37-172「九曜の検索範囲」

Googleとは、言わずと知れた最大手の検索サイトである。
かつて幅を利かせていたYahoo!やらインフォシークやらの検索サービスをあっという間に抜き去り今やGoogleは検索の代名詞、
最近はネット上の掲示板などでも、初心者が分からない事を質問したりしてもググレ=Googleで調べろ、の一言で返されることもしばしばだ。
それほどGoogleの検索範囲は広く一般常識から相対性理論まで何でもござれ、
政治家の視察のレポートがどっかの論文の盗用でした、なんて話も聞くくらいだしな。
要するに、本気でやればGoogleで調べられないことなど殆ど無いのだ。果たして俺の知識の中に、Googleの検索範囲を越えるものはどれだけあるのだろうね。

「キミは自分を低く見すぎだ。僕の知識範囲なんて、Googleを含めた各種検索サービスの前ではキミに毛が生えた程度だろう。
僕もキミも、所詮は一人の人間に過ぎないからね」

所詮は人、か。てことは人間じゃない奴等、例えば佐々木んとこの人型端末がアクセス出来る情報量は、俺達とどれくらい違うんだろうな。




「やあキョン、先日の九曜さんがアクセス可能な情報量なのだが……」
「げ、独り言のつもりだったのが聞かれてたのか!まあいい、聞いたんだろ。どうだった?」
「例えば太陽系内なら、直径4mm以上の浮遊物体全てをナンバリングした上で軌道も把握しているそうだ。
望むならナンバーから一つ一つ教えてくれるそうだが、僕の寿命が尽きてしまいそうなので断った」

所詮は人間、思い知りました。
だが佐々木よ、あいつとコミュニケーションを取れる方法を知るお前は、人間の中ではかなり上位の存在だと思うぞ。

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最終更新:2008年10月15日 11:11
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