「おい!これ見てくれ!掘り出し物だぜ!」
イエンスが大声で叫んだ。
「何が出たんだ?」
西暦約2050年。日付不明。
彼らは旧東ヨーロッパ辺りに居た。地形は既に変形し、古い地図は当てにならない。
かといって、最新の物は最重要軍事機密として一般には出回っていない。
戦争中なのだ。
「これだよこれ!銃だよ!まだ使えるかな?調べてくれよ
ミハイル」
「どれどれ……」
彼は薄汚れた銃を手に取り、分厚い資料をめくり始める。銃に刻まれた刻印を便りに、少しずつその正体を確認する。
「えーっと………。これはM4って銃だね。アメリカって国が造った軍用のライフル銃」
「アメリカ?アメリカって海渡った先の国だったんだろ?何でここに?」
「昔は世界中に軍隊を派遣してたみたいだよ。昔あった戦争の時の物かもしれないし」
「で、まだ使える?」
「状態はいいけど……。弾が無いとどうにもならないよ」
「なんとかならないかな?俺達が持ってる銃ので似たようなのあるかな?」
「ムリだね。使ってる火薬が違い過ぎるよ。6ミリに満たない口径で凄い殺傷力があるらしいから。俺達の物とは比べ物にならない。再現する技術も無いし」
ミハイルはライフルを放り投げ、残念がるイエンスをよそに辺りを探り始める。
「それよりイエンス、アレは見つかったか?」
「さぁね。手掛かりすらないよ。ていうか、本当にそんな物あるのかよ」
「絶対あるさ。昔使われたはずだ。それがないと奴らには勝てない」
「おかげでテロリスト扱いだ。だいたい俺達だけじゃなく、相手国に応援を頼めばいいじゃねぇか。連中、血眼になって探すぜ」
「あんな独裁者共が戦争に勝ってみろ。今と何も変わらないさ」
彼らが何を探すのか――
それは過去の大戦で一度だけ使われた、究極の電子兵器。
「必ず見つけるんだ。あれさえあれば、奴と対抗出来る」
登場キャラクター
最終更新:2010年07月11日 08:21