民法1
制限能力者
- 判断能力が無いものでも、家庭裁判所の審判がなければ完全な行為能力者として扱われる。
- 第三者の詐欺は、相手方が悪意でなければ取り消せない。
- 動機の錯誤:法律行為をしようと思い立った動機に判断ミスがある場合。
動機の錯誤は要素の錯誤にはあたらない。 - 判断能力がまったく欠如している状態にあれば、法律行為は無効。
- 制限能力者の行為は無効ではなく、取り消すことのできる法律行為。
- 制限能力者に対する催告→確答なし:取消し
- 制限能力を理由とする取消し→現存利益の返還義務
浪費:返還義務なし
- 取消前の第三者には原則として登記がなくても対抗できる。
(第三者保護規定がある場合、登記があっても対抗できない) - 取消後の第三者には登記があっても対抗できない(先に登記を備えたほうが優先)
- 成年被後見人も、日用品その他日常生活に関する行為については行為能力が認められている。
- 制限能力者でも代理人となることができる。
- 未成年者の法律行為に対する同意は、父母が共同して行う。
一方が他方に無断で共同名義で同意を与えた旨を表示した場合、相手方が善意であれば有効な同意がなされたものとして扱われる。
- 制限能力者でも単独で有効に取消が可能。
- 成年後見人と異なり、保佐人と補助人には当然には代理権はない。
- 法定代理人が代金を受領→追認が擬制される(法廷追認)
失踪宣告
- 失踪宣告の請求ができるのは利害関係人のみ。
- 特別失踪は危難が去った時点での死亡が擬制される。
- 失踪→配偶者は再婚可能。
- 失踪宣告が取り消された場合
- 善意の相続人は現存利益の範囲で返還義務。
- 悪意の相続人は得た利益の全てに利息を付して返還義務。
- 失踪宣告の取消しの効果は遡及する。
カニさん!
法人
- 法人は主務官庁の許可を得た時点で成立する。
登記は単なる対抗要件にすぎない。 - 理事の代表権の濫用 (93条類推適用)
- 原則=有効
- 相手方が悪意・有過失=無効
- 法人の不法行為
- 理事の不法行為=44条1項適用
- 被用者の不法行為=715条(使用者責任)適用
- 定款に、理事会の決議で解散しうると定めても無効
- 法令による制限に対して外形理論は適用されない。
- 外形理論:外部からは知ることが容易でない内部的な制限規定に関する事項に、相手方が善意であれば行為は有効となる。
- 法人の目的の範囲外の行為で相手に損害を与えた場合、法人は不法行為責任を負わない。この場合は、行為を行った理事と決議に賛成した理事が連帯して賠償責任を負う。
- 定款の変更には主務官庁の許可が必要。
- 定款または寄付行為による代表権の制限は知っていても、理事の行為がその制限規定に従って行われていると信頼する事情がある場合には、54条では保護されないが、110条の表見代理規定によって保護される余地がある。
- 代表権限を与えられていない者が、無断で法人の目的の範囲内の行為を行っても、その行為は法人の行為としては扱われない。
権利能力無き社団
- 社団の財産は構成員の総有に属する。
特別の定めがない場合には、構成員は当然には共有持分権や脱退に際しての財産分割請求権を有しない。 - 構成員が社団に変わって弁済の責任を負うことはない。
- 権利能力無き社団にも、民事訴訟の当事者能力は認められている。
- 社団の不動産について社団を権利者とする登記はできない。
また、当該代表者の肩書きを付した個人名義での登記も認められていない。 - 権利能力なき社団の不動産は、構成員の信託を受けて代表者の個人名義で登録されている。そのため代表者が交代した場合には、新代表者は旧代表者に対して自己への登記移転を請求できる。
- 権利能力なき社団として認められない団体は、民法上の組合となる。
その不動産は、組合員全員の共有登記によるべきことになる。
物
- 建物が土地と別個の不動産と認められるためには、少なくとも屋根と壁を揃える必要がある。
- 屋根と壁さえあれば工事途中でも不動産と認められる。
- 一筆の土地の一部を分筆しないまま譲渡することができる。
その部分の所有権取得を第三者に対抗するには、分筆登記をしたうえで移転登記を行うことが必要である。 - 一筆の土地の一部にも時効取得は成立する。
- 立木:立木登記をすれば独立の不動産とみなされる。(もしくは明認方法)。
立木だけについて譲渡や抵当権の設定も可能。 - 伐採・収穫の前の未分離の果実も、明認方法を施すことによって、独立して取引の客体とすることができる。
- 無記名債権は動産である。
(無記名の公社債、無記名の小切手、商品券、乗車券、入場券など)
- 土地の利用権は建物の従たる権利。
- 天然果実:物の経済的用途に従って産出されるもの。
- 法定果実:物の利用の対価として受ける金銭その他のもの。
- 天然果実は、通常の場合は所有者が、利用権などが設定されている場合は利用権者がこれを収取する権利を有する。
- 利息は法定果実とされる。
- 金銭には即時取得の制度は適用されない。
意思表示
心裡留保
真意でないことを知りながら、それを相手に告げずにする意思表示のこと。
- 心裡留保は原則として有効だが、相手方が悪意・有過失の場合は無効とされる。
- 代理人の権限濫用の場合、判例は心裡留保に関する民法93条の規定を類推適用して法律関係を処理している。
通謀虚偽表示
- 虚偽表示を行った当事者は、善意の第三者に対抗できない。
善意の第三者は登記を備えていることや、過失がないことは必要ではない。
錯誤
錯誤とは意思と表示が一致しない意思表示であって、そのことを表意者が知らないものを言う。
- 錯誤は意思表示の要素に関するものであるときは、表意者が無効を主張できる(要素の錯誤)
- 錯誤は表意者を保護するための規定。したがって、表意者以外のものは原則として錯誤無効を主張できない。
動機の錯誤
- 動機の錯誤は錯誤に含まれない。
しかし、動機も表示されれば表意者保護と相手方の保護の調整を図れるので錯誤と同様に取り扱ってよい。
詐欺・強迫
- 詐欺の成立には故意が必要。
- 詐欺による意思表示は取消すことができる。
- 第三者の詐欺によってなされた意思表示は、相手方が悪意でなければ取消せない。
- 詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗できない。
- 強迫による意思表示は、善意の第三者にも対抗できる。
- 第三者の強迫による意思表示は、相手方の善意・悪意問わず取り消せる。
意思表示の到達
- 意思表示は相手方に到達した時点で効力を生じるのが原則。
株主総会の通知など多数の者に対する通知に関しては、特別に発信主義がとられている。 - 発信後に表意者が死亡→効力は失われない。
ただし、相手方が死亡の事実を知っていた場合には無効となる。 - 制限能力者のうち、意思表示の受領能力があるのは被保佐人だけ。
- 表意者が相手方を知ることができないとき、またはその所在がわからないときは公示による意思表示が認められている。ただし、知ることができない場合や所在がわからないことについて表意者に過失があった場合には到達の効力は生じない。
代理
- 事実行為を代わって行うのは代理ではない。
- 法定代理の場合は、法律の規定によって代理権が発生する。
- 任意代理の場合は、本人から代理権が与えられることが必要である。
- 授権行為は口頭でなされればよく、委任状などの書面は必要ではない。
- 権限の定めの無い代理人は、保存行為と代理の目的たる物または権利の性質を変更しない範囲での利用・改良行為のみを行うことができる。
- 代理人は制限能力者であってもよい。
復代理
- 複代理人の行った代理行為の効果は直接本人に帰属する。
- 任意代理人は、本人の許諾を得たときと、やむをえない事由がある場合以外は複代理人を選任できない。
- 法定代理人は常に複代理人を選任できる。
- 任意代理人は、複代理人の選任と監督について本人に責任を負う。
- 本人の指名に従って複代理人を選任したときは、その者が不適任または不誠実であることを知って本人に通知しなかった場合または解任しなかった場合にのみ責任を負う。解任に本人に同意は不要。
- 法定代理人は、複代理人の行為について全責任を負う。
- 複代理人を選任しても、代理人の代理権は消滅しない。
- 自己契約は原則禁止とされている。
債務の履行のように、本人の利益を害しない場合や、本人があらかじめ同意した場合には禁止されない。 - 自己契約や双方代理の効果は、まったく無効なのではなく、無権代理となる。
無権代理
無権代理の効果
- 本人の追認が得られない場合には、無権代理人は相手方の選択に従い、履行または損害賠償の責任を負わなければならない。
この責任は無過失責任。
相手方が無権代理人の責任を追及するには、代理権が無かったことについて善意・無過失でなければならない。 - 相手方は相当の期間を定めて、本人の無権代理行為を追認するか否かを催告することができる。
期間内に確答がない場合には、追認を拒絶したものとみなされる。 - 善意の相手方は本人が追認しない間であれば、無権代理人との契約を取消すことができる。
無権代理と相続
- 本人が無権代理人を相続した場合、本人は本人としての立場で無権代理行為の追認を拒絶できる。
その場合、無権代理人の責任としての損害賠償義務は免れない。 - 無権代理人が本人を単独相続した場合、無権代理人が本人の立場で追認を拒絶することは信義則に反し許されない。
この場合、無権代理行為は当然有効になる。 - 本人とともに無権代理人を相続した者が、その後さらに本人を相続した場合には、その者は本人の立場で追認を拒絶することはできない。
表見代理
- 代理権が無いにも関わらず、それがあるかのような外形が存在する場合に、相手方が代理権があると信ずるにつき正当な理由があれば、通常の代理と同様に本人への帰属効果を認めようとする制度。
- 表見代理が成立するのは代理人と直接に取引をした相手方に限られる。
- 夫が妻の不動産を無断で処分した場合には、相手方がその行為を夫婦の日常家事に関する行為と信じるにつき正当な理由がある場合に限り、表見代理に関する110条の規定の趣旨を類推して相手方を保護することができる。
無効・取消し
- 無効行為の追認の効果は遡及しない
- 成年被後見人のように、無効と取消しの両者の主張をできる場合には、証明しやすいほうを任意に選択して主張することができる。
- 取消しの意思表示は相手方に直接しなければならない。
- 取消しがなされると法律行為はそもそも行われなかったものとして扱われる。(遡及的無効)
- 当事者双方に法律行為によって得た利益がある場合には、当事者は返還について双方の同時履行を主張できる。
- 取消権を有するものによって有効に追認がなされると、取消権が消滅する。
- 追認は取消しの原因となった情況が止んだ時以降に行われる必要がある。
制限能力者の場合は行為能力が回復した後、詐欺の場合は詐欺にかかったことを知った時以降、強迫の場合は強迫が止んだ時以降に行われる必要がある。 - 制限能力者は単独で有効に取消しができるが、追認はできない。
- 取消権を有するものが履行を請求した場合には、追認したものとみなされる。
- 法定追認も取消しの原因となった情況が止んだ時以降に行われる必要がある。
成年被後見人の場合だけは取消しができるものだと知ってなされるのでなければ法定追認とは認められない。
条件・期限
- 停止条件:条件の成就によって効力が生じるもの
- 解除条件:条件の成就によって効力が消滅するもの
- 身分行為に条件は付けられない。
- 相殺・解除・追認などの単独行為に条件を付けることは許されない。
- 条件成就の効果は遡及しない。
- 期待権は相続の対象となり、期待権の侵害は不法行為を構成して損害賠償請求権を発生させる。
- 期待権の侵害を理由とする損害賠償請求ができるようになるのは、条件が成就した後である。
- 不法の条件を付けたり不法行為を行わないことを条件とした場合、その法律行為は無効となる。
- 債務者の意思だけにかかる条件を純粋随意条件という。
これが停止条件であるときは、法律行為は無効となる。
- 期限が到来しないことによって当事者が受ける利益を期限の利益という。
- 期限の利益は、債務者に信用を失わせる事由が生じたときには失われる。
ただし、これには差押えは含まれない。
- 期限の利益は、債務者に信用を失わせる事由が生じたときには失われる。
法律行為総合
- 賭博によって生じた債権は無効である
- 無権代理行為は本人に効果が帰属しない。ただし本人が追認すれば当初から有効な代理行為が行われたものとして扱われる(追認の効果は遡及する)
- 制限能力者であることを理由とする法律行為の取消しについては、善意の第三者保護規定は設けられていない。
時効
- 時効の効果が生じるには時効の援用が必要。
- 消滅時効を援用しうる者は、権利の消滅により直接利益を受ける者に限定される。これには抵当不動産の第三取得者や詐害行為の受益者などが含まれる。
- 時効完成前には時効の利益は放棄できない。
- 時効完成後の債務の承認は、時効利益の放棄に当たる。
- 時効利益の放棄は黙示的なものであってもよい。
- 時効の利益が放棄されても、その時点から新たに消滅時効が進行を開始する。
- 時効の中断事由:請求、差押え・仮差押え・仮処分、承認
- 裁判外の請求である催告には暫定的な時効中断の効力しか認められない。6ヶ月以内により強力な時効中断の手段をとらなければ中断の効力は失われる。
- 裁判上の請求も、訴えが却下された場合には中断の効力は生じない。
- 主たる債務者が債務を承認した場合には、保証債務の消滅時効も中断する。
取得時効
- 所有権や用益物権は取得時効の対象となる。
- 所有権の取得時効の期間は、悪意または有過失者の場合は20年、善意・有過失者の場合は10年。
善意・無過失は占有開始時点の要件であり、後に悪意になってもかまわない。 - 自分の所有物についても時効を援用することができる。
消滅時効
- 所有権は時効によっては消滅しない。また所有権に基づく物件的請求権も時効によっては消滅しない。
- 所有権以外の財産権は、20年間これを行使しないでいると、時効によって消滅する。
- 地役権は行使しないでいると時効によって消滅する。
- 抵当権は行使しないでいると、被担保債権が時効消滅しなくても、抵当権だけが時効によって消滅する。ただし、債務者および抵当権設定者との関係においては、抵当権は時効消滅しない。
- 短期消滅時効の対象となる債権であっても、判決や裁判上の和解によって確定された場合には、時効期間は10年である。
- 債権の消滅時効は、債権を行使できるようになった時点から進行を開始する。
- 期限の定めの無い債権は、債権成立時から時効が進行を開始する。非債弁済による不当利得返還請求権もこれに含まれる。
- 不法行為による損害賠償請求権の消滅時効は、被害者またはその法定代理人が損害と加害者の双方を知った時から進行を開始する。
- 不確定期限のある債権は、期限到来の時から時効が進行を開始する。債務者が期限到来の事実を知る必要は無い。
- 同時履行の抗弁権が付着した債権も、期限が到来した時から進行を開始する。
- 割賦払契約において、「1回でも支払いを怠れば、債権者は直ちに残代金全額の支払いを求めることができる」という特約が付けられた場合、判例は、1回の不履行があっても、各割賦金の弁済期到来ごとに時効が進行し、債権者が特に残債務全額の弁済を請求した時に限り、そのときから残債務全額について消滅時効が進行するとしている。
- 履行不能に基づく損害賠償請求権は、履行不能時からではなく、本来の履行を請求できる時から進行を開始する。
時効の効果
- 時効の効果はその起算日にさかのぼる。
- 時効の効果がいつ生じるか
- 確定効果説:時効完成の時点で完全に生じるとする説
- 不確定効果説:時効完成の時点ではいまだ効果は不確定で、援用によって確定的に生じるとする説。
- 確定効果説は、援用を裁判上の争いが生じたときの防御手段であるとする。
- 時効によって消滅した債権が消滅以前に相殺適状であった場合には、債権者はその債権で相殺することができる。
不動産物権変動
- 登記しなければならない物権変動:所有権の移転に限られず、相続や解除、取消しなどによる物権変動も含まれる
- 入会権:権利の内容が土地の慣習によって定まるため、登記できない権利とされている。
ただ、入会権は現地調査によって容易に確認できることから登記なくして第三者に対抗できる。 - 通行地役権:登記しなければ第三者に対抗できない。
通行地役権の存在が客観的に認識できる場合、それを登記に代わる公示手段と見て、第三者が登記の欠陥を理由として通行地役権を否定することは信義に反して許されない。 - 賃借権:登記しなければ第三者に対抗できないが、土地の賃借権については、建物の所有権の登記で代替することが認められている。そしてこの登記には表示の登記も含まれる。
不動産物権変動と登記
- 取消しの意思表示をした者が、取消前に出現した第三者に対して取消しの効果を主張するには登記は不要。ただし善意の第三者保護規定がある場合には、取消しの効果自体を主張できない。
- 法律行為の取消後に出現した第三者との優劣は、登記の先後によって決せられる。
- 法律行為の解除後に出現した第三者との優劣は、登記の先後によって決せられる。
- 共同相続において、自己の持分を第三者に対抗するには登記は不要である。
- 遺産分割によって法定相続分と異なる持分を取得した場合、その効果を第三者に対抗するには登記が必要である。
- 時効完成前に出現した第三者に時効取得の効果を対抗するには登記は不要。
- 時効完成後の第三者との優劣は、登記の先後によって決せられる。
- 時効期間の起算点を任意に選択することは許されない。
時効期間の起算点は、現実に占有を開始した時点に限られる。
- 不動産物権変動における第三者とは、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者をいう。
- 単純悪意者は第三者。
- 背信的悪意者は第三者に含まれない。→対抗するのに登記は不要
- 中間者の同意なしに行われた中間省略登記は、中間者に抹消を求める利益がある場合に限って抹消請求できる。
即時取得
- 不動産には即時取得の制度は無い。
- 登記または登録された船舶・自動車・飛行機については即時取得の適用はない。
要件
- 取引行為が存在すること
- 取引は売買に限られない。贈与や質権設定、代物弁済、消費貸借の目的物の給付、強制売買による買受なども含まれる。
- 前者が無権利者であること
- 制限能力者から動産を取得した者からさらに動産を取得した場合には、即時取得が適用される。
- 取引が平穏・公然、善意・無過失に行われること
- 占有を取得したこと
- 占有の取得には、現実の引渡し、簡易の引渡し、指図による占有移転の3つは含まれるが、占有改定は含まれず、占有改定の方法で即時取得することはできない。
- 即時取得された物が盗品・遺失物の場合、被害者・遺失主は即時取得者に対して2年間は回復請求ができる。
- 取得者が、一般の商店や行商人、あるいは競売を通じて有償で購入していた場合には、権利者は取得者が払った代金を弁償しなければ返還を請求できない。
占有
- 占有は自己のためにする意思をもって物を所持することによって成立する。
- 会社の代表者として物を占有している者には、個人としての占有権は認められない。
占有の分類
- 自主占有・他主占有
- 自主占有でないと時効取得できない。
- 直接占有・間接占有
- 間接占有者にも占有訴権が認められる。
- 善意占有・悪意占有
- 善意占有者でないと果実収取権がない。
- 制限能力者であっても、所有の意思で物を支配すれば自主占有が認められる。
- 盗人であっても、所有の意思で物を支配すれば、盗品に対して自主占有が認められる。
- 悪意の占有者であっても、占有物の保存や管理に要した費用のみならず、占有物改良のために要した費用の償還も請求できる。
- 悪意の占有者にも占有訴権が認められる。
- 占有訴権は、他主占有者であっても、悪意占有者であっても行使できる。
占有権の移転
- 本人Aが占有代理人Bに占有させている物をCに譲渡する場合、AからCへの占有の移転は、占有代理人Bに対して、「以後はCのために占有するように」と指図すればよい。これによって占有がCに移転する(指図による占有移転)
この場合、占有代理人Bに諾否の自由は無い。 - 占有権は、外形的な支配の移転を伴わずに、意思表示のみにより譲渡することもできる。
- 取得時効において、占有者は自己の占有のみを主張してもよいが、前主の占有をあわせて主張することもできる。
その場合、前主の占有の瑕疵も承継する。
占有訴権
- 占有保持の訴え:妨害の停止と損害の賠償を請求できる。
- 占有保全の訴え:妨害の予防か、または損害賠償の担保を請求できる。
- 占有回収の訴え:物の返還と損害の賠償を請求できる。
- 占有訴権の行使には1年という期間制限が設けられている。
- 占有訴権の行使には、占有を侵害されているという状況があれば足り、侵害について相手方の故意・過失を必要としない。
- 自力救済の禁止
- 例外的に認められることもある。
- 占有してるだけで本権者と推定されるわけではない。
- 不動産の場合は、占有よりも登記の推定力が上であり、登記簿上の名義人が占有者に立ち退きを求めた場合は、占有者は賃借権などの正当な権限を有することを証明しなければ立ち退きを拒否できない。
- 逃走した家畜外の動物の飼養主は、逃失の時から1ヶ月以内であれば、善意の占有者に対しても引渡請求ができる。
占有権の消滅
- 占有権は、物に対する事実的支配を失えば消滅するが、混同や時効によっては消滅しない。
- 占有が奪われた場合でも、占有回収の訴えによってその物を取り戻せば占有権は消滅しない。
- 賃借人によって代理占有をする場合、賃貸借関係が消滅しても代理占有は当然には消滅しない。
所有権
- 所有権は、物を全面的に使用・収益・処分できる権利。
- 所有権の使用・収益機能を有するのが用益物権であり、地上権・永小作権・地役権・入会権の4種がある。
- 所有権の処分機能を利用して債権の担保を担うのが担保物権である。
- 現在所有者がいない物を無主物という。
- 無主の動産は、所有の意思をもって先に占有を開始すれば、その者が所有権を取得する。
- これに対して無主の不動産は国庫に帰属し、国の所有となる。
- 他人の土地上に無権限で建物を所有する者がいる場合、土地の所有者は、建物の所有権の登記名義人が自ら当該登記を経由した者であるときには、登記名義人も建物の収去請求の訴えの被告とできる。
添付
- 複数の独立の物が合わさって社会経済上単一の物と見なされる状態を附合という。
- 土地に樹木や作物の苗などが植栽された場合には、それらの所有権は土地の所有者に帰属する。ただし、権原によって植栽された物については、植栽されたものが取引上の独立性を有するにいたれば植栽者に所有権が帰属する。
- 建物の賃借人が賃貸人の承諾を得て増改築→賃借人は増改築部分の所有権を取得することはできない。
- 増改築部分の所有権は賃貸者に帰属。
- 複数の所有者の米の混合や灯油の融和など分離が困難になった状態を混和という。
- 主たる物の所有者が混和物の所有権を取得。
- 主従の区別ができない場合は、混和時の価格の割合に応じ、それぞれの物の所有者が混和物を共有。
- 主たる物の所有者が混和物の所有権を取得。
- 他人の動産に工作を加えて新たなものを作り出すことを加工という。
- 加工物の所有権は原則として材料の所有者に帰属する。
- 工作によって生じた価格が著しく材料の価格を超えるときなどは加工者に所有権が帰属する。
- 加工物の所有権は原則として材料の所有者に帰属する。
- 附合・混和・加工によって所有権を失った者は、所有権を取得した者に対して償金請求ができる。
相隣関係
隣地使用権
- 土地の所有者は、境界やその付近で建物の建築や修理のために必要な範囲で、隣地の使用を求めることができる。
- 隣地の所有者がこれを承諾しない場合は、裁判所が代わって立入りを認めることができる。
隣地通行権
- 袋地の所有者は公道に出るために、隣地を通行できる。ただし、通行に当たっては償金を支払う必要がある。
- 袋地の所有者が償金を支払わない場合でも、隣地通行権は消滅しない。
- 袋地が土地の一部譲渡によって生じた場合、または土地の全部を同時に数人に譲渡することによって生じた場合は、償金を支払うことなく隣地を通行できる。
- 所有者を異にする2棟の建物の間に空き地があるときは、各所有者は共同の費用で塀を作ることができる。
- 建物は、隣地との境界から50cm以上離して建築しなければならない。この基準を満たさない場合、隣地の所有者は建築の廃止・変更を求めることができる。
- 建築着手から1年が経つか、建物が完成したら損害賠償の請求しかできない。
境界
- 境界を越えて伸びてきた隣地の樹木の根は切ることができるが、枝は隣地の所有者に切り取りを求めなければならない。
- 土地の境界は境界確定の訴えによらなければならない。
共有
- 共有の本質は所有権。
- 各共有者は自己の持分を自由に使用・収益・処分できる。
- 他の共有者の同意を得なくても、自由に譲渡でき、抵当権の設定もできる。
- 共有物を利用するのに分割を行う必要は無い。
- 共有者の一人が他の共有者と協議しないまま自己の持分に基づいて共有物を占有している場合、他の共有者は当然には共有物の明け渡しを請求できない
- 共有物の管理に関する事項は持分の過半数で決める。
- 共有建物の契約解除には、持分の過半数の同意が必要。
- 共有物の変更には、共有者全員の同意が必要。
- 共有土地への地上権の設定など
- 持分権の主張は各共有者が単独でできる。
- これに対して共有関係にあることの主張は共有者が全員で行わなければならない。
- 共有不動産の登記については、必ず持分を記載しなければならない。
- 共有物が不法に侵害されている場合、各共有者は自己の持分に相当する損害賠償を加害者に請求できる。
- しかし、共有物全体についての賠償請求はできない。
- 共有不動産について共有者の一人が無断で単独所有名義の登記をし、その不動産を第三者に譲渡して所有移転登記を行ったときは、他の共有者は自己の持分について正しい内容に変更するための更正登記を請求できる。
- 共有者の一人が持分を放棄したとき、あるいは相続人なくして死亡したときには、その持分は他の共有者に帰属する。
- 共有者の一人が相続人なくして死亡した場合において、その者に特別縁故者があれば、家庭裁判所は特別縁故者に共有持分を分与できる。
- 各共有者は、いつでも自由に分割を請求できる。
他の共有者はこれを拒否できない。 - 現物分割が原則。
- 特別の事情があれば、全面的価格賠償の方法でも可。
用益物権
- 他人の土地を使用・収益できる権利
- 地上権・永小作権・地役権・入会権がある
地上権
- 他人の土地で工作物や竹木を所有するためにその土地を利用する権利。
- 地上権は、設定契約の他、相続や遺言、譲渡などによって取得することができ、さらに時効取得することもできる。
- 地上権は、抵当権の目的とすることができる。
- 地上権に対して抵当権を設定できる。
- 地上権設定契約において、存続期間を定めることは要件とされていない。
- 地代の支払いは地上権成立の要件ではない。
- 土地所有者は、土地を使用できる状態にしておくという積極的な義務は無い。
- 地上権が消滅した場合、地上権者は工作物等を撤去しなければならない。
- ただし、土地所有者は地上権者に通知して、これらを時価で買い取ることができる。
- 賃借権は債権であるから、これを譲渡するには原則として賃貸人の同意が必要。
- これに対して地上権は物権であるから、譲渡するのに土地所有者の同意は必要ない。
- 地代の支払いは地上権成立の要件ではない。
- 賃借権では賃料の支払いは契約成立の要件である。
- 建物の所有を目的とする場合、地上権も土地賃貸借権も、存続期間は30年。
- 建物の所有を目的とする場合、地上権も土地賃貸借権も、ともに地上建物の所有権登記によって借地権の登記に代替することが認められている。
- 土地の不法占拠者に対しては、地上権者は物権的請求権によって、賃借権者は所有権に基づく妨害排除請求権の代位行使によって、ともに妨害排除請求権を行使することができる。
地役権
- 設定行為で定めた目的に従って他人の土地を自己の土地の便益のために利用する権利。
- 利用する便益の種類・内容に制限は無い。
- 利用する方の土地を用役地、利用されるほうの土地を承役地という。
- 両者は隣接している必要は無い。
- 第三者のために同一内容の地役権を重ねて設定することができる。
- 地役権は、設定契約の他、相続や遺言、譲渡などによって取得することができ、さらに時効取得することもできる。
- 地役権は、所定の期間これを行使しなければ、時効によって消滅する。
- 土地の共有者の一人が地役権を時効取得した場合、他の共有者も地役権を設定することができる。
- 承役地を第三者が不法占拠している場合、地役権者は妨害排除請求はできるが、土地の明渡請求はできない。
- 要役地と分離して、地役権だけを譲渡することはできない。
法定担保物権
- 法律の定める要件を満たした場合に当然に発生する担保物権。留置権と先取特権の2種がある。
- 法定担保物権を契約によって成立させることはできない。
留置権
- 留置権は、同時履行の抗弁権と同様に当事者の公平を図るための権利であるが、同時履行の抗弁権と異なり、その成立は契約に限られない。
したがって、被担保債権も契約によって生じたものに限定されない。 - 第三者の所有物についても留置権は成立する。
- 弁済期が到来していない債権を被担保債権として留置権を主張することはできない。
- 物の占有が不法行為によって始まった場合は、留置権は成立しない。
- 占有権原を失うことが確実な状況になった場合には、それ以降に費用を支出しても、留置権の成立は認められない。
- 土地の賃貸借契約が終了した場合、建物買取請求権を被担保債権として土地についての留置権の成立が認められる。
- 建物の賃借人は、有益費や必要費などの費用を支出した場合には、費用償還請求権を被担保債権として建物について留置権を主張できる。&
- しかし、賃貸借契約が解除された後にこれらを支出した場合には、留置権の成立は認められない。
- 建物の賃貸借契約が終了した場合、賃借人は造作買取請求権を被担保債権として建物についての留置権を主張することはできない。
- 建物の賃貸借契約が終了した場合、賃借人は敷金返還請求権を被担保債権として建物についての留置権を主張することはできない。
- 不動産の二重売買において、売主から不動産の引渡しを受けたAは、先に登記を備えたBに対して、売主に対する損害賠償請求権を被担保債権として、不動産について留置権を主張することはできない。
- 留置権は物権であるから、第三者に対してもこれを主張できる。
- 留置権者に管理義務違反があった場合には、債務者は留置権の消滅請求ができるようになる。
質権
- 質権は約定担保物権である。
- 留置権などと異なり、法律上当然に発生することはない。
- 質権は譲渡が可能なものについて設定することができる。
- 何を質権の目的にするかによって、動産質、不動産質、権利質の3つに分かれる。
- 所有権以外の財産権は権利質の対象となる。
- 被担保債権は条件付債権または将来発生する債権であってもよく、これらを担保するために、質権は設定契約の時点から有効に成立する。
- 質権の行使は被担保債権の行使とは異なる。
- 単に質権の返還を拒んだだけでは被担保債権の消滅時効は中断しない。
- 債務者以外の者で自己の財産に担保権を設定を承諾した者を物上保証人という。
- 債務者が期限に弁済しない場合、物上保証人も担保権を実行されないために、自ら債務者に代わって被担保債権を弁済できる。
動産質
- 質権設定契約は要物契約である。
- 質物の占有を質権者に移転しなければ、質権は効力を生じない。
- 占有改定の方法で質権を設定することはできない。
- 占有の継続は質権を第三者に対抗するための要件。
- 質権者が質物を第三者に奪われた場合には質権の対抗力は失われ、質権に基づいて返還請求を行うことは認められない。
- この場合は占有回収の訴えによる以外に手段がない。
- 質権者が質物を第三者に奪われた場合には質権の対抗力は失われ、質権に基づいて返還請求を行うことは認められない。
- 質権者が質物を任意に質権設定者に返還した場合に質権がどのような影響を受けるか
- 質権消滅説:有力
- 対抗力喪失説
- 動産質権では、不動産質権とは異なり、目的物の使用・収益権は認められていない。
- ただし、設定者の承諾を得れば、これを賃貸して、賃料を被担保債権の弁済に充てることもできる。
- 質権の被担保債権の範囲は、元本、利息、損害賠償の他、違約金や各種の費用なども含まれる。
転質
- 質権者は、質権設定者の承諾を得て転質することもできれば、承諾を得ずに自己の責任で転質することもできる(責任転質)
- 責任転質においては、転質権の存続期間は原質権の存続期間内であることを要する。
- 責任転質がなされた場合、質権者は転質をしなければ生じなかったであろうという損害については、不可抗力であっても質権設定者に対して賠償責任を負う。
不動産質・権利質
不動産質
- 不動産質も不動産の占有を移転することで効力を生じる。
- 対抗要件は登記。
- 質権の中で唯一、目的物の使用・収益が認められている。
- その代わり、不動産質権者は被担保債権の利息を請求できない。
権利質
- 所有権は動産質・不動産質の目的となるので、権利質の目的とならない。
- しかし、地上権は権利質の目的となる。
- 債権質においては、質権者は元本や利息を第三者から直接取り立てることができる。
- 取立てについて差押手続きを経ることは必要ではない。
- 質入りされた債権の額が被担保債権を超える場合であっても、質権者は自己の被担保債権額の範囲で取り立てることができるだけで、債権の全額を取り立てることは許されない。
抵当権
性質
- 抵当権は約定担保物権である。
したがって、抵当権は当事者の契約によってのみ成立する。 - 抵当権には随伴性がある。
- 被担保債権が同一性を伴って譲渡された場合には、抵当権もまた譲受人に移転する。
- 抵当権は未登記のままでは競売の申し立てはできない。
- 抵当建物が取り壊されて再築された場合、旧建物の抵当権は新建物には及ばない。
設定
- 抵当権は不動産のほかに、地上権と永小作権にも設定できる。
- 不動産の共有持分上にも抵当権を設定できる。
- 抵当権の被担保債権は金銭債権に限られない。
- 被担保債権が一部弁済されると、その額だけ担保される債権の範囲は縮減する。
- ただし、抵当不動産の全部について競売を申し立てることができる点は変わらない。
効力
- 抵当権の効力は、抵当不動産に付加して一体をなした物に及ぶほか、従物や従たる権利にも及ぶ。
- 抵当建物の増築部分は、それが別個独立の不動産と見られない限り抵当権の効力が及ぶ。
- 賃借地上の建物に設定された抵当権の効力は、土地の賃借権にもおよぶ。したがって、競売によって所有権が買受人に移転した場合には、土地の賃借権は買受人に移転する。
- ただし、これは賃借権の譲渡にあたるから、買受人が賃借権を行使するには地主の承諾が必要。
- 設定契約の別段の定めをすれば、抵当不動産に付加するものに抵当権の効力を及ぼさないとすることができる。
- 抵当不動産について差押えがなされた場合、抵当権の効力は果実にも及ぶ。
物上代位
- 抵当権は、目的物の交換価値を支配する権利であるから、目的物の交換価値が現実化した場合には、それに対しても抵当権の効力を及ぼすことができる。
- 物上代位権は、目的物の交換価値を支配するという性質から導かれる。
- 価値支配権としての性格を有しない留置権には認められない。
- 抵当目的物が賃貸されている場合、その賃料にも物上代位することができる。
- 抵当権設定者が破産を宣告された場合でも、抵当権は物上代位を行使できる。
- 賃借人が賃料を支払うよりも前に、抵当権者が賃料債権を差押えれば、抵当権者の物上代位が認められる。
- 差押え以後に抵当権者以外の者に賃料を支払った場合、賃借人は再度抵当権者に賃料を支払わなければならない。
法定地上権
- 法定地上権の成否は、借地権を設定したくてもできなかったこと、抵当権者の担保価値の評価を侵害しないことの2つの要素で判断する。
- #FONT(18,b,#00FF00){土地が共有であれば法定地上権は成立しない}。
- 建物が共有の場合、共有者の全員に法定地上権が認められる。
短期賃貸借
- 抵当権設定登記後に対抗力を備えた賃貸借は、期間の長短に関わらず抵当権に対抗できない。
- 抵当権に対抗できない賃貸借も、抵当権が実行され、競売がなされて、買受人が買い受けた時から6ヶ月間は、移転準備等の期間として引渡しが猶予される。
根抵当権
- 根抵当権は、どの債権が終局的に担保されるか特定しない。
- 根抵当権は、極度額に達するまでは、何年分でも利息を担保する。
- 抵当権のような最後の2年分といった制限はない。
- 基本契約は根抵当権の要件とはされていない。
- 担保する債権の範囲や債務者を変更するのに、後順位者の同意は必要でない。
- 確定前に債権が譲渡されても、根抵当権は譲受人には移転しない。
譲渡担保
- 譲渡担保とは、目的物の所有権をいったん債権者に移転するという形をとったうえで、期限に債務者が弁済すれば物の所有権を取り戻すことができるという債権担保の方法。
- 将来発生する不特定の債権を担保するのに、譲渡担保権を設定することもできる(根譲渡担保)
- 譲渡担保は目的物の所有権が債権者に移転するが、目的物は引き続き債務者が所持してこれを使用する。そのため引渡しは占有改定の方法で行われる。
- 不動産の場合は所有権移転の登記がなされるので、それが譲渡担保の公示手段となり、動産の場合は占有改定による占有移転が公示手段となる。
効力
- 譲渡担保は所有権移転の形式をとるが、債権者は目的物について担保目的以上に権利行使しない義務を負う。
- 債務者が期限に弁済した場合には、目的不動産の所有権は債務者に復帰する。
- 債権者が債務者への目的物返還義務に違反してこれを第三者に譲渡した場合には、二重譲渡と同様の関係になり、両者の優劣は登記の先後によって決せられる。
- 債務者が期限に弁済した場合、債務者は直ちに登記の返還手続をとることが可能。
- 債権者が債務者への目的物返還義務に違反してこれを第三者に譲渡した場合には、二重譲渡と同様の関係になり、両者の優劣は登記の先後によって決せられる。
- 目的不動産の譲受人は、債務者が債権者に対して有する精算金支払請求権につき、消滅時効を援用することができる。
受戻権
- 清算を第三者への処分によって行うという処分清算方式の譲渡担保においては、債務者は、弁済期限が経過した後でも、債権者が第三者に目的物を譲渡するまでは、債務を弁済して目的物を取り戻すことができる。
- 処分清算方式の譲渡担保において、債権者が第三者に目的物を譲渡した場合には受戻権は消滅する。
- これは第三者が背信的悪徳者の場合も同様。
- 受戻権が消滅した場合において、目的物の譲渡を受けた第三者が債務者に対して目的物の引渡しまたは明渡しを要求したときは、債務者は精算金支払請求権を被担保債権として留置権を主張できる。
集合動産譲渡担保
- 構成部分の変動する集合動産であっても、その種類、所在場所等によって目的物の範囲を特定することは可能。
そして特定ができれば1個の集合物として譲渡担保の目的とすることができる。 - 集合動産譲渡担保と動産先取特権が競合した場合には、集合動産譲渡担保権が優先する。
- 譲渡担保権には物上代位権が認められている。これは集合動産譲渡担保の場合も同様である。
物権・担保物権総合
- 不法占拠者に対しては、登記がなくても所有権取得を主張でき、土地の明渡しを請求できる。
- 占有改定の方法での即時取得は認められない。
- 担保物権は、債権全額が弁済されるまで目的物全部の上にその効力を及ぼす(担保物権の不可分性)
- 留置権には優先弁済効力は認められていない。また物上代位性も認められていない。
- 不動産の留置権を第三者に主張するには目的物の留置でよく、登記は不要。
- 一般および動産の先取特権において、その目的物たる動産が第三者に引き渡された後は、先取特権者は先取特権を行使することはできない。
この場合、先取特権は引渡しがなされた時点で消滅する。
- 抵当権において、満期の到来した最後の2年分を超える被担保債権の利息は無担保債権となる。