錆びた鎖に翼絡め取られても、繋いだ手を離さない◆wqJoVoH16Y
魔王オディオによって作られし死の島……
このゲーム巣食わんと、憎悪さえ奪った伐剣王ジョウイが、オディオの座を狙って最終戦争を開始した!
その尖兵となりしは、島の憎悪を注がれた骸と、何一つその身に残せなかった砂漠の王城。
しかし、嘆きと未練のままに全てを破壊せんとする哀しき魔城の前に、敢然と立ちふさがるヒーローがいた!!
今は昔のバビロニア、
そして、新生したブリキ大王を駆る日暮里のヒーロー、男・田所晃ッ!
これは、己が全てをかけて戦う、ヒーロー達の物語であるッ!!
太陽が天頂より降り始めた空の下、朽ちし巨神の遺志を継いで光り輝く幻想希神<ファンタズム・ブリキング>、
繰り手たるアキラはその19mもある体躯の目線にて世界を見渡した。
本来のブリキ大王ならばコックピット越しに見るべきヴィジョンは、アキラの瞳に直接刻まれた。
それだけではない。
天を衝く鋼のこぶしの感触が、大地を踏みしめし両足の感触が、その装甲を撫でる西風の感触が、アキラには自分のように感じられた。
否、それこそが真実。これはバビロニアの機械魔神にして機械魔神にあらず。
アキラの想いがミーディアムの欠片とブリキ大王の祈りを通じ、チカラというカタチをとったもの。
その存在の輝きを以て、見るものの心に『灯火』宿す『希望』の体現――――『ヒーロー』そのもの。
故にアキラと『ヒーロー』の個我境界は限りなく零であり、この巨神こそがアキラなのだ。
ヒーローと化した今だからこそ分かる。
この島全てが今、悲鳴を上げていることが。
傷痕が痛いのだ、爛れて苦しいのだと。もがき苦しみ、悪念を叫び、狂い始めている。
物言わぬ嘆きは模倣する憎悪を得て狂気となり、その狂気のまま、彼らはこの大地の中心に集い始めている。
ことりと落とされた角砂糖に群がる蟻のように、砂漠の中で唯一のオアシスを見つけた者たちのように。
唯一の『希望』めいたおぞましいものに集まっていく。
砂浜が崩れ、崖はボロボロと岩を海に落とし、町並みは風化し、森の木々は枯れ始めている。
災厄の戦いなどで抉られた場所だけではなく、まだ形を保っている場所も崩れてゆく。
(待っててくれてありがとよ、ブリキ大王。ギリギリまで粘ってくれたんだろ)
潮が満ちるように、島の外側からその身を崩しながらイノチが集まってゆく。
砕けた骸に、朽ちた亡城に注がれてゆく。まるで、誰かが“奪っている”ように。
もし、アキラがあの浜までブリキ大王に出会わなければ……あの雄姿さえも“奪われていた”のだろう。
(それが、希望だなんて……楽園だなんて、反吐がでらあッ!!)
はっきり言って、アキラにはジョウイの理想なんてこれっぽっちも理解できない。
学がないだとか、先見がないだとか言われればああそうだと首肯しよう。
だが、そんな奴にだって分かることがある。
これは絶対に許してはならないということなのだ。
形はどうであれ、それが誰かの笑顔を踏みにじって作る世界であるならば、
それは陸軍とシンデルマン博士がやろうとした理想郷<全人類液体人間化>と何一つ変わらない。
「そのためだったら……男アキラ、無理を通してみせるッ!」
城がその輝きを押し潰さんと再び迫る。破損した駆動部から蒸気の血と軋む歯車の悲鳴を上げながら。
故にアキラは拳を握る。その身を以て魔王の楽園を否定するために。
その冥き希望に魅せられ、囚われてしまったあの城(もの)たちを解き放つために。
加速からの、残された右回廊が亡城から射出される。
故障というステータス異常を無視した一撃は、この状況に置いても最速の攻撃となった。
だが、それをアキラは避ける。その眼で、風切る拳を鋼の肌で感じながら、
人間のような滑らかさで、巨体同士の戦いとは思えぬ紙一重で見事に避けきった。
「先ずは挨拶代わりだッ!!」
そのまま流れるように、左腕を城の側面にアッパーを繰り出す。
王城はその破損した地下潜行機能の残骸を駆動させ、緊急的に沈み込むことでその腕を
かろうじて避けた。そう見えた。
だが、拳が空を切るその瞬間、その左腕に刃の煌めきが輝く。
「“我斗輪愚”ゥゥゥゥゥゥ―――― 一本義ィッ!!」
幻想希神・機巧ノ壱――左腕に内蔵されたブレードが亡城の煉瓦の隙間を切り裂く。
ぶじゅりと、煤混じりの黒い蒸気を吹き出しながら、城は――或いは、その向こうにいる魔王は――驚愕するように震えた。
“ブリキ大王の情報はあった”。だが、このような機構は存在しないはずだ。
「終わるかああああああッ!!」
アキラはアッパーの推力を生かし跳躍する。その様は、もはや機械の駆動というよりというより人間の武技だ。
だが、我唯人に非ずというように、脚部に強烈なエネルギーが集い、
アキラは自身と城を結ぶ線を軸として敵を穿つ螺旋となって城の外壁を削り、
着地の衝撃を脚部から背を通じて腕部へ導通させ、刃の威力へと転じて薙払う。
幻想希神・機巧ノ弐と参――螺旋状に束ねたエネルギーを纏いての急降下攻撃と巨大ブレードによる薙払いが、
本来前進しか出来ぬ亡城を、無理矢理に退かせる。
「メタル、ヒィィィィィィィットゥッッ!!!!」
その開いた間合いの中で、十分に加速する距離を得たアキラの右拳が、亡城の正面城壁を打つ。
亡城は衝撃に揺れながら、ようやく収納した右回廊を構えるが、アキラは既に軽やかに距離をとっていた。距離が離れ、亡城の正面に出来た拳大の大穴が陽光に晒された。
戦術プログラムを遙かに越えた、流れるような連続技からの右ストレート直撃。
自壊はあっても、竜の攻撃でも魔砲によっても削れども破れなかった城壁が初めて貫かれた瞬間であった。
心臓にぽっかり空いた虚空を晒すように棒立つ亡城に、感情を定義するのであれば2つ。
ありえない。ありえない。この城壁が徹されるなどありえない。
この鋼の躯<ハードボディ>を唯の刃、唯の拳、唯の物理攻撃が害するなどありえないのだ。
「わかんねーのかよ」
その心を見透かすかのように、目の前の希神は左拳を天に翳す。
「わかんねーよな。本当に守らなきゃいけないもんが、わかってねーんだからよ」
その様に、亡城のもう一つの感情が膨れ上がる。
許さない。許さない。この身を、この躯の内側を害したな。
彼らが帰るべき場所を、安息するべきだった、そうあるはずだった場所を、害したな。
守るべきもの? それを守れなかったからこそ、この骸はここにいるというのに!
「それが分かってねえってんだよ――――――“我斗輪愚”・日暮里ィィィィッ!!」
希神に輝きに満ちる。超能力と似て非なる意志の力――フォースが充填され、アキラの、希神の左腕がその機構を変化させていく。
「お前が守りたかったのは、その誰もいない城かッ!?」
五指は収納され、手首は太くなり、そこから出たのは雄々しき勇者の螺旋。
螺旋は動き始め、瞬く間にその溝も見えぬほどの高速で回転し始める。
「違うだろうがッ!! なんもない、空っぽの夢を追いかけて……
ボロボロになって、それでも戦って、朽ち果てて、それで笑える訳、ねえだろがッ!!」
怒声とともに、夢を形に変えし幻想希神・機巧ノ肆――有線式螺穿腕が発射される。
次は徹さぬと、城は収納した右回廊を楯として己が躯を、誰もいない城内を守る。
「オラァッ!」
だが、腕に食い込んだ螺旋より繋がるそのワイヤーが逆巻き、亡城をアキラまでぐいと引っ張り上げる。
「辛かっただろうさ、苦しかっただろうさ。てめえらも、ヒーローがいなかったんだろ。
だけど、それに負けちまったら……誰かの守りたいものを奪うようになったら……
英雄の敵に……“魔”になっちまうんだよッ!」
どれほど自分を傷つけても充たされることなく、永遠に喘ぎ続ける虜囚。
そんな怪物に墜ちてしまった城を引き寄せ、アキラは両足に力を込める。
「だから、俺が祓ってやるッ!!」
今のアキラは、脳の全てをこの希神の具現に費やしている。
イメージはおろか、心を読むことさえもままならない今、彼らの持つ未練に触れることさえ出来ない。
だが、繰り出された機巧ノ伍――刃の如き踵落としと続けて穿たれた宙返蹴り上げは確かに亡城に確かな傷を与えていた。
「最後まで、魔に、憎悪に抗い続けたアイツのように」
この希神は、アキラの抱く夢の形。アキラがこうありたいと希うヒーローの顕現。
この世の憎悪全てを凝縮した狂皇子に立ち向かうように、
己の脳の領域全てで呼び起こした希神は、どこまでもアキラの祈りに忠実だった。
「最後の最後には、温かいものを掴めた、アイツのように」
宙返りの体勢から、再び脚部を城に向ける。だが、今度は両足ではなく片足で、回転などしない。
其は偉大なるバビロニアの一撃。古代より現代を貫きし、神の一撃。
「バベルノン・キィィィィィィィッックゥゥゥッッ!!」
雷のように落ちた神撃は、僅かに逸れて左の城壁のほとんどを破壊する。
アキラの抱くヒーローに確かな形を持たせた紅き英雄。
そのイメージが、希神のつま先から王冠までを紅く充たしている。
モンスターを刈る為の人間暗器に過ぎなかった機巧は、ブラウン管越しに焼き付いた憧憬となって真なるイメージを宿した。
故にその武装、その一挙手一投足全てが、凶祓いの属性を備えているのだ。
ならば新たなる魔王の導きにて『魔』に墜ちた亡城を相手どれば如何なるか。
その答えこそがこの光景――攻撃全てが特効<クリティカル>となるッ!!
最悪の相性の敵を前に、魔城はかつてないほどの損傷を刻まれていた。
それを窮地と見るや、死兵どもは希神に殺到する。リッチのような飛行可能なものたちは希神の周囲へ、グールや亡霊兵などは希神の足下へ殺到する。
だが、希望を漲らせたアキラにとってはもはやものの数ではない。
「手前らもだッ!!――――――“我斗輪愚”・三宮ッ!!」
再びドリルと化した左腕を上方に突き上げると、
機巧ノ陸――その回転が生んだ風が錐揉みのように旋風となって、周囲の兵どもを花びらのように巻き込んでゆく。
「あんたらの『魔』を、『邪悪』を、『穢れ』を『呪い』を『厄』を『禍』をッ!」
希神の纏うフォースが、真紅にまで輝いたとき、その胸に赤い光が収束する。
この技は、アキラが見たことのない機構だ。だが、アキラの心臓は識っている。
希望のかけらを生んだ一人の男、紅の英雄の半身たる男の想い出が、欠けた機構を十全に駆動させる。
渦に巻かれた屍たちが、渦の中心に集まっていく。
そこに向けられる光は、炎の集合体。だがそれは災厄の焔に非ず。
アキラがその目に焼き付けた炎。全ての魔を焼き祓い清める、浄化の炎。
「全部纏めて、祓ってやらああああああああ!!!!!!」
機巧ノ漆――胸部極熱収束砲が放たれ、旋風を炎の嵐に変えながら、一直線に突き進んでいく。
さらにだめ押しとばかりに、藤兵衛印のジョムジョム弾を各部から射出。
渦の外側を爆破していき、幸運にも渦から飛び出ようとしたものたちを撃破していく。
その魂、天へ届けと手を伸ばすように、赤線が空へと突き抜けた。
「何度でもいってやるッ! これが、本当の希望<ヒーロー>だッ!!」
その強さ、一機当千。偽りの希望なんとする。
幻想希神・ファンタズムブリキング――――此処に有りッ!!
「これが、とっておきたいとっておき、って奴か……?」
天を駆ける炎嵐を見つめながら、
ストレイボウは呆然としていた。
アキラにあんな隠し玉があると思っていなかった、という思いも無論あるが、
なによりも、真っ向から闇に立ち向かい、祓っていく輝く機械神の偉容に圧倒されていた。
揺らめく天秤を弄んでいたところに、極大の重石を載せられたような感覚だった。
「俺の時に出していなかったということは、アキラも自覚はないのだろう。
全く、見せ場というものを心得ている奴だな」
口にくわえた半紙で天空の剣に付いた腐肉を拭い落としながら、
カエルは皮肉気味に答えた。
ストレイボウと胸中は同様だった。自分の中のあらゆる葛藤が白日に曝され、断罪されていくようだ。
許せぬものは許せぬ。悪いものは悪い。正しいものは正しい。
魔を問答無用で祓い続ける希神は、その善性の体現だ。
もしも、あの神をもっと早く見つめていたのならば、自分の人生の右往左往の半分は省けたかもしれない、と思う。
「なんにせよ、これで形勢は逆転したか」
そんな妄想を振り落とし、カエルは現状を見つめた。
アキラの想いを核にコンバインされた希神の登場によって戦局は大きく反転した。
ほとんどの兵があの巨大な希神に注力しており、こちらへの攻め手は牽制以下のものになっている。
そのおかげでストレイボウとカエルは合流し、一呼吸を置くことができた。
「しかし、いきなりすぎて考える暇もなかったが……あの兵士たちは一体……?」
「兵隊どもは地下の遺跡で見た覚えがある。おそらく遺跡に転がった骸に魔力を与えて動かしたのだろう。ビネガーでもあるまいに」
「……確かに、あの亡霊騎士たちのように全て魔力で実体化させるより効率はいい。
だが、それにしても50も動かすなんて……」
魔術師の見地からジョウイが行った外法にあたりをつけるが、ストレイボウはそれでも驚愕を隠せない。
だが、カエルはその認識の過ちを正す。
「その数は適切ではないな。奴はおそらくこの島全てを掌握しているはずだ。
歩兵が百万人が固まって俺たちに向かって行軍している姿を想像しろ。今見えている50は、その先端だ」
紅の暴君を通じて、この島に流れる憎悪に触れたカエルだからこそ理解できる。
ここまでの戦いを通じて蓄積され、共界線を通じて島の中枢に集う怨念ども。
ジョウイが掌握しているのがアレならば、ジョウイの兵力とはこの島全てに等しい。
それが一歩ずつ確実に進軍し、この戦場に送られ、最前線の兵が死ぬ度にそれを踏み越えて次列が蘇っているのだ。
「そんな魔力、一体どこから……」
砕けた骨が接がれ、散った腐肉が再び集って兵を構築していく光景を見て、ストレイボウは顔をしかめる。
憎悪する亡霊たち、届かなかった叫びは傷つけられたこの島のものだとしても、
それをに形を与え蘇らせているのはジョウイだ。都合6人で100、200は確実に破壊し、そして蘇っていた。
「……奴は、絶望の鎌を持っていたな」
今はもうない右手を見つめながらカエルはつぶやく。
「ああ、だがアレは仲間の死と引き替えに力を……真逆」
「“味方が死せる瞬間に力が手に入る訳だ”。どうやって武具から魔力を引き出しているかはわからんが……最悪だな」
ジョウイが鎌を振りかざし亡者を指揮する姿を思い浮かべ、カエルは蠅を食らったような顔をした。
刃を失った絶望の鎌の行き場のない力を軍勢の維持に利用しているのだろう。
死して得た力が、屍を動かして死を作る。背負われた死が、ジョウイの誓いを、魔法をより強固にする。
アキラをして歪んだ輪廻といわしめたこの光景の一翼を、魔王の冥力が担っている事実はカエルにとって、業腹以外のなにものでもない。
もしも本気で全滅させるならば、この島全てを滅ぼすしかないだろう。
(もっとも、俺の考えが正しければ、亡霊が亡ぶ度に死ぬほどの苦痛を味わっているはずだが……とてもではないが、正気とは思えん)
紅の暴君と厄災の焔に乗っ取られたカエルだからこそ、ジョウイの行動に空恐ろしさを覚える。
カエルが紅の暴君の交感能力を生かして戦っていた時、大地が傷つけられただけで自分の身が斬られた痛みを覚えた。
それを支配能力にまで引き上げたとすれば、今ジョウイが受けている苦痛が如何ほどか。
それを僅かなりとも想像できるカエルは、覆面の中で舌を巻くしかなかった。
「……だが、いくら何でも50もの屍を暴走させるならともかく、
兵隊として統率するなんて……そうか、だからあのモルフと城が必要なのか。
やつらは指令の中継局であり、本陣までの兵站路を兼ねている」
カエルの経験談を聞き、ストレイボウは魔術師と技師特有の論理的思考を以て、この軍勢の輪郭をつかむ。
50体以上の屍をジョウイが直接操作すれば、操作がもつれて必ず破綻する。
それを回避するためジョウイは部隊長となる存在を置き、
そこを経由させて『部隊ごとへの命令』を行うことで、制御を簡素としているのだ。
加えて、これならば亡霊復活のための魔力供給の効率もよくなる。
途中で増員されたフォビアたちは、そのサポートのためだろう。
命令系統と補給路の確立。まさしく軍人の発想だった。
此処まで見せてこなかったジョウイの裏の顔を想像すると同時に、
ストレイボウは否応なく思い知らされてしまう。今行われているのが、戦闘ではなく戦争だということを。
そして、そうしてでも理想を叶えようとしているジョウイの覚悟を。
だが、そんな機略は質量差の前には無意味とばかりに、希神はフォースチャージを完了させて駆動し始める。
依代の屍に大きく損傷を受けた亡霊たちの蘇生は完了しておらず、希神の拳を妨げるものはなにもない。
「それならば話は早い。頭を潰せば、兵隊どもは蘇生出来ん。
アキラがあの城を潰せば、少なくともこの戦場は終わる……のはずだが、浮かない顔だな、ストレイボウ」
「……1つは、ただの感傷だ」
決着を見つめるカエルからの問いに、ストレイボウはゆっくりと答える。
現れた闇を、勝負の場にすら立てず烙印を押された敗者たちを、ヒーローのより強大なる正義の光で焼き祓う。
この光景を見下ろしてオルステッドはどう思っているのか。
これこそが、オルステッドのいう勝者と敗者の構造と何も変わらないのではないか。
しかし、この光が正しくない訳がない。この光は正真正銘、真実だ。
ならば、誰が間違っているのか。何が間違っているのか。
本来あの光に焼かれるべきストレイボウは、迷わずにはいられない。
「……もう一つは、ジョウイだ」
そして、あの魔城を率いる魔王のこと。
音に聞こえしルカ=ブライトならば、この段階であの魔城を使えぬと切って捨てるだろう。
だが、敗者を想い過ぎるあの少年が、この状況を看過するとは思えなかった。
「アイツは、ジャスティーンの存在を知っているはずだ。
だったら、あの城を引っ張ってくれば貴種守護獣との勝負になることは分かっていたはず。
いや、最初から織り込み済みだろう。だったら……」
ジャスティーンはあの亡きオスティア候の骸が全てを賭けて得た情報。
それを識るジョウイが、誰も見捨てないあの魔王が、ここで手を差し伸べない道理がない。
違和感の核を掴んだストレイボウは、ここまで気配を見せていなかったもう一体の部隊長……反逆の死徒を見た。
希神の攻撃に反応できるほどの距離をあけ、希神が城に迫り来る姿を見つめ続けている。
まるでタイミングを計るかのように。
――サポート能力発動ッ! 直接火力支援ッ!!――
希神の拳が構えられた瞬間、綺羅星のような蒼光が、青空の向こうに光った。
それにストレイボウとカエルが気づいて見上げた空は、真っ二つに割れていた。
そう表現するよりなかった。真白い光の束が、空の果てから希神に降り注ぐ。
「さ」
遙かな高みから混沌とした下界に秩序を示す、神の杖のように。
「衛星攻撃<サテライト>だとォォォォッ!?」
未来世界でも実用段階とはいえぬ、超々高度からの砲撃に、ストレイボウは愕然とする。
ギリギリでその一撃に気づいたのか、希神は振り上げた拳を退き、胸を反らせて上空へハロゲンレーザーを発射する。
天地の狭間で衝突した2つの輝きは、太陽の光さえもかき消す。
全力と全力の砲撃は五分。
だが、絶妙なタイミングで攻めの枕を崩され反応を遅滞させた分、アキラは不利な体勢で踏ん張るしかなかった。
そして、空からの光束が細くなって安堵した瞬間を、弱者が狙わない道理はなかった。
かろうじて体勢を整えた魔城が、機構を振り絞って右拳を構える。
噴煙は黒く噴き出し、油は血のように爛れ落ちている。
撃てば自壊もやむなしの一撃。だが、魔城には自らが砕け散ることへの怖れなど微塵もない。
あるのは、目の前の光に対する怒り、嘆き、嫉妬。
抱くことかなわなかった光を惜しげもなく晒し、
あまつさえ幸せの有無を問う巨神に、それ以外の何を想えというのか。
彼らは“幸せになれなかった”者たち。“もうやり直せない”者たち。
そうであることすら誰にも知られることなく、餓えて枯れて朽ちていく者たち。
ただ一つ与えられた“導き”に縋り、忘れられた滅びに意味を求めた者たち。
確かに彼らは『魔』だ。憎悪にまみれ、化外に墜ちた存在だ。
だがその祈りさえも『魔』と否定するのか。
弱さを悪と貶め、持たざるを罪と弾劾し、その光で裁こうというのか。
その判決に対する反逆を載せた回廊が、発射される。
ついに深刻な域に達した破損のせいで速度は鈍り、威力は十全にならないだろう。
それでも、振り上げられた拳は収まらない。
失ったものを背負い進む城に、歌が響く。
なげかないで。
いらないものなんてないよ。
おちこぼれなんていないよ。
げんきをだそう。
それは、地より響く歌。己の弱さを嘆き、それでも前を向いた少女の歌<イノリ>。
故にその歌は、持たざる者にどこまでも染み入り、神秘のチカラとなる。
毒のように甘い魔女の呪い<イノリ>は、敗者であればあるほどにチカラに変わる。
この城に向けてドリルとは片腹痛い。
いいだろう。ならば刮目しろ。
もう続かない歴史をその身に刻め。
射出された右回廊が音を鳴らして蠢く。
オディオによって参加者が使用できぬようバラバラにされた『商品』が、壁や機関に組み込まれてゆく。
だいじょうぶ。魔法はなんでもできるチカラ。
だいじょうぶ。あなただけの魔法をしんじて。
だいじょうぶ。どんなときだって、あなたは、ひとりじゃない。
だから――――へいき、へっちゃら。
先ほどのドリルへの返礼とばかりに、回廊が先鋭化し、けたたましく回転する。
希神ドリルとは真逆の回転を成すドリルが、希神の脇腹を無慈悲に蹂躙する。
そんなに自慢するならその光を寄越せとあざ笑うように、振動とともに輝きが廃油に解け合い、魔城へと吸われていく。
これが本物のドリル――――機械大国フィガロの、技術の総算也ッ!!
ストレイボウたちは絶句したまま、希神の脇腹に大穴が開く瞬間を見ていた。
上空からの射撃が止まったことでアキラはとっさに距離を取り追撃を回避することには成功した。
しかし、希神の輝きを吸って城塞の機構を復旧する魔城は、息吹を得たりと歯車と蒸気の音をけたたましく鳴らす。
全快とは世辞にも言えないが、最低限の機構を取り戻した魔城は退くことなく右の回廊を回して希神へと果敢に攻める。
だが、迎え撃つべく精神力をさらに注いでボディを復元したアキラの拳は先ほどに比べ僅かに鈍っていた。
「無理もない。あの魔城、突撃こそすれど拳は残していやがる。
こちらの大技にカウンターで差し違えるつもりだ」
カエルは苦々しげに唸る。人間並みの精度と駆動で動く希神相手では
魔城のドリルなどあたりはしない、アキラの拳が魔城に届く瞬間以外には。
故に、魔城は己が軍勢の吸収能力だけを頼りに、差し違えようとしている。
それが分かっているからこそ、アキラは反撃を回避できるよう余力を残した攻撃しか出来ない。
「それに、あの戦場外からの砲撃――――あれを見せつけられたら、もうアキラは動けない。封殺だ」
ストレイボウがつぶやく。希神がその威勢を鈍らせた最大の理由――それはあの戦場外からの砲撃支援に他ならない。
大気圏外から撃たれたあの一射。もしもアキラが全力のハロゲンレーザーで相殺していなければ、
この戦場の相当な領域が何度目かの焦土になっていただろう。
そして、希神と一つになっていないアキラ以外の者たちがどうなっていたことか。
何発撃てるのか、制限はあるのか、再射撃に何分かかるのか。最悪、もう二度と来ない砲撃かもしれない。
しかしその確証もない以上、アキラは常にあの射撃を警戒し続けなければならないのだ。
「折角の反撃の機会をこんな形で潰されるなんて、あの砲撃さえなければ……」
「いや、むしろ厄介なのは――――ッ!!」
カエルが何かを言おうとした矢先、怨嗟を轟かせながら蘇った亡霊たちが突貫してくる。
依代となった遺体さえも損傷しているが、それを補うかのように鬼気を迫らせている。
「カエルッ!!」
「ちぃッ、合わせろよッ!!」
目配せもせずに、カエルとストレイボウはそれぞれに魔法を展開した。
カエルは印を組んだのち、口の中に発生させたウォータガをぴゅうと亡霊たちの前列に吹き付ける。
そこで進軍が止まった瞬間を見逃さず、ストレイボウが魔術をふるうと、
カエルのウォータガが、兵ごと凍り付き、巨大な氷壁を成した。
既に突撃の勢いの付いていた兵たちは止まることもかなわず、壁にぶつかり、
後ろからさらにぶつかった兵によって潰れてゆく。
「間一髪か」
「でも、なんでいきなり……しかも、さっきまで投石をしていた奴らまで」
「今だからこそ、だ。兵と俺たちを混交させることで、実質的にアキラからの広域攻撃を封じてやがる。
しかしこれで確信した。この差配は、明らかに現場の指示だ……あの小物、もしやそこそこ優秀だったのか?」
潰れてもなお壁を破らんとばかりに襲いかかる兵たちは、先ほどまでの倍以上に膨れ上がっていた。
投石を行っていたものたちも、魔城の随員だった兵も全てがこちらに投入されている。
ストレイボウたちは破れそうな壁に魔力を注いで繕いながら、その差配をしたであろう反逆の死徒を睨みつけた。
その視線すら心地いいのか、卑猥な嘲笑を浮かべながら敗者は口の下の瞳をぐるぐると回していた。
「どうみる、ストレイボウ」
「……控えめに言って最悪、としかいいようがないな」
ストレイボウは冷や汗を浮かべながら応じた。
頼みのブリキ大王は敵の連携網に絡め取られて拘束された。
敵の軍勢はこちらに集中し、水際での防戦一方。
しかも、兵たちをいくら倒しても島全てが兵力たるジョウイには致命傷になり得ない。
このままでは泥沼に嵌まり続けることになる。
抜け出すためにはこちらの体勢を整えなければならないが、こちらの体勢はガタガタに崩されてしまっている。
ストレイボウはちらりと後ろを向いた。その視線は、カエルたちの後ろで呆としている2人へと向いていた。
イスラは未だ顎を下げず軍勢を見続けるのが精一杯で、アナスタシアは髪を垂らせ俯いている。
どちらも
ピサロや亡将を相手取った時ほどの気迫はなく、とても戦域に晒せる状態ではない。
逃げるにしても首輪が、空中城に行くにしても亡城のデータタブレットが問題となる。
(イスラとアナスタシアはまだ動けない。アナスタシアには首輪を解除するという仕事が残っている。
ピサロは竜化が解けて行方不明。実質戦力は半分――埒が開くはずもない)
拳を振り上げる余力もなく、そも拳を向ける先も見抜けない。
故に泥縄。遙か先の禁止エリアで軍勢を維持するジョウイに主導権を取られ続けてしまう。
(……せめて、ブラッドか、
ヘクトルが、マリアベルがいてくれればまだ……いや、いないからこその戦争か)
ストレイボウは三人の人材を思い浮かべ、すぐに打ち消した。
この状況が生み出している最大の不利は、彼らに大規模な集団戦闘の経験が圧倒的に不足していることだ。
6匹の獅子は、50の羊などもとのもしないだろう。
だが、そこに1人の人間が混ざることで1つの群れとなった今、ただの6匹は羊の群れに追いつめられている。
もしもここに彼らのようなリーダーとなりうる存在が居たならば、6人が1つに纏まれればこうはならなかったかもしれない。
だが、現実的に彼らは集ったばかりの烏合の衆であり、それ故に、ジョウイが狙うべき唯一の弱点となった。
もはやこの戦争を突破するより、勝利はないのだ。
「……やれることをやるしかない、か」
ストレイボウは深呼吸をして酸素を脳漿に澄み渡らせる。
焦るな、焦るなと言い聞かせ、状況を組み立てて優先順位をつけていく。
「何にせよ先ずはピサロの安否だ。だが、どこにいるか……」
「見つけるのは存外容易いかもしれんな」
カエルの視線の先には、空を飛んで魔城に向う2匹が居た。
希神と魔城の戦いに、奴らは直接的な意味を持たない。ならば考えられる理由は一つ。
「狙いは城の中のピサロかッ! 俺が行くッ!!」
「確かに膠着状態に入った今こそが城に入る好機……が、何か考えがあってだろうな」
「ああ、あの城が機械だとすれば、この場は俺しか行ない」
迷いなき瞳で魔城を見つめるストレイボウに、カエルは嘆息を付いた。
そこまで確信を持たれてしまっては反論も野暮で、自ずとやるべきことも定まる。
「全く……なら、いっそ全員で中に入ってしまうというのはどうだ。
少なくともあの城からの攻撃はなくなるぞ」
「生き埋めにされるだけでしょう」
冗談のつもりで言ったカエルの軽口に予想外の方向から反応が返ってくる。
狼に戻したルシエドを侍らせたアナスタシアだった。
俯いたままの彼女の表情は分からなかったが、代わりにルシエドがトコトコと
ストレイボウの側まで行き、背中の毛並みを見せつけてくる。
「アナスタシア……」
「わかんないわよ。どうすればいいのか、どうしたいのか。
頭ン中ぐっちゃぐっちゃで、もう訳わかんないのよ」
アナスタシアは手袋のまま、少し濡れた髪をくしゃくしゃとかき混ぜる。
「だから、分かってる奴に貸しとく。この子も、迷ってる私といるよりはいいでしょ……」
進む道が闇に覆われ、進めずとしても。その手だけでもその先を望み僅かに伸ばす。
憔悴した彼女の精一杯を受け取って、ストレイボウとカエルは互いに頷いた。
「道を作る。合わせろよストレイボウ」
「カエル、お前……」
腰溜に剣を構えるカエルに、ストレイボウはその意を察する。
この状況に相応しい二人技。だが、その技は、カエルと彼女の。
「あれだけ見せられて気づかんとでも思ったか。理由は問わんさ。
だが、確かにお前の中に彼奴は、
ルッカはいるのだな」
精神を研ぎ澄ますカエルに、ストレイボウは言葉を返すことなく、フォルブレイズをめくり詠唱を開始する。
「ならば、採点してやる。俺が捨てたものが、俺以外の誰かに確かに息づいているのだと……見せてくれッ!!」
「ああッ! 彼女の炎が、彼女の思い出が、まだ此処にあることを示そう――――ラインボムッ!!」
神将器から放たれた焔を天空の剣に纏わせ、カエルが城めがけて一閃を放つ。
氷壁を割り、一直線に延びる炎は、不死なる者たちに触れた瞬間に爆ぜて道を造る。
炎が止めばすぐに蘇り、閉ざされるだろう道は、しかし魔狼が駆け抜けるには十分な道だった。
「……ルッカとは、昨日出会った。もう、会ったときには、死ぬ間際だった」
ルシエドに跨がるより前に、思い出したようにストレイボウは言った。
「そのとき、彼女を背負っていたのが、ジョウイだった」
ストレイボウはクレストグラフを翳し、カエルにクイックを駆けながら世間話をするような調子で語る。
「あの時、あいつは確かに彼女を生かそうとしていた。打算でも何でもなく、零れ落ちる生命を抱き留めようとしていた」
「……ルッカの最後は、どうだった」
続けてハイパーウェポンを重ね掛けされたカエルは、ストレイボウに尋ねる。
今此処でこの話を切り出された意味を薄々感じながら。
「泣いているんだと思った。理不尽な死に、未来が潰えたことに。
でも今なら、生い立ちを、死に様を、名前を知った今なら……
最後の想い出は、碧色の輝きに包まれていたから、きっと――許されていたんだと思う」
最後にプロテクトをカエルに掛けながら、ストレイボウはそう結んだ。
あの優しい碧光を放つ左手を思い出しながら、ストレイボウはさも今思い出したように虚空に呟いた。
「ああ……そうだった。あの時だった。あいつも、
真っ正面から誰かの死を受け止め過ぎて、押しつぶされそうになっていた」
ジョウイの名に反応したか、イスラは僅かにストレイボウに視線を上げるが、
ストレイボウは省みることなく、ルシエドに跨がる。
「だから――――お前も立ち上がれるって、信じてるよ。イスラ」
不意に呼びかけられ、イスラが頭を上げた時、欲望の狼は瞬く間に魔城に向けて駆けだしていた。
何かを言おうとしていたはずのイスラの口は、半分開いたままだった。
「彼奴の言いたいことが分かったか、適格者」
天空の剣を素振りしながらカエルはイスラに尋ねた。
答えを返すより先にカエルが二の句を継ぐ。
「有り様はどうであれ、あの核識もお前と同じくらいに死を想っている。そうでなくばこれほどの死を背負えまい」
ヘクトルも、あの城も、島の亡霊たちも、そしてイスラの罪たるあの死徒も、全てを背負うが故のSMRA。
そこに、イスラを意図的に貶めようとする浅慮があったなら、たちまちジョウイはこの群れに呑まれていただろう。
割り切れないから、流せないから、真正面から受け止めるしかなくて、死を背負った。
かつて笑い、割り切ったはずの
ビジュの死を、真っ直ぐに苦しみ続けている今のイスラのように。
同じくらいに不器用なほど、2人は死を想い続けている。
「そんな奴にお前は負けるはずがないと、彼奴は言ったんだよ」
イスラが俯いたまま、時間切れの怨嗟が響く。
ラインボムの爆破が止み、氷壁の割れた部分へと兵たちが再び殺到し始めたのだ。
「俺から言えるのは此処までだ。後は自分で考えろ。なに――――」
だが、カエルは天空の剣を振るい亡霊兵を薙払い、ベロで掴んだブライオンを一気に振り回して遠くの敵を両断する。
カエルにのみ許される、歪な勇者剣二刀流だった。
「その時間は稼いでやる。何分でも、何時間でも、何日でも――――たとえ、十年だとしてもッ!!」
ありったけの補助魔法を受けて、カエルは修羅と化した。
ストレイボウへ敵が行かぬよう、アナスタシアとイスラの下へ行かせぬよう
氷壁の開いた部分に殺到する兵たちを蹴散らしてゆく。
屍体に込められたミスティックが天空の剣で祓われいくが、
一人二人分が解除されようが他の兵たちと分け与えることであっという間に戻されてゆく。
しかし、補助効果が途切れればたちまち粉砕されるであろうカエルは、なんとも軽やかに敵を屠っていた。
弱きものとして、闇にあるものとして、欲望をもつものとして、清濁を合わせ呑んで目の前の敗者を裁いていく。
アナスタシアは見つめる。永遠にでも持ちこたえそうなほどに思えてしまう背中を。
イスラは俯き、感じる。大地に突いた両手に感じる戦場の振動を。
その遙か遠くで、卑しく嘲笑う声を聞きながら。
希望を纏いし巨人と激突する魔なる王城。その最上階、双玉座の間で銃声が響く。
少量の魔力によって散弾のように放たれた弾丸が部屋の壁を抉っていく。
だが、その中に金属の擦れる音が混じる。
銃口の先、巌の如きの手のひらが、射線を塞ぐようにそびえ立っていた。
否、それは巌めいているのではなく、真正、岩石でできた掌壁であった。
その衝立の上から飛翔して迫る影が一つ。一条の光とて戻ることなき暗黒物質を纏った女が射手へ襲いかかる。
応射は間に合わぬと舌打ちをし、射手は一言二言呪文を刻んで手を大地にたたきつけた。
滑らかな石畳と掌に生まれた空隙から風が爆ぜるように吹き上がり、術者たる射手を大きく跳躍させて女の攻撃を回避させる。
女の死角を取る格好となった射手は中空で銃口を向ける。
だが、そうすることが分かっていたかのように、着地地点に回り込んでいた岩石の拳を供えた女が射手の着地と同時に拳を振り抜く。
これほどの質量を振るわれれば、射手の貌など爛熟した果実のように弾け落ちるだろう。
「無駄だ、お前たちでは我が身体を――我が愛を侵すことなど出来ん」
しかし、射手の貌は何一つ傷ついていなかった。
拳は皮膚と外気の境界より先で止まり、くすんでなお美しい銀髪が、女の腕を優しく撫ぜる。
女の手如きで男の肌を害せない――などという次元ではなかった。
幽霊が生者を害せないように、2次元が3次元を害せないように、その拳と内と外は存在の強度が違いすぎる。
これこそが、彼がこの地獄で手にした愛の奇蹟。
たった一つの不朽不滅の愛を以て、己を絶対防御せしめるインビシブル。
これがある限り、射手は勝ちは無くとも負けは無い――はずだった。
振り抜かれなかったもう一つの拳が、射手に触れる。
じゅう、と焼き鏝を当てるような不快な音と共に、拳が射手の頬に触れる。
直立のまま、彼は驚きその拳をみる。威力はなく、蠅が触れた程度の感触しかない。
だが、その感触があるということが問題だった。
この技は、彼の持つ愛の体現。それに干渉したということは、彼の愛を侵したということ。
そして、干渉が出来るならば――“彼奴”のように障壁ごと吹き飛ばすこともできる。
拳を振り抜かれた彼は玉座に吹き飛ばされる。
驚きでインビシブルを解除してしまった彼は、背中を強く打ち付けられたが、痛みに惑う余裕はなかった。
とっさにクレストグラフを構え、風の壁を作って2人の女を遠くへ押しやり、その隙の裏へと隠れた。
すぐさま別の部屋へと移りたかったが、それは叶わない願いだった。
息を乱し、青ざめた肌に汗と砂と埃が張り付く中、彼はじっと足をみる。
最初は足だけだった石化が、膝のあたりまで進行していた。
「まったく……これでは奴らになんと言われるか分かったものではないな」
省みるまでもない2体の化外に追いつめられ、衝立の裏で息を切らす。
泥まみれの頬を擦るこの無様こそが、かつて魔王と呼ばれたピサロの現状だった。
「しかし、なぜインビシブルが破られる。もしやこの泥が関係しているのか」
『それこそは、創世の泥。星の原型<アーキタイプ>たる泥のガーディアン――グラブ=ル=ガブルだ』
「……ラフティーナか。貴様の鎧も存外当てにならんものだな」
脳裏に響く声を感じ、ピサロは懐から金色のミーディアムを取り出す。
その間も、銃だけを玉座か跳びさせて、適当に魔弾をばらまいている。
『……ガーディアンの権能とは即ち想いの力だ。汝も知っての通り、此処は憎悪という想いに染められし異界。
我ら貴種守護獣はミーディアムを具現するだけでもファルガイア以上に消耗を強いられる。
故に、同位――同じ貴種守護獣に達するほどの想いであれば、我が守りとて十全ではない』
「あの女のように、か。ならばあの小僧も何か守護獣を得たというのか」
『より性質が悪い。あれは我ら貴種守護獣……否、全ての守護獣の母たる“始まり”の守護獣の一部。ならば……』
「子が親に勝てる道理はない、か? 下らん」
ピサロは忌々しげに舌打ちをし、玉座の後ろから女たちを見つめる。
命無き人形が城が、生命の泥を纏って、ヒトの輝きを奪いにくる。
その皮肉に、人形の主たる魔王の性根の悪さを感じずにはいられなかった。
「しかし、どうするつもりだ。その足は我でも治せんぞ」
しかし、劣勢であることに疑いはなかった。
回復魔法はあれど状態回復魔法無き今、石化はすでに歩行もままならぬほどに進み、
呪文はろくに唱える暇さえ与えられず、
絶対防御は絶対ではなく、敵の不自然なほどの連携で、一撃必殺を狙うこともままならない。
有り体に言って絶対絶命だった。
(しかし、力押しで命を取りに来ることもできるはずだが、連中何を待って……)
『上だッ!』
ラフティーナの声に反応し、上を向いたピサロが見たのは天井を滑るように現れた流液と爬虫の女たち。
新たに現れた増援に唸りながら、ピサロは弾幕を張りつつ後退する。
だが、もはや杖無しでは歩けぬ足では如何ともしがたく、すぐに壁に追いつめられてしまう。
敗者が、生命を持たぬ人の形か、勝者を、命あるものを追いつめていた。
「4人の雌に囲まれるというのは、人間の雄共ならば興趣尽かぬ状況であろうな。
だが、私には無用。消えよ端女ども。貴様等共に食わせる肉などないと知れ」
それでも己が高貴を曇らせることのないピサロに、疎むように4人が殺到する。
ピサロは銃を構えた。最後の最後まで己が性を貫くために。
「ピサロッ!!」
掛けられた名とともに、豪炎が石畳を走る。
炎はたちまち女共――フォビア達の周囲をまとわりつき、彼女らの足を止める。
その瞬間、月が閃く。研ぎ澄まされた狼爪の軌跡を、女の血が彩った。
ストレイボウと影狼ルシエド、ある種この場で最も安定した援軍だった。
フォビア達の姿が、狼の背に跨がったストレイボウの背中に遮られる。
アナスタシアの眷属であるはずの魔狼と共にある姿は、不思議と違和感がなかった。
突如の乱入に、フォビアは4人と集まり、ストレイボウを見つめ続けている。
「退いていろ、貴様では――」
勝てぬ、とまるで気遣いのようなこと言おうとしたのは、太陽の下で少なからず会話をしたという事実故か。
だが、ストレイボウの背中から迸る何かが、ピサロに恥をかかせなかった。
手負いとはいえピサロを追いつめるほどの者たちを前にしたストレイボウの表情は伺えない。
しかし、あの矮小の極みだった背中が大きく見えるのは、決して狼上にあるだけが理由ではないだろう。
決意、というよりは……歓喜にも似た高揚に、ピサロには思えた。
「「「「―――――――――――」」」」
「なっ!?」
だが、ストレイボウの期待を裏切るように、流すように、フォビア達はわずかな膠着の後、素早くバルコニーから逃亡する。
鮮やかとさえ言える遁走に、甲高い一歩が響く。
フォビアに向けて踏み出したストレイボウの右足は小刻みに震え、そして何とか収まった後、ピサロへ向き合った。
「大丈夫……だなんて言うなよ」
「まさか、貴様に助けられるとはな……」
ストレイボウの視線がピサロの足に向く。この応酬の間も石化は進行し、もはやピサロは直立もままならない有様だった。
ひとまずストレイボウは肩を貸し、ピサロは玉座に身体を預けながら、互いの状況を確認し合う。
「まだ奴らはくすぶっているのか」
苛立つようなピサロの感想に、ストレイボウは苦笑いを浮かべた。
「だけど、立ち直るって信じてるんだろう」
「……当然だ。こんな持たざるもの共如きに砕かれる程度なら、とうに私が砕いていた」
図星を突かれたピサロはそっぽを向いてそう答える。だが、ストレイボウは逆に目を細めた。
「持たざる者、か」
回復魔法を自分に施すピサロは、彼の寂寥な声色に眉根を潜めた。
屍に人形たち。小者の残骸で出来た小兵に、王を気取るように示された誰もいない廃城。
そんな有象無象をかき集めて急造された魔王の軍勢に、いいように追いつめられている。
そこに不快こそあれ、噛みしめるようなものなどピサロには無かった。
「……多分、今もこの城はアキラと戦っている。その割りには静かだと思わないか」
ストレイボウは城の内壁を撫で、指先に苛烈な振動を感じながらひとりごちる。
「この城がどれほどに未練を抱いたかなんて想像もつかないが、この城が凄いってことは分かるよ」
ルシエドと共に城内を駆け抜けたストレイボウの、技師としての感想はその一言につきた。
耐候性、居住性を持たせながら、これほどの大規模な構造物に砂漠潜行機能を持たせる。
落成から相当な年数を経ているだろうに、機能としてのかげりを微塵も感じさせない。
おそらくは、作られてから幾度も修繕と改良と試行錯誤を繰り返していたのだろう。
ルッカの視点から理解できるこの城の想い出に思いを馳せれば、
この城が愛されていたことと、この城のある国を愛した者たちと、そしてこの国を束ねた国王を思わずにはいられない。
この城は王を飾るためでも、国の威光を示すものでもなく、きっと砂漠に生き続けた彼らの……“家”だったのだ。
「フィガロ。名は聞いていたが、きっと素晴らしい国だったんだろうな」
ルクレチアのように、国民全員が未練を抱えて亡霊に堕ちるような国ではなく、
と苦笑いするストレイボウの背中に、ピサロは慄然とする。
己を誰よりも敗者だと思うストレイボウは、それ故この場で誰よりも公平に敵と味方を想えている。
翻って自分はどうか。
力によって絶対の順列を決する魔界の秩序では、城など王の付属物に過ぎなかった。
それ以外のものなど、想像すら出来なかった。
それは彼が高潔で、世界に匹敵する個我を持つがゆえの皮肉だった。
彼が知ったものこそが世界で、それ故に、彼の世界は完結している。
愛を知ったのではなく、彼女を愛する自分を知っただけで、
人の愚かさを悟ったのではなく、愚かな自分を知っただけで。
魔族の願いで、邪神官の計らいで、誰かの命を懸けた魔法で、聖剣と愛が起こした奇跡で、
誰かが触れなければ、誰かが与えなければ、永遠に変わることはない彼は。
「……自分を省みることはできても、奴らを省みることはできんということか」
自らが口ずさんだ言葉で我に返り、ピサロはストレイボウへと視線を向ける。
あわよくば、とピサロは思ったが、ストレイボウの耳はその言葉を拾っていた。
「……そんな大層なことじゃないさ。俺だって、何が変わったわけでもない。
偉そうなことを言ったって、ただの妄想に過ぎないかも知れないんだ」
ストレイボウの唇が咎人の諧謔に卑しく歪む。今更に聖人を気取っている己の姿に自嘲が無いはずもない。
「結局のところ、どこまで言っても俺は一番の罪人だ。だから、誰も呪えないだけなのかもしれない。
あるいは……俺が許されたいだけなのかもな。
俺がお前を許すから、俺を許してくれって、浅ましく思ってるだけかもしれない」
誰よりも罪深く、許しと償いを乞い続ける原初の咎人。その煤けた笑顔に、ピサロは唇を強く結んだ。
他者を想い、罪を思い、償いを為す。それは彼女がピサロに願ったこと。
それを体現する男は、それでもまだ罪深いと十字架を背負い続けている。
「ならばどうすれば、許される? お前が立ちたいと願うあ奴への傍らに、いつたどり着ける?」
「許されないかもしれない。たどり着けないかもしれない。
それで当たり前。俺がしたことは、それくらいのことなんだ」
薄々と予感していた答えを先駆者に言われ、ピサロは押し黙るしかなかった。
ピサロとストレイボウでは罪の認識が根本的に異なる。
自分が背負うものを、”彼女が罪だと言うから罪”だと思っていた程度の罪だと、思っていなかったか。
たどり着けない道を永劫に歩き続ける覚悟が自分にあっただろうか。
「それでも歩き続けられるのは……なぜだ」
「……“聖者のように、たった一言で誰かを悲しみから救うことはできない”。
俺たちは、軽いんだ。それでも俺たちは、一言で全てを解決してしまうような……
そう、“魔法”みたいな何かを期待する。俺もそうだった」
懐かしむように紡がれた答えに、ピサロは面食らう。
「そうしたら、こう言われたよ。でも、だからこそ――――」
変わりたいと思っても変われない自分に苦しむ姿が、かつてのストレイボウとピサロに重なる。
そこに、暖かな木漏れ日のような言葉が染み渡る。
「『でも、だからこそ、私は何度でも言葉を重ねることしかできません」』
渇き苦しむ罪人に、両の小指を沿わせて掬った水を差し出される。
仄かに甘く薫るその水が、喉を潤してゆく。
「『たとえ一晩中でも、夜明けまで重くなる瞼を擦りながら……欠伸を我慢しながらでも話したいと思います……」』
頭を上げた先の、その聖人の顔を、罪人が間違うはずがなかった。
「それでも、歩き続けるしかないんだ。
たった一歩で届くことはなくても……歩かなきゃ、絶対にそこには辿り着けないんだ」
全てを理解したと察したストレイボウは、先駆者としてそう言葉を締めた。
たどり着けるからではなく、たどり着きたいから。
何度でも語り続けよう、何歩でも歩き続けよう。
その意志の果てに叶わない夢はないのだから。
「そうか……君は……生きているのだな……」
何かを噛みしめるようなピサロの呟きに満足したストレイボウは、この後について考える。
ピサロの石化をどうにかしなければならないが、回復手段はアナスタシアのリフレッシュしかない。
とすればピサロを彼女のもとまで運ぶ必要があるが、ここに来るまでに見つからなかった以上もう一つ仕事が残っている。
「しかし、何でフォビア達は退いた?
ここで分断された俺たちを見逃す手は無いはずだが……それよりも重要な攻略点なんて――――」
フォビアが4体まとめてピサロを攻めたのは、ピサロが弱体化した上で孤立したからのはずだ。
増援があったとはいえ、依然としてピサロ崩しの好機だったのは間違いない。
それを見逃す理由はいったい何か? まるで、ストレイボウがここまで来た時点で目的を達したかのような――
「真逆ッ!?」
「リレミトッッ!!」
ストレイボウの気づきよりも僅かに早く、呪文を唱える暇を漸く得たピサロが光となって飛翔する。
ルーラを応用したその呪文は、ピサロを光に変えて城から脱出させつつ、一直線に兵士たちの密集区へと向わせた。
「……俺のバカ野郎が……ッ!」
自分の肺を握りつぶすように息を吐きながら、ストレイボウは弾かれたように階下へと降りていく。
『どこに行くつもりだ』
「今から俺たちが行っても間に合わない! 初撃はあいつらに任せて、その後に供えるッ!!」
ルシエドの問いに、ストレイボウは自分に言い聞かせるように答えた。
ルシエドは一瞬考えた後、ストレイボウを背中に乗せる。
『俺が行けばお前は何も出来まい。
それに、お前を助けた方が結果的に助けになるのだろう? 敢えて聞かせろ、敵の狙いは?』
ルシエドに感謝を込めて毛並みを撫でながら、ストレイボウは地下に目を向けながら走る。
「頼んだ、みんな。敵の狙いは、狙いは――ッ!!」
アナスタシアの頬に、鮮血が降りかかる。噎せ返るほどの血と泥の匂い。
豊かな髪にまで透った血の中で、かろうじて血を浴びなかった左目が、
氷の壁に見えた、わずかな亀裂をくっきりと映し出す。
壁の向こうで、両生類が叫んでいるが、上手く聞き取れない。
遠く遠く、私たちを嘲笑い続けていた声も聞こえない。
ぼすり、と業物の苦無が地面に刺さる。
禍々しい毒の色と、ばちばちと纏う雷の色が地面で赤色と混ざる。
暗器・凶毒針。かつて彼女を裏切った男の、障害を抜いて狙い撃たれた奥の手が完了する。
ルシエドという最後の守りすらも手放した莫迦な女は、きっと格好の餌食だったのだろう。
たとえ死に至らずとも、このか細い腕を害せば、もう首輪は外せないのだから。
そしてそれは、私に向けて冷徹に実行され、炸裂した。
兵を運動させて混乱させ、人形を遣い兵力を誘引し、火力支援を利し、
弱者たる彼女に向けて、完璧に、誰にも読ませないまま完璧に穿った。
「……無事?」
ただひとつ、たったひとつ狂いがあったとするならば。
この世界を覆う血が、私のものではないということ。
左目が、目の前の黒い何かを見つめる。
線の細い左半身と、きめ細かい女のような黒髪。
「そう……なら……」
舌の上で脂以外の触感がする。
粉々に、弾け飛んだ、肉の柔らかさと、骨の硬さ。
ねえ、イスラ君。また私に私以外の何かを失えというの?
ねえ、イスラ。なんでお前の腕がないの?
「よか―――――――――――――」
欠けた腕から鮮血を散らせながら、安堵そのものの吐息を漏らして少年は崩れ落ちる。
私は血塗れた手を伸ばすけれども、繋ぐ手は届かなくて。
倒れたイスラに、かける言葉が見つからなくて。
ただ、幽か、聖剣から稲妻の奔る音がした。
【C-7とD-7の境界(C-7側) 二日目 日中】
【イスラ=レヴィノス@サモンナイト3】
[状態]:左腕完全破壊 麻痺 ???
[スキル]:???
[装備]:魔界の剣@DQ4 ドーリーショット@アーク2 44マグナム@LAL*残弾無し ミラクルシューズ@FF6
[道具]:召喚石『天使ロティエル』@SN3 召喚石『勇気の紋章』@RPGロワオリジナル
[思考]
基本:???
[参戦時期]:16話死亡直後(病魔の呪いから解かれている)
【
アナスタシア・ルン・ヴァレリア@
WILD ARMS 2nd IGNITION】
[状態]:血塗れ 動揺(極大) ダメージ:中 胸部に裂傷 左肩に銃創(いずれも処置済み) 精神疲労:小
[スキル]:せいけんルシエド(※現在ルシエドがストレイボウに同道中のため使用不可)
[装備]:アガートラーム@WA2
[道具]:ラストリゾート@FF6 いかりのリング@FF6 日記のようなもの@貴重品
[思考]
基本:???
1:――――――――イスラ……?
[参戦時期]:ED後
※現在ルシエドをストレイボウに貸しているためせいけんルシエドは使用できません。
使用する場合はコマンド『コンバイン』を使用してください。
ただしその場合、ストレイボウからルシエドが消失し、再合流まで貸与はできません。
【カエル@
クロノ・トリガー】
[状態]:瀕死 最大HP90%消失 精神ダメージ:小 覆面 右手欠損 左腕に『罪の証』の刺傷
疲労:中 胸に小穴 勇気:真 ステータス上昇付与(プロテクト+クイック+ハイパーウェポン)
[装備]:ブライオン@武器:剣 天空の剣(二段開放)@DQ4 パワーマフラー@クロノトリガー バイオレットレーサー@アーク2
[道具]:
[思考]
基本:幸せになれと、その言葉は刻み込んだ。ならば痛みにこの身を晒し、幸せを探して生きるのもひとつの道かもしれんな。
1:イスラ、アナスタシアッ!!
2:伝えるべくは伝えた。あとは、俺にできることをやるだけだ
[参戦時期]:
クロノ復活直後(グランドリオン未解放)
【アキラ@
LIVE A LIVE】
[状態]:ダメージ:大、疲労:大、精神力消費:極大
[スキル]:PSY-コンバイン フォース・バウンティハンター(Lv1~4)
[装備]:デーモンスピア@DQ4 激怒の腕輪@クロノトリガー
[道具]:双眼鏡 不明支給品@魔王が初期に所持していたもの
[思考]
基本:本当の意味でヒーローになる。そのために……
1:クソッあんな空からの攻撃だとッ!? 防ぐしかねえってのか!
2:この俺の希望を、見せてやるッ! 見せつけてやるッ!
[参戦時期]:最終編(心のダンジョン攻略済み、ストレイボウの顔を知っている。魔王山に挑む前、オディオとの面識無し)
[備考]:超能力の制限に気付きました。テレポートの使用も最後の手段として考えています。
※
カノンの名をアイシャ・ベルナデット、リンの名をリンディスだと思っています。
※松のメッセージを受信しました。かなり肉体言語ですので、言葉にするともう少し形になるかもしれません。
【SMRA隊】
【反逆の死徒@???】
[状態]:驚愕 クラス『モルフ崩れ』 軍服黒焦げ
[装備]:蒼流凶星@幻想水滸伝2 黒き刃@幻想水滸伝2 亡霊兵(25名)
副将:フェミノフォビア(抜け道付加)、アクロフォビア(飛行付加)
[スキル]:暗器・凶毒針 状態付加・麻痺
遠距離攻撃・召雷 ゲレハラスメント(憑依:攻撃力防御力20%減少)
再生能力(毎ターンHP25%回復)俊敏、逆襲、狙い撃ち
[思考]
基本:ただ導かれるままに
1:皆殺し
2:一番弱くて弱い奴を嬲る
部隊方針:アナスタシア、イスラ、カエルに突撃。フォビア4体も到着後投入。
[備考]
※部隊は亡霊兵@サモンナイト3、スケルトン系@アーク2、グール系@アーク2、リッチ系@アーク2の混成です。
ステータスはいずれも雑魚相当。残る参加者のレベルなら普通に戦闘すれば1、2撃程度で倒される程度です。
ただし、輝く盾の紋章効果にて時間復活します。部隊長を倒せば配下兵力の復活はありません。
また、副将を倒せば更に弱体化します。
【砂喰みに沈む王城@???】
[状態]:クラス『大魔城』外壁損傷(大) 駆動部中破(スペシャルボディにて無効化) 左腕<左回廊>から先を損失
[装備]:亡霊兵(25名)データタブレット@WA2
副将:クラウストロフォビア(石化攻撃付加)、スコトフォビア(HP吸収付加)
[スキル]:ハードボディ、スペシャルボディ コマンド:きかい(どりる)
[思考]
基本:ただ導かれるままに
1:皆殺し
2:あの鋼の光は破壊する
部隊方針:フォビア含めて反逆の死徒の指示に従う
[備考]
※部隊は亡霊兵@サモンナイト3、スケルトン系@アーク2、グール系@アーク2、リッチ系@アーク2の混成です。
ステータスはいずれも雑魚相当。残る参加者のレベルなら普通に戦闘すれば1、2撃程度で倒される程度です。
ただし、輝く盾の紋章効果にて時間復活します。部隊長を倒せば配下兵力の復活はありません。
また、副将を倒せば更に弱体化します。
【フィガロ城内部 二日目 日中】
【ストレイボウ@LIVE A LIVE】
[状態]:ダメージ:中、疲労:中、心労:中 勇気:大 ルシエド貸与中
[スキル] ルッカの知識(ファイア、ファイガ、フレア、プロテクト)*完全復元は至難
[装備]:フォルブレイズ@FE烈火 天罰の杖@DQ4
マリアベルの手記@貴重品 “勇者”と“英雄”バッジ@クロノトリガー
[道具]:クレストグラフ@WA2(クイック、ハイパーウェポン)
[思考]
基本:“オルステッド”と向き合い、対等になる
1:みんな、アナスタシアを頼む……ッ!
2:イスラの力に、支えになりたい
3:罪と――人形どもと、向き合おう
4:俺はオルステッドを、どうすれば……
[参戦時期]:最終編
※アキラ以外の最終編参加キャラも顔は知っています(名前は知りません)
※ルッカの記憶を分析し
【バトルロワイアル開催以降の記憶】と【千年祭(ゲーム本編開始)以降の記憶】を復元しました。
※ジョウイより得た空中城の位置情報と、シルバードの情報をほかの参加者に伝えました。
【ピサロ@ドラゴンクエストIV】
[状態]:リレミト中(ルーラ同様移動に時間がかかります)
クラス『ピュアピサロ』 ニノへの感謝
ロザリーへの純愛 精神疲労:やや大
左腕骨折、胴体にダメージ大、失血中、徐々に石化@現在膝上まで進行中
[スキル]:魔封剣、デュアルショット、アルテマバスター*いずれも要バヨネット装備 ミーディアム:ラフティーナ
[装備]:バヨネット@RPGロワオリジナル
[道具]:ミーディアム『愛の奇蹟』@WA2 クレストグラフ@WA2※ヴォルテック、ゼーバー、ハイ・ヴォルテック
データタブレット×2@貴重品
[思考]
基本:すべての命が、自らの意志で手を取り合える世になるよう力を尽くす
1:……まったく、世話のかかる……
[参戦時期]:5章最終決戦直後
※バヨネットからパラソルが無くなりました。魔導系コマンドはそのまま使用可能ですが、魔力補正がなくなりました。
【用語解説:謎の衛星攻撃】
優勢だった幻想希神へと狙い撃たれた超々高度からの光学射撃。
ストレイボウとカエルは未来時代の知識から衛星攻撃と類推しただけであり、詳細は不明。
上空からの攻撃となると天空城からの攻撃とも疑えるが、
この戦いに干渉の動きを見せないオディオの仕業とは考えられない。
とすれば、ジョウイの仕業と見るのが妥当だろう。
核識として島の状況を知ることのできるジョウイならば、タイミングを計ってピンポイント攻撃も不可能ではない。
肝心の攻撃方法だが、紋章にも遺跡にもこのような技はないため、ジョウイが持つ最後の支給品の可能性が極めて高い。
ただ、それは
ちょこが所持した「アナスタシアから見て生き残るのに役に立たないモノ」であるため、
単純に兵器を所持しているとは考えにくい。ひょっとすれば、鍵のようなそれと理解できなければ使用できないものかもしれない。
いずれにせよ、巨大兵器戦をジョウイが想定していたことは疑う余地もないだろう。
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最終更新:2015年03月22日 23:13