数メートル先が見えない。
放射能を含む粒子は暴風に乗り縦横無尽に飛び回る。本来、この地域では有り得ないはずの光景。人によって造られたこの砂漠では毎日のように砂嵐が起きる。
昔の人達が見たらどう思うだろうか?
しかし、今この時を生きる彼らには当たり前だった。
そして、そこに潜むもう一つの脅威も。
西暦約2050年 日付不明
北アメリカ大陸、旧カリフォルニア州辺り
「来たぞ!撃て!」
銃声が響く。それは砂の地面をえぐり出す。
飛び散ったのは砂ではなく鮮血。
「いい腕だ
クロダ!」
「これからよムス。まだたっぷりいるわ」
彼らは戦っている。相手は人間ではない。50年前に人類より分かたれた違う生命体の一種。
この砂漠ではもっぱら『サンドクロウラー』と呼ばれている。
「見えるムス?」
「待て……。前方75メートル先、あの瓦礫の陰……居たぞ。そこでいい。」
「OK」
クロダと呼ばれた女性は銃を構える。ムスと呼ばれた男性の能力はサンドクロウラーの位置を捉え、クロダはその指示に従う。
黒田の銃に弾薬は装填されていない。
それがクロダの能力。自身のエネルギーを弾丸として撃ち出し、それは通常と比べ非常に高い火力を誇る。
「くたばれ…っと!」
閃光が砂嵐の中を突進する。それは瓦礫の塊に激突し、青白い炎を上げ燃え上がる。
その中では、ムササビのように平らな身体のサンドクロウラーも奇声を発し、生きなが焼かれている。
「まだ居る?」
「ああ。でも砂嵐ももうすぐ終わる。あと少しだ」
「OK。夜になる前には帰れそうね」
クロダは銃を構える。
ムササビのような膜を広げたサンドクロウラーが風に乗り飛来し、上から襲いかかる。
刹那、ベージュの保護色の身体は木っ端みじんに砕け、風に乗り消えて行く。
「舐めんじゃ無いわよ。近付いたら殺すわ。OK?化け物共」
彼らは戦っている。
登場キャラクター
最終更新:2010年07月11日 08:22