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大牆上蒿行 - (2017/03/19 (日) 12:55:14) の1つ前との変更点

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現在地:[[トップページ]]>[[漢詩大会の漢詩全文]]>[[漢詩大会の漢詩全文/曹丕]]>今ココ ----- #contents(fromhere=true) ----- *原文 出典:《楽府詩集(IA)(台湾)》 陽春無不長成,草木群類,隨大風起。零落苦何翩翩。 中心獨立一何煢,四時舍我驅馳,今我隱約欲何為。 人生居天壤間,忽如飛鳥棲枯枝,我今隱約欲何為。 適君身體所服,何不恣君口腹所嘗,冬被貂鼲温暖,夏當服綺羅輕涼。 行力自苦,我將欲何為? 不及君少壮之時,乗堅車,策肥馬良。 上有倉浪之天,今我難得久來視。 下有蠕蠕之地,今我難得久來履。 何不恣意遨遊。 従君所喜,帯我宝剣,今爾何為自低卬? 悲麗平壮観,白如積雪,利若秋霜。 駁犀標首,玉琢中央。 帝王所服,辟除凶殃。禦左右,奈何致福祥。 呉之辟閭,越之歩光,楚之龍泉,韓有墨陽,苗山之鋌,羊頭之鋼,知名前代, 咸自謂麗且美。 曾不知君剣良,綺難忘。 冠青雲之崔嵬,纖羅為纓,飾以翠翰,既美且輕。表容儀,俯仰垂光榮。 宋之章甫,齊之高冠,亦自謂美,蓋何足觀。 排金鋪,坐玉堂,風塵不起,天氣清涼。 奏桓瑟,舞趙倡,女娥長歌,聲協宮商,感心動耳,盪気迴腸。 酌桂酒,鱠鯉魴,與佳人期,為樂康。 前奉玉卮,為我行觴。 今日楽,不可忘,楽未央。 為楽常苦遅,歲月逝,忽若飛,何為自苦,使我心悲。 ----- *仮訳 春の陽射しに成長させないものはない。草木は類ごとに群れる。まにまに大いなる風起こる。 無力にも散る葉は、なんと軽やかに翻ることか。 独り立つ木の、なんと孤高なことか。時は散る葉のごとく、私を置き去りにして走り去る。 私は今はっきりと判らない。 人生は天壌の間に居り。すなわち飛鳥が、枯枝に棲むが如し。私は今、何を欲しているのか。 貴方は体に合った服を着ていながら、どうして食べたいままに食事を味わうことが出来ないと言うのか。 冬は暖かな毛皮を羽織り、夏は軽く涼しく美しい衣服を、身に着けているというのに。 貴方は何が苦しいのか。私は何をすれば良いのか。 貴方が少壯にも及ばないほど幼かった頃、馬車に乗り、良く育った馬にムチをあて旅してまわったあの日のように 上に大海原と蒼天が有っても、今の私は、長いあいだずっと視つづけることは難しい。 下に虫の群のたくる地が有っても、今の私は、長いあいだ留まって虫を履むことも難しい。 どうして意のままに、盛んに遊ばないのか。 貴方は喜んで、私の宝剣を帯びたのに、どうしてその様に起伏が激しいのか? 石の平らに敷きつめられた宮城を見渡せば壮観たること、雪が積もったように白く、秋霜が降りたように鋭い。 聖獣が首指す先、磨かれた玉は中央にまします。 帝王は己に服する領地の、凶殃(わざわい)を避け除く。 左右を制御し、状況を福祥にいたらせる。 呉の辟閭、越の歩光、楚の龍泉、韓に墨陽あり、苗山の鋌、羊頭の鋼、 前代より名を知られ、みな麗しく且つ美しい。 同様に貴方が持つ無銘の良剣も、綺麗で忘れがたい。 冠は青雲のなかにそびえ、細い薄地の絹織物を冠の紐となし、翠翰をもって飾り立て、はなはだ美しく軽やかだ。 表は容儀あいかない、貴方が周囲を見渡せば周囲は光栄に頭を垂れる。 宋の章甫、齊の高冠、また美しいもので、思うにどうして見足りることがあるだろう。 宮殿の門を解放し、殿堂に座すれば、風塵は起きず、天気は清涼たり。 桓の瑟を奏で、趙の倡は舞い、女娥が長歌し、聲の宮商に協し、心に感じ耳は動じ、気はとろけ腸を巡る。 桂き酒を酌し、鯉や魴を膾にし、佳人と期をさだめ、楽しく健康に生きる。 進んで玉杯を奉り、酒は注がれて私の元へと巡ってくる。 今日を楽しみ、忘れるな、楽しみはこれから。 常に楽しむ行為に早いと言う事はなく、歳月の逝くこと、忽ち飛ぶが如しというに、何ゆえ苦しみ、私の心をして悲しませるのか。 ----- *単語 【排金鋪】金鋪は金属で出来た、門の取っ手。排は押す。 ----- *コメント ●「大牆上蒿行」について(注意:編者は原文未確認) >王夫之《古詩評選》:“長句長篇,斯為開山第一祖。鮑照、李白領此宗風,遂為樂府獅象。” >(こりゃ長句長編の開祖だな。 >宋の詩人である鮑照、詩仙の李白がこの作風から影響を受けている。楽府の金字塔をおっ立てやがった) この作については、IAでは作者が明記されていないようで、偽作の可能性を考えられているのか? 問題の原本引用元:[[樂府詩集·卷三十八~卷四十一>>http://www.archive.org/details/06054431.cn]]内、巻三十九(p37~。pdf注意) 台湾中央研究院では、魏文の作と明記されている。 古詩十九首と、東門行(古詩。宋書楽志-大曲)の影響があるか。 で、訳……革新的にすぎて、難しい。 全文を訳するにあたり、ネット検索の結果を複数突き合わせている(一つのみだと、一人の解釈に偏ってしまうため)。 ところがこの詩は、日中の各サイトによって解釈どころかシラブルの区切り方が違う、誤字(訂正した)などがあり、この照会作業に手間取った。 肝は栄華を極めながら悲しむ「君」と、君を慰める「主人公」の視点をどう解釈するか、か? 古代中国で「君」は相手を尊重する言い方なので、君は主人公と対等か上、かつ同年代か年下男性と判断したが、「君=年下」の前提からして間違っている気もする。 とりあえず仮訳として、現時点での我流解釈を記す。お手上げ。 -----
現在地:[[トップページ]]>[[漢詩大会の漢詩全文]]>[[漢詩大会の漢詩全文/曹丕]]>今ココ ----- #contents(fromhere=true) ----- *原文 出典:《楽府詩集(IA)(台湾)》 陽春無不長成,草木群類,隨大風起。零落苦何翩翩。 中心獨立一何煢,四時舍我驅馳,今我隱約欲何為。 人生居天壤間,忽如飛鳥棲枯枝,我今隱約欲何為。 適君身體所服,何不恣君口腹所嘗,冬被貂鼲温暖,夏當服綺羅輕涼。 行力自苦,我將欲何為? 不及君少壮之時,乗堅車,策肥馬良。 上有倉浪之天,今我難得久來視。 下有蠕蠕之地,今我難得久來履。 何不恣意遨遊。 従君所喜,帯我宝剣,今爾何為自低卬? 悲麗平壮観,白如積雪,利若秋霜。 駁犀標首,玉琢中央。 帝王所服,辟除凶殃。禦左右,奈何致福祥。 呉之辟閭,越之歩光,楚之龍泉,韓有墨陽,苗山之鋌,羊頭之鋼,知名前代, 咸自謂麗且美。 曾不知君剣良,綺難忘。 冠青雲之崔嵬,纖羅為纓,飾以翠翰,既美且輕。表容儀,俯仰垂光榮。 宋之章甫,齊之高冠,亦自謂美,蓋何足觀。 排金鋪,坐玉堂,風塵不起,天氣清涼。 奏桓瑟,舞趙倡,女娥長歌,聲協宮商,感心動耳,盪気迴腸。 酌桂酒,鱠鯉魴,與佳人期,為樂康。 前奉玉卮,為我行觴。 今日楽,不可忘,楽未央。 為楽常苦遅,歲月逝,忽若飛,何為自苦,使我心悲。 ----- *仮訳 晴れた春には、全てのものが満ち満ちて成長し、 あらゆる種類の植物や樹木が偉大な[秋]風と共に変化する。 彼らが葉を落とす、そのはばたきを止めることは誰にも出来ない。 自身の幹が立つ、なんと孤独なさまよ! 4つの季節は私を放棄したまま疾駆する。 世に知られぬまま貧困の中で生きて、私は何をしたい? 天地の間で生まれ生きること、 それは枯れた枝の上に鳥が居るような瞬間。 世に知られぬまま貧困の中で生きて、私は何をしたい? 着るものを自分に合わせて、 あなたの口と腹とで味わうものを楽しんでみないか? 冬にはクロテンやリスの毛皮を着て 夏には軽くてクールな薄絹の衣を着用するべきだ。 自分自身を悲惨なものにしようとする、 何が私をこうさせる? それが何であれ、若くて活発な貴方が、丈夫な馬車に乗って毛並みのいい馬を鞭打つことには及ばない。 上には暗緑色の天があり、 今の私にはそれを長く見る稀なチャンスがある。 下には身をよじらせた(山稜連なる)大地があり 今の私にはそれを踏みにじる稀なチャンスがある。 どうぞためらわないで、 貴方が喜ぶものは何? この貴重な私の剣を持ちあるいて、 どうしてあなたは一人で上下するのか? 私は美しいバランスと壮観に吐息をつく。 漂う雪のように白く、 秋の霜のようにシャープ。 剣柄にあるユニコーンとライノの角は、 真ん中に玉が彫られている。 これは皇帝や王によって着用されるものだ、 不幸を避けるために。 それがあなたの側で使用されるとき、 あなたに幸運をもたらすことを止められるものはいない。 (剣の名前) 過去の時代から知られ、 すべてが美しく鮮やかであると主張されてきた―― しかし、あなたの剣と同じぐらい良いものはなく、 その美しさは忘れがたい。 紺碧の雲に向かってつけた帽子、 綺麗な綿のリボン、 キングフィッシャーの羽毛で装飾された、 それは鮮やかで軽い。 それはあなたのスタイリッシュな態度を示し、 頭を上げ下げするごとに、栄光の輝きを放つ。 冠 それらもまた美しさを主張する。 しかし、それらに、どのような見る価値があるのか? 金メッキされた正門を押して、 ジェイドホール(玉の間)に座れば、 風や埃もあがらず、 天気はクリアで冷たい。 緊張感のある弦楽器が演奏され、 趙のパフォーマーが踊り、 乙女らは大声で長く歌う、 その声は、鐘や商の記録と一致する。 彼等は心を喚起し、耳をかき混ぜ、 腸をひねり、精神を震わせる。 シナモンエールを注ぎ、 鯉やブリをスライスする。 明哲な人物と一緒に会合し、喜びと名誉を分かち合う。 彼女は進み出て玉のグラスを差しだし、 エールを私のために注ぐ。 今日の喜びは、 忘れられない。 喜びに終わりのときはまだ来ない。 喜びを見つけるのはいつも遅すぎる。 何年も何ヶ月も過ぎることは 飛ぶように一瞬で。 なぜ自分自身を追い詰めるのか、 そして、私の心は悲しんでいるのか? ----- *単語 【排金鋪】金鋪は金属で出来た、門の取っ手。排は押す。 ----- *コメント ●「大牆上蒿行」について(注意:編者は原文未確認) >王夫之《古詩評選》:“長句長篇,斯為開山第一祖。鮑照、李白領此宗風,遂為樂府獅象。” >(こりゃ長句長編の開祖だな。 >宋の詩人である鮑照、詩仙の李白がこの作風から影響を受けている。楽府の金字塔をおっ立てやがった) この作については、IAでは作者が明記されていないようで、偽作の可能性を考えられているのか? 問題の原本引用元:[[樂府詩集·卷三十八~卷四十一>>http://www.archive.org/details/06054431.cn]]内、巻三十九(p37~。pdf注意) 台湾中央研究院では、魏文の作と明記されている。 古詩十九首と、東門行(古詩。宋書楽志-大曲)の影響があるか。 で、訳…… 肝は栄華を極めながら悲しむ「君」と、君を慰める「主人公」の視点をどう解釈するか、か? 古代中国で「君」は相手を尊重する言い方なので、君は主人公と対等か上、かつ同年代か年下男性と判断したが、「君=年下」の前提からして間違っている気もする。 とりあえず仮訳として、現時点での我流解釈を記す。お手上げ。 -----

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