71-49『卯月の昼の夢』

※バカップル、アホの子注意

『安心、それが人間の最も身近にいる敵である。』
―シェイクスピア―
「全く、この格言通りだ。」
中学時代からの付き合いであるキョン。少し目を離すと他の女の子に目移りしてしまう。
包容力のある女である所を見せようと、一年程放置しておいたら結果がこれだよ。
大方、涼宮ハルヒに付き合わされて、洗脳でもされたのだろうが。だが。
「(女の純情を踏みにじる浮気者には、罰を与えないとね。)」
今日はキョンの家にお呼ばれだ。少し思い知らせる必要があるだろう。私は喉を鳴らすとキョンの家に向かった。

『安心、それが人間の最も身近にいる敵である。』
「ったく。この格言通りだな。」
中学時代からの付き合いである佐々木。束縛を嫌う性格なので一年程放置していたが、また関係が戻った。
別の男が佐々木に告白。そんな話を本人から聞いて平静でいられるかね?俺は無理だ。
「男の純情を踏みにじると、どんな結果になるのか思い知らせる必要があるな。」
久しぶりに佐々木を自宅へ呼び、佐々木を待つ。

さて。九曜さん謹製の睡眠薬。これを飲ませて裸に剥き、朝日の差し込む部屋に私と一緒にいたら、キミが誰のものかはわかるだろう。

長門謹製の睡眠薬。象でも眠らせると御墨付きのこいつを飲ませ、裸に剥いて俺のベッドに寝かせていたら、俺の気持ちもわかるだろう。

*1
デズデモーナを殺すオセローも、こういう気分だったのだろうな。二人はなんとなくそう思った。

――――――――――――――

「キョンくーん、佐々木お姉ちゃーん、起きてー。」
幸せそうな顔をして、机に突っ伏す二人。安心しきったその表情は、見ている人間が微笑ましくなる程だ。

「彼は頭は悪くないんですがね……」
「佐々木さんもなのです……」

でも馬鹿だ。
二人の超能力者は、そう上司に報告したのであった……。

END

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最終更新:2013年06月02日 03:44
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*1 気分はオセローだ。