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SCP-4032-JP

登録日:2026/10/20 Tue 22:07:24
更新日:2026/10/21 Wed 00:06:01NEW!
所要時間:約 7 分で読めます




SCP-4032-JPとは、創作コミュニティサイト『SCP Foundation』に登場するオブジェクトの一つである。
オブジェクトクラスはSafe。
メタタイトルは「これはダイス、最も完璧です」。

概要

SCP-4032-JPは、一辺が1.3cmで、ポリレジン製の6面ダイス。
ただし各面には、「サイコロの目」ではなく算用数字が書かれているのが特徴だ。
SCP-4032-JPは加熱、圧損、切削に耐性を持つ――普通の方法では破壊不可能だと言ってもよさそうだ。

SCP-4032-JPは、4以上の整数を思い浮かべてから投げることによって、その面の数のダイスへ変化する。
このとき、「5」や「7」といった、幾何学的に正多面体になれない整数*1を思い浮かべた場合でも、全ての面の出現確率が等しくなるような形になるという。
出現確率が等しいということは、「レーザー測量による各面の立体角計算」によって証明されているらしい。
ちなみに、4以上の整数でなくてはならないのは、3以下の面だと正多面体として成立しないからだろう。

なお、報告書の記述より、(おそらく)元の体積を維持しつつ変形するのだと推測できる。
また、変形後の面にも算用数字が書かれているが、面の数が増えると面積が小さくなるため、場合によっては肉眼では見えなくなるという。

変形する様子をハイスピードカメラで撮影してみたところ、変形中にノイズがSCP-4032-JP全体を覆っていた。
そのため、変形中の状態は確認できなかった。
財団は、この変形を「空間的な不連続性を伴う置換、あるいは再構成」だと推測している。
なお、変形は0.0001秒以下で行われているらしい。

そして、SCP-4032-JPは、高度な計算能力を持っているようだ。
これは、後述する実験により示唆されている。


実験

さて、ここからは、SCP-4032-JPの実験を見ていこう。

対象: SCP-4032-JP

実験方法: 遠隔操作ロボットアームを用いて、整数「12」を想起しながら対象を机上に投擲する。

実験結果: 対象は正十二面体に変化した。

分析: 必ずしも手に持って振る必要は無いようだ。投擲されるタイミングと、数字を想起されるタイミングが一致する事が重要であると思われる。-蓮田研究員

まずは基本的な実験。
このことより、「手に持って振らなくても異常が発生する」といえるため、意図せず面の数が変わってしまう危険性があるともいえるかもしれない。

対象: SCP-4032-JP

実験方法: 「3、0、-4、8.5」をそれぞれ想起しながら対象を机上に投擲する。

実験結果: いずれの数においても、対象は変化しなかった。

分析: やはり4以上の整数でなければ変化は発生しないようだ。-蓮田研究員

さすがに3面体とか0面体とか負面体とか小数面体とかにはならないらしい。

対象:SCP-4032-JP

実験方法: 整数「24」を想起しながら、低反発マット上に3cmの高さから自由落下させる。

実験結果: 対象は変化しなかった。

分析: 形状変化を発生させるには十分に転がす必要があるようだ。-蓮田研究員

多少揺れたりした程度では変化しないみたいだ。ちょっと安心。

対象: SCP-4032-JP

実験方法: 計算式「72-6×4」を想起しながら対象を机上に投擲する。

実験結果: 対象は48面体に変化した。

分析: この実験により、SCP-4032-JPに計算能力がある事が判明した。恐らくは、答えが4以上の整数となる計算式であれば、変化が発生すると思われる。次の実験では計算能力の限界を調査予定。-蓮田研究員

そう、ここで、SCP-4032-JPの計算能力が判明した。
これを受けて、研究員は更なる実験を進めていく。

対象: SCP-4032-JP

実験方法: ラムゼー数R(5,5)を想起しながら対象を机上に投擲する。

ラムゼー数R(5,5)の値は、現在求まっていない(未解決問題である)が、43〜46の整数のいずれかであることは判明している。
もしSCP-4032-JPの面の数が変われば、ラムゼー数R(5,5)の値が分かることになるが……?

実験結果: 対象は[データ削除済み]面体に変化した。

分析: この結果は、数十年来の未解決問題であった R(5,5) が [データ削除済み] であることを確定させた。SCP-4032-JPが持つ計算能力は、現在の人類が持つそれを凌駕する事を示した。次の実験ではさらに難解な問題を用いる予定。-蓮田研究員

なんと、ラムゼー数R(5,5)の値が求まってしまった。
これを使えば、解が整数になる問題なら解決できてしまいそうな気がするが――

追記: 本実験により得られた数値の口外、および論文への引用、また、その他未解決問題を解決するためにSCP-4032-JPを利用する行為は、オブジェクトの存在を外部へ示唆する事に繋がる。よってこれらは収容違反を誘発する行為として固く禁止する。—— O5-█

O5直々に禁止されてしまった。まあ、異常を隠すためにはしょうがないか。


そして、報告書に載っている最後の実験がこれである。

対象: SCP-4032-JP

実験方法: 巨大数TREE(3)を想起しながら対象を机上へ投擲する。

TREE(3)とは、宇宙の全素粒子を使っても記述不可能な巨大な数。
こんなにも多くの数の面を持った多面体ってどうなっちゃうんだ……?
というか、そんな実験しちゃっていいのか……?

実験結果: 対象は球形へ変化、直後に接地した机と床を貫通し、瞬く間に地中深くへと沈下した。

分析: SCP-4032-JPがTREE(3)面を持つダイスへと変形した結果、1面あたりの表面積が量子サイズを遥かに下回ったことで、接地面に発生する圧力が物質の構造維持限界を突破したものと思われる。-蓮田研究員

……多面体の面の数を増やしていくと、その形状は球に近づいていく。
そして、TREE(3)個の面を持った多面体は、もはや球と区別がつくまい。
しかも、1個の面がとんでもなく小さくなった。
SCP-4032-JP自体は軽いだろうが、接地面が恐ろしく小さいため、接地面にかかる圧力は死ぬほどデカい。
そのうえ、1つの面が量子ですら生ぬるいほどに小さいから、たぶん量子力学的な作用も働いてそうである。
理屈はともかく、SCP-4032-JPは、地中深くへと沈下したのであった。

この事案により、SCP-4032-JPは事実上回収不可能となった。
現在のSCP-4032-JPは、地表から3,600kmより深い地点にあると推定されている……!

幸いにも、この事案によって、直接的な死傷者や、その他オブジェクトの収容違反は発生しなかった。
だが、地球への影響は未知数である。
これ以降では、オブジェクトクラスはKeterへと変更され、
特別収容プロトコルでは、SCP-4032-JPが移動していないか、振動の計測による確認が実施されることになった。
そして現在、財団の地質学部門と共同し、SCP-4032-JPを回収する手段を捜索しているという。

即座にヤバくはなさそうだけど、いつか何か問題になりそうな気がする……と感じさせるオブジェクトであった。


余談

さて、この記事を読んで、財団の行動に違和感を抱いた読者もいるかもしれない。
というのも、この記事には、
  • 財団職員が、(おそらく)自身の興味から、オブジェクトの積極的な活用を試みる
  • (当時は)些細なオブジェクトに対し、わざわざO5が出てきて意見を述べる
  • 危険そうに思われる実験を実施し、結果として収容違反&地球規模の危機(?)に陥る
という要素が含まれている。

これらは、初期のSCP創作ではそこそこ見られた要素であろう。
一方で、人類を守る財団の行動としては違和感があるともされ、時代と共に消滅していった要素ともいえる。
特に、「エッセイ(主に、ベテランSCP著者が新人著者に向けたアドバイスを記したもの)」の記事たちにおいては、
「このような要素・展開は避けた方がいい」とすら書かれていることもあるほどだ。
(しばしば、“古い”記事を参考にしてしまった初心者が、こういった要素を記事に入れてしまうこともある)

ただし、SCP-4032-JPの記事は、当アニヲタ項目の初版作成時点で+50を超える評価を得ている。
+50越えの評価は、界隈で「金メダル」と呼ばれる高評価である。
この記事は、「時代遅れ」というより、「古き良き」という印象を与えているのかもしれない。
また、ディスカッション(コメント欄だが、堅めな雰囲気)には、「このような引っかかりはあるものの、許容範囲内だった」旨のコメントも寄せられている。


追記・修正はSCP-4032-JPを回収してからお願いします。

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最終更新:2026年10月21日 00:06

*1 幾何学的に正多面体になる整数は、4、6、8、12、20だけである