしながら、ポリポリと食べていく。
それも食べ終えてもう一本口に咥えると、のりが心配そうな目で見つめてきているのに気が付いた。
「どうしたの?」
「…めぐちゃんはさ、タバコ吸いたいって思った事無い?」
「タバコを?」
「ええ。…ちょっと不安になっちゃって」
心配そうなその質問に、めぐはすぐに軽く笑って手を振った。
「無いわよ、一度も」
「本当?」
「ええ。あんな体に悪い物、やりたくも無いわ。不健康なのは昔だけで十分」
屈託の無い笑顔とその台詞に、のりはホッとした表情を浮かべた。
コートのポケットからさっきの箱を取り出し、中から数本のりに手渡した。
「ありがとう」
自分も一本手に取って、それの紙を剥がしてタバコと同じように咥える。
のりも同じようにそれを咥え、二人とも無意識の内に同じ食べ方をしたことが可笑しくて思わず笑い合った。
「ついついこうやって食べちゃうのよね、これ」
「本当ね」
「子供の頃、よくパパに買ってもらってたわ」
「私も昔おやつで食べた事あるわ。久しぶりで懐かしいわね」
そんな他愛も無い話をしながら、ポリポリと食べていく。
それも食べ終えてもう一本口に咥えると、のりが心配そうな目で見つめてきているのに気が付いた。
「どうしたの?」
「…めぐちゃんはさ、タバコ吸いたいって思った事無い?」
「タバコを?」
「ええ。…ちょっと不安になっちゃって」
心配そうなその質問に、めぐはすぐに軽く笑って手を振った。
「無いわよ、一度も」
「本当?」
「ええ。あんな体に悪い物、やりたくも無いわ。不健康なのは昔だけで十分」
屈託の無い笑顔とその台詞に、のりはホッとした表情を浮かべた。
「…それにさ」
そこで区切るとめぐは辺りの様子を見渡した。
周りはちょうど人通りの少ない河川敷で、自分達以外は誰もいない。
それを確認して咥えていたチョコを外すと、のりの頬に手を添えた。
「んっ…」
のりの顔をこちらに向けさせたその瞬間、めぐはそのまま唇を奪った。
とっさの事で何をされたか分からなかったのりだが、それを理解すると顔が徐々に赤くなっていった。
「めぐちゃん、こんな所で…」
「大丈夫、誰も見てないわよ」
その反応に満足し、めぐは悪戯っぽい笑顔で口を開く。
「タバコ臭くて苦いキスなんて嫌でしょう? キスはやっぱり、甘いものじゃないと」
このチョコみたいにさ、と付け加えてさっきまで咥えていたチョコをのりの口に咥えさせた。
めぐの口の中で溶けていたチョコは、のりの口の中でスッと溶けて行き甘い味が広がる。
「…そうね」
それを咥えながら、のりははにかんだ笑みを浮かべて頷いた。
そこで区切るとめぐは辺りの様子を見渡した。
周りはちょうど人通りの少ない河川敷で、自分達以外は誰もいない。
それを確認して咥えていたチョコを外すと、のりの頬に手を添えた。
「んっ…」
のりの顔をこちらに向けさせたその瞬間、めぐはそのまま唇を奪った。
とっさの事で何をされたか分からなかったのりだが、それを理解すると顔が徐々に赤くなっていった。
「めぐちゃん、こんな所で…」
「大丈夫、誰も見てないわよ」
その反応に満足し、めぐは悪戯っぽい笑顔で口を開く。
「タバコ臭くて苦いキスなんて嫌でしょう? キスはやっぱり、甘いものじゃないと」
このチョコみたいにさ、と付け加えてさっきまで咥えていたチョコをのりの口に咥えさせた。
めぐの口の中で溶けていたチョコは、のりの口の中でスッと溶けて行き甘い味が広がる。
「…そうね」
それを咥えながら、のりははにかんだ笑みを浮かべて頷いた。
終わり