習慣とは恐ろしいもので、終業のチャイムが鳴ると部室へと足が向いてしまうようになった。いや、これはもはや習性か?
と、くだらないことを考えながら部室に行くと佐々木がいた。
「人間の場合、習性とは習慣によってつくられた性質や癖を指すものだよ、キョン。」
モノローグを勝手に読むな。つーか何故お前が部室にいて、おまけにバニーガールの格好をしている。
「涼宮さんに呼ばれたのだよ。何でも僕にSOS団の名を広める協力をさせる気らしい。
僕としてはこのような煽情的な格好は遠慮したかったのだがね。そういえば涼宮さんは一緒じゃないのかい?」
今部室には俺、佐々木、長門しかいない。直行した俺より先にいた長門は、一体いつからいるのだろうか。
「ハルヒは掃除当番だ。それにしても、あいつが来る前から着替えてるなんて、本当は乗り気なんじゃないか。」
「……!そ、それはだね、キョン。べ、別にややや、やる気になってるとかそういうのじゃなくて」
まあ、いいんじゃないか?似合ってるし。
――形の良い尻や、中学時代に水泳の授業で見たときよりも大きくなっている胸なんかのせいで、俺としては目のやり場に困るが。
「そ、そうかい!?
君にそう言って貰えたなら僕としても早く着替えた意味があるというものだよ。引き受けた唯一の理由と言ってもいい。」
何か言っているが、あまり聞こえなかった。
ハルヒが勢いドアを開け、それと同時に大声で喋りだしたからだ。
「やっほー!佐々木さん来てる?
あら、もう準備万端じゃない。じゃあ早速行きましょ!私とみくるちゃんも着替えてきたから。
あ、キョンと有希はもう解散していいわよ。」
三人が出て行ってから長門に聞いてみた。
「長門、さっき佐々木が何て言っていたか、お前なら聞こえたんじゃないか?よかったら教えてくれ。」
「私にも聞こえなかった。」
答えるのが随分早いな。聞くと同時じゃないか。
うーむ。顔を赤くしていたから、躍起になって弁解していたんだろうか。よっぽど勘違いされたのが嫌だったんだろうな。
「それよりも、私もあの衣装に興味がある。家に用意したので、似合うかどうかみてほしい。」
そうか。長門もコスプレに興味があったのか。
それから二人で帰って、白いバニーガールの姿になった長門の姿を拝ましてもらった。
正直…たまりませんでした。
佐々木「涼宮さんが来るまでに僕がキョンを魅了するつもりだったのにー」グスン
最終更新:2007年12月03日 08:00