24-572「もしもキョンが博学になったら」

もしもキョンが博学になったら

「キョン、君は八俣遠呂智を知っているかい?」
(今日の話題はこれだ、このためにここ一週間程殆どの時間を古事記や日本書紀、それに関する本を読む事に費やしてしまったが君の為なら惜しくは無い)
「ああ、知っているぞ、須佐之男命に退治された多頭の大蛇だろ」
(よし、入りはOKだ)
「目は酸漿のような赤い目に八つの頭と尾、血で濡れたような腹部、体は八つの谷と峰に跨がるほど巨大で苔や杉が生い茂っていたんだったな、八って数字は『限り無く大きい』って意味で使われてたから途方もなくでかかったんだろうな」
(む、なかなか詳しいじゃないか、僕が言おうと思っていたのに、まあ本論はこの後だから別に構わないが)
「そう、それだよキョン、実はだね」
「八俣遠呂智の伝説を現実の出来事として考えるとこれって治水の話らしいな」
(ちょっとぉぉぉ! それは僕が言おうとしてたんだってぇぇぇ!)
「八俣遠呂智が河川、須佐之男命がたすけた櫛名田姫は稲田を表していて毎年娘が食われたのは水害を意味、あと神に生贄を捧げる風習が有った事も指しているな、これは櫛名田姫を奇稲田姫とも表記する事から推測可能だな」
(くっ、少々キョンを侮っていたようだ、ここまで知っているとは、だが、僕にはまだ手札が有る!)
「そういう説もあるね、だけど実はもう一つ説が」
「他の説では『出雲風土記』に記された出雲国と越国の交戦を表していて出雲国が勝利した物語ってのもあったな」
(こっちも知ってたぁぁぁ!? くっ、だがまだまだ、こちらにはまだ手が有る!)
「よく知っているねキョン、ところで八俣遠呂智の伝説では天叢雲剣が有名だが」
「あと天叢雲剣は出雲国で栄えた古代製鉄技術の象徴って言われてるな、八俣遠呂智の尾を切り付けて十握剣が欠けて中から天叢雲剣が出て来たってことから十握剣が青銅制で天叢雲剣が当時最先端だった鉄剣だったなんていうふうに。
 川が八俣遠呂智の血で染まったっていうのも鉄分の錆で川が赤味がかっていた事を示しているとも推測されるし」
(負けた……遂に何も説明出来ずに終った……こんな僕にいったいなんの価値が……)
「実は佐々木に負けないように色んな本を読むようにしていてな、ってどうした佐々木? 聞いてるか? おーい」


「いやー、佐々木さんの閉鎖空間に八俣遠呂智の形の神人が大量発生ー!」


結論:橘死亡フラグ

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最終更新:2007年11月13日 08:28
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