最近、佐々木は俺の家によく来る。
女の子が家に来ると言ってもそんな羨ましいものではないけどな。
母親が2人に増えたみたいで、ウザいだけだ。
「キョン。宿題もせず昼間からゴロゴロとソファーで居眠りは止めたまえ」
昼食が終わってソファーでゴロリとなっていると、すかさず佐々木が説教する。もしかして、あいつは俺に説教するのが趣味なんだろうか?
一生俺に説教しながら暮らすつもりか?
「明日も休みだから大丈夫。たまの休みくらいゆっくり休ませろよ」
「わかった。君は疲れているんだね。だったら、ベットでちゃんと寝るんだ」
というわけで、ベットに押し込まれて昼寝させられた。
俺が寝る時に、佐々木はベットの側に座って昔話を語ってくれた。こういうのは、確か、えーと、夜伽とか言われてたな。よく知らないけど。
昼寝の後、夕飯の前後に宿題を済ました。昼寝したおかげで随分はかどった。昼寝万歳
その晩は佐々木が俺の家に泊まることになった。なんでも、両親は留守で何かあったら怖いかららしい。勘違いする連中が出ないか心配だ。
昼寝していて目がさえた俺は、宿題も済ませたことだし、夜遅くまで妹とゲームをしようとしたが……
「兄妹仲が良いのは結構だけど、今日はもう寝ることだ。もう10時じゃないか」
「まだ10時だと思うが?」
「遊ぶのは明日早く起きてすることだ」
夜も佐々木は夜伽をしてくれた。おかげで寝付きがすごく良い。
次の日は朝早くハルヒから電話があって緊急団活に参加した。佐々木は家でゆっくりしていけと言う俺の申し出を断り、団活にオブザーバー参加した。
佐々木は俺より朝も早かったし、睡眠時間は明らかに俺より短い。大丈夫か心配になってきた。
そして月曜日。佐々木を泊めたことは校内の噂になっていた。
「もしかして、佐々木を家に泊めて何もないとかいうことは無いはずだよな?」
うるさいな谷口、それが久しぶりに宿題を見せてやった恩人に対する態度かよ。
お前が想像するような何かが俺と佐々木の間にあるはずが無いだろ。国木田と阪中もヤジ馬根性丸出しなんだよ。
「まあ、一緒に勉強はしたな」
「それだけか?」
「それから?まあ、夜伽をやってくれたな。寝るのならちゃんとベットでとか、とにかく佐々木はうるさい奴なんだ」
『夜伽って、もしかして禁則事項のことなのね?』
『当たり前だろ。二股は駄目だけど』
『そんなに驚くことだと僕は思わないけど。むしろ逆に、やってないと驚くよ。二股はいけないけどね』
『二股はいけないのね』
「へー、ベットで寝たのかよ。最初どこで寝ようとしたか知りたいけど、そこまでは良いよ」
普通にソファーだが、どうした3人とも?
犯罪者を見るような眼で……
(おしまい)
最終更新:2008年04月27日 20:01