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『残夜幻想』








【可惜夜】

明けてしまうのが惜しいほど、素晴らしい夜のこと。





────軍を滅ぼし、王を殺し、神を殺す。私はそれだけの荒ぶる御霊でしかなかった。


………お願い。お願いです、セイバー様。尊(たっと)きあなた。


────だが、そんな人の形をしていただけの化生であった私を…弟橘媛(オトタチバナ)は変えてくれた。
────我が妻は…人を慈しみ、善なる者として生きようとする心をくれた。


私をその瞳で見ないでください
見られていたら、貴方も違ったのだと。
私の運命はきっと貴方だったけれど、貴方はもう私ではない運命を見つけていたのだと。
そう、胸の内に渦巻くものを手放せなくなるから。


────君は、忌まわしい力をその身に宿しながら、その身を任せることを良しとしなかった。
────それを君は単なる諦観からだと言ったが…私は君の選択そのものに敬意を示す。
────力なき者である君の未来に幸があるよう、力となるとそう決めたのだ。


私はそんな尊ばれる人間ではないのです。
身も心も穢れているのです。ただの、卑しい女なのです。
貴方のためなら。貴女を害する者になら。
忌まわしい力を暴力として振るえてしまう。その程度の女なのです。


だから。お願いです。セイバー様。


私を見て下さい/惨めな私を見ないで。
私の手を取って/穢れた私を打ち棄てて。
私を、助けて/私に、夢を見せないで。

どうか。
どうか。
どうか───、









沙代を守るために負った傷が、じくじくと痛む。
魔力供給を受けていれば早々に塞がる傷も、はぐれサーヴァント足る身では傷が塞がらない。
残存魔力は抑止の修正力の働きが弱いのか、こうして座り込んでいるだけならば大事ないが。
それでもこのままでは目減りしていく一方。早晩、現界を保つ事すら危うくなるだろう。
呼び人という要石のいないサーヴァントの、なんと脆い事か。
セイバーは自嘲する様にふぅと息を一つ吐いた。


───君は弱いのだから、私に任せて後ろに控えて居ろ、イオリ。


想起するのは、盈月の儀を共に駆け抜けた無二の友の記憶。
在りし日の自分は、彼のことを弱いと言ってはばからなかったが。
今にして思えば、それは滑稽な誤りでしかなく。
実際の所は、彼の強さに。彼の剣に支えられていたことを、セイバーはこの時きっと初めて認識した。


「私は、君よりも強いと嘯きながら…その実ずうっと、君に頼っていたのだろうな。イオリ」


…猶予はもう余り残されていない。
決断しなければならない刻限は迫っていた。それ故に。
今自分が考えている決断をかつての主。無二の盟友に話せばどんな反応を返すだろう、と考えて。
彼ならばきっと自分の事はどうでもよいから、セイバーが為すべきことを成せとそう言うのだろう。
であるならば───迷いは余分だ。ここに置いて行くべきものだ。
そう自身へと言い聞かせてから界剣の柄を握りなおし、自分に休んで居ろと伝え廃ビルの路地の外へ出て行った沙代の元へ行こうとする。


「───誰だ」


沙代が歩いて行った路地とは逆側の路地裏から、人影が姿を現す。
セイバーの肌に緊張が走った。もし先ほどの三人組であったなら。
この戦いは何とかなるやもしれぬが、その先は?その不吉な考えが脳裏をよぎるが。
それでもしかし、相手が此方に害意を持っていればやるしかない。界剣の柄を強く握りしめ構える。
そして、遭遇者が姿を現すのを待った。


───1人か。


人影は一つ。
先ほどの三人組でなかった事に俄かに安堵を覚えるが同時に油断はできない相手だと気を引き締める。
足音の消し方、気配の消し方…歩法が常人のそれではない。確実に長年武に身を置いてきた者のそれだ。
ともすれば、先刻戦ったイゾウという剣士よりも。
他に気配はない。意識を研ぎ澄ませ、沙代が歩いて行った方角の気配と魔力を探るが此方も問題ない。
だが、万が一を考え沙代の傍に参じる必要があるか。セイバーが刹那の思索を行った最中。


「なにっ」


ここでセイバーにとって、想定外の事態が起きる。
現れた人影が、胸を押さえて倒れたのだ。
血の匂いはしない。外傷によるものではないだろう。
魔力の気配も感じないため呪いの類でもない。であれば、病の類か。
駆けよって苦悶に呻く人影……屈強な男の姿を検分してセイバーは考える。


「取り敢えず、目立たぬ場所に運ぶ他ないか」


助ける義理も余裕もさしてないが、見捨てるのも寝覚めが悪い。
自身も一旦襲撃を避け休みたいところでもある。
即決でそう決めると男を担ぎ、セイバーは沙代の元へと急いだ。




傍にあった廃ビルの中の一室。
そこに備えられたベッドに男を横たえて、やっとセイバーと沙代は一息ついた。
男の顔は苦悶に歪むのみで、目を覚ます様子はない。
外傷は最初の見立て通りなかったため、やはり病の類だろう。
男がこの命の授業に肯定的だった場合を考え厳重に拘束した後、さてここからどうするかと二人は頭を悩ませた。


「若返り薬…これでは病には効きませんよね……」


沙代は自身の支給品である「若返り薬」を眺めながら困ったように呟く。
それは、グリード・アイランドという島に存在する若返り薬だった。
若返りの秘薬という、求める者が見れば500億の値を付けてもまだ安い代物ではあるが。
年若い沙代とそもそも全盛期の姿で顕現しているセイバーには無用の長物だった。
もし迂闊に服用して幼児まで若返ってしまったら、それだけで生き残りは絶望的になる。
使用することそのものが多大なリスクを孕む以上、外れの支給品というほかないだろう。
はぁと溜息を一つ吐いて、男の枕元に置く。


「私は……何の役にも………」


息まいた所で、結局男の接近も沙代には気づけなかった。
セイバーは今いる部屋の傍にある薬局で、先んじて男に使える薬はないか探してもらっている。
(沙代の知る薬局とは何もかも違っていたが、薬局の垂れ幕で何とか薬局であると理解できた)
そして沙代もこれから手伝うためにセイバーの元に手伝いに行く心づもりだった。
だが、沙代もセイバーも医術の心得などない。男の容体から胸に何か患っているのは見て取れたものの。
胸の病にどんな薬が効くのかなんて、てんで見当がつかなかった。
たとえ薬があっても、果たしてセイバーと沙代がそれに気づけるかどうか。


「それに…セイバー様は……」


あの三人組の襲撃を退けてから。
なおも自分を守ろうと休憩もそこそこに行動を再開しようとしたセイバーが語ったのは彼の妻の話だった。
どんな話の流れだったのか、前後の流れはよく覚えていない。
何故貴方はそんなにも他人を守ろうとするのかとか、そんな話の流れだった気がする。
心の底から愛おしそうに妻の話をするセイバーを見て、去来したのは失望でも怒りでもなかった。

あぁ、やはりか。という諦観の思いと。
それでも、と。真っすぐ澄んだ目で此方を見てくれるセイバーへの捨てきれない執心だった。


「本当…馬鹿みたい」


涙は流れない。数えきれない夜の中で、とうの昔に枯れ果てたから。
元々穢れ切った自分には過ぎた方だったのだと。
少しの間だけでも、いい夢を見れてよかったではないかと。
何度も自分に言い聞かせて、セイバーの元から立ち去ることも考えた。
でも、できなかった。
初めての人だったから。自分を見て、自分のために傷ついて、自分のために戦ってくれた人は。
澄んだ夜空のような瞳に見つめられる今を棄てる事ができるほど、龍賀沙代は大人になれなかった。
彼を守る為なら、彼を害するものを排除する為なら。
忌まわしいこの身に宿った力を、微笑みすら浮かべて振るうことができる…そんな予感さえ消えていない。
何一つ、報われないだろうというのに。


「……行かないと」


セイバー様を、手伝わないと。
虚ろな瞳でそう呟いて。
ドアノブにかけた手に力を込めた、その時だった。


「欺瞞だ、全てが欺瞞に満ちている」


怪物を超えた怪物。悪魔を超えた悪魔と呼ばれた男が───沙代の背中に声をかけた。




男のいで立ちは、この部屋に運び込まれたころとは大きく変わっていた。
還暦間近の初老の域に差し掛かっていた年齢から、30代…ともすれば20代にも見える姿に。
視線をずらしてみると、右腕のみ拘束から自由になっているのが見て取れた。
恐らく片腕のみ強引に拘束を外し、若返り薬をかすめ取ったのだろう。


「その薬を…飲んだのですか?」
「あぁ、お陰でバースト・ハートの症状も顕在化していない頃の肉体に完全復活だ。
ククク…そう警戒しなくていい。これでもこの俺が──宮沢鬼龍が助けられたことには感謝しているんだからな」


その証拠に、右腕以外の四肢は拘束されたままだと鬼龍と名乗った男は告げる。
確かに、その通りだった。鬼龍が飛び掛かってくる気配も、またなかった。
ただ彼は不遜に、不敵に笑みながら沙代に名前を尋ねてくる。
警戒心を露わにしつつ、鬼龍の問いかけに対して沙代は名乗りを返した。


「そうか…沙代、薬の礼だ。今お前を取り巻く宿痾(しゅくあ)を捻じ伏せる道を教えてやる」
「……元気になられたようですね。良かったです」


つい先ほどまで、自分とセイバーがいなければ死んでいた身にも関わらず、何故そんな不遜な態度が取れるのか。
言外に沙代はそう言いながら、セイバーの元へ行くために今度こそドアを開こうとする。
しかしそれよりも早く、鬼龍は続く言葉を放った。


「沙代、悪になれ」


それは言葉だけなら、元は還暦間近の老境に差し掛かろうという男(オッサン)が何を言っているのかと思わせる台詞だったが。
それでもその声は正しく魔的な力を伴って沙代に届いた。
ドアノブを回そうとしていた手が、止まる。


「食い物にされ続け、誰にも愛されず。被害者として自らを憐れむ事もできず……
最後には全てを巻き込んで破滅する。そんなクソの様な惨めな最期を迎えたくなかったらな」
「……貴方に、私の」


何が分かるのです、と沙代が言い終わるよりも早く。
鬼龍は分かるさ、と答えた。


「俺も邪悪な悪霊を背後に宿し、灘の…殺人術の継承者として何人もの人間を殺めてきた身だ。
お前がどんな身の上なのかは知らないし興味もない。だが、お前がその身に孕んだ忌まわしい力の気は感じ取れる」


夥しい人間の骸によって蓄えられた沙代の奥底に眠る力。
それは気を操る灘の一族である鬼龍には一目見ただけで感じ取れる物だった。
そして、だからこそ鬼龍は告げる。


「誰にも省みられず自分の力の炎に焼き殺されるくらいなら……
その力を振るって大笑できる悪になれ。忌まわしい力に殺されるのではなく、忌まわしい力を征する"悪"にな」
「……そんなこと、私には」
「諦めて、諦め続けて。最後に自分の炎で身も心も焼き尽くしてくたばる。惨めで無様な死にざまがお前の求める最期なのか?」


その言葉に沙代の目が見開かれる。
何も知らないくせに、知った様な口を利いて。
何が分かる。貴方に私の越えてきた"夜"の何が分かるのかと、心の奥底でドス黒い焔が静かに揺らめいた。

それの何が悪いというのです。

感情を一切発さない声で、吐き捨てるように沙代は鬼龍に告げた。



「誰だって何かを。諦めて、諦めて、諦め続けて────そうして生きる物ではないですか」



少なくとも沙代の育った哭倉村で生きる人間は、皆そうだった。
お母さまも、時麿叔父様も、孝三叔父様も、丙江おば様も、庚子おば様も。
みんなみんな、何かを諦めて。受け入れて。淀んで、腐って、虐げて。そうして生きていた。
そして自分も龍賀の人間で、だから。


「お前の知る一番の悪人は、そうやって生きていたか?」


思考が、停止する。
鬼龍のその言葉に、浮かぶ顔はたった独つ。
龍賀の元締めであり、孫である自分を娘に産ませ。
更にその産ませた孫娘すら───食い物にし続けた、血のつながった祖父の下卑た表情。


「かつて世界的に有名だった"伝説の空手家"は自分の出自を誤魔化し流派を大きくしていった」


ハッキリ言って人間的にはクズの部類に入る。
だが、クズでもその空手家は強かった。
間違いなく、強さだけは本物だった。


「俺の知る限り、本当に強い武道家は大体悪人だ」


その言葉は沙代の認識でも一つの真実だった。
龍賀の当主だった男は醜悪の極みだったが───権力と呪いの腕。双方とも間違いなく強かった。
沙代の生きていた時代の日本でも最強だったかもしれない。
そう考えてしまったが故に、沙代は鬼龍の言葉を否定できなかった。


「悪を征するにはより大きな悪になる以外ない。
そして……ぶちのめせ。今日からこの家は自分の物だと言ってやれ。お前がやるべきはそれだ」
「………………」


だが、その為にはまず強くならなければならない。
その為の第一歩はただ一つ───
一拍の間を置いて、次に鬼龍が放った言葉は沙代の想定の全く外の言葉だった。


「まず死人の為に身を引くなんて考えているなら、そのクソ以下の偽善を捨てることだ」
「………は?」


いつの間にか鬼龍の言葉に聞き入っていた沙代が、思わず呆けた声を上げる。
その言葉は、彼女にとって想定外の言葉だったから。
先ほどまでの話と急に風向きが変わった気がして、何の話かと尋ねてしまう。


「奴が本当に古事記に名高い小碓命であるなら、伝承によれば6人嫁がいたらしいぞ。
そしてそのどれもがとうの昔に死に絶えている。お前が7番目になった所で今更の話だ」
「あ、貴方は……何を言って……?」


上擦った声が漏れる。
ドス黒い感情の焔が燻っていた瞳が、困惑という冷や水を浴びて惑う。
そんな沙代に鬼龍は悪になるにも才能と何より努力がいるのだと述べた。




「所詮死人。どれだけ愛されていようと死ねばそれまで。
生きている己の方が強く、それ故に幸福になる権利があると傲岸に主張しろ」




お前の様な年頃の娘が世界全てを呪う瞳をしている理由なんて大体見当がつく。
俺の今言った在り方は死者を冒涜し愚弄する"悪"ではあるだろう。
だが断言してもいい。お前から自由を奪う者をぶちのめせるくらい強くなるには…それが一番の近道だ。
…そう、全てを見透かした目で、邪悪な笑みを深めながら鬼龍は沙代に言葉を突き付けた。
そんな、鬼龍の態度に対して沙代は、


「………私は……………」


分からなかった。考えた事も無かった。
鬼龍の言葉は確かに一つの真理ではあるのかもしれない。だけど。
────これは、栄えある龍賀の女の務めなのですよ。
母の嫉妬と羨望が混じった声がリフレインする。
鬼龍の言う通り悪になったとして。
悪へと変わった自分の姿が、祖父や、祖父の愛玩道具にされてきた母と同じでないと言えるのだろうか。


「……貴方は……何故、セイバー様のことを……」


解せない事はもう一つ。
自分すらセイバーが人を超えた力を持つ事と、セイバーという呼び名しか知らないというのに。
何故目の前の男はこんなにも訳知り顔という態度なのか。
解答を出すのを厭うたかのように、沙代の口から問いが漏れる。
だが、それが鬼龍の口から語られることはなかった。
何故なら、彼の口からそれが語られるよりも早く。


「───沙代に何を吹き込んでいる」


鋭利で冷たい、氷点下の殺意を瞳に籠めて。
音もなく、セイバーが沙代の背後に立っていた。
返答を誤れば即座に斬って捨てる。セイバーの蛇行剣の輝きが静かにその場にいる者全てに告げていた。






結論だけを述べるなら。
宮沢鬼龍が全く悪びれる事は無かった。
向けられる殺意を昼下がりのコーヒーブレイクと何ら変わらない平穏な物のように受け止め。



「小碓命(オウスノミコト)…いや、ヤマトタケルか。ククク…
その娘にはこう言っただけだ。負け犬の自己満足に浸るくらいなら悪になれ、ってな」


鬼龍がそう述べた直後。
ひゅ、という風切り音が一つ響き。
彼の首筋に、蛇行剣の切っ先が突き付けられていた。
未だ右腕以外を拘束された鬼龍に、その切っ先を退ける術はない。


「その娘は最後に爆発するタイプに見えたからな。数時間後にはこの鬼龍に感謝しているかもしれんぞ」


そう語る男の眼には恐怖も絶望も無かった。
身じろぎひとつせず、鋭い肉食獣が如き視線をセイバーに向け。
そして、一言問いを投げる。



「ここで俺を殺し、そうして───最後はその娘も斬り捨てるか?」
「…………!?」



今にも眼前の男の首を貫き、切り落とそうとしたタケルの瞳が揺れる。
鬼龍の表情は先ほどまでと違い、嘲笑する様な笑みは伴っていなかった。
そして声もまた。愉悦を感じさせるモノではなく詰問する様な物に代わっていた。


「お前と、お前と共に盈月の儀とやらを駆けた友にとっては、その夜の終わりは最上の物だったのかもしれん。
だが───その結末をその娘にとっても最上の物だと宣うのなら、それは欺瞞だ。俺にとって唾棄すべき醜悪な偽善だ」
「貴様は……」


セイバーの声色に、俄かに驚愕の彩が混じる。
鬼龍が言っているのはセイバーの経験した盈月の儀…その終着点である夜。
あの可惜夜の顛末の事を指しているであろうことは、容易に想像がついた。
だが何故。何故その事を知っている?
答えは鬼龍が右腕で胸元から取り出した一冊の書物にあった。


「それは……紅玉翁………!」
「今はただの書物だ。眠っているのか、もう目を覚ますことはないのか定かじゃないがな。
これでも活字中毒でね。本が支給されていれば武器よりも先に手を出す事に躊躇はなかった」


差し出された紅い装丁の書物の事を、セイバーは知っていた。
紅玉の書。自身の呼び人(マスター)であった男の魔術の師とも呼べる意志ある魔術書。
最後に盈月を取り込み安定化させたうえで、セイバーに己を斬らせ眠りについた盈月の儀の幕引きの象徴だった。
手を添えれば盈月の存在を感じる。間違いない、あの夜の紅玉の翁だ。


「その本は返してやる。その代わり答えろよ英雄、お前は鬼を背負ったその娘をどうするつもりだ」


そしてそれを認識すると共に、紐解けた気がした。
何故鬼龍があの可惜夜の事を知っているのか。
そして、何故沙代にあんなことを言い。今自分に問いを投げているのか。



「………私は───私達にとって、あの夜成した選択の全てに後悔はない」



自分も、自分の運命(イオリ)も。
きっとそう応えるはずだと、セイバーは信じていた。
だが自分が出会った運命と沙代を重ねて、沙代もまたあの結末へと至るのが正しいとは考えてはいない。
龍賀沙代と宮本伊織は同じ鬼を宿す者だが───あくまで別の人間なのだから。
沙代の瞳を通して別の人間を見るのでは、鬼龍の言う通りそれは欺瞞だ。だって、それは沙代自身を見ていない。
そんな真似はしたくないし、しないとも決めていた。
しかし、だからこそ……


「重ねていた部分はあった。しかし、貴様の言う通りサヨとイオリは別の人間だ。
サヨにはあの夜とは別の結末を迎えて欲しい。私はそう思っている。誓ってそう言える……………だからこそ、迷っていた」


沙代はきっと、あの可惜夜の夜に自分達が辿り着いた結末を望まない。
だが自分が今目の前にある、ある選択を成す事で同じ結末に進んでしまうのではないかと。
彼女には報われて欲しかった。美しく冷たい月光の中で果てるより、暖かな朝日の下で生きて欲しかった。
呪われ切った身で、それでも他人を傷つける選択をしなかった彼女の選択に報いたかった。


「だが、その迷いは……私の驕りでしかなかったのだな」


今のままで沙代を守りたかった。できる事なら、ずっと。
漠然と己の力は全て己独りで振るえる物だと考えていたから。
だが違った。それは滑稽極まる勘違いでしかなく。
今のままではきっと己は何も成せず消える。その確信を抱き。
そして鬼龍と言葉を交わした事で、セイバーの腹はたった今決まった。


「……すまなかったな。君のお陰で一つ、決める事ができる」


元より受け入れがたい内容だった上、鬼龍の言葉の真意を全て理解した訳では無い。
セイバーを愚弄しようという悪意のような物もあったかもしれない。
だが彼が曲がりなりにも沙代の事を思って言葉を吐いていたのは伝わった。
それを理解したため、界剣の切っ先を鬼龍の首筋ではなく拘束へと滑らせる。
ぶちりと拘束が千切れ、鬼龍は自由の身となる。


「別に。俺が借りを作るつもりが無かったのと、欺瞞がヘドが出る程嫌いだっただけだ」


自由の身となり若返った身体の具合を確かめ。
革のコートをばさっとはためかせながら、鬼龍はドアへと向かう。
もう話すべきことは全て話した。そう言わんばかりの態度だった。
当然、セイバーも沙代もそれを止める事はなく。数秒後、バタンと音を立てて扉が閉められる。


「…さて」


2人だけとなった部屋で。
セイバーは僅かな間鬼龍が出て行った扉を眺めていたが、やがて視線を移す。
この部屋に残ったもう一人──沙代の方へ。何かを決意した眼差しで。
ここまで鬼龍とセイバーのやりとりを固唾を飲んで見入っていた沙代だったが。
今セイバーの意識が自分に向けられている事を察し、小さな肩をびくりと震わせる。
そんな彼女に、微笑を浮かべながら。


「沙代───私を、助けてくれるか?」


そう、セイバーは告げた。






どうして。
もう何度、心の中で呟いたか分からない。
一度でも瞳を逸らしてくれたなら。
きっと私は…龍賀沙代は、絶望と共にすべてを諦める事ができるのに。


「沙代、私はこれまで、私の力は私の存在だけで成り立っていると思っていた。
いや、知識として認識してはいたのだが……それでも自分の力が誰かに支えられて成り立っている認識が薄かった」


だが、どうやら違ったらしい、と。
出会った時から、何時でも己の力を疑っていなかったセイバー様はそう言って笑う。
その笑みは失敗した照れ隠しに笑う子供のようでもあり、寂しげに笑う老人のようでもあった。


「…すまなかった。私の無知と驕りで、君を危険に晒した」


違う。私のせいだ。
セイバー様は7人もの相手に襲われて、それでも私と言う足手纏いがいなければ敗けなかった。
私が、何もできなかったから。貴方に何もしてあげられなかったから。
今も、貴方になにもしてあげられないから。


「呼び人(マスター)あっての英霊(サーヴァント)。何処まで言っても英霊とは比翼であるようだ」


腰に手を当てて。未だに私を庇った時に負った傷で血を滲ませて。
何でもない様に言うセイバー様の姿を見ていると、どうしようもなく心がかき乱される。
そんな私に一拍の間を置いて…セイバー様は告げた。


「今の私に───どうやら、君を守り切るだけの力はないらしい」


出会った時から己の力に揺らがぬ自信を持っていた方が。
その事実を認め、今私に告げた言葉がどれほどの重みを持つのか。想像もできない。
だけれど、それ以上に分からない事は。
どうして、セイバー様は。どうして貴方は。
まだ私の傍にいるのか。どうして、私を───見限ってくれないのか。
全てを呪う事しかできない私が役に立たない事は、もう分かったはずなのに。


「………何か、私にできることがあるのですね?」


先ほど耳にした、助けてくれるかと言う言葉。
それを発端とした願望じみた問いが、口から漏れる。
俯きがちに卑しくセイバー様を上目遣いで見つめて、視線が交わる。
出会った時から何も変わらない、優しい眼差し。
吸い込まれそうな夜空の様に美しい瞳で私を見つめながら───尊き御方は。



「あぁ、サヨ。君がもし私に力を貸してくれるなら───私と……契約して欲しい」



あぁ、本当に。
どうして、貴方は。
私をずっと、見つめてくれるのです。






英霊。
魔術によって現世に再び現れる事を許された過去の英傑。歴史の影法師。
それがセイバー様の正体であり、既に肉体の滅びた死者であるが故に──
この世で力を振るうには要石となる生者の存在が必要である。
そして、今私は。その要石の役目に選ばれたという事らしい。


「……どうして」


それを認識して。
まず口から出たのは、どうして私なのかという疑念だった。
セイバー様が何か口にするよりも早く、口からどろりとした物が溢れ出す。


「セイバー様。私、そんなに綺麗な女なんかじゃないんです」


初めて出会い、助けてもらった時。あの髪の青い女性に狂骨を放たなかったのは。
私は何も悪いことはしていないのに、どうしてと。
自分を憐れんで、世界を呪うためでしかなかったんです。
貴方が思う様な、慈悲深くて無垢な乙女などでは決してないのです。
貴方が傷ついた己を鼓舞する為に口に出した、奥方のような清廉とした女性に私は、なれない。


「私以外にも……貴方のお力になれる方はきっと他に」


そう、貴方のお力になれる方はきっと他にいる。
私でなくても、きっとずっとその御役目に適した方が。
だから、その眼で私を見ないで下さい。
夜を越える時に、天井のシミを数えている時に夢想した理想の皇子。
夢想そのものである貴方に選ばれて、見つめられているはずなのに…私は今、村にいた時より自分が惨めで仕方ない。
何より嫌いなのは、見つめられているだけで貴方を裏切者と嫌いになれない未練がましい私自身。
だからどうか、瞳を逸らしてください。私を見限って下さい。
諦めさせてください。そう願うのに。


「……あぁ、そうかもしれんな。だが、それでも叶うなら私は君が良い」


それを聞いた瞬間。
何故です!と、純真な乙女の仮面は剥がれ落ちた。
声を張り上げて、思い返すのは先ほどのセイバー様と鬼龍おじ様のやりとり。
私に重ねていた方がいるという件だった。


「私に誰かを重ねているなら、誰かの代わりにしようとしているのなら」
「それは違う」


セイバー様は、もしかして。
私を誰かの代わりにしようとしているのではないか。
過去に犯した過ちを、私でやり直そうとしているのではないか。
もしそうならそんなのは、迷惑だと。私は望んでいません、と。
言い放つよりも早く、セイバー様は私の声を遮って。
動揺も迷いも感じさせない声で続けた。



「私と、私の友にとって…あの夜起きた事に悔いはない。全て、なるべくしてなったと思っている」



───カヤには…友の妹には悪い事をしたが、それでも私と友の間で…抱いた想いは、全て叶った。
───例え目の前に全ての願いを成就させる願望器が目の前にあったとしても何も願わない。
───私に身を焦がす秘めた願いはないんだ。本当に。



「ただ、もし。私の友と似た鬼(モノ)を抱えた者がいたとして、
その者がもし友とは違い…自分の運命を嘆き、抗い。健やかに生きたいと願うなら───」



───その時は…全てを賭して力になってもいいと、そう思ったのだ。
───今の私に願いがあるとすれば、ただそれだけ。
───例え私が見た景色が、きみの言う通り真実とは違っていても、それでも君の選択は私の心を動かした。
───だから、私は君に希う。



───どうか……私に、力を貸してくれ。
───君の力が必要だ。



祖父の慰み者でなく。
龍賀の娘でも、祖父の子を孕むための胎盤でも、道具でもなく。
龍賀沙代として、誰かに必要とされたのは初めてだった。



「それにな、サヨ。少し前に言った通り…綺麗な身ではないというなら、私もなのだ。
血のつながった兄を殺し、妻を死なせ、友を含めて。立ち塞がる者悉く斬り捨ててきた。


───私は人よりも殺生が上手く…手を朱に穢し続けただけの…それだけの存在でしかない」



だから君が私に力を貸したいと思ってくれるか…私にとっての問題はそれだけなんだ。
そう言って、セイバー様は真っすぐに私を見つめて。
たおやかな指先を伸ばして、手を差し出してくる。
言葉に偽りはないだろう。この手でいったい何人の者を殺めてきたのか。
恐らく本人も覚えてはいない。穢れ切った手。





────よかったわねぇ、沙代?素敵な皇子様が見染めてくれて、
────だけど…この正と義に厚い者が龍賀の村が手を染めてきた生業や、
────お前がその村でのうのうと育てられてきた事を知ったら………
────何より、お前がお爺様のお気に入りだと知ったら……



────何  
        と



             思う

           の



                   でしょう



                 ね?




刹那、お母様の声が頭に響く。
怖い。それはとても怖い。
それだけは…それだけはセイバー様に知られたくない、私の穢れ。
何より怖いのは、それをもし知られてしまった時、正気でいられるか。
私自身にも分からない。どうなるかは、誰にも分からない。
でも…それでも、




───穢れた手だからこそ……掬える物もございましょう。



それでも私は、差し出された手を取った。
潔白な手ならきっと、取る事はできなかったけれど。
彼の御方の血に染まった手であれば、私の穢れも目立たないから。
貴方にとって、私は運命では無かったのかもしれないけれど。
私が貴方を助けても、決して報われないのかもしれないけど。
でも……助けても何の得にもならない相手を、そうしたいからと言う理由で助ける事は。





それはきっと───とても自由なのでしょう。





冷たい泥の中を流離うだけの私の人生に、血がかよった気がした。
もしこの島で死ぬとしても、私の人生には意味があったのだと。
産まれてたった一度。私は善いことをしたのだと。
そう誇れる気がしたから。だから、貴方にとって私は運命でなくともいい。
もし貴方の隣にいる事が悪であるなら、鬼龍おじ様の言う通り悪で構わない。
それでも私は今。胸を焦がす、何だか分からない熱い何かが正しいと。
そう信じたいのです。







───告げる!汝の身は我の下に、我が命運は汝の剣に。
盈月のよるべに従い、この意、この理に従うのなら───我に従え!
なればこの命運、汝が剣に預けましょう……!


セイバーの名に懸け誓いを受ける。君を当世の呼び人として認めよう───







見違えたな。
怪物を超えた怪物と呼ばれた男、宮沢鬼龍は。
先ほどまでいた廃ビルを出た先で、出てきた二人を一瞥してそう確信した。
沙代の手に宿った赤い聖痕(スディグマ)。それは令呪と呼ばれるものであり。
鬼龍が知った盈月の儀に招致された英霊の、契約者となった証明に他ならない。
鬼龍が下賜した支給品である、盈月そのものを内包した紅玉の書はどうやら契約に役立ったらしい。


「ククク…一先ずは収まるところに収まったって訳だ」


セイバーのまとう雰囲気も、先ほどまでとは違う。
今のセイバーから立ち上る"気"は、出会った時がみすぼらしく思えるほど瑞々しく力強い物だった。
こうでなくては、わざわざ世話を焼いた甲斐がない。
ほくそ笑みながら、鬼龍は沙代に並び相対するセイバーを見据える。


「あぁ、だが終わったわけではない……これは始まりだ。そうだろう?」


鬼龍に対し語るセイバーの態度は先ほどまでの敵意を伴った物ではなく、穏やかな物だった。
その言葉が指すのはこの殺し合いの打破であり、沙代の事だ。
龍賀沙代は一先ずの安定を見たが、根本的な彼女の中に巣食う呪を祓えた訳ではない。
彼女はまだ全てを明かしていない。セイバーも鬼龍も、それは理解していた。
だが、暴き立てた所で問題は解決しないだろう。それを理解していたからセイバーも鬼龍も沙代に追及はしない。


「フン、どうかな……無様な戦いをすれば、ここで終わりになるかもしれんぞ」


あくまで不遜かつ傲岸、その態度を崩さず。
革のコートを脱ぎ棄て、宮沢鬼龍は臨戦態勢(スタンス)を取る。
彼にとって、沙代にあれこれ吹き込んだのはこのための布石でしかない。
かつて同じくこの殺し合いに参加させられている範馬勇次郎が、復活した宮本武蔵を絶対ブランドと称したが。
今の鬼龍にとっては目前のヤマトタケルこそ、範馬勇次郎にとっての宮本武蔵だった。
彼は女性に対してフェミニストな一面があるものの、通常余りあれこれと口を出すことは少ないのだ。
その彼がわざわざ沙代を焚きつけようとしたのは、この後訪れる時間のためであったのは言うまでもない。


「言っておくが、私は手加減はせんぞ」
「それじゃあ負けた時に言い訳が利かないがいいのか、タケルくんよ」


イゾウと戦った時とは違い、瞳に敵意はなく。
しかし清澄な闘志と沙代から与えられる魔力を総身に漲らせて。
日本神話最古の英雄は、悪魔を超えた悪魔と呼ばれた男の挑戦を受ける。


「セイバー様」


二人がこれから覇を競い合おうとしているのを感じ取った沙代が声をかける。
彼女の胸の内で、セイバーに害意を抱く者に対する敵意の炎は消えていない。
今も胸の内で置き火の様に静かに燃えている。
だが先ほどまでと違い、彼女の瞳に負い目は無い。
自分が与えた魔力が、セイバーに力を与えているのだとその自負が彼女の両足に力を与える。


「どうかご武運を。今一度、貴方の力をお見せ下さい」
「無論だ」



短い返答。セイバーは振り向かなかった。
だが、その返事だけで今の沙代には事足りる。
後はただ……少年にも、少女にも見える小さな背中を見つめ。
数拍ののち、風が吹いた。
びゅう、というその音が合図となり。








沙代の動体視力を遥か彼方に置き去りにする速度で───両者の姿が掻き消えた。






最初に仕掛けたのはセイバーだった。
アスファルトを砕く踏み込みと共に、両手で構えた界剣を振るう。
だが遠い。鬼龍の拳の間合いはおろか、セイバーの握る剣のリーチをして届かない。
────かに思えた。


「なにっ」


鬼龍が衝撃の声を上げる。大気を切り裂き、斬撃が空間を舞ったのだ。
サーヴァントとしての本領を取り戻した今のセイバーの剣は先ほどまでの比ではない。
鋭さ、迅さ、重さ……全てが王者の剣と称された冴えを見せる。
魔力を付与し軽く振るった剣の斬撃を、飛ぶ斬撃として昇華するほどに。
水気を剣に纏わせ、推進力とすることで斬撃の威力を増し水流の余波で破壊を起こすのはイゾウとの戦いでも見せていたが。
今はそれ以上だ。最早セイバーの剣は相手と打ち合う必要すらない。



「ゆくぞ───!」



魔力を超高速で振るった剣で飛ばす事で達成する飛ぶ斬撃。
それを十重二十重とセイバーは"連射"する。
沙代への負担を考え、人体を両断する威力のモノは一つに留めたが。
それでも一つ一つが肉を裂き骨まで届く威力のそれだ。
生身の人間には明らかに過剰ともとれる攻勢。だがセイバーはむしろこれは"小手調べ"として不足かと考えていた。
そして、その読みは正しい。



───朦朧拳。



これが”幽玄”の躱(かわ)し。
斬撃の第一波が到達すると共に、鬼龍の残影が霞の様に消え失せる。
幽玄真影流と呼ばれた殺人拳において、気功と残像、周辺視野を用いた回避・接近技術である。
かつて鬼龍はファントム・ジョーと言う男に無様を晒しながら、身をもって習得していた。


「言うだけあるな。だが──甘い」


技術そのものは見事と言う他ない。
しかし相手が悪い。セイバーの卓抜した戦闘経験と天賦の剣才は誤魔化せない。
背後に鬼龍が現れた事を敏感に感じ取ったセイバーは、己を撃ち抜こうと迫る拳を剣の腹で受け止める。
不意を突いたうえで後の先を取られる。人間がサーヴァントを相手取るという事はそう言う事なのだ。


「しゃあっ」


完璧に不意を打ったはずの渾身の一打を受け止められてなお、鬼龍は臆しない。
悪魔染みた笑みを浮かべながら、ただ前進あるのみ。拳の間合いに入れただけでも十分すぎる値千金。
この間合いであれば、自分の本領を発揮できるのだから。
一秒後、空間に数えきれないほどの破砕音が木霊する。


「こ、この音は……?」


二人の戦闘を20メートルほど後方で見つめていた沙代が困惑の声を上げる。
セイバーと鬼龍が激突してから沙代のいる地点まで響いてくる破裂音。
沙代の動体視力ではセイバーの剣閃も、鬼龍の腕の動きも追うことはできない。
ただ剣と拳が消えている様にしか見えない。だからこそ、まさかと思わせる。
────まさか、今あの鬼龍という男は無刀でセイバーの持つ剣と撃ち合っているのか?


「はーっ!滾る!血が滾るわっ!」


一秒間に十を超える拳打を放ちながら、龍が笑みを深める。
連弾・霞撃ち。鬼龍が最も得意とする、音速を突破した超高速のラッシュ。
常人の動体視力をはるか後方に置き去りにする、鬼龍の象徴とも呼べる技である。
超音速の拳と、発射されたマッハ3を超えるライフル弾の弾道を正確に見切る動体視力。
その両輪を以て、鬼龍はセイバーの位階を得たサーヴァントと白兵戦を成立させていた。


(はぐれのアサシンが如き疾く鋭い拳、人の身でよくぞここまで……!)


セイバーにとって、無刀で自身の界剣と渡り合う相手は盈月の儀で出会った存在に限っても初めてではない。
マスターを抱かぬはぐれのサーヴァント。絶拳の暗殺者(アサシン)。
真名を李書文と名乗った老兵は、無手にて界剣を振るう自身に引けを取らない近接戦を見せていた。
重さで言えば二打要と名付けた一撃に全てを込めるアサシンの方が明確に上だ。
だが速さで言えば超音速の速度は遜色なく。連射性で言えばともすれば鬼龍に軍配が上がるかもしれない。
それを人の身で行っているのだと言うのだから、セイバーにとっても驚嘆に値する男だった。


────ちいっ!これが天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)かっ


対する鬼龍は口と表情こそ高揚している態度を見せながら、IQ200を誇る思考は冷静そのものだった。
このままでは攻めきれない。そう遠くないうちに、決定的な形でセイバーに天秤は傾く。
硬気功で外功…拳を硬質化させ、灘神影流の"気"を読む力である心眼をフル稼働してセイバーの動きを読む。
更にそれだけでなく、森口から支給されたある"ズル"を以て無刀無手での界剣との白兵戦を成立させていた。
スマホやコート、針なども武器として使う鬼龍にとって、戦闘で使える物なら何でも扱うが。
だがこのズルは自分では真価を引き出せず、極めて燃費が悪い。
加えてセイバーの剣を弾けず捉えられれば、拳を守ってくれる程の効果は期待できないだろう。
一手でも誤れば手首から先を両断される。
そして、鬼龍の打撃ではかの三種の神器の刀身が歪む気配すらない。セイバーの拳への対応も卓越しつつある。


(大層な鎧だが……俺にとって戦闘では邪魔でしかないらしい)


不要(いら)んな。
一言でそう切り捨て、身にまとった鎧に見切りをつけ、脱ごうとする。
だが、今この近接距離(ショートレンジ)で突然脱ぐのは難しいし、ただ脱ぐというのも芸がない。
どうせなら───そう、セイバーと沙代に試練を与える形が良い。
そう決定してからの鬼龍の行動は実に迅速だった。


「沙代!」


ここで拳打による接近戦を成立させていた鬼龍が、初めてセイバーの一刀をいなせず吹き飛ばされる。
だが、明らかに浅い。この撃ち負けは恐らく意図した物だという結論にセイバーが行きついたのと殆ど同時に。
鬼龍は二度目の朦朧拳を発動、セイバーの隣をすり抜けてひた走る───セイバーのマスター。
弱点(ウィーク・ポイント)に他ならない沙代のもとへ。


「まったく見た目に似合わず世話焼き男だ……!」


そうだ。全くもってその通り。
あの三人組のような外道どもから沙代を守り抜くには、先ほどまでの戦い方であってはならない。
また沙代にあの無様な体たらくを見せるわけにはいかない。
であればどうするか。駆ける鬼龍の背中は顔すら見せぬ"気"のみでセイバーに尋ねていた。


「そうだな。ならば───こうしよう!」


笑みと共に界剣を頭上へと掲げる。
次の瞬間、今にも沙代の元へ到達しようとしていた鬼龍の眼前に、分厚い壁の様な水壁が出現する。
水壁は瞬く間に津波へと変貌を遂げ、沙代を上空へと押し上げる。
そしてセイバーもまたサーフィンの要領で滑る様に、津波の頂きへと駆けあがり合流。
先ほどの魔力放出とはやはり次元(ステージ)が違う。セイバーに抱かれながら沙代は確信を抱いた。
はぐれであった頃は水神の能力の延長でしかなかった魔力放出も、現在ではセイバー単独で波濤を形成する。


「沙代、身体の調子はどうだ。不調を感じていれば正直に言ってくれ」
「…いいえ、初めてこの身に流れる血に感謝したかもしれません」


出会ってから、初めて軽口じみた言葉を吐く沙代にセイバーの口元も綻ぶ。
さっきとは桁違いの規模の魔力放出を行ったが、強がりでも虚偽でもなく真実沙代は平気だと断言した。
セイバーに魔力を供給する契約者としての素質は及第点を付けられるだろう。
彼女がそう育った、育ってしまった経緯については反吐が出るが──セイバーにとっては好都合と言える。
合理を旨とした思考を巡らせながら眼下を眺めると、笑う龍の姿が目に映った。



「そうだ、それでいい」



普段の鬼龍ならとんだ甘ちゃんだと罵る所だが、
紅玉の書を通して既にサーヴァントにはマスターの存在が不可欠なのは知っている。
故にこそ、沙代が狙われた時に的確な対応ができるか試練を与えた。
返答は十人程度の人間であれば容易に飲みこむ津波。これには合格点をくれてやってもいい。
心中でそう評しながら鬼龍は全力で足元の水面を蹴り上げた。


「フンッ!この波乗りピカチュウがっ」


悪罵なのか何なのか分からない台詞を吐き捨てて。
鬼龍はゴ オ オ オ オ、と飛沫をまき散らす津波へと吶喊。
そのままでは成すすべなく水流に飲まれる。そう判断するとともに。
かつて呪怨の伝授を巡り弟である宮沢静虎と骨肉の争いを繰り広げた時の如く、足元に残った水を蹴り上げる。
なんと彼はその蹴り上げた水面を踏み台とし、数メートルはある津波の高みへと跳躍を行ったのだった。
二秒後、濁流が全てを飲みこむ音を奏でる中、沙代を抱えたセイバー…そして無傷の鬼龍が姿を現す。


「ばぁーっ」


水が滴る中、おちゃらけた雰囲気を纏った鬼龍が降り立ち。
口の開いた自らのデイ・パックを足元に放り、素肌に纏っているシャツをまくり上げた。
すると、鬼龍の身体に異変が起きる。彼の肉体の輪郭を包む様に白い光の粒子が放出され…
直後、彼の足元に放り投げられたデイ・パックに黄金の具足が飲み込まれていく。
膨大な魔力で形作られたそれを、セイバーは一瞥してサーヴァントの宝具であることを看破する。
感じ取れる魔力の質は、盈月の儀で出会ったはぐれのアーチャーに似ている気がした。


「どういうつもりだ、キリュウ」
「太陽神の鎧だか何だか知らんが、俺にとっては邪魔なだけの代物ということよ」


鬼龍の出した支給品、その銘を『日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ・クンダーラ)』と言った。
施しの英雄と謳われたランサーのサーヴァント、カルナという英雄の所持していた神造兵装の一つ。
本来の所有者が扱えばあらゆる物理・概念攻撃を防ぎ、神々ですら破壊困難。
かの英雄王の宝物庫にすら存在しないと言われる防御型宝具だった。
装備者への自己治癒促進能力によってベンと呼ばれる猿との戦いで鬼龍の折れた左手を治したのもこの鎧である。
しかし、鬼龍はそんな絶大な力を誇る鎧を不要と断じた。


「技が鈍る」


理由は至極単純、正当なる使用者でない鬼龍では鎧の能力を引き出せないためである。
例え範囲を全参加者に対象を広げても鎧をまともに機能させられる者は存在しないだろう。
結果鎧の機能は最低保証レベルであり、ただの日本刀であればともかくセイバーの界剣の刃を防げるレベルでは決してない。
打ち付ける拳の保護には役立った物の、それはあくまで鬼龍が拳を撃ち付け弾いていたからだ。
もし刃が彼の胴や手首を捕らえていれば、そのまま両断していただろう。
そして鎧は効果が薄い割に燃費が極めて悪く、消耗が大きい。
このままではセイバーに通用するパフォーマンスが出せなくなる。それでは意味がない。
戦闘開始から数分経っていない状況でそう判断したのだ。あの全盛の、不遜が服を着て歩いている鬼龍がだ。


「………私は手加減が苦手なタチだといったはずだ。死ぬぞ」


低い声で、セイバーが警告の声を発する。
鎧は殆ど機能していなかったとは言え、それでもいくらかはセイバーの攻撃から保護し、
何より鬼龍の攻勢を何割かは支えていた筈なのだ。
セイバーの斬撃を捌き、撃ち落とすのに成功していたのは鬼龍の霞撃ちの能力故だが。
だがそれでも界剣の刃はただの拳が撃ち合えるほど生ぬるい物ではない。
例え硬気功で外皮を硬質化させていても十を数えぬ内に拳が砕け二十で肉が裂ける。
そうなれば継戦は不可能。セイバーの斬撃を防御する術すら失う。
勝負を捨てたかとすら思える暴挙。しかし鬼龍の戦意は全くもって衰えていなかった。


「安心しろ、次で決める。お前も俺を殺して見せろ……殺せるものならな」


男はなおも傲岸不遜の笑う龍だった。
目の前に立つ剣士が、人を超えた超常の存在である事を理解して。
それでも己が勝つと疑ってはいない。
何らかの勝算があるのは確かなのだろうが、しかし。
それでもその不遜さにはセイバーも畏敬の念を僅かにだが抱かずにはいられなかった。


「分かった、いいだろう……沙代!」
「…っ、は、はい…!」
「これから少し負担をかけるかもしれん。すまんな」


セイバーの気遣う言葉に対し、沙代は僅かな間を置いて「問題ない」と答えた。
力強い返事に、セイバーの界剣を握る手に力が籠る。
鬼龍の視線は本気で来いと告げていた。そして、今の自分にはマスターがいる。
であれば───範囲を絞れば問題ないだろう。
決定を下すと上段に界剣を構え、そして鬼龍に告げる。


「来い、鬼龍。私もこれで終わらせるつもりでやってやる」


言葉と共に魔力が渦を巻き、水流が逆巻く。
その構えを見て後方に控える沙代が想起するのは一つ。
セイバーが唯一名を付けた絶技。八岐怒濤に他ならない。
だが、これは。この剣は。明らかに先ほどまでとは───
目を奪われる沙代だったが、直後に鬼龍が動いた事で意識がそちらへと移る。
まさか、と思う。まさか本当にこの人は目の前の大河に挑むのか?
理解していながらも、衝撃を受けずにはいられなかった。



────認めたくはないが、悪魔とか謳っていても俺も一皮剥けば灘の魂が宿っていたらしい。



進めば死ぬ。それは分かり切っていた事だ。
生き残る道は一つ。かつて日下部覚吾が見せたあの技を成功させるしかない。
玄腿(モンスター・フット)の完全な下位互換である龍腿(ドラゴン・フット)の自分が成功する可能性は極めて低いだろう。
だが…老境の経験値と全盛の肉体を得た今だからこそ挑める賭け。
これを挑まずして、何が武道家かと鬼龍は理性を一笑に付すと。
全盛の脚力に全ての力を込めて、眼前の大英雄へと向けて龍は翔んだ。



(───本当に死ぬ気か、キリュウ!)



この瞬間、セイバーをして瞠目を禁じ得ない。空中では逃げ場がないからだ。
先ほどの霞の様に消え失せる技も、もう”慣れた”。次は見切れる。
それは鬼龍も分かっている筈だ。
自殺に付き合うつもりはない。宝具の開帳に逡巡が生れるが、しかし。
ここで止める事は逆に愚弄だと刹那で思考を改めた。
しかし、全くもってこういう事に付き合うのは。
────1回だけだぞ。
心の中でそう呟き、空中で飛び蹴りを敢行しようとしている鬼龍めがけ絶技を解き放つ。



────八岐怒涛!



放たれた魔力は大河がもたらす濁流の如く。
街を飲みこむ洪水の様な暴威。およそ人が相対できる技ではない。
後方で、二度この技を見ている沙代も息を呑んだ。
イゾウ達に放ったものはおろか、エスデスに放った物よりもその威力は大きい。
人一人に過剰とも呼べる火力、沙代はこの瞬間鬼龍の絶命を疑っていなかった。
ただ独り、鬼龍の生存を信じていたのはセイバーのみだった。



「───見事だ、キリュウ」



宝具の使用を中断、ダンとアスファルトが陥没するほどの踏み込みを伴い。
独楽の様にセイバーの五体が回転する。
それにつられて沙代もセイバーの後方へと視線を送り、思わず目を見開く。
なぜなら、向き直ったセイバーの視線の先には────



ブ    

        ア

                ッ



────重力を無視した、高い次元の瞬間移動。   
数十年積み上げた格闘家としての年月と、怪物を超えた怪物と呼ばれた全盛の肉体が可能とした通常の鬼龍であれば決して至れなかった境地。
その技術を以てして、鬼龍は絶技を放つセイバーの後方へと現れたのだ。
だが、鬼龍の表情に笑みはない。


────まだ、遠いか。


日下部覚吾や宮沢熹一の使用した瞬間移動よりもそれは荒く、拙かった。
玄腿(モンスター・フット)の持ち主であれば例え氷上の上でも、連続で瞬間移動をして見せるが。
今の鬼龍は単発が限度。それも精度が荒く、セイバーに気取られてしまった。
スローになった世界。死地にて、彼の剣士が刃を突き出してくる中…龍は、笑う。


────灘神影流、弾丸滑り───


剣士が目を見開く。
突き出したはずの刀身が、奇妙な軌道で滑ったのだ。
それが超音速のライフル弾すら無力化する灘を象徴する防御術である事は知る由もない。
だがそれでもやはり、遠い……!
剣道三倍段というリーチの優位性を如実に示した言葉が武道には存在するが。
その言葉が真実であると示す様に、まだ鬼龍の間合いにセイバーは入っていなかった。
無理矢理届かせる選択肢はあるにはあるが、そんな間に合わせがセイバーに通じる筈もない。
だからこそ、鬼龍が選ぶ最後の一手は決まっていた。



───灘神影流、塊貫拳───



今の間合いではセイバーに有効打を与える事は出来ない。
故に選んだのは、戦闘中密かに練り上げていた勁を籠めた一撃。
発勁の要領で、無機物まで伝導する内部破壊の衝撃波。
例え拳は届かずとも、勁を撃ち付けた天叢雲剣は、セイバーへと続いている。
衝撃と共に叩き付けられた勁は狙い通り界剣の刀身を駆けあがり、そして───
空気が跳ねる音が響いた。





「……………ここまで、だな」
「……………フン」



静寂が戻った世界の中で。
突き出された腕をがっちりと掴んだセイバーが鬼龍に告げる。
もう片方の手はくるくると宙を舞った界剣をぱしっと乾いた音を立ててキャッチする。
それを見届けたのち、ゆっくりと鬼龍はセイバーに突き出していた腕の力を緩めた。
最後の衝突の直前、鬼龍の籠めた勁はセイバーに確かに届こうとしていた。
コンマ数秒、タッチの差で鬼龍の意図を読んだセイバーが対抗の魔力を流していなければ。
また、通常の日本刀などではなく、セイバーの握る剣が神造兵装でなければ。
それでも鬼龍の方が早かったかもしれないが…実際の影響は軽微。
界剣をはね上げるに留まった。


「キリュウ、君、あの鎧を使っていなければもっと早かったか?」
「意味の無い仮定だ。そもそもお前、わざわざ俺の間合いで戦う必要もなかっただろう」
「紅玉のお爺さんを届けてくれたのと…沙代の件の私からの返礼だと思ってくれればいい。
それで敗れていたら、私の間が抜けていたというだけの話だ」


剣を収めながら、セイバーが鬼龍に告げ。
これ以上やっても意味はない。鬼龍もそれを悟ると拳を収め、戦闘が終息を見る。
まだ余力はあるが、ここからセイバーに勝つには遥かに不足と言わざるを得ない。
そして相手はセイバーだけではない。
例えセイバーに勝ったとしてもその直後に殺されてしまってはつまらない。
クソにも劣る結末だ。森口と言う女の筋書き通りでもあり面白くない。


「まぁいい。続きはこの命の授業を叩き潰してからにしてやる。
灘の技は、やり方次第で本物の超人もぶちのめせる……それが分かった。次は叩き潰す」
「……懲りん男よ」


呆れながらセイバーは苦笑を漏らした。
目の前のこの宮沢鬼龍と言う男、病的な程自己中心的で周りにいる者に災厄と不幸をもたらす最低の男の様に見えたが。
だからこそ、森口と言う女の言いなりになったりは決してしないだろう。


「俺からも一つ聞くが、その無様な傷は誰に負わされた」
「むぅ……言いたい事はあるが、これは………」


若干苦々しい顔をしながらも、危険人物の情報は広めておいた方が良い。
そう判断したセイバーは鬼龍に、先ほど自分達を襲って来た三人組の事を話した。
侍の男と、金の髪をした年を誤魔化した娘、そして声から奇妙な装甲服を纏った女。
その三人組の事を話すと、露骨に鬼龍の顔が喜色に歪む。


「いいだろう、女二人は趣味じゃないが…侍男は俺が貰ってやるよ」
「君が?相手は手練れだぞ……それにまさか、ついてくるつもりか?」
「今度無様を晒したら恥ずかしすぎるぜタケルくんよ。
その侍男をぶちのめすなら狙ってるお前についてるのが丁度いいだろ」


弱き者から狩る。
怪物を超えた怪物の、第二のターゲットはイゾウに決定した。


「沙代、身体の調子はどうだ?疲れてはいないか」
「はい、少しだるさは感じますが…左程」


戦闘が終わったのを悟り、沙代も二人の元へと歩きつく。
セイバーは沙代の状態をきょろきょろとつぶさに観察。
範囲を絞ったとは言え八岐怒涛を放ち、周囲二十メートルほどを更地に変えて、なお。
沙代に左程消耗は見られなかった。
だが、彼女はもじもじと俯いて、何かを言いたそうにしていた。
首をかしげるセイバーだったが、解答は彼女の口からではなく、その場にいる全員の腹から聞こえた。
ぐう、という腹の虫の鳴き声だった。
まずは、腹ごしらえだな。セイバーと鬼龍。両者ともその考えに至り。


「フン、食券の買い方も知らなさそうな未開の間抜けコンビ。
無様に過ぎるから夜食ぐらいは奢ってやる。ついて来い」
「おお!当代の飯か!?何でもいいのか?」
「なんでも構わんがまぁ待て。先ずは沙代に聞いてからだろ。何がいい」
「え?……私、ですか?」


問われた沙代は、たっぷり十秒は間を置いて。
そして、おずおずと…その夢の名を語った。


────では、クリームソーダを……




【F-4 市街地/深夜/1日目】

【セイバー(ヤマトタケル)@Fate/Samurai Remnant】
[状態]:多数の裂傷(小)、魔力消費(小)、沙代からの魔力供給開始。
[装備]:天叢雲剣@Fate/Samurai Remnant
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2、紅玉の書@Fate/Samurai Remnant
[思考]:主催者を倒し、この殺し合いを終わらせる。
1:悪を斬り、弱きもの達を守る。
2:イゾウとの決着はいずれ必ずつける。
3:エスデスは次会えば斬る。
4:その前に鬼龍と当代の飯だ~!
※最終ルート、可惜夜に希う終了後より参戦です。
※はぐれサーヴァントとして現界しています。
※上記の影響で天叢雲剣の完全開放は制限されています。

【龍賀沙代@ゲゲゲの謎】
[状態]:腹部に鈍い痛み(小)、セイバーへの執心(極大)、セイバーを傷つける者への敵意(大)、セイバーと契約
[装備]:令呪(三画)@Fate/Grand Order
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2、若返り薬@HUNTER×HUNTER
[思考]:セイバー様に従う。
1:今はただ、セイバー様の御傍に。
2:セイバー様に仇成す者は……
3:セイバー様に全てを知られるのは……怖い、とても。
※水木と出会う直前から参戦です。
※セイバーと契約しました。

【宮沢鬼龍@タフシリーズ】
[状態]:疲労(中)、全盛期の肉体
[装備]:日輪よ、具足となれ@Fate/Grand Order
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:
1:命の授業とやらを冒涜し愚弄する。
2:まずは左腕の処置と支給品の確認を行う。次に会えば、あの獣を殺す。
3:セイバーを狙ってくる侍男をぶちのめす。







前回 キャラ 次回
020『毒蜘蛛の胎動 022『♪Happy Tree Friends──
採用No.03『弱き者、再び獣に遭う 鬼龍
001『剣豪死合 ヤマトタケル
001『剣豪死合 沙代

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最終更新:2026年08月30日 20:25