『光る物全てが黄金とは限らない』
…なぁ、グリンデルバルド。君は何を見ている?
空が白み始めてきた頃、ダークマイトはグリンデルバルドに向けそう尋ねた。
シディアスの恐怖から脱し、早速彼の暗黒皇帝の悪評をばら撒くべく他の参加者を襲う手はずだったのだが。
だが、グリンデルバルドは一枚の鏡を熱心に見つめ未だ動こうとしない。
彼が無二のサイドキックである以上、少し待っていろと乞われれば否やはないのだが。
それでも何を見ているかくらいは教えて欲しい。そんな風に感じて、そっと横から覗き込む。
「こ、これは………!?」
そして、息を呑んだ。
グリンデルバルドが杖を振るい浮かばせた鏡。そこに映っていたのは、憎き怨敵。
シスの暗黒卿を名乗っていた雷爺。ダース・シディアスだったからだ。
一方的とはいえ唐突な再会に、ダークマイトが緊張を覚える。
だが、その手はもう震えてはいなかった。
「各放送までの間…一度だけ周囲のエリアを見られる鏡らしい。
支給品の性能を確かめるために周囲のエリアの様子を確認してみたら、この通りだ」
遠見の鏡と銘打たれた鏡は、6時間に1度隣接するエリアの様子を確認できるという物だった。
その説明を読んだ瞬間、ダークマイトが襲われたという男もこの近くにいるのではないか。
そう思い立ったグリンデルバルドは奇襲を受けない様神経を尖らせつつ、早速使ってみる事とした。
ビブルカードが指し示すシディアスがいる方角を主に、テレビのチャンネルのように周囲のエリアをザッピングして確認していき。
その内の一つのエリアで当たり玉が出たという訳だ。
「ダークマイト…どうやら君の言っていた話よりも、シディアスとやらはずっと厄介な男らしいぞ」
二つの死体から感じ取った強大な闇の魔術の気配。
そこから可能性は低くないと見ていたが、その危惧の通り。
鏡の中に映るダース・シディアスは怒りに身を任せ殺戮に及ぶ猛獣などではなく。
強大かつ狡猾な邪龍である事が見て取れた。瞳を見れば凡そ察する事ができる。
「……その様だな」
苦々し気にダークマイトが呟く。
鏡の中に映るシディアスは、自分を下した時の様に光剣と雷を巧みに操り。
それだけでなく桃色の髪をした恐らく異形タイプの個性の少女を屈服させ、懐柔しているようだった。
ただ暴れまわるだけが脳の更年期の老人では無かった事に、ダークマイトも危機感を抱く。
「……これ以上は察知されるな」
潮時だと感じ取ったグリンデルバルドが、鏡の映像を切り替えた。
最後に映っていたのは端正な顔の青年が見守る中、何かの薬品を飲んで少女の姿へと変わったシディアスの姿だ。
薬品の中身がポリジュース薬であることは一目でわかった。
また、ダークマイトの言葉からシディアスが変わった姿は未だ行方知れずのイリヤという少女だという。
恐らくはその少女に化け、グループの人員やポリジュース薬で他の集団に潜り込もうという魂胆なのだろう。
このまま一般人を隠れ蓑に力を温存されていては実に不味い。手を打つ必要があった。
だがどうする。グリンデルバルドは思考を巡らせ、使用可能期限が迫る中で鏡の映像を更に切り替える。
「なにっ」
その時の事だった。
驚愕を顔一杯に浮かべ、傍らのダークマイトが鏡をひっつかんだのは。
一体どうした、問いかけるよりも早く彼は叫ぶ。
驚愕と、憧憬と、歓喜がない交ぜになった表情で。
「この姿は……いや、まさか!だが…俺が見紛うはずがない!」
───オールマイト!
影の怪人と対峙する金髪の偉丈夫の名を高らかにダークマイトは呼んだ。
オールマイト。ダークマイトを支配下に置いてからしつこい程に聞いた名だ。
平和の象徴とすら謳われたかつての英雄。力を失ったと聞いていたが……
鏡の向こうに映る件の男の筋骨隆々の姿は、とてもそうは見えない。
魔法使いではない様子だが、実力者であることにグリンデルバルドも疑いはなく。
これは使えるかもしれん、心中でそう呟くと。
グリンデルバルドは静かに平和の象徴らと接触することを決定した。
◆
影を移動し、影に潜む相手は中々に面倒な相手だった。
強さで言えば乙骨やオールマイトであれば問題にならない強さではあったが。
杉下やルルーシュを守ることを考えればそうもいかない。
無明のファミレス内では、いつでも影に潜む敵はルルーシュらに襲い掛かることができる。
そして回避も影に隠れて自由自在ともなれば、負けはしないが攻めあぐねる。
「まともに付き合う事はないです、オールマイトさん」
そんな敵を、乙骨憂太はそう評した。
カイドウにも対抗可能なマッスルフォームは三時間程度しか保たないと聞いている。
こんな相手に、変身可能時間を目減りさせてもらっては困るのだ。
それ故に指輪を嵌め、乙骨は宿儺との決戦に備えて模倣していた術式を切った。
────邪去侮の梯子
あらゆる術式を抹消するその光は、ブラックサバスにとって余りにも効果覿面だった。
天井に魔法陣が形成され、そこから容赦なく裁きの光が降り注ぐ。
断末魔をあげる暇もなく、ブラックサバスのスタンビジョンは実にあっさりと消え去った。
(……邪去侮の梯子の術式効果だけじゃなくて、光自体が弱点と見て良いな)
術式の使用から5秒足らず。
ブラックサバスのスタンドビジョンが消え去ったのを確認してから指輪を外す。
この程度であれば、里香に備蓄している呪力を用いず自己補完の範疇だ。
己の消費を計算しながら、乙骨は抜いていた刀も納める。
「すまないな乙骨少年。君に始末を付けさせてしまった」
「いえ、いいんです。むしろカイドウの様な相手以外は僕が前に出ます。出させてください」
オールマイトの力は正しく切り札だ。
それに時間制限があるとなれば、できる限り温存しておきたい。
本人にとっては複雑かもしれないが、あの程度の相手であれば自分が対処できる。
だから、自分が出るのが一番合理的なのだ。その結論のもと、乙骨は優子たちを探しに行くことを提案した。
だがそれよりも早く。明るくなった時計の針は午前六時を指し示す。
キーン、コーン──、
カーン、コーン────。
放送が、始まった。
その間はその場にいる全員が暫しの間動けない。
何故なら、リーニエと優子が放送で呼ばれる可能性はけして低くなかったからだ。
頼む、生きていてくれ。杉下らがそう祈る間にも放送は続き。
放送が終わったのはそこから更に数分が経ち、初回放送を終えてからだった。
由比ヶ浜結衣の母親や二度名前が呼ばれたチャンプなど、意味不明な名前も呼ばれたにせよ。
優子とリーニエの名がそこに連ねられることはなかった。ふぅと誰ともなく息をつく。
「リーニエさんと優子さんの名前が呼ばれなかった事はいいでしょう。ですが、楽観できる状況ではまだありません」
右京のその言葉は的を射ていた。
今放送で呼ばれなかったといっても、あの影の怪人に攫われた二人の安全を保障するものではない。
もしかしたら、今この瞬間にも危機に陥って助けを必要としているのかもしれないのだ。
一刻も早く二人を見つけ出し、保護する必要がある。そう右京は訴えた。
だがどうする。既に怪人にリーニエたちが攫われてから時間が経っている。
あてもなく探して見つけられるのか。オールマイト、乙骨、右京らが同時にその考えに至った時だった。
こつりと、ファミレスの地面を打ち鳴らす足音が響く。
「そのリーニエと優子というのは───頭に角を生やした少女二人組のことかな」
逆立てた金の髪に、仕立ての良い黒衣。左右で色の違う瞳。
目を引く存在感を放ちながら、その男はオールマイトらの前に現れた。
乙骨が無言で腰の刀に手を添える。だが彼は気にせずファミレスのボックス席に腰をかけて。
「私はグリンデルバルドという者だ。君たちに対して敵意はない。
むしろ逆。危険人物の情報と、君たちがこれから探しに出ようとしている少女二人の居場所に覚えがある」
こんな状況だ、安心しろとは言えないが。
少なくとも二人が窮地に陥っているという可能性は低いだろう。
そう前置きをしてから、グリンデルバルドは支給品で偶然確認したという二人の少女の特徴を述べ始めた。
彼が語る容姿は、リーニエと優子のものと寸分たがわず一致していた。
目の前の男が二人を知っているという事に恐らく偽りはない。
「どうかね、闇雲に探し回るよりは話を聞いてからにした方が無駄がないと思うが」
射貫くような眼光でグリンデルバルドはオールマイトらを睥睨し、選択を促す。
その視線に対し、一同はお互いに顔を見合わせ僅かに逡巡を見せた。
グリンデルバルドの言葉を信じていいのかどうか確証がないからだ。
述べられた容姿の情報は正確だったが、それは二人の安全を保障するものではない。
信じていいのか。その思考が場に満ちる中で、真っ先に声を上げたのはオールマイトだった。
「……分かった、グリンデルバルド。君の話を聞くから、二人の居場所を教えてくれ」
話の過程で何か罠ではないか注意を払う必要はあるが。
それでもオールマイトは一旦グリンデルバルドの話を信じる事とした。
賭けではあるが、闇雲に探し回るのもまた賭けであることに変わりはない。
それなら人を信じる方に賭けたい。彼はそう思ったのだ。
「────素晴らしい!その迷いのなさ。我がサイドキックを信じる目の高さ…流石は先代ッ!!」
だが、そんなオールマイトも困惑させる男が現れる。
グリンデルバルドに続いて、ファミレスの入り口から現れたその男は。
オールマイトに瓜二つ。そっくりの姿をしていた。
乙骨や右京が目を丸くする中、彼らには目もくれずその男はオールマイトに歩み寄り。
与えられた名を高らかに名乗り上げつつ、がっしりとその手を掴み言う。
「それでこそ……私にダークマイトの名を与えた男だ……!!」
キラキラと瞳を少年のように輝かせ。
自身の掌を握り、ダークマイトを自称した男に対して。
オールマイトが真っ先に抱いた感情はたった一つだった。
────────────誰?
◆
曰く、ダークマイトはオールマイトの熱烈なファンで。
彼はオールマイトからすれば、ほぼ一年後の未来から招かれたらしい。
彼自身の話と、グリンデルバルドの補足を咀嚼すればそう結論付ける他なかった。
そして未来の自身はこの目の前の自分そっくりの男にダークマイトの名を与えたらしい。
………本当かなぁ。思わずオールマイトはそう零しそうになった。
「神野でのオール・フォー・ワンとの一戦で力を喪ったと聞いていましたが………
その覇気!その気迫!そしてその力!平和の象徴として未だ健在の貴女に会えた事は光栄の極み!」
「あ、あぁ………」
異様な熱を伴って自分の事を褒め讃えるダークマイトの姿は、オールマイトに大いに困惑を与えた。
だが、話自体は決して無視できない。
彼の話では自分は神野でのオール・フォー・ワンとの戦いで完全に力を喪失するのだという。
その後オール・フォー・ワンはタルタロスより脱獄し…日本を無法地帯へと誘うのだそうだ。
信じがたい話ではあるが、何故か不思議な説得力を伴っているとオールマイトは感じた。
そして、未来から来たという話に一気に信憑性を持たせる話をダークマイトは切りだす。
「で、単刀直入に伺いたいのですが…今の貴方はもう誰かに"次"を…力を託されたのでしょうか?」
「…………ッ!?」
ワン・フォー・オールは聖火の様に歴代の継承者達に受け継がれてきた個性。
オール・フォー・ワンの脅威からワン・フォー・オールを守る為に固く守って来た最大の秘密。
ごく一部の人間にしか開示していない筈のその情報を知っているという事は。
荒唐無稽なダークマイトの話もある程度の信憑性を帯びてくる。だがしかし。
目の前の男にまだワン・フォー・オールがオールマイトの中に健在であることを伝えてはいけない。
そう、オールマイトの勘が告げていた。
「……事情をある程度知っている様子だから話すが、私の個性は既に"譲渡"済みだ。私の内にあるのはその残り火だよ」
そうオールマイトが告げた瞬間、右京が素早く乙骨とルルーシュに目配せを行う。
彼がその選択をした以上、真実を告げるべきではない。一瞬の目配せだったが。
乙骨もルルーシュもその右京の意図を正確に読み取っていた。
口々に「自分もそう聞いている」と言う旨の発言を行う。
「ふむ、それは本当───」
「ダークマイト」
食い下がろうとするダークマイトを、グリンデルバルドが諫める。
まるで猛獣を飼いならす猛獣使いの様だ。
ルルーシュと右京は、グリンデルバルドとダークマイトの関係にそんな印象を抱いた。
「余り彼を困らせるな。魔法界にも逆転時計(タイムターナー)という道具があるが……
馴染みのない彼等には信じがたい話だろう。そして、君とオールマイトは初対面で信頼を勝ち取れていない」
それ故に彼(オールマイト)に君こそが次代の象徴であると信じてもらうには。
英雄として功績を示さねばならない。君がこの事件の解決に貢献すればおのずと彼も認める。
だから焦る必要はない。先ずは目の前の脅威だ。
グリンデルバルドは淀みなく、ダークマイトへそう告げた。
「………なるほど、分かっているじゃあないかグリンデルバルド!
次は俺である事は既に決まっているのだから、小物の様に焦る必要はないッ!」
「そう言う事だ。では、ここからは話を変えて───本題に入ってもいいかね?」
本題を語ろうとするグリンデルバルドに対し。
右京らは小さく頷き、ダークマイトは滅茶苦茶デカい声で勿論だと返答する。
それを確認してから……グリンデルバルドは本題へと入った。
即ち、数時間前にダークマイトらを襲った危険人物───ダース・シディアスについて。
「私と合流する前の話で一部詳細に詳しくない部分はあるが……
まず、私の隣にいるダークマイトと、彼と行動を共にしていた虎杖、イリヤという少女が奴に襲われた」
虎杖と言う名前に乙骨が反応を見せたのを、順を追って話すと宥めつつ。
シディアスは心を読み、卓抜とした剣技と凄まじい雷撃で彼を追い詰めたそうだ。
そう言ってグリンデルバルドがダークマイトに視線を送ると、得心がいった様にダークマイトが進み出る。
そんな彼をよくよく観察してみれば、言葉の通り電撃を受けた様な痕が見て取れた。
リヒテンベルク図形と呼ばれる、不運にも落雷を受けた者の皮膚に現れる様な模様だ。
「そしてG-8の地区にはシディアスによって殺されたと思わしき男女の遺体もあった。
もし本当か疑わしい場合は見に行ってみるのもいい。そして、これは私の所感となるが……」
グリンデルバルドは、一呼吸をおいて。
その遺体からは強力な闇の魔術の気配を感じた。
私の経験則から言えば、闇の魔術を扱う者には狡猾な者が多い。
他人に化け敵対組織に混乱をもたらしたり、不都合な記憶を消去し証拠を隠滅したりな。
そうグリンデルバルドは告げる。
「失礼ですが、グリンデルバルドさんは魔法使いなのですか?」
「あぁ、君達マグルには信じられないかもしれないが、私は魔法使いだ」
言葉と共にグリンデルバルドが杖を一振りする。
するとオールマイトとブラックサバスの戦闘で倒れた机や、割れたグラスなどが片付けられていくではないか。
いやぁ、ここには本物の超能力者や魔法使いがいるのですねぇ。
心中でしみじみと再確認しながら右京は頷き、本物の魔法使いにお会いできて嬉しく思いますと告げる。
だがその直後に彼が放ったのは、梯子を外すような言葉だった。
「大変興味深いお話でしたが……
そのシディアスという老人が危険であると断じるにはいささか信憑性に欠けますねぇ」
右京は真っ先にシディアスがダークマイトらを襲った証拠がないことを指摘した。
ここまで語られたのはグリンデルバルドからの一方的な情報であり、真実かどうかを裏付ける物はない。
実際にシディアスが危険であるかどうかは会って見なければ分からないと彼は主張する。
「……私はそこの乙骨の友人の虎杖とも交流があるし、
傍らのダークマイトの雷撃を受けた痕は既に見せたと思うが、それでも信じられないと?」
「えぇ、生憎私は虎杖君と面識はありませんし、証拠がない以上は虎杖君がいたとしても鵜呑みにはできません。
あぁ、ついでに言えば貴方の魔法使いとしての魔法も、貴方の人格を保証する担保にはなりえません」
(なんだ…杉下は何を言っている?)
右京が口にしたグリンデルバルドへの言葉に、ルルーシュは眉をひそめる。
確かに一方的な意見では危険人物かどうか分からない、という主張そのものはもっともであるが。
そうだとしても否定材料もない以上真っ向から食ってかかる必要はない。信じるかどうかは別にしても、だ。
右京の主張では、シュラのように現行犯でなければ危険人物として警戒しないと言っている様な物だ。
余りにもお花畑というか、無防備に過ぎる。本気で言っているなら賢しらぶっておいて玉城以上の馬鹿だ。
「善意で伝えている我がサイドキックの好意を袖にする、と…?私は哀しいねぇ…」
「私は構わない、ダークマイト。彼の言う事ももっともではある」
ダークマイトは嫌味を飛ばし、グリンデルバルドも抑えてはいるが面白くなさそうだ。
こんな、あえて相手の気分を害する様な真似をしてどうするのか。
ルルーシュが右京の真意に思考を巡らせる間にも、状況は進む。
「もっと言えば、貴方方こそ命の授業を肯定し、シディアスさんに襲い掛かった可能性もあります。
そこで返り討ちに遭い、報復としてシディアスさんに汚名を着せようとしている…無いとは言えませんねぇ」
「杉下右京、それは我がサイドキックに対する愚弄かね?」
右京の言葉にダークマイトは不快感を露わにし、今にも右京に飛び掛かりそうだ。
だが、それよりも早く。
グリンデルバルドは先んじて右京に問いかけた。何故かと。何故自分の言葉にここまで食ってかかるのか、と。
「理由はお話しした通り、シディアスさんの犯行を裏付ける証拠がない事、そしてもう一つ」
襲われて未だ彷徨っているというイリヤさんに対する心配が、二人に一切見られなかった事です。
憤るダークマイトにも臆さず、グリンデルバルドの冷徹な瞳にも動じず。
杉下右京は、きっぱりとグリンデルバルドにそう宣言した。
そしてそのまま睨み合うように無言で視線を交わらせ、暫しの間その場を静寂が支配する。
「………私の支給品で確認したが、リーニエと優子の二人はG-8地区の近辺にいるだろう
虎杖も近辺で別れたから、運が良ければ周辺を探せばそのまま合流できるかもしれんな」
静寂を先に破ったのは、グリンデルバルドだった。
当初右京らが最も求めていた情報を提供し、席を立つと。
ダークマイトが呆気に取られているのも気に留めず、そのままグリンデルバルドはファミレスの外へ歩いて行く。
「……グリンデルバルド、いいのか?言わせておいて」
「私はイリヤという少女に会っていないし、君もそれどころではなかったが……
それでも右京の言う通り、我々は少女に対する配慮が足りなかった面はあるだろう」
それ故に信用を得られなかったのであれば仕方ない。
話はここまでだ。グリンデルバルドは淡々とダークマイトに告げると。
釈然としない様子で追従するダークマイトに目もくれず、右京らの前から去ろうとする。
そんな彼の背中に、右京は待ってくださいと呼び止めた。
「もう一つだけ、よろしいですか?」
さっき迄の突き放すような雰囲気など無かったかのように。
右京は、あっけらかんとした態度でグリンデルバルドに問いかける。
対するグリンデルバルドも踵を返し、何かねと尋ね返す。
まるで、呼び止められるのを待っていたかのようだった。
「解せないんですよねぇ、ここまで言われれば一つは言い返してもいいでしょう。
それにシディアスさんが人の心読める様な能力があるなら、私達から貴方の情報は洩れます。
それなのに貴方にはそれを気に掛ける様子が無かった、一歩間違えば敵ばかり増える状況を看過した」
「…………すまないが、話が見えないな右京。つまり君は何が言いたい?
きみの言う通り私がシディアスの悪評を撒こうとして、それが失敗したからそそくさと去ろうとしている。それだけの話ではないか」
「シディアスさん達の悪評を撒きたいのであれば、一切反論もせず去ろうとするのは潔すぎて些か不自然です。
それに貴方方は此方が切りだす前にリーニエさん達の事を口にした。ある程度我々のやりとりを聞いた上で話を組み立てる時間があった。
それなのに証拠がないからと、その程度の反論に対する準備もなく此方に話を持ち掛けてきたとは、私にはどうしても思えない」
ここからは私の推測になるのですが……貴方は何か私達を試しているのではないでしょうか。
最初の情報交換の持ち掛け方、ダークマイトさんへの接し方、シディアスさんの力についての情報の具体性を見た上で、
私には貴方が当然発生するであろう疑念にも反論できない方には見えないのですよねぇ。
故に貴方の言葉の裏…真意を読んで別の目的があるかどうか見抜けるかを試したのではないか……
もう少し踏み込むと、貴方が危険視しているシディアスさんへの対抗馬として相応しいか見極めようとした。
いささか飛躍しているかもしれませんが、それが僕の見解です。
「もし違うなら違うと言って貰って結構です。
ついでなので言いますが、貴方が今この命の授業に肯定派であるとは考えていませんから」
ただ、細かい事が気になってしまうのが僕の悪い癖。
悪戯っぽく微笑を浮かべ、杉下右京はゲラート・グリンデルバルドに告げた。
グリンデルバルドは応えない。感情の読めない無表情、無言のままオッドアイを右京の瞳に向けて。
彼が口の端を俄かに釣り上げ返答を行ったのは、数拍の呼吸を置いてからだった。
「………正解だ、右京。君達に奴の開心術に対する対抗策を授けよう」
◆
────憂太憂太本憂グリ太憂太憂に太憂太憂太憂太憂太憂太信憂太憂太て憂太憂太憂太ゆうたぁッッッ!!!
視界を埋め尽くす名前。
あるいはしばし何も聞こえなくなるのではないか錯覚するほどの音量での呼びかけ。
妄執にも似た愛の力によって、グリンデルバルドは読み取ろうとした乙骨憂太の心から弾きだされる。
「ユニークな開心術の抵抗の仕方だな…使役している幽霊(ゴースト)と魂を共有しているのか?」
「リカちゃんは術式を通して僕と繋がってますから、僕が小さな声で喋ってる隣で大声をあげて聞き取りにくくする感じですかね」
「なるほど……存外女たらしの様だな、君は」
「失礼だな、純愛ですよ」
閉心術(オクルメンス)。心の内を暴く開心術(レジリメンス)の最大の対抗手段。
それをごく僅かな時間で、乙骨憂太は形にしていた。我流ではあるが。
完全に習得できた訳では無い。だが、彼に憑りついている幽霊の力を加味すれば十分実用的。
元より閉心術は開心術に大幅に優位性がある。例え実力が大幅に離れている者でも。
閉心術を完璧に修めた者はその心の内を隠し通す事が可能なのだ。
優れた閉心術使いは偽証の心象風景すら構築可能になるが、彼が数日かければその域に恐らく手が届く。
(虎杖もだが、惜しいな…それだけの才がありながら、恐らくは私の思想に賛同し得ないのは)
その彼にわざわざ新しいカードを与えるのは、グリンデルバルドにとって些かリスキーではあるが。
これによって彼等から得られる信頼を考えれば悪いトレードではない。
幽霊の力を借りているとタネが分かっていれば、乙骨一人に集中して情報を得られない事もないし。
開心術は基本的に相手と瞳を合わせる必要があるので、戦闘時には余り実用的ではないのだ。
いざ事を構える事になった際でも弱い手札であれば、ここで切って信頼を稼ぐ事に使う。
それがグリンデルバルドの決定だった。
「………君については閉心術は必要ないな。
四人、五人……七人、か……?とにかく複数の人間が君の内側を守っている。心当たりは?」
「………あぁ、詳細は話せないが。私の"個性"の影響だろう」
───ダメだ。君に伝える訳にはいかない。
乙骨から視線を移した先に佇む、オールマイトと名乗った男と視線を交わらせたのち、
開心術を使うと、流れ込んできたのはそんな声だった。
他にも複数人の意志が混ざり合って混線しており、オールマイトの思考が読み取れない。
戦闘時に読み取ろうとするなどもっての外だ。よって彼は必要ないと判断した。
よって、残るは二人。ここからが問題だ。
───撃っていいのは、撃たれる覚悟のある者だけだ。違うか、グリンデルバルド。
閉心術は基本的に魔法使い族の技術だ。近い力を持ち、類まれな才覚の乙骨ですら完全な習得はできなかった。
そして何某かの特別な力を持ってはいるがグリンデルバルドや乙骨とは力の質が更に異なるルルーシュと。
そもそも何の力も有していない正真正銘ただのマグルである杉下が開心術に対抗しようと思えば。
取れる手段は一つしかない。より強力な精神干渉で精神に蓋をする。
即ち、つい先程私がダークマイトに取った手と同じ。
服従の呪文(インペリオ)による精神操作をおいて他にない。
「………道理だな」
その方法を開示した時、当然ながら呪文を受ける事となる二人だけでなく。
乙骨やオールマイトらも難色を示した。乙骨など今にも刀に手を伸ばすのではないか。
そう思わせる眼光をしていたが、無理もないだろう。
一歩間違えれば、生殺与奪権を握られるのだから。逡巡は当然だ。
そう、当然であるにも関わらず……杉下もルルーシュも、グリンデルバルドの提案を飲んだ。
ただし、服従魔法をかけられる前にグリンデルバルドに絶対遵守のギアスによって命令を行うと。
つまり、互いに刃を向け合って安全を確保するという訳だ。
「こちらも条件が二つある、一つは私に下す命令は「この後自分たちに命令を行うな」という物に限ること。
もう一つはもし君が契約を不履行した時の用心に、ダークマイトを命令するときに同席させること」
これは私の安全保障のために譲れない。
その代わり、もし不安であればオールマイトか乙骨か…好きな方を1人同席させて構わない。
グリンデルバルドがルルーシュらにそう告げると、ルルーシュが指名したのは乙骨だった。
乙骨であればもし何らかの裏道で命令を行われた場合でも、彼の能力で解除できるのは既に確認済み。
そしてこれは、グリンデルバルドには伝えていない。本当に彼が約束を守る気であるなら、教える必要がないから。
最悪グリンデルバルドが信用ならない人物だと分かれば、その時点で乙骨に解除させる。
(リスクを完全に排除できる訳ではないが…
乙骨やオールマイトならともかく、目の前のこの男がわざわざ俺と杉下を従える為にそこまでリスクを犯す理由がない)
何しろ、自分がまずギアスの支配下に置かれるのだ。
そうまでして手に入るのが戦力とは呼べないルルーシュと杉下では全く割に合わない。
読心のギアスユーザーには覚えがある。奴(マオ)にはかなり手を焼かされた。そしてここにスザクはいない。
それ故に、対策ができるのであればそれに越したことはない。ルルーシュはその結論に至った。
「では、早速始めましょう。リーニエさん達を早く迎えに行かなければなりませんから」
杉下が音頭を取り、オールマイトと共に足早にファミレスのスタッフルームへと移動する。
残ったのは乙骨とダークマイト。乙骨はルルーシュとグリンデルバルドの側面に立ち。
ダークマイトはルルーシュの背後に控え、相対する二人を腕を組んで見守る。
「分かっているとは思うが、我がサイドキックとの盟約を破る事のないように……少年よ」
ダークマイトのくぎを刺すような言葉に、短く「あぁ」とだけ答えたのち。
ルルーシュは横目で乙骨を見る。乙骨はルルーシュに何かを危惧しているような視線を向けていた。
恐らくはルルーシュが洗脳されるか否か、という懸念よりも。
彼が少し前に言っていたルルーシュが呪力を制御できるのか、という点を懸念しているのだろう。
乙骨の視線に対しルルーシュは返答を返さず、しかし目くばせを行った。「分かっている」と。
元よりルルーシュがグリンデルバルドに対し名乗りを上げたのは、己のギアスの状態を確かめるためでもあったのだから。
最悪グリンデルバルドがギアスの暴走などで死んでもルルーシュの懐は痛まない。
「さて…行くぞ、グリンデルバルド」
「あぁ」
ルルーシュの確認の言葉に対し、グリンデルバルドが神妙な態度で頷く。
彼の瞳には焦燥や逡巡のようなものは感じ取れない。
ただ、凍土のように硬く冷徹な意思が静かに輝いていた。それを確認すると。
ルルーシュは己の瞳にCCから刻まれた魔人の象徴を励起させ命じる。
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる───ゲラート・グリンデルバルドよ、今後俺たちに命令を下す事を禁じる」
シュラの時とは違う。
冷静に感情を制御した上でのギアスの発動。
狂いなく命令(コード)が下され、グリンデルバルドの瞳に絶対遵守のギアスが刻まれる。
「……成功です」
乙骨が油断なく、呪力の流れを確認しその場にいる者たちに報告を行う。
今回はルルーシュの精神が落ち着いていた影響だろう。感じ取った呪力の流れは安定していた。
しかしダークマイトは報告を聞いても無駄に大きい声で、大丈夫かグリンデルバルド!と声をかけるが、
グリンデルバルドの返答は簡潔だった。問題ない、と杖を取り出しつつ言う。
「……では、今度は此方の番だな」
◆
乙骨が言うには確かに術式はその効果を発揮しているとの事だったが。
特に何かが変わった様子はない。マオとの戦いで自身にギアスを行使した事があったが、その時と同じだ。
主観的には何かが変わったようには感じない。事実乙骨からはグリンデルバルドは契約を履行したとの事だった。
「いやはや、人生何が起きるか分からないものです、
まさか本物の魔法使いを目にして、あまつさえ自身の身で魔法を体験する事になるとは、ふふっ」
同じく魔法をかけられた右京にも変化はない。
というより何故だか嬉しそうで、見る者が見れば目の前の男は第一印象より能天気なのかと思うだろう。
直後に、奇妙な首飾りを付けたオールマイトが進み出ていなければ。
「もし何か異変を感じれば言ってくれ。杉下さんから預かっているこの首飾りを使う」
「一度解除してしまうとまたグリンデルバルドさんにかけてもらう必要があるでしょうし、今のところは問題ありません」
オールマイトが首からかけた首飾りは、聖騎士の首飾りというらしい。
曰く、使用すると擬態を見破り、呪いを解除する効果があるそうだ。
オールマイトの反応速度であれば、何某かの命令をグリンデルバルドが口にした場合でも先んじて解除できる。
ギアスや乙骨の他にも保険を用意した上で、杉下は承諾していたのだ。そこについては抜かりなかった。
もっとも、思想についてはグリンデルバルドに非常に耳の痛い指摘を受けていたが。
────残念だが、我々は一緒にいない方が良いだろうな。
魔法の行使が終わってから、右京と僅かばかりの会話を行い。
残念だが、杉下やオールマイトの思想には賛同できない。君達も私に背中を預けるのは難しいだろう。
グリンデルバルドはそう告げ、右京達の前から去る事を選んだ。
引き留める事も考えたが、グリンデルバルドの顔を見れば選択を曲げるのは難しい事が見て取れた。
元よりリーニエたちを一刻も早く保護しに行かなければならないため、問答に時間をかけるわけにもいかない。
それ故に、右京らはグリンデルバルドとダークマイトを見送った。
────君の信念は立派だが、ここは戦場で今は戦時だ。故に儚く脆く……幼稚で夢想じみた綺麗ごとだ。
────これでも私の帰りを待つ同志もいる立場だ。その信念に、私は背中を預けることはできない。
グリンデルバルドは誰も殺さず、犯人を捕縛するつもりだという右京のスタンスをそう評した。
非現実的だと。自分たちは降りかかる火の粉は払うと、突き放すような声色ではっきりと言い切ったのだ。
そんなグリンデルバルドの酷評に対し、先んじてオールマイトが声をあげた。
────綺麗ごと結構!その綺麗事に命をかけるのがヒーローの仕事だ!
────ヒーローが夢を語らなければ…誰が理想を現実にするんだ!?
弱く衰えたトゥルーフォームから、マッスルフォームへと戻り。
グリンデルバルドの冷淡な言葉に対し、オールマイトは毅然とした態度で言葉を返した。
それに遅れて、右京も背筋を伸ばして己の立ち位置を淀みなく述べる。
────貴方の目には私は単なる夢想家で、滑稽に映るかもしれません。
────だが元より正義を貫くことは覚悟を必要とするもの。
────例え滑稽に映ったとしても譲るつもりはありません。その夢想に全てを賭ける、覚悟の上です。
どれだけお題目を並べた所で、実際に右京の手の届かないところで人は死んでいる。
既に26名の尊い人命が失われた。これからも失われていくだろう。
元より厳しい戦いだ。何かを勝ち取れるかなんてわからない。
それでも杉下右京は訴える。誰かの死を前提とした授業など過ちで、正されるべきだと。
どれだけ残酷な現実が横たわろうと膝を折る事だけはしない。命ある限り戦い続ける。
売られた喧嘩は必ず買うのが杉下右京の流儀なのだから。
────しかし遺憾な事にこの地で僕にできる事は多くない。だからこそ…貴方にもご協力を願いたいのです。
その言葉の後に、右京は神妙な面持ちで頭を下げた。
今しがた自分の意志を酷評した相手を、真っすぐと見据えた上で。
引け目も、怒りも感じさせない要請をグリンデルバルドに行ったのだ。
だが、グリンデルバルドはただ、黙ったまま首を横に振った。
────やはり君とは相いれないな、私は。
────夢はいつも人を裏切るものだ。直ぐに限界は来る。
その言葉だけを残し、頭を下げ続ける右京を尻目にグリンデルバルドは身を翻し。
ダークマイトも右京を無視して続き、今度こそ二人はファミレスを後にしようとする。
その前に右京は頭をあげ、二人が去る前に言葉を投げかけた。
───降りかかる火の粉は払う。えぇ、それは正当防衛でしょう。
───しかし…だとしても、法を無視した制裁を与える犯罪者にならぬよう…ゆめゆめ心してください。
かつての、僕の相棒のように。という言葉は飲み込む
しかしグリンデルバルドの瞳を見ていると…何故だか右京はかつての相棒の一人に近い…危険な光を感じていた。
もう少し余裕があれば、多少無理にでも引き留めたのだが。
とは言え、シディアスという男を彼が危険視していることと。
こちらに提供してきた対策法についてはそのまま素直に受け取ってもいいだろう。
「今はリーニエさん達の保護を優先しましょう。それでグリンデルバルドさん達の信頼度も測れます」
「そうですね、グリンデルバルドさんの話では虎杖君も近くにいるみたいですし」
右京の示した方針に、乙骨が相槌を打つ。
グリンデルバルドらが去った直後、指輪を嵌めた乙骨が試しに『呪言』を試みてみたが。
ルルーシュ、右京共に呪言の影響を跳ねのけてみせた。
グリンデルバルドがかけた魔法の効果に虚偽や韜晦などはないと見て良いだろう。
今は彼らを敵ではないと判断し、リーニエ達の情報も虚偽ではない前提で動く。
元よりグリンデルバルド以外の手がかりはないのだ。であれば刑事は足で稼ぐもの。
ここからは右京らも行動を開始する。
────グリンデルバルドさんの言葉の通り、彼女達が無事であればよいのですが。
その最中、杞憂であることを願いつつ。
右京は一つの可能性を懸念していた。
グリンデルバルドの話から推測できる行動範囲は、シディアスの推定行動範囲と被っている。
つまり、シディアスがグリンデルバルドの推測の通り狡猾な男であるなら───
リーニエ達と既に接触している可能性がある。一刻も早く保護しなければと使命感を強く燃やす。
……そんな彼も、まさか件のシディアスが幼い少女の姿を取っている事までは予想できなかった。
【F-6 ファミレス店内/朝/1日目】
【ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:重傷(治療済み、小康状態)、精神的消耗(大)、呪力の萌芽、服従魔法(被・空命令状態)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:ナナリーの仇を必ず討つ。
1:シュラの死に様を必ず見届ける。
2:呪力とギアス発動の関係、感情制御について模索する。
3:オールマイトと杉下への強い憤り。しかし……
[備考]
※制御不能の呪力が溢れ、ギアスの使用が制限されています。
※最低でもギアスによる即死、服従の命令は不可能ですが、永続とは限りません。
※精神的に落ち着いた状況であれば、ギアスの使用が可能です。制限については前話までのものを準拠します。
※服従魔法にかかりました。読心と精神干渉をシャットアウトしています。
※命令が行われていない空命令状態ですが、服従魔法をかけた本人以外の命令を受け付けません。
【オールマイト(八木俊典)@僕のヒーローアカデミア】
[状態]:右腕のダメージ(小)、全身のダメージ(小)、トゥルーフォーム
[装備]:懐中電灯、聖騎士の首飾り@HUNTER×HUNTER
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2
[思考]主催を全員捕縛して、この殺し合いを終わらせる。
1:黒い人影(『ブラック・サバス』)に連れ去られた優子とリーニエを救出する。
2:杉下・乙骨との協力体制を継続する。
3:ルルーシュの復讐を止め、十字傷の男(シュラ)を無力化して捕縛する。
4:カイドウは必ず倒し、止めて見せる。
5:グリンデルバルドの言葉を完全に信じた訳では無いが、シディアスという参加者は警戒しておく。
[備考]
※参戦時期は1巻、緑谷に能力移譲前から。
※OFAの歴代継承者により、読心や精神干渉がシャットアウトされています。
【乙骨憂太@呪術廻戦】
[状態]:全身にダメージ(小)
[装備]:和道一文字@ONE PIECE
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2、ナナリー・ランペルージュの遺体(リカに格納)
[思考]主催を倒し、この殺し合いを終わらせる。
1:黒い人影(『ブラック・サバス』)に連れ去られた優子とリーニエを救出する。
2:優子や戦えない者達を守る。
3:ルルーシュとの復讐代行の契約を果たす。
4:ルルーシュの体内に呪物が仕込まれている可能性考慮。
5:近辺にいるなら、虎杖との合流を急ぐべきか……?
6:カイドウは必ず倒す。
[備考]
※参戦時期は25巻、人外魔境新宿決戦直前。
※我流ですが、閉心術を習得しました。読心が難しくなっています。
【杉下右京@相棒】
[状態]:健康、服従魔法(被・空命令状態)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2
[思考]:ゲームの主催者を必ず逮捕する。
1:今はリーニエさん達の保護を優先しましょう。死体の検分もしたいためG-8に向かいます。
2:オールマイトへの信頼を胸に、協力体制を維持する。
3:島内の構造、地理を把握し、他の参加者と可能な限り協力体制を築く。
4:参加者は誰も殺さず、誰も殺させない。
5:ルルーシュの復讐を止め、十字傷の男(シュラ)を必ず逮捕する。
6:グリンデルバルドさんは提供してくれた情報については信用できるでしょう。しかし……
※服従魔法にかかりました。読心と精神干渉をシャットアウトしています。
※命令が行われていない空命令状態ですが、服従魔法をかけた本人以外の命令を受け付けません。
※オールマイト達は以下の三つの情報をグリンデルバルドから伝えられていません。
- リーニエ達がシディアスと一緒にいること。
- リーニエが既にシディアスに懐柔されていること。
- シディアスが老人の姿ではなく、イリヤの姿をとっていること。
ファミレスを発ってから数分後。
テナントが入っているビルディングが見えなくなった所で、ダークマイトは問いかけた。
無言で前を歩くグリンデルバルドに対して、オールマイトらと行動を共にしなくてよかったのか、と。
「あぁ、構わん。彼等と共に行動すれば必然的に我らの存在がシディアスに露見する事になる。
それに……言っただろう。私も命を狙われている身だ。私がいれば、逆にシディアスに利する事になりかねん」
「あの右京とか言う男はジジイの正体を見破れると思うかね?」
「条件は五分に近づけた。その為の道具もあったようだし、正体を暴く所までは辿り着いて欲しいものだな。
あの一団に潜伏され、シディアスに安穏と力を温存されたり一方的な勝利を収められるのは望む所ではない」
グリンデルバルドにとって一番避けたかったのは、あの集団にシディアスが紛れ込み、
そのまま数時間以上あの一団に潜伏される事だ。
例えマーダーに襲われてもオールマイトや乙骨が対応できてしまう。
とは言えマーダーに襲撃されれば相応に消耗する。
そしてその消耗した二人をシディアスが襲うような独り勝ちの状況にはさせない。
その為にグリンデルバルドはシディアスに時間を与えず、時間が味方しない状況を作った。
(……あの杉下右京という男が、或いは台風の眼になるかもな)
あの杉下右京という男であれば、イリヤに化けたシディアスの正体に気づく可能性は低くない。
そしてポリジュース薬による擬態を破り、証拠となる可能性のあるアイテムも持っている事は推測できた。
裏切られた時の為に何某かの対応策がなければ、精神操作などまず受ける気にならないだろう。
「だが、オールマイトらが圧勝してもそれはそれで問題だ。
奴らの思想は相いれん毒だ。この先必ず我らの障害となる」
だから、グリンデルバルドは三つの情報をオールマイトらに伏せた。
リーニエらの姿を確認した時点では知らなかったと言っても辻褄は合う情報を。
一つ目は、彼等が探すリーニエらがシディアスと一緒にいること。
二つ目は、リーニエが既にシディアスの軍門に下り傀儡となっていること。
三つ目は、シディアスが老人の姿ではなく、少女の姿をとっていること。
一緒にいるのは偶然ではあったが、2人の少女という庇護対象の居場所で接触を促し、
同エリアにあったシディアスが殺害した二人の死体を検分させ、危険人物であるという印象を確たる物とさせる。
その上で、シディアスが付け入る隙も残す。
そちらの方が、結果的に邪魔な二勢力の激突を煽る事ができると踏んだ。
最低でも、オールマイトらにシディアスが敵である事を認識させたい。
その為には、シディアスを余り不利にしすぎて卓に着く前に損切りで逃げられては困るのだ。
勝ち筋を残して盤面に上がって貰う必要がある。
特に角を生やしたリーニエという少女が既にシディアス側である事は彼らにとってアキレス腱になりうる。
戦闘では一方的な勝利にはなりえないだろうが、
だが何かシディアスが他に目標があるならそれを達成する可能性は低くない。
「どちらが勝利を収めるにしても戦闘になれば抵抗は激しいものとなるだろう。
できることなら、シディアスにはあの右京という男は始末してもらいたい」
シディアスを追い詰める駒としては有用だが、あの男はマグルながらキレるようだ。
それでいて思想はグリンデルバルドと決して相いれず、懐柔もまず不可能だろう。
できればシディアスと共に消えて貰いたい。それがグリンデルバルドの本音だった。
「……あぁ、この話は君にとっては面白くない話だったか、ダークマイト」
と、そこで余りこう言った話はダークマイトの前ですべきではないかと思い至る。
ダークマイトがオールマイトの信奉者である事は既に明らかだ。
そのオールマイトを障害などと形容すればダークマイトは面白くないだろう。
そう思っていたのだが、ダークマイトの表情は相変わらずのスマイルだった。
「案ずるなグリンデルバルド。俺はオールマイトと並びたいのではない……
オールマイトを超えたいのだ!!彼は先代として目標だが同時に超えるべき壁でもある。
最後にはあのオールマイトをも倒し、次は…俺だ!と言う事を証明して見せよう」
若人よ、旧態に縋ることなかれ……。
陶酔した表情で自分に都合のいい言葉を並べるダークマイトに冷めた目を向けながら。
まぁそれならそれで言いくるめる必要がなくて丁度良いかと、言わせておくこととした。
場合によっては、右京の思想に同調するオールマイトも消さなければならない。
その時にダークマイトが戦う事に躊躇しない方が間違いなく都合は良いのだ。
「………正直なところ、君はオールマイトの所に残るというと思っていたよ」
インペリオの効果は強力だが、完全ではない。
オールマイトへの入れ込みやシディアスへの敵意を鑑みれば、オールマイトの元に残りシディアスを叩き潰す。
そうダークマイトが宣ってもおかしくないとグリンデルバルドは見ていた。
だが、グリンデルバルドの口に出た問いかけに対しダークマイトは首を横に振るう。
「勿論オールマイトと肩を並べて戦う…もう叶わぬと思っていた夢だ。
だが、今言った通り私にとって彼は本質的な所では超えるべき男だし、それに────」
───君には俺の力が必要だろう?
白く並びのいい歯を並べて、ダークマイトは笑いながら言った。
自分に対する自信に満ち満ちたドヤ顔。輝かんばかりだった。
「まずはヴォルデモートという…君の命を狙っているクソヴィランを粛清する。
心配せずともオールマイトは敗けない、クソ爺も一度はこの私を退けたのだ。逃げ延びるだろう」
であれば焦る必要はない。リベンジの機会もオールマイトとの共闘の機会も次でよい。
今はそれよりも……我がサイドキックの為にひと肌脱ごうではないか。
大仰に、恩着せがましい言い方だったが、それでもきっと善意10割で。
ダークマイトは自らがグリンデルバルドに着く事を選んだ理由を述べた。
「そうだな……感謝するよ、ダークマイト」
その時のグリンデルバルドの言葉は、珍しく本心からの物だった。
それには彼が生来持つ、魔法使いとしての能力に起因する。
ごく限定的で、己の未来限定ではあるが。未来を見通す力が彼の両眼にはあるのだ。
そしてダークマイトを従えてからすぐ、彼は一つの未来を見た。
────殺すがいい、ヴォルデモート。私は死を歓迎する!
────しかし私の死が、お前の求めるものをもたらすわけではない…
────お前の理解していないことが、何と多いことか……!
それは、未来のグリンデルバルドが辿る筈だった道程。
名簿にも載っているヴォルデモートという強力な闇の魔法使いに殺される未来だ。
今この未来を見たという事は、つまり。
名簿に載っているヴォルデモートもまた、自身の命を狙っている可能性が高い。
相対すれば激突は避けられない……そんな予感をグリンデルバルドは感じていた。
オールマイトらの前を去ったのも、ヴォルデモート介入の可能性を下げるためでもある。
(私の思想に賛同できそうな、強力な魔法使いを殺したくはないが、
だが………交渉の余地がなければその時は雌雄を決し、始末するまで)
むざむざと殺されるつもりはない。
しかし相手方が引くつもりがないのであれば、受けて立つ。
近く来る未来を見据えればダークマイトの存在は非常に有難いと言わざるをえなかった。
勝ってもただでは済まない…そう思わせられれば、講和の芽も出てくるだろう。
「慈善事業はここまでだ。
厄介な者達への対策も急務だが、並行して主催に反抗的ではない姿勢も示さねばならん
恐らく、参加者間の顔が割れてくる次の放送では死者のペースは大きく下がる」
邪魔な相手への対策も重要だが、脱出の手がかりを得るまでは命の授業に反抗的ではない。
というポーズも示さなければならないだろう。もし殺し合いが停滞した場合……
カンフル剤として見せしめを行う、即ち首輪の爆破を主催が行う可能性は楽観視できない。
そのため、少しでも主催の介入からのターゲットに選ばれる可能性を下げておくべきだ。
当初の計画通りシディアスへの悪評の拡散と、今のうちに1人2人間引きを行い、椅子を確保しておく。
「あぁ、任せておけグリンデルバルド!
………ところで、映像のシディアスの姿だが、あれは問題ないのかね?
元のイリヤの状況を考えれば、襲われた直後であのイカれた姿をしている理由を誤魔化せるのか些か気になるが」
「それは知らん。それで疑いを持たれれば奴自身の趣味の問題だ」
「……………だな!」
【F-5 図書館前/朝/1日目】
【ゲラート・グリンデルバルド@ハリーポッターシリーズ】
[状態]:疲労(小)、魔力消費(中)、閉心術、ギアス発動中『自分(ルルーシュ)と杉下に命令を行うな』
[装備]:ダンブルドアの杖@ファンタスティック・ビーストシリーズ
[道具]:基本支給品一式×2(グリンデルバルド、フィン)、ステイルのラミネートルーンカード@とある魔術の禁書目録、
ビブルカード(シディアス)の紙片@ONE PIECE、ビブルカード@ONE PIECE、フィンの不明支給品0~2、ローズ、フィンの首輪、遠見の鏡@ゼロの使い魔
[思考]:生還し、マグルの世界を焼き尽くす。
1:手段は優勝か脱出か問わないが、自分に迎合しないものは殺す。
2:マグルとは手を結ぶことはない。あるのは支配のみ。
3:ダークマイトを駒に邪魔になる者は消す。シディアスの様な強者も対立を煽り力を削いでおきたい。
4:服従の呪文は消費の割に効果が落ちているらしい。効果を限定し間に合わせたがあまり頼れない。
※参戦時期は『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』終了時点。
※その為容姿はジョニデ グリンデルバルドです。
※即死魔法、姿くらまし、服従魔法などを筆頭に一部の魔法の消費魔力、精神力が多大なものとなっています。
※閉心術により読心、暗黒面の精神干渉をシャットアウトしています。
※服従の呪文の効果範囲が低下しています。相手が受け入れた状態で使用しても命令をごく限定する必要があります。
※相手が抵抗の意志を持った状態で服従の呪文を使用した場合無条件でレジストされます。また受け入れた場合でも自殺の命令は無意識に拒否されます。
※エリアの境目に結界が張られており、音や意識、闇の力の流出を抑制しているのに気づきました。
【ダークマイト(バルド・ゴリーニ)@僕のヒーローアカデミア】
[状態]:全身火傷(治癒済み)、服従の魔法(被)、グリンデルバルドへの実家の様な安心感
[装備]:金の指輪と沢山の金貨@僕のヒーローアカデミア、賢者の石@鋼の錬金術師、神武解@呪術廻戦
[道具]:基本支給品一式
[思考]オールマイトの意思を継ぎ、グリンデルバルドと共に俺が平和の象徴になる。
1:───世界よ、もう大丈夫!俺が帰って来たッ!
2:グリンデルバルドと共に、老いぼれ雷ジジイを粛清するための手駒を集める。
3:自分とグリンデルバルドに楯突く者は始末する。ただし始末に動くのはグリンデルバルドの合図のあと。
4:雷ジジイの悪評を撒く。
[備考]
※参戦時期はダークマイトを名乗ってからです。
※服従の魔法の強力な精神干渉により読心、暗黒面の精神干渉をシャットアウトしています。
※『自信を取り戻すこと』、『グリンデルバルドの言葉を信頼すること』、『合図したら指示した者を始末すること』を命じられています。
※上記3つの命令履行時以外は大体いつものノリです。
【遠見の鏡@ゼロの使い魔】
フィンに支給。
トリステイン学園長が保有する鏡で、監視カメラの様に遠くの景色を視る事ができる。
鏡に映った人物には全く感知されないが、鏡なので音声は拾えない。
本ロワでは各放送間に一度周辺1エリアの様子を確認する事ができる。
【聖騎士の首飾り@HUNTER×HUNTER】
杉下右京に支給。
身に着けていると呪いを跳ね返し、また擬態効果を解除できる首飾り。
ただし、本ロワでは制限により余りに強力な呪いは反射できず、無効化・軽減に留まる。
最終更新:2026年10月25日 20:55