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『操作系は早い者勝ち』






<< Yuji Itadori -百折不撓の術師- >>

電撃と変なレーザー剣で焼かれた痛みを必死に堪えて。
必死に反転術式で体を治す。
宿儺との戦いに備えた一か月の修行の間で、覚えておいて本当に良かった。
でなきゃ、あのレーザーで斬られた時に内臓まで焼かれて終わってたかもしれない。
だけど、実戦で反転術式を使ったのは今回が初めてだ。慣れてないお陰で呪力の消耗も馬鹿にならない。
こっから下手すっと、呪力が回復するまで呪力なしでさっきのジジイみたいな相手とやり合わないといけないかもしれない。
それに……

「何なんだ…あのヴィランの爺は…この俺が……何故………」

ダークマイトって名乗った自称ヒーローのおっさんは、まだ心ここにあらずって状態だ。
反転術式が使える俺と違って、電撃の傷もまだ治ってない。
それに何より…酷く怯えてる。震えてるのは、見ただけで分かった。
言ったら錯乱して襲い掛かってきそうだから言わないけど。
くそ…乙骨先輩や家入さんみたいに、俺も反転アウトプットができればな。
そう思っても、当然突然できるようになったりはしなかった。

(どうするか………)

あんな電撃爺がうろついてる状況で、イリヤは一人逃げてる。
楽観できる状況じゃねぇし、一刻も早く助けに行きたい。
だけど…それは横で転がってるおっさんを見捨てるのと同じだ。
とても今すぐ動ける状態には見えない。

「じゃあどうするんだよ…!どうしろってんだよ………!」

現状、俺一人じゃ手詰まりだ。
だけど、俺の支給品には傷を治せる道具なんて入ってなかった。
脇に捨てられてたダークマイトのおっさんのデイパックもこっそり見てみたけど、やっぱりない。
高専の知り合いが偶然近くにいるなんて都合のいいことも…多分ない。
だから、俺一人の力で何とかしないといけないのに────
そんな風に、考えが堂々巡りになってた時だった。

───ヴァルネラ・サネントゥール<<傷よ癒えよ>>

「か……体が………」

声を上げたのは、ダークマイトのおっさんだった。
不思議そうに、ムキムキの自分の体や両手を確かめてる。
何だ?と思った次の瞬間には、俺も異変に気付いた。
ダークマイトのおっさんの火傷を負った肌が治っていた。まるで反転術式みたいに。
そして、今俺たちがいるビルの陰の傍からこつりと足音が響く。
すわあの電撃爺かと思って身構えたけど───現れたのは違う男だった。
俺たち二人とも、呆然と現れた男を見つめる。
金の髪に、左右で違う色の目をした、こちらに杖を向けてくる男────

「安心したまえ。私は君たちの敵ではない」

ゲラート・グリンデルバルド。
現れた男は、俺たちにそう名乗った。



<< Dark Maito -The Golden New Age- >>

現れた男は、どうやら本当に俺の敵ではない様子だった。
でなければ雷ジジイのヴィランの攻撃で傷ついた俺の体を癒したりはしないだろう。
あの爺の電撃で体が治ると共に、幾らか……落ち着きを取り戻した。
さっきの無様な醜態は、違う。新時代の象徴である俺に起きていいはずがない。
あれは…単なる偶然という名の不条理なのだ。決して、俺があの爺の力に劣っているハズがない。
そんな事はあり得てはいけない……ッ!
そう自分に言い聞かせている間に、この島で最初に出会ったボーイが何やら沸いて出た男と話をしていた。
いつ、あの雷爺が現れるか分からぬ状況で……ッ

「……なるほど、道理で闇の魔術の気配が満ちていると思ったわけだ。
であれば今のところは心配せずともよい。そのローブの男…シディアスはこの近くにはいないだろう」

今は、まだ。
腕を組みながら、ボーイと私の前に現れた男…グリンデルバルドははっきりとそう言った。
その言葉を受けて、何故言い切れるとボーイが問う。

「先ほどこの近くで君たちと同じく電撃を受けてこと切れた死体を二つ見つけた。
支給品と首輪を拝借する最中検分を行ったが…感じた力の気配は、君達から感じた電撃の物と同一だった。
……非常に強力な力だっただけに、覚えるのは難しくない。その襲撃者の老人が力を抑えたとしても……」

私であれば察知できる。
再び疑いようの余地がない力強さで、グリンデルバルドは私たちにそう語った。
ただし今闇雲に先ほど分かれた、生き残る価値の薄そうな幼女を闇雲に探せば鉢合わせる可能性は高いとも。
………ッ!冗談、ではない……ッ!!

「虎杖、残念だが私はその少女を探す手伝いは直接は協力してやれない。
見ず知らずのマグルの少女のために、そのシディアスという老人と鉢合わせるリスクは背負えない」
「それは……ッ!そうかもしれないけど…でもアンタはあのジジイの居場所が分かるんだろ……ッ!!」
「確かにそうだが、我々が今いる場所が悪い」

今自分達がいる場所は南東端。
そしてグリンデルバルドは東端から来たようだが、イリヤは見ていないという。
であれば、イリヤが逃走したと思われるのは西の方角だろう。
そして東の果てにいる自分達が西に向かうという事は、必然的に居場所が分かってもシディアスと鉢合わせる可能性は上がり……と言う訳だった。

「私は元の世界に帰ってやらねばならんことがある。ここで死ぬ訳にはいかない」

ギラリ、眼光を鋭く輝かせながらグリンデルバルドの宣言が響く。
先代や私程ではないが、その瞳には強い意志が感じられた。
青いボーイにはこの男の決定を覆すことは出来んだろう。そう確信させる瞳だった。
にも拘らず、ボーイが食い下がった。小さな女の子より優先される事とは何か、と。

「私や、君たちのような力のある者が力のない者を適切に統治する…本来あるべき正しい形に世界を変える」

揺るぎのない、力強い声だった。
一刻も早く、あの雷爺が来るやもしれぬこの場所から離れたい。
そんな俺の焦れた苛立ちすら一時退ける力強さだった。

「ただ数が多いだけの才なき者に、才ある者が脅かされてはならない。
無力なものを皆殺しにしろとはいわない。無力なものなりの価値があるからだ。
だが……そのために我々のような特別な力の持ち主が身を危うくするのは私の信条に反する」

大義のためならば命を捧げるのもやぶさかではない。
しかし、マグルの為に命を危うくするのは私を信じた同志たちへの裏切りだ。
故に応じることはできない。
君達は見た所魔法使いではない様子だが…それでも何某かの特別な力を感じる。
であれば、できることなら私は君達にも己の身を第一に考えてほしい。
歌うように滑らかに、命じるように力強く。
グリンデルバルドはこちらにそう訴えてくる。

「…アンタの選民思想じみた話はともかく、自分の事を大事にしろって本心から言ってるのは何となくわかるよ。でも、それは無理だ」

ボーイの返答は冷淡で如何にも聞く耳を持っていない声だった。
そんな彼の真意をグリンデルバルドは問う。
何故、容姿と名前程度しか知らぬ子どもの事をそこまで気に掛けると。

「………俺は少し前に、絶対に許されないことをやった。とても償いきれない失敗を。
でも、そんな俺にも……大事な生徒だって、弟だって、仲間だって言ってくれる人たちがいる」

───許されると思ってはない。でも、俺の事を仲間だって言ってくれる人達に応える。
───だから、俺は生きてる限り人を助ける。例え死ぬかもしれないとしても。
───俺は、俺たちは呪術師だから。
ボーイは、迷うことなくグリンデルバルドにそう告げた。
それを目の当たりにして、私に沸いたのは苛立ちと当惑だ。
……何故だ、こいつは何故……ッ!
何故あの電撃爺のヴィランを恐れていない。何故今もそんな目をしていられる。
何故今も……拳を握ることができるのだ……!

「……決意は固いようだな。ならば止めまい。だが────」
「……ッ!!いい加減にしろ!貴様らいつまでくだらない問答をやっている!!」

悠長にしているうちに、またあの電撃爺が襲ってくるやもしれぬのに。
焦りから、私は追い立てられるようにそう叫んでいた。
早く、一刻も早くここから離れねばならない。それ以上に今優先されることは今ないはずだ。
そう訴えた。

「……酷く、闇の力の影響を受けている様だな、君は」

グリンデルバルドの、左右で色の違う目がゆっくりと此方に向けられる。
かけられたその声は平坦で、一切の感情を俺に伝えてこない。
畏怖も、憧憬も、敵意も、友誼も、羨望も、落胆も、何もかも。
ただ…あえてその瞳に感情を見出だすなら。
それはきっと────憐れみだろう。

「貴様……まさか、私を憐れんでいるのか……!?」
「いいや、だが私の眼には君は酷く怯えている様に映ったのは事実だ」

かけられた言葉に、全身の血液が沸騰しそうになる。
殺す。殺してやる。次世代の象徴として、俺が怯えているなどと……ッ!
断じてそんな風評を広められる訳にはいかん……!
口を封じなければ。その一心で拳を握ろうとした、その時だった。
グリンデルバルドの右の指先が、私の手に向けられているのに気づく。

「震えているぞ」

その言葉に、バッと視線を手に向ける。
グリンデルバルドの言う通り……俺の手は小刻みに、しかしはっきりと分かるほど震えていた。
慌てて手を抑える。だがもう無かった事にはできない。

「おっさん……」

先ほど一緒に戦ったボーイが、短く声を漏らす。
そこに籠められていたのは、落胆か、憐れみか……
こんなことは、おかしい。この俺に…この次の時代の象徴であるダークマイトに向けられていい視線でも声でもない。
ダークマイトが向けられるべき凡夫達からの感情は、喝采と畏怖だけでなければならないのに……!

「だッ…黙れ……ッ!貴様はあのジジイのことを知らないからそんな態度でいられるんだ!」

堪らず、叫んでいた。
叫ばずにはいられなかった。
本来の俺であれば、こんな視線や態度で接してきた相手はすぐさま捻じ伏せ、黙らせてきた。
ゴリーニファミリーの先代のボス……父親すらこの双肩で黙らせたのだ。
だが…あの雷ジジイの……シディアスの雷光を見てから……俺は…………

「そうだ……あの、あの無限のパワーを見たら、貴様だって────」
「無限の力など存在しない」

……は?
グリンデルバルドの言葉を耳にして思わず、惚けた声が漏れる。
泰然とした態度で、両手を翼の様に広げてグリンデルバルドは語った。
まるで、演説の様に。

「本当に無限の力であれば───君達は私に出会う前に焦げた肉片に変わっていた」

俺達の生存こそ。
ダース・シディアスが述べた無限の力が偽りである事の証明に他ならない。
それがグリンデルバルドの見立てであり、その事実は酷く俺を動揺させた。
本当に……そうなのか?あのジジイは俺を欺いていたのか?
……いや、あの時のジジイの態度はむしろ怒りに満ちており、ハッタリなどを言っているように見えなかった。
そう反論しようとしたが、それよりも早くグリンデルバルドは芝居がかった調子で俺達に語った。

「いや、そうだな。それよりも……実は私も持っているんだ。無限のパワーとやらを」
「……ッ!戯けた事を……!」

いい加減、この男を黙らせてやる。
未だ手を蝕む震えをもう片方の手で握り締める事で強引に止め、グリンデルバルドを黙らせようとする。
だが目の前の男は俺の敵意など涼しい顔で受け止め。
そして何かの杖を顔の前に掲げると、妙な呪文を唱え始める。
同時に、奴のデイパックから膨大な数のカードが現れ、周囲に展開した。

───世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ(MTWOTFFTOIIGOIIOF)
───それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり(IIBOLAIIAOE)
───それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり(IIMHAIIBOD)
───その名は炎、その役は剣(IINFIIMS)
───顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ(ICRMMBGP)


──────魔女狩りの王(イノケンティウス)──────


グリンデルバルドが、そう唱えると共に。
あの男の背後に、燃え盛るマグマの様な炎の巨人が姿を現す。
炎は逆巻き、凄まじい熱量で目の前に立つ俺達の肌を舐めた。

「………試しに攻撃してみたまえ。私の口にした言葉が嘘ではない事を証明して見せよう」

───私はシディアスではない。怯えずともよいのだ。
にやりと笑ってグリンデルバルドは言う。挑発である事は一目見ただけで感じ取れた。
上等だ……ッ!このまま我が象徴の力で叩き潰してやる……
散々言いたい放題言ってくれた落とし前を付けさせてやろうッ!

「おい、よせよおっさん……」
「ボーイは黙って見ていろ!ダークマイト伝説───その一節をな!」

個性"錬金"を発動。ボーイを邪魔をするなと遠方まで殴り飛ばし、
人間の数倍の大きさを誇る黄金を錬成し、グリンデルバルドを狙う。
潰れろ、潰えろ、己の脆弱さを知り、私にひれ伏すがいい!

「これがァ!象徴の力ァアアアアア────ッ!!!」

黄金の拳が、業火の巨人を打ち据える。
凄まじい熱に拳が溶けるが構うものか、屈服するまで打ち据えてやる。
自らに言い聞かせるように全力で個性を駆動させ、炎の巨人に突きのラッシュを見舞っていく。
巨人は反応する事も出来ない。ただサンドバッグにされるのみだ。
そうだ、これだ。これこそ次世代の象徴。これが俺だ。ダークマイトだ。
こうでなくてはいけない。ダークマイトは、いつだって相手を圧倒的な力で捻じ伏せなければならない。
だが、

(なのに……何故………)

黄金の拳一発一発は確かに炎の巨人を穿っている。
肩を貫き、腹の熱風を吹き飛ばし、頭を抉ってすらいる。それなのに。
それなのに炎の巨人は斃れない。無限に再生し、巨人の背後に立つグリンデルバルドには一発も拳は届かない。
まるで陽炎を相手にしている様な、そんな徒労すら感じるラッシュである事を、俺の理性は理解し始めていた。
熱風で歪んだ景色の先で、グリンデルバルドが嗤う。
そして奴はまた杖を掲げて。

────プロテゴ・ディアボリカ(悪魔の護り)

奴が身体を一回転させるのに合わせて、魔法陣の様な黒い炎の輪が生み出される。
炎の巨人の紅蓮の身体と黒く青白く光る二種の炎は混ざり合い、更に勢いを増す。
凄まじい熱風だ。炎を浴びていないのに瞼を開けていられない。不死身の巨人が生み出す爆風に黄金が押し返される。
くそ…何故だ……!何故、何故、何故何故何故何故何故なぜなぜなぜなぜなぜなんだ……ッ!
この俺の力は……!先代やAFOすら超える、比類なきものだった筈だ。なのに、どうして……!
どうして蝋燭のひとゆらのような炎一つ消し飛ばせない………!
オオオオオォオオオオオオォオオオオオ────!

「怯え過ぎだ、勝てる戦いもそれでは勝てん」

背後から、声が響く。
声に反応し硬直した1秒後、トン、と。背中を小突かれた。
背筋が凍り付く感覚に支配され、操られる様に背後を振り向かされる。
すると、そこには。
杖を此方に突き出した、グリンデルバルドが立っていた。
俺の身体と比べれば小枝に等しい杖だったが、今の俺にとってそれは大砲の砲門より"死"を予感させるものだった。
負けた。誰に言われるでもなく俺自身がそう認めて、がくりと膝をつく。
そんな俺に対し、グリンデルバルドは、

「………このままでは話が出来んな」

言葉と共に杖を空に滑らせる。
直後、奴の回りに夥しい数の…防水加工が施された何かのカードが宙を舞うのが見えた。
杖の動きに従うように、高速でカード群はグリンデルバルドのデイパックに収まっていく。
最後の一枚が収まると共に、俺の前に立ちふさがっていた炎の巨人に異変が起きる。
まるで本当に陽炎だったかのように……痕跡すら残さず、俺の前から消え失せて見せたのだ。



「炎の巨人の本体は今しがた見せたカードだ。君は、湖面に映った月を必死に叩いていたのだよ」



老人の言う無限のパワーも同じ。決して侮れない、強力無比な相手ではあるのだろう。
しかし私が今しがた見せた、確かに君にとって不死身に映ったであろう魔女狩りの王のように───タネのある奇跡だ。
グリンデルバルドは堂々たる態度と力強い声で……俺にそう言い切った。
頭の中を、殴られたような衝撃が走る。だがそれは不快な物では無かった。
俺を蝕んでいた……恐怖。そう、恐怖の二文字を明確に遠ざける物だったのだから。

「私の話を聞いてくれる気になったかね」

グリンデルバルドが、私に尋ねてくる。
俺を見下ろして尋ねるなど、普段なら許す筈もないが。
だが、その時不思議と怒りは湧かなかった。
ただ、奴の左右で色の違う瞳に魅入られて。
気づけば、無言のまま………奴の問いに頷いていた。

「よろしい、では君をまた少し安心させてやろう。その持っている宝石を少し私に貸せ」



<< Gellert Grindelwald -For the Greater Good- >>


腹の底に突き抜けていく様な感覚を感じながら、再び世界に降りたつ。
短期間のうちに姿現しの二度目の使用は本来であれば避けたい消耗ではあったが、出会った男の支給品で消耗の課題は一先ず解決を見た。
もっとも、だからと言って考えなしに連発する様な真似は避けねばならない。
今回は相対すれば危険な相手がいたこと、そして進める選択肢の少ない会場の端だった事に起因する使用だ。

「うおっ……すげえ……憂憂の術式みたいだ………」

共に姿現しを行った虎杖が感嘆の声を上げる。
……余り情報を交換できてはいないものの、彼は魔法使いとは違う存在であるらしい。
彼は呪術師なる存在で、通っているのもマホウトコロではなく呪術高専という教育機関であるらしかった。
とは言え姿現しに近い力を有している者を知っている彼が、我々魔法使いと同じく特別な力を持っている事に疑いはない。
もう一人の男、ダークマイトもまた魔法使いではない様子だが、個性と言う特別かつ強力な力を持っている事が窺えた。
果たして彼等を魔法使いと同じ存在として考えてよいものかは考えたが、マグルと違い現状進んで敵対する動機も薄い。
そして先ほど見つけた二つの死体…強力な闇の魔術を扱うと見られる下手人から彼らは生き残ったという。

「さて、虎杖。そのイリヤという娘を探すというなら、これを持っていくと良い」

本来ならば、出会うと共に満身創痍の彼らを殺しても良かった。
だが、ダース・シディアスという強力な電撃を操る危険人物を追い詰めるための手駒は多い方が良い。
それが腕の立つ二人であればなおさらだ。故に彼等に協力する姿勢を私は選んだ。
その方針の元、胸元から一枚の紙を千切り、虎杖に手渡す。
打ち捨てられた二つの死体。そこに残った強力な闇の魔術の残滓に浸し、私の魔法で調整した紙片。
本来であればもっと違うやり方で作るらしいが、私が手を加えた事で一先ず形になった。

「ビブルカードという紙だ。シディアスの力の残滓を籠めてあるから、これで大まかな居場所の方角は把握できるだろう」
「あ、あぁ……ありがとう。グリンデルバルド」
「気にするな。私としても若く力のある存在が無為に命を散らすのは望むところではない」

シディアスと言う存在は私にとってもリスクではある。
だが同時に、優勝を目指す方向に舵を切る場合シディアスという老人には是非とも他の参加者を殺して回って欲しい。
シディアスと他の参加者の対立を深めるのに、虎杖や同時に襲われたイリヤという少女の存在はうってつけだ。
利用しない手はない。だからこそサポートを行う。

「ついでにこれも持っていけ。少女を探すのに同行できない手打ちだ」

言葉と共に、並んで死んでいた二人から回収したデイパックの片割れを虎杖に投げて寄越す。
支給品をタダで渡す、というのは私にとってもそれなりに大きなリスクではあるが。
虎杖の信用を得て、既にサイトという少年を襲ったうえで逃がしている失態を補う投資だと思えばよい。
この命の授業に肯定的な存在として悪評を広められるのは、できればこの局面では避けたい。

「………サンキューな、グリンデルバルド」
「礼は不要だ、私は私なりの思惑に従って力を貸している。
………さぁもういけ。あのダークマイトという男は私が面倒を見よう」

もたもたしていれば間に合わなくなるぞ。
そう促すと、虎杖は僅かにこれまで同行していた男に視線を送る。
未だ挫折に打ちひしがれているという様相に"した"男を連れまわし、当てもなく少女を探すのは難しいと判断したのだろう。
加えてダークマイト本人も、イリヤと言う少女を探すことに乗り気ではなかった。
逡巡も長くは続かず、やがて虎杖は決意を固めた様に頷いた。

「あぁ…それとそのシディアスという老人だが……動きが読まれていたといったな。
恐らく読心術の類の力を使ったのだろう。アズカバン……監獄の看守などが好んで使う手だ」
「そう言う魔法もあんの?」
「まともに戦えば熟練の閉心術使いでなければまず魔法が当たらず対抗できん。
或いは、結界術で物理的に逃げ場をなくすかだが…どちらも難しい。ビブルカードが反応したら直ぐ逃げる事だ」
「……領域内で発動した、付与された術式は────」

俯いて何かを呟く虎杖。
しかし最後まで言い切ることなく、私に礼だけ述べて。
身を翻し、駆けて行こうとする。
だが数歩駆けたところで、彼はもう一度此方に向き直り。

「グリンデルバルド、アンタには色々世話になったから、言っておこうと思うんだけどさ…………
例え力が無くても…役割なんて何も持てなくても、食ってクソして寝るだけでも、病気で寝たきりでも……
自分の人生が誰とも繋がらなくて何も残らなかったとしても、その人を形作る小さな記憶の欠片がどこかに漂っているだけで…
それだけで人の命に価値はあるんだと俺は思う。だから…できればアンタにも、力がない人たちのことを価値がないって振舞ってほしくはない」
「………繰り返すが、私は力なき者に価値を見ていない訳でも、根絶を目指している訳でも無い」
「うん、それは何となく分かる。でも一応、アンタにも知っておいてほしかった」

ただ世界をあるべき形に…魔法使いの支配という形に嚮導する。
愛する者と誓い合った日から、私の中にあるのはそれだけだ。
決断の血は私が流す。賛同しない魔法使いもマグルも何人殺そうと構わない。
心中で口にしたその言葉を、当然虎杖には告げなかった。
だが、虎杖はやはり私の思想の賛同者には成りえないらしい、彼の言葉に私に対する敵意はないが。
それでも彼の瞳からは一度も私の思想に対する肯定的な感情は見いだせない。
彼の瞳は……袂を分かった後のアルバスに少し似ていた。

「それじゃあ行くよ。じゃあな、グリンデルバルド……死ぬなよ」
「君もな。それとサイトという少年と顔を合わせたら伝えておいてくれ、あれは不幸な行き違いだったと。
……そうだな、折角だ。私の方からも最後に一つ言っておくが、私は強者(きみたち)の敵ではない。それだけは誓おう」


【D-8/早朝/1日目】
【虎杖悠仁@呪術廻戦】
[状態]:呪力消費(中)、疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式×2(虎杖、ローズ)、ランダム支給品2~6、ビブルカード(シディアス)の紙片@ONE PIECE
[思考]人を助ける。
1:イリヤを探す。
2:グリンデルバルドは…取り合えず現状敵ではないって思いたい。
3:ただあのおっさんを預けたのは良かったのか……
[備考]
※参戦時期は入れ替え修行後、人外魔境新宿決戦直前です。
※反転術式と簡易領域を習得しています。
※領域展開は現状使用不能です。



"君"の味方である、とは言わなかった。
無言で頷いて駆けて行く虎杖を見て、やはり殺しておくべきだったかと少し考えるが。
彼は言うなれば付属品。本命ではない。
ここで生かした事が役立てば儲けものというくらいで丁度よいだろう。
そう結論付けて、意識を虎杖からここに残ったもう一人の男に切り替える前にもう一度だけ虎杖の言葉を反芻する。

「生きているだけで、人の命には価値がある、か」

そうなのだろう。
彼の言葉を否定はしない。
だが、その上で抱く感情はたった一つ。


「だから、なんだ」


全ての命を尊べるほどこの世界は寛容にできていない、そう呟き。
虎杖の姿が見えなくなって暫く経ってからようやく、この場に残ったもう一人に向き直る。
疑心を抱きつつ、雛鳥の如く私を見つめてくる自称次世代の象徴の男に。

「此処に残ったという事は、私に何か頼みたい事があるのかね?」
「さっき、私がお前の言う闇の魔術とやらの影響を強く受けていると言ったな」
「そうだ、虎杖の様に耐性のあるものもいるが……影響を受けるかどうかは個人差も大きい、故に恥じる事はない」
「…その影響を解決する方法を貴様は知っている。そうだろう!」

剣呑な雰囲気を出しながら問いただしてくるダークマイトの顔を見て、餌に食いついたと確信する。
このために派手なパフォーマンスを行い、虎杖を生かすのを良しとしたのだ。
今にも教えろと締め上げてきそうなダークマイトに対し、ギリギリまで焦らす様に間を開けてから返事を返す。
今彼を蝕んでいる恐怖から解放される方法を。

「………………ッ!それ、は……………」

ダークマイトの顔が曇る。無理もないだろう。
私が提示した方法は二つ。強い意志の力で抗するか。
あるいは、より強い精神に作用する魔法で上書きするかの二つに一つ。
前者は個人の資質が大きく影響し、更に一朝一夕で身に着けられるものではない。
それが可能であれば、既に彼は自分自身で胸中の恐怖を打ち破っているだろう。

「デボラがいれば、いや、彼女の個性では…………」

どうやら精神に干渉する力の持ち主に心当たりがあったらしい。
彼の操る個性という力は実に興味深い。後で話を詳しく聞きたい所ではあるが、ここは置いておく。
重要なのは、彼のみでは闇の力に抗する術を持たないということに他ならないのだから。
だから私は笑みを浮かべ、彼に残った道を持ち掛ける。

「どうすれば良いか、ここに残った時点で君はもう分かっているだろう」
「………っ」

言葉に詰まるダークマイトを見て、自分の見立てが正しかった事を再確認する。
虎杖に同行せず、ここに残った時点で彼の心の奥底では既に答えが出ている。
僅かな逡巡で踏ん切りがついていないだけなのだ。
ならば、恐怖からの解放というリスクからの逃避したい欲求ではなく。
独善的な使命感……承認欲求に訴えてやればいい。
幸いにして彼が自己顕示欲の塊である事はここまでの言動で見抜く事は難しくなかった。

「戻りたくはないか。怖れを知らぬ英雄であった頃の君に。解放されたくはないか、今の君の胸を締め付ける恐怖に」

それとも、
恐怖に震え、座して死を待つのが君の望みか?
顔は合わせぬまますれ違うようにダークマイトの隣に立ち、問いかける。
顔を見ずとも、彼の瞳が揺れているのは容易に想像がついた。

「生ある限り敗北は終わりではない。最後に勝利するための準備期間だ。私とてそうだった」

ニュート・スキャマンダーとの一騎打ちで不意を突かれ、アズカバンに収監され。
それでも直ぐに再起し、マグルとの戦争の準備を整えた。
生ある限り、意志が折れぬ限り……敗北は終焉には成りえない。それを彼に訴える。

「……そうだ。オールマイトも…どんな窮地に立たされても、力の殆どを喪ってからも……最後には勝利して見せた」

効果は覿面だった。
傲慢な彼にも目指す者はいたらしい。
うわ言の様に声を上げるダークマイトに向けて、囁く様に私は告げる。
───私に、任せたまえ。



「大丈夫だダークマイト………君は、英雄になれる」



言葉と共に、杖をゆっくりと胸の前まで掲げる。
そして横目でダークマイトを見れば、既に彼は此方に向き直っていた。
恐怖を祓う禁断の知恵の実である私の杖を前にして、既に男の瞳に迷いは宿っていなかった。
恐怖から解放されたかったのか。それとも英雄として本気で再起の為の手段として受け入れたのか。
それは分からない。ただ、ハッキリしている事が一つ。
彼は、私の提案を受け入れたという事だ。
故に私は彼の眼前に杖を差し出し、唱える。



────────インペリオ<<服従せよ>>────────



□


□



────ッ、
禁じられた3つの呪文のうちの一つ。
それを唱えると、無視できない精神の消耗が私を襲った。
やはり、姿現し、姿くらまし、アダバケダブラと並んでこの呪文は消耗が桁違いだ。
それらの魔法と違い維持する消費を考えれば、例えダークマイトに支給された石を考慮に入れても多用できる状態ではない。
その事実を認識しながら───私はダークマイトに命令を発する。
自信を取り戻せ。私の事を信頼せよ。私が合図したら参加者を始末しろ、と。効果は直ぐに現れた。


────フフッ、フッ!ハハハハハハハハハハハァッ!!!


より強い精神干渉で、彼の心を蝕んでいた闇の力を上書きする。
試みはどうやら上手くいったらしい。今のダークマイトの瞳には真実恐れは宿っていなかった。
出会った時からずっと怯えを宿していた本来の彼が、戻って来たという事だろう。

「─────世界よ、もう大丈夫!何故かって?」

調子が戻った途端喧しい男だ。
本来なら服従の呪文を使えばここまで自己主張することはまずないのだが…
どうやら呪文の効力そのものが大幅に引き下げられているらしい。
とは言え、これで手駒を一つ手に入れたと言えるだろう。
死の呪いの消耗は普段とは比べ物にならぬ程増し、ニワトコの杖で振るえばパリ一つ飲み込む事も可能な悪魔の護りの効果も減退している。
そんな状況下で、生き残るには手駒を得る事が必要だった。


「この俺が!オールマイトすら超える新たなる時代の象徴、ダークマイトが帰って来たッ!!!」


快哉を叫ぶと共に、ダークマイトは個性とやらを発動したらしい。
巨大な黄金の拳が空中に現れ、近くに立っていた民家を一発で粉砕する。
その威力は、私と戦った時より確実に増していた。

「ありがとうグリンデルバルド!我がサイドキックよ!!」
「………あぁ、恐怖がなくなったのなら何よりだ。私の魔法の影響下であれば読心も通じない。
もしこの後シディアスに出くわしたとしても、今度はもう少し競れる戦いができるだろう」

彼は恐らく、シディアスという老人と出会った時から闇の力に気圧され平時の力を発揮できていなかった。
また読心対策もないとなれば、それではまともな戦いになるはずもない。
そこで私のより精神操作に特化した服従の魔法で、畏怖による能力の低下と読心をシャットアウトする。
試しに開心術を使ってみるが、服従の魔法の効果で弾かれた。
服従の魔法が赦されざる魔法として数えられる一端に、間違いなくこの特性も影響しているだろう。
服従の魔法の影響下にある人間は、例え読心魔法を使ったとしても意図を読み取れない。
捕えられた闇の魔法使いの中には、昔からそれで罪を逃れる者が一定数存在する。

「よし!であれば早速あの老いぼれにリターンマッチを────」
「待てダークマイト。それはまだいい」
「…ほう、聡明なる我がサイドキックよ、それは何故かね」
「悪竜は名を挙げさせてから討ってこそ、羨望を集めるからだ」

放って置いたら猪のように突撃して返り討ちに遭いかねない男に先回りして釘を刺す。
その内容も、自己顕示欲が服を着て歩いているこの男好みのものにした上でだ。
狙い通りダークマイトは腕組みをして得心がいったという顔を浮かべ、納得した様子だった。

「成程……無名の新人(ルーキー)を叩き潰すより、名の売れたヴィランを粛清してこその象徴と言うわけか!」
「あぁ、それに奴の能力を一つ対策したと言っても、君と虎杖を圧倒した剣術と電撃は未だ脅威。
私と君だけでなく、シディアスに敵対する戦力は幾らあっても困らん。これは君にとっては少し不服な提案かもしれんがな」
「そんな事はないぞ!幾らヒーローが雁首を揃えようと、私が最も活躍しあの老いぼれの首を取ればよいのだから!!」

……前向きで何よりだ。
とにかく、電撃で焼き殺された二人や虎杖たちの証言からシディアスという老人は積極的に他の参加者を襲うスタンスであるらしい。
であれば幾ら強力であっても問題はない。だが、万が一…怒りのままに暴れるだけの愚者でなかった場合が問題だ。
闇の魔術を扱う物は狡猾な者が多い。サラザール・スリザリンなどの様に強力な者ならばなおさらだ。
優勝を目指すにしても、脱出を目指すにしても、残滓でありながらあれだけの力を感じた老人に雌伏され、力を温存されては厄介。
できる限り、他の参加者と対立してもらい力を削いでおきたい。奴が参加者を減らせば、もし優勝を目指す場合でも有利に働く。
そこでもう一つ、シディアスと他の参加者の対立を煽る試みを行う。

「ダークマイト、君の力で黄金の柱をここに立ててくれるか?大きさは君と同じくらいでいい」
「…構わんが、これでいいの………ッ!?」

黄金を生み出すのに気を取られた彼の隙をついて、杖を振るう。
すると僅かなうめき声と共に、彼のマスクに異変が現れる。
ボコボコと収縮する違和感に顔を抑えるダークマイトだったが、十秒程で違和感は終息を迎えた。
そして落ち着いた彼に、黄金に映る自分の姿を見てみ給えと声をかける。

「これは……あの老いぼれの………!」
「君の記憶を読み取って再現したが、どうやら実物と遜色ないようだな。長時間は保たないのに加えて、似た服も入手しておきたいがね」

私の変身術であれば、ポリジュース薬などなくとも顔を似せるのは造作もない。
私自身がグレイブスに化けた時とは違いそう長くは維持できないが。
さらにここでもう一押し、丁度死体の支給品から得た魔法の武器…いや、虎杖が言っていた呪具か。
奇妙な形の短剣の様な、装飾品の様な形状のそれを渡せば、一先ず完成だ。
怪訝な顔を浮かべるダークマイトに手渡した呪具を念じながら振って見ろと指示する。
すると次の瞬間、ダークマイトの握る短剣の様な呪具から辺り一帯を飲みこむ紫電が迸った。
その後2度、3度と振り回させ、感触を確かめさせてから伝える。私が何を求めているかを。

「役に立たぬ者、我々に敵意を抱いている者、この命の授業に積極的な者、そう言った者が現れれば───」
「老いぼれの顔とこの雷撃で力なき無能や我々に楯突く愚か者を粛清しろと言う事だな!」
「そうだ、シディアスの脅威が広まれば広まるほどそれを討った時君の功績も輝きを増し、
もし失敗したとしても汚名はシディアスが全て背負う事となる。だがこの授業に積極的な強者は無理に相手をせず、敵意を煽るだけでいい」

元からこの命の授業に積極的な強者はシディアスに対して敵意を煽っておくだけで襲撃することに変化はないからだ。
雑魚は必要ない。強力な闇の力に屈服し、下手をすれば懐柔される恐れすらある。
精々潰しあってくれれば面倒がないし、戦いを煽るこの試みは我々がこの命の授業にとって有益な参加者である事を主催に示す事にもつながる。
もし殺し合いが停滞したとしても、反抗的な参加者として見せしめに首輪を爆破される憂き目にあう可能性は下がるだろう。
優勝か、脱出か。方針は未だ結論を出した訳ではないが、何か脱出の手がかりを得るまでは逆らう選択肢は取らない。
今のうちに足を引っ張りそうな弱者やあのサイトとか言う少年はできれば間引いておきたい思いもある。それ故の措置。

何のことはない。役に立たぬ弱者や邪魔者は消し、汚名は危険人物に被って貰うというだけの話だ。
恐らくこのゲームに否定的な者同士を潰し合わせても本来お互いに敵意がないため、一度対話されればそれで終わり。上手くいく見込みは低いが。
ゲームに元々乗っている者を公共の敵(パブリック・エネミー)にする方向なら成功する見込みは低くない。その点でシディアスは丁度良い。
もし真相を暴かれたとしても、凶悪な殺人者を追い詰めるために必要な措置だったともいえる。
既に生きていればイリヤと言う少女や虎杖と言う実際に襲われた参加者がいるのだから。
優勝を目指す場合も凶悪な殺人者(マーダー)に敵対する者という立ち位置は利用できる…背後から邪魔な参加者を一掃する際にもだ。

(唯一の懸念は敵意を集める事で逆に彼の者の力が増してしまう事だが…それもこの島に張ってある結界で効果は限定されるだろう)

既にこの島の各地…地図の区切りごとに結界が張ってあるのは調査済み。
その影響で音や意識が外のエリアに届きにくくなっているが。
私が死体から感じた闇の力の影響を抑制する効果もある事も感じ取れた。
恐らくは、殺し合いという環境下で闇の力が際限なく増大し、影響が無作為に広がりすぎる事や、
私やシディアスのような闇の力を扱う特定の参加者が有利になりすぎるのを避けるための措置だろう。
負の情念こそ、闇の魔術を扱う者にとって一番の力の源となるのだから。
そして結界そのものに手を加えようとすれば首輪から警告を発せられたため、敵意を集める事による影響は限定される事が窺えた。

「ただその変身術は長くは保たない。解ければ都度かけなおす必要がある。
何時でもシディアスの姿を騙れるわけではない以上、始末するかどうかは私が判断する」
「ふむ、襲撃しない場合はどうする?」
「穏便に情報収集だ。我々の首輪を外せる可能性は可能な限り模索したい」
「承知した!まぁ任せておけグリンデルバルド!我々に楯突く愚者やヴィラン共、旧態に縋る者を叩き潰し、ファミリーと共に新時代を築こうではないか!」

…こちらの話を聞いているのかいないのか。
レべリオ<<現れよ>>の魔法で一度ダークマイトの顔に戻したのち。
彼に肩を叩かれながら考える。
共に新時代を……か。残念だがそれはできないな。
………別に頂点でなくともよかったと思っていたのは事実だ。
元々私の目指す世界は私独りの理想から始まった訳では無い。
だが、私が共に理想を叶えたかった相手は別にいる。君ではない。

頂点ではなく、愛する者と並んで正しき世界を見たかった。
血の契りを交わしたあの日から。
私の胸にあるのはその思いだけであり、それが叶わなくなってからも───
私は進む。命ある限り。ただより大きな善のために進み続ける。
その為なら、何を踏み躙ろうと構いはしない。
………そう、アルバス。
私は叶うなら……変わった後の世界を、君と共に見たかった。



【C-7/早朝/1日目】
【ゲラート・グリンデルバルド@ハリーポッターシリーズ】
[状態]:疲労(小)、魔力消費(中)、閉心術
[装備]:ダンブルドアの杖@ファンタスティック・ビーストシリーズ
[道具]:基本支給品一式×2(グリンデルバルド、フィン)、ステイルのラミネートルーンカード@とある魔術の禁書目録、
ビブルカード(シディアス)の紙片@ONE PIECE、ビブルカード@ONE PIECE、フィンの不明支給品0~2、ローズ、フィンの首輪
[思考]:生還し、マグルの世界を焼き尽くす。
1:手段は優勝か脱出か問わないが、自分に迎合しないものは殺す。
2:マグルとは手を結ぶことはない。あるのは支配のみ。
3:ダークマイトを駒に邪魔になる者は消す。シディアスの様な強者も対立を煽り力を削いでおきたい。
4:服従の呪文は消費の割に効果が落ちているらしい。効果を限定し間に合わせたがあまり頼れない。
※参戦時期は『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』終了時点。
※その為容姿はジョニデグリンデルバルドです。
※即死魔法、姿くらまし、服従魔法などを筆頭に一部の魔法の消費魔力、精神力が多大なものとなっています。
※閉心術により読心、暗黒面の精神干渉をシャットアウトしています。
※服従の呪文の効果範囲が低下しています。相手が受け入れた状態で使用しても命令をごく限定する必要があります。
※相手が抵抗の意志を持った状態で服従の呪文を使用した場合無条件でレジストされます。また受け入れた場合でも自殺の命令は無意識に拒否されます。
※エリアの境目に結界が張られており、音や意識、闇の力の流出を抑制しているのに気づきました。

【ダークマイト(バルド・ゴリーニ)@僕のヒーローアカデミア】
[状態]:全身火傷(治癒済み)、服従の魔法(被)、グリンデルバルドへの実家の様な安心感
[装備]:金の指輪と沢山の金貨@僕のヒーローアカデミア、賢者の石@鋼の錬金術師、神武解@呪術廻戦
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~1
[思考]オールマイトの意思を継ぎ、グリンデルバルドと共に俺が平和の象徴になる。
1:───世界よ、もう大丈夫!俺が帰って来たッ!
2:グリンデルバルドと共に、老いぼれ雷ジジイを粛清するための手駒を集める。
3:自分とグリンデルバルドに楯突く者は始末する。ただし始末に動くのはグリンデルバルドの合図のあと。
4:雷ジジイの悪評を撒く。
[備考]
※参戦時期はダークマイトを名乗ってからです。
※服従の魔法の強力な精神干渉により読心、暗黒面の精神干渉をシャットアウトしています。
※『自信を取り戻すこと』、『グリンデルバルドの言葉を信頼すること』、『合図したら指示した者を始末すること』を命じられています。
※上記3つの命令履行時以外は大体いつものノリです。

【ビブルカード@ONE PIECE】
グリンデルバルドに支給。偉大なる航路後半・新世界にのみ製法が伝えられている特殊な紙。別名『命の紙』。
この紙の特徴は「紙の元になった個人がどこにいるかを指し示す」道標となる点である。
カードを掌など平らな場所に置くと小さく動き、その動いた方角に依頼人は必ずいるということになる。
本来は髪や爪などを混ぜて作成するが、今回グリンデルバルドは死体に残った暗黒面の力を魔法で籠める事で代用した。

【ステイルのラミネートルーンカード@とある魔術の禁書目録】
ローズに支給。
魔術師ステイル=マグヌスが使用するルーン文字が刻まれた防水加工が施されたカード。
魔術に精通した者が使用する事で魔女狩りの王(イノケンティウス)を呼び出せる。その意味は『必ず殺す』。
形状は炎の巨人を象る重油の人型で、真紅に燃え盛る炎の中に重油のような黒くドロドロした人間のカタチをしたモノが芯になっている。
この炎の塊自体を攻撃しても意味は無く周囲に刻んであるルーンの刻印を消さない限り何度でも蘇る。
3000℃の炎の塊が突撃するその威力は凄まじいの一言。

【神武解@呪術廻戦】
受肉した宿儺との戦いに敗れた構築術式の使い手である万が「絶命の縛り」を課す事で作成した呪具。
強力な電撃を放つことができ、本来であれば呪力切れが無いとされる上位の呪具であるが、
制限により威力に対して燃費は比較的良い程度の性能に収まっている。






前回 キャラ 次回
029『軍艦大戦争マーチ』 031『逆襲のシュラ』
採用No.34『闇の帝王(グリンデルバルド)』 グリンデルバルド
004『the dark side of world』 虎杖
004『the dark side of world』 ダークマイト


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最終更新:2026年09月08日 21:46