最近俺は佐々木とよく電話で会話するようになった。その日も11時頃電話した。
「ところで、涼宮さんと君との仲は進展したかね?くつくつ」
「いや、特に」
「早くしないと、涼宮さんを誰かに取られてしまうかもしれないよ」
「何で俺があいつに告白しなけりゃならんのだ?」
「あれ?君がずっと前から涼宮さんを好きだと思っていたのは僕の判断ミスか?だとしたら、謝った方が良いかな?」
「いや、別に良い。それより、お前の方はどうなんだ?」
「僕の方とは?」
「彼氏とどこまで進展したか早く言え」
「でも、言うと怒るんじゃないのかなー」
「興味あるから是非話してくれ」
「じゃー。言ってみるよ。
今日は、放課後彼が僕の家にやってきて、彼のを僕のに乗せて一体化させたね。ずっと以前からしようしようと相談してたんだよ」
そういえば奴は学校が終わったとたん。速攻で帰っていった。
えーと、あまりの展開に理解が追いつかない。
「僕の上に乗って思うがままに動く彼の分身。思い出しただけで興奮する」
露骨な隠語を使って、もしかしたら、かっこよいと思ってません?佐々木さん。
「彼の列車を僕のトンネルに何度も入れたり、彼の列車から弾を何発も発車して。すごく楽しくてはしゃぎ回った」
さっきから彼と言ってる。最後までいってよっぽど嬉しいのか?
「でも、彼ったら弾丸を僕の胸に当てて、わざとじゃないと言い訳してたけど、絶対あれはわざとだよね。谷口君もそう思うだろ?
また今日みたいにキョンと遊びたいなー」
「……」
「谷口君。聞いている?」
「わざとに決まってるだろーが。あいつは前からむっつりスケベなんだから」
「そーだよねー」
「キョンとラブラブなのはわかった。話は終わったか?アホらしいから切るぞ」
「すまない。つい調子に乗って。キョンの話となると歯止めが効かなくて」
「仲が良いのは何よりだ。その調子でやってくれ」
これまで、幼稚園児のおままごとみたいなチャチな遊びで何故か幸せいっぱいの変な女だと思っていたが、気がついたら卒業して大人の女になってしまった。やれやれ
ちょっと嫉妬したから、学校で言いふらしてやることにした。
口止めされてないから問題なしだ。
その後キョンがどうなったかは、想像に任せる。俺の話は俺の勘違いだったが、皆が俺を信用したことを言っておこう。
事の真相が、キョンの作った列車のプラモを僕の作った鉄道線路の上に乗せて走らせた。ということはだいぶ後で知ったこと。
弾丸?軍事用列車だから大砲積んでいたんだって。
今日の鉄道の日のために、頑張ったらしい。
『鉄道の日の電話』