「やだなあ…琢磨君…」
【詳細】
ドラゴンの特質を備えた
オルフェノク。『555』作中に登場する怪人で唯一の架空生物モチーフ。
両腕に竜の頭部を模した手甲を備え厚さ3Mの鉄塊を粉砕する「
魔人態」、外装を脱ぎ捨てアクセルフォームを上回る速さで移動する「
龍人態」の二種類の姿を自由に扱うことができる。
魔人態は分厚い装甲に覆われ、仮面ライダーの必殺キックを二人同時に受けても跳ね返すほど頑強。
強靭な腕から破壊光弾を発射し、頭部の2本の角から1万ボルトもの雷を発生させ、飛行能力までも備えている(劇中で披露したことはない)。
【仮面ライダー555】
ラッキークローバーの一員で、北崎を名乗る少年が変身する(16歳と、メンバーの中では最も若い)。
非常に飽きっぽく幼稚な性格で、
澤田からデルタギアを貰い、長い間デルタに変身していたが、「飽きた」という理由で澤田にギアを返却してしまう。
同窓会の日、
青沼と共に
流星塾の面々の命を奪った張本人。
強い力を持つラッキークローバーの中でも随一の戦闘力を誇り、その力は強すぎるあまり人間の姿であっても触れたものが灰化してしまうほど。
相手がオルフェノクであればその効果は弱まるが、それでも触れた部分から徐々に灰化していく事になる。
同じラッキークローバーの
琢磨をよく虐めており、上述の灰化能力を使ってからかったり、デルタ、またはオルフェノクになって彼を何度も痛めつけたりした。
自分より年上の
無邪気かつ、自身の力に絶対の自信を持っている。
実際、デルタに変身しライダー達を圧倒。さらにオルフェノクとしての実力でこれまで無敗だったファイズアクセルフォームを敗北させるほど。
しかし、自身に対する自信が強すぎるため、ブラスターフォームとの戦いで敗北した際には激しい憤りを見せる。
オルフェノクの「王」の存在を知った北崎は、王を倒した者が新しい王というゲームルールを定めて行動するが、生き延びたい
琢磨や
冴子はこれを拒否。
ファイズやデルタとの交戦中に逆に2人が攻撃してきたため龍人形態となって2人をはねのけ、瞬時に魔人態となってファイズ達を締め上げるがデルタのビームを顔面に当たった事で隙が出来、クリムゾン
スマッシュとルシファーズハンマーを同時に受ける。
だが、浮かび上がる紋章を破壊しその場を逃走するも、ダメージを殺し切れず弱りきっており、センチピードオルフェノクにこれまでの鬱憤を晴らすかのように痛めつけられた直後、現れた
オルフェノクの王に殺害され、遺骸を貪り食われるという壮絶な最期を遂げた。
放送当時発売された格闘ゲームでは、使用可能キャラの1人として魔人態のみが登場。
両肩のパーツを武器として両腕に装備するという、原作番組にはない能力を披露した。
【仮面ライダーファイズ 正伝 異形の花々】
小説『異形の花々』では後述する初期設定を採用し、本編での最初のデルタ装着者であった木村沙耶が変身するオルフェノクとして登場。
その為か、この小説に登場する沙耶は本編とはキャラクター性が大きく異なっている。
『小説 仮面ライダーファイズ』としての再録時に加筆された5年後では彼女もオルフェノクとしての宿命で短命に終わった事が判明し、結果遺されて衰弱死した雅人が
オルフェノクとして覚醒する切っ掛けを作ってしまった。
【仮面ライダーディケイド】
「ファイズの世界」にもラッキークローバーの一員として登場。
この世界では
スマートブレインハイスクールに所属する「玄田」という粗暴な男性が化身するオルフェノクで、最初は龍人態の姿で登場しディケイドと交戦するもディケイドブレイドが発動したライトニングブラストを受け倒される。
仮面ライダー図鑑によると龍人態は拘束運動能力を活かした素早い攻撃、魔人態は強固な外殻と筋力を活かしたパワー攻撃を得意とすると紹介されているが双方の姿を切り替えられるなどの記載は無い。
実際原典のような圧倒的な力を持つような描写は無く、ある意味ラッキークローバーは4人という不文律を守るための数要員かのような存在になってしまった。
【余談】
『キカイダー01』に登場する「ギルハカイダー」の怪人体「ブラックドラゴン」のオマージュ怪人。
『555』で北崎役を演じる藤田玲氏は劇中でデルタギアを簡単に放棄してしまった事について「自分だったら勿体無くてそんな事できない」と、当時の『特撮ニュータイプ』のインタビュー記事で述べている。
また、『555』製作当初の構想では「木村沙耶がドラゴンオルフェノクに変身して北崎を殺害し、その後釜としてラッキークローバーに加入する」というストーリー設定が予定されていたが、
沙耶役の女優のスケジュール面での都合からレギュラー出演が不可能となり、代わりにゲストキャラの予定だった北崎がレギュラーとなりオルフェノクとしての彼女の役を担う事になった経緯がある。
形態変化が可能なオルフェノクは
オリジナルである確率が高いが、仮面ライダー図鑑でも北崎がオリジナルであるとする文章はない。
しかし触れるだけで人間はもとより無機物や同族さえも灰化させてしまうその高すぎる能力故にほぼオリジナルで間違いないと思われる。
魔人態と龍人態を戦闘中使い分ける事ができるが、明確に性質の異なる仮面ライダーのフォームチェンジにも似た姿の切り替えを行うオルフェノクは珍しい。
せいぜい空中を水中と同じように泳げる
遊泳態への形態変化が可能なオルフェノクがいるくらいで、
北崎のような姿の使い分けができるオルフェノクは彼のみ。
激情態のような感情の高ぶりによって変化することも有るが、そちらはなってしまえば元の上位互換となるため戻ったりすることはない。
最終更新:2023年12月19日 02:41