24-498「人魚姫ハルヒ」

『人魚姫ハルヒ』谷口著

昔、昔、ある海にハルヒという美人の人魚がいました。
人魚姫ハルヒは時々、嵐を起こして船を沈め、人間達が溺れ死ぬ様を見て楽しんでいました。
まあ、人魚にとって人間など虫けらみたいなものですから。


ある日、ハルヒはいつものように嵐を起こしましたが、今度の船は沈みません。
何故なら、特別頑丈な船だったから。
「面白くないわねー。そうだわ」
頭の良いハルヒは、別の船をぶつけることを考え付きました。
「やったー、成功。人間が溺れるこの光景、いつ見ても楽しいわ」

その時、船から避難した一人の男がハルヒとぶつかりました。
「何するのよ、この変態」
「失礼。女の人がいましたか」
(この男、泳ぎがうまいから溺れそうにないな。よし、抱き付いて沈めてやれ)
ハルヒが抱き付いて沈めようとした直後、頸部を殴られハルヒは気絶してしまいました。
目を覚ますと、ハルヒと男は船の残骸と思われる板切れを掴んでいました。
「気がついたか。良かった。
溺れそうになっていたから、気絶させたけど許してくれ。」
男は小国の王子様で、名前をキョンといいました。
ハルヒはその時、人間のキョンに恋してしまいました。
半時後、眠ってしまった王子様をハルヒは浜まで連れて行きました。


その後、ハルヒは寝ても覚めても、王子様のことばかり、
とうとう、ハルヒは人間になる決心をつけました。
そのために、ハルヒは、みくるちゃんという友達の巨乳人魚を連れて、海の魔男の所に行きました。

「パソコン、じゃなくて、人間になる薬をやるのは簡単だが、君は何をくれるんだ」
「あのー、あたしは何でここにいるのでしゅか?」
「そう言うと思って、みくるちゃんを持ってきたわ
見なさい、この乳。あたしよりでかい、この生意気な乳を
この乳を揉み放題、パ○○リもしてくれるのよ。どう、良いでしょう」
「素晴らしい提案だが、良いのか?」
「あたしが許可するわよ」
「えーん、そんなの嫌でしゅ」
こうしてハルヒはみくるの乳と引き換えに人間になる薬をもらいました。
こうして人間になったハルヒは、王子様の所に行き、王子様と一緒に楽しく暮らすものと思われたが。
王子様にはすでに恋人がいました。隣の国の佐々木姫でした。
「涼宮さんと言ったか、彼女は妖怪だと思うんだが、ほぼ確実に」
「お前がそう言うんなら妖怪だろいが、そんなの関係ないだろ」
「君はそう言うと思ったよ。くつくつ
僕の体にも妖怪の血が流れているから、君がそう言ってくれるのはうれしいけれど。
彼女の邪悪さは属性では無く、性格にあるのだよ」
「ハルヒが邪悪だとは思えないが」
「君の前では猫をかぶっているからねー」
二人は間もなく結婚する予定でした。


ある月のきれいな晩、ハルヒが佐々木姫を暗殺する策を考えて眠れないでいると、
仲間の人魚が呼ぶ声が聞こえました。
「涼宮さん、大変なのね。
王子様が他の女の子と結婚すると、涼宮さんは泡になって消えてしまうのね
だから、このナイフで王子様を刺し殺して、人魚に戻るのね」
「刺すのは佐々木さんにするわ」
「無駄なのね。王子様には他にも恋する女の子がいるのね」
「あたしが負けるわけないじゃない」

次の日の朝
「あたしのお腹にはキョンの子供がいるのよ。だから佐々木さんは身を引いて」
「そんな嘘に騙されないわよ」
(え?佐々木さんの性格ならこの言葉が有効だと思ったのに。だったら実力行使よ)
ナイフを振りかざし、佐々木を殺そうとしたハルヒだったが、逆に佐々木にナイフを奪われ刺された。
そして
「涼宮さん。やっぱりお腹の中に誰もいないじゃないですか。
嘘ついたわね」

ハルヒの魂は静かに天に登って行きました。
めでたしめでたし

・・・・・・・・・

「これは酷いですね。僕の出番がないし」
「谷口。ちょっと何よ、これじゃあたしが終始、酷い女みたいじゃないのよ」
「落ち着け、ハルヒ」
「谷口君は帰ったよ」
「本物の涼宮さんはもっと酷いのです」
「僕はヤンデレか。でもキョンと結婚できるなら」
「やった。良い役なのね」
「あたしは、お話の中だけでも幸せになりたかったでしゅ」
「ヒロインは無口な女の子の方が良い」
「―――出番が―――無い―――」
「ポンG」

(終わり)

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最終更新:2007年11月12日 10:07
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