『奴の愛車』
軽トラックで登校する変な奴、それが俺の親友キョンだ。
すでに、奴の愛車はこの大学の名物になっている。
毎朝、彼女を助手席に乗せて登校する。それも、学内で5指に入る美人の彼女だ。
うらやましいぞ、この野郎。
何故か、荷台には草刈り道具が置いてあるので、植木屋さんと間違えられたことが何度もあったとか。
さて、キョンの彼女だが、キョンに劣らず変な女である。
男相手には僕で話かけて、小難しい話を長々とする。
そう、ずっと昔からキョンは変な女が好きなのである。
眼中に無かった長門かわいそうに。
いや、むしろキョンに押し倒されて純潔を奪われなくて良かった、と考えた方が良い。
キョンは教室では右隣に彼女をはべらせる。
左隣には、ずっと俺とクラスが一緒だった涼宮ハルヒがいる。
涼宮ハルヒはキョンの彼女の佐々木以上の変人で、佐々木と同格の美人だ。
そして、高校で知り合って以来、涼宮ハルヒはキョンにずっとお熱だ。
何でキョンだけそんなにモテる!?
そんな両手に花のキャンパスライフを楽しんだ後、キョンは佐々木を送って帰る。
そして、彼女の家で晩ご飯とかその他いろいろご馳走になる。
夜中になってようやく、キョンは石鹸の匂いをプンプンさせて彼女の家を出る。
見送る彼女も石鹸の匂いをさせている。
なお、一週間に一度は彼女の家に泊っているらしい。
ここまで言ったら聡明な諸君ならキョンが毎晩毎晩、何をやっているわかるだろう。
何?判らない?
毎晩毎晩、彼女を乗せているに決まっているだろ。お前ら白痴か
乗るのはキョンの方?佐々木のあの顔は騎○位が好きな顔だ。俺にはよくわかる。
個人的には、涼宮ハルヒや他の女の子との浮気話とかも話しておきたいが、モテない諸君が卒倒するといけないので割愛する。
とにかく「キョン死ね」が我々の合言葉だ。
以上
『奴の愛車』谷口著
最終更新:2007年12月12日 17:27