佐々木「そういえばキョン、昨日「朝比奈ミクルの冒険 Episode
00」を見たよ。やはり文化祭レベルということで色々と粗さが見受けられるけど、それを踏まえても良い出来だったよ」
キョン「………」
俺は今日、例のごとくSOS団のパトロールにため息を吐きながら参加し、例のごとくくじを引き、
例のごとく2人ペアになり、春の日も穏やかな風のせせらぎに揺れる木の下を無表情で感情を感じさせないが、
ストレスを溜め過ぎると世界を作り変えてしまうという可愛らしい?一面を持つ
情報統合思念体が送り込んだヒューマノイドインターフェース長門有希と歩いていた。
すると幸か不幸か、可憐な美少女にして僕っ娘という、極一部の男性の極希少な好みを狙ったとしか思えない萌え要素を持ちながら
尚且つ一部の人々や宇宙人から神と崇められ、俺の親友を自称してはばからない佐々木と出逢ってしまった。
今日の佐々木は妙にテンションが高く、パトロールだからとはばかる俺を無視して
「長門さんともお話したかったんだ」と強引に半ば無理矢理、喫茶店に長門と俺を引き入れた。
この時長門が眉をしかめた様に見えたが………
おい長門、嫌なら嫌と言って良いんだぞ?
佐々木「キョン!君は人の話を右から左へ聞き流すのが趣味なのかい?」
説明じみた回想の世界に迷い込んでいた俺は、耳をつんざく嬌声に呼び戻された。
まぁ、ハルヒと比べたらつんざくなんて表現すら勿体ないが。
キョン「いや、すまん。ちゃんと聞くからもう一度頼む」
佐々木「SOS団の映画を試聴させて貰ったんだよ」
あぁ、可哀想な俺は出演も許されなかった例の。
佐々木「そうなのかい?それは不憫だったね。」
別に出たかった訳じゃあないが。
佐々木「いや、それにしても内容は驚きの連続だったよ。まさか朝比奈さんが空裂眼刺驚を繰り出すなんて」
ん?空…なんだって?
度々すまないが、もう一度ど言ってくれないか?意味が理解できなかったのは聞き取れなかったからだと思うんだ。
佐々木「スペース・リパー・スティンギー・アイズだよ。まさかキョン、知らないんなんて滑稽で奇妙な事はあり得ないよね?」
キョン「俺の脳内ハードディスクに速攻で検索をかけたがスペースの次にリバーが来る単語はヒットしなかった。そしてリバーのあとは単語は覚える事すら出来なかった」