西暦約2050年 日付不明
日本列島 旧宮城県周辺
砂が滑る音が聞こえる。
積み重ねられた瓦礫は雨風にさらされ、崩された物は今度は砂に帰ろうとしている。
どこからか、獣のうめき声が聞こえる。
クリッターだ。それも無数の。恐らく腹を空かしているに違いない。
少年は動かない。
満天の星空に魅入っていたから。
「広いなぁ……」
空に向かってつぶやく少年の前を、一匹のクリッターが横切る。襲い掛かる様子は無い。
「ああ、居たのか。ゴメンよ。今日は何も持って居ないんだ」
少年はクリッターに話し掛ける。かつて人間から派生した怪物は残念そうな顔で立ち去る。
ここらで人間は彼一人だ。
あとは全てクリッターが喰らい尽くしてしまった。
彼はなぜ襲われないのか。
それは彼にも解らない。
やがてはその秘密も知る事となるだろう。
その時は、彼が倒すべき敵も現れるはずだ。
彼は天に選ばれた。
その自覚はまだ無い。それを知る時、最後の戦争は終決へと向かうだろう。
救世主はまだ眠っている。
登場キャラクター
最終更新:2010年07月11日 08:26