ナレーション | かつて、ゼントラーディと呼ばれる巨人達との戦争があった。 |
初めての星間戦争で滅亡の危機を経験した人類は、外宇宙への進出に未来を託し、 | |
新天地を求め、銀河の各方面へと散っていった。 | |
そして西暦2059年、数えて25番目となる巨大移民船団「マクロスフロンティア」は、 | |
銀河の中心エリアで新たな敵と遭遇した。 |
ランカ | い、いや……いやあああああ! |
オズマ | !?ギリアム……いや……。 |
アルト | うわああああああああああああっ! |
トライアングラー(オープニング)
アルト | とおおおあああああーーー! |
オズマ | ギリアムじゃない。誰だ! |
ランカ!?なんでこんなとこに。 | |
アルト | ……玉切れ?うわっ、やべぇ! |
の、のわぁ! | |
ランカ | やめ…て。 |
アルト | アーマード。 |
オズマ | 誰だ貴様。ギリアムはどうした! |
アルト | お、俺は……。 |
それより、何々だよこの化け物は。なんで…。 | |
オズマ | ……っ! |
アルト | すげぇ。 |
ミハエル | 隊長。ギリアム大尉。 |
オズマ | ミシェルか。そいつはギリアムじゃない。素人だ。 |
ミハエル | え? |
オズマ | そこの素人、事情は後だ。すぐにその娘を連れて逃げろ! |
アルト | は、はい! |
ミハエル | 娘…ランカちゃん。 |
アルト | つかまれ! |
ランカ | えぇ? |
アルト | 早く! |
じっとしてろ。 | |
ランカ | うわぁ~。 |
オズマ | かすり傷でもつけてみろ。反応弾で蒸発させてやる! |
オズマ | うっ、何を! |
ランカ | あっ。 |
アルト | まだいやがったのか。しっかりつかまってろ。 |
ランカ | う、うん。 |
アルト | くそおお! |
うわぁっ! |
ミハエル | 本当に素人?にしちゃいい腕だけど。 |
アルト | うわっ。うぉぉぉぉぁああーー!! |
アルト | まずい。 |
ランカ | うわ、うわぁぁ~~~。 |
アルト | うおおおおおおおっっ! |
アルト | つかまれぇ! |
ランカ | うわぁぁ~~~。 |
アルト | 目を閉じて口を塞げ! |
ランカ | え? |
アルト | やべぇ。ぐああああーーー! |
ミハエル | ふぅ。ったく、詰めの甘い奴め。 |
アルト | 大丈夫か?しっかりしろ。 |
ランカ | ……こわ…怖かった。怖かったよ~。 |
アルト | あぁ、大丈夫だ。もう大丈夫だから。 |
ランカ | お兄ちゃん……お兄ちゃん。 |
アルト | あぁ……。 |
ランカ | はっ。何で私…。 |
アルト | &ランカ うわぁっ! |
ランカ | え? |
アルト | あ、その……。 |
ランカ | キャァアアーーーーーーーー!!! |
オズマ | ん、今だ。いただきー!! |
ルカ | スカル3よりスカル1へ。オズマ隊長。 |
オズマ | ん? |
ルカ | 理由は不明ですが、敵が撤退していきます。あれがバジュラなんですね。 |
オズマ | そうだ。よく持ち堪えたな。後で褒美に飴玉買ってやる。 |
ルカ | もう、隊長まで子ども扱いしないでくださいよ。 |
オズマ | フ。ミシェル、ランカ達は? |
ミハエル | 着陸してます。行きますか? |
オズマ | ん、駄目だ。ランカにはこの仕事のことは…。 |
アルト | 良かったな、鼓膜も破れてなくて。 |
ランカ | えへへ。あたし一応ゼントランとのクォーターだからね。 |
アルト | 見かけによらずタフなわけだ。 |
ランカ | フフッフフ。それにしても、今日は助けてもらってばっかりだね。ホントにホントにありがとう。 |
アルト | え?あ、あはは。こいつのおかげ……。 |
アルト | ……礼を言われるのは、俺じゃない。 |
ランカ | え?あ、待って。あなたの名前。 |
ランカ | あたしランカ、ランカ・リー。忘れないで。ねぇ!必ずお礼。 |
アルト | ………(嘔吐)。 |
大統領 | ついにこの船団も連中に捕捉されたか。今まで以上にビルラーに頼らねばならなくなるなぁ。 |
レオン | こちらが損害処理と環境被害の報告書、そしてマスコミ、ネット対策を含めた情報工作の計画書です。 |
大統領 | 手回しがいいな、相変わらず。 |
レオン | お褒めに預かり光栄です。 |
大統領 | ッフ。 |
アナウンス | 本日午前6時、非常事態宣言は解除されました。 |
なおドーム内の環境平衡を取り戻すまで、各種資源は第一次統制モードとなります。 | |
皆様のご協力をお願いいたします。 | |
一般人 | 凄かったね昨日の騒ぎ。 |
一般人 | 私すぐシェルターに入ったから。 |
一般人 | 叔父貴が見たらしいんだけどさ、戦闘機みたいだったって。 |
ナナセ | ん?あーっ。 |
学園生 | おはよう。 |
学園生 | ニュースじゃ正体不明って。 |
学園生 | またプロトカルチャー絡みの異星人とか? |
学園生 | ゼントランじゃないんだよな。 |
学園生 | 凄かったよねぇシェリル。 |
学園生 | ねぇミシェル君まだなの?内部の話聞かせてもらえると思ったのに。 |
学園生 | 放送が中断されたのすっごく残念。 |
学園生 | つーかあれアルトだよな。 |
学園生 | 見た見た、びっくりしちゃった。 |
学園生 | くそぉ羨ましい~。俺もシェリルを抱いてみてぇ。 |
学園生 | もう、やらしい言い方。 |
先生 | 早乙女アルト、居るかー? |
アルト | あ? |
学園生 | なんで軍人が。 |
ナナセ | あ、早乙女君。 |
学園生 | またあいつなんかやったのか。 |
キャシー | 早乙女アルトさん、我々に同行して頂きます。 |
ランカ | なんで私検査なんかしなきゃならなかったの?全然元気なのに。 |
オズマ | 念のためさ。それより、注射で泣いたりしなかったか? |
ランカ | んーっ、子ども扱いしないでよ。それよりお兄ちゃん、さっきの話忘れないでよね。 |
オズマ | あぁあれか。しっかしお姫様みたいな男のパイロットねぇ。 |
ランカ | あー、信じてないでしょ。ホントなんだよ。髪の毛こーんな長くって、すっごい美人なの。 |
ランカ | お兄ちゃんの会社の人か軍人さんか分からないけど、お兄ちゃんなら調べられるでしょ?人事部なんだし。 |
オズマ | 分かったよ、調べてみる。(俺も用があるしな) |
ランカ | ありがとうお兄ちゃん。お礼に今日も差し入れ持ってってあげるから、ね? |
オズマ | ンッフフフフフ。 |
キャシー | ここよ。 |
オズマ | ん?キャシー。 |
グレイス | 17時からMBSの生、歌もあるわ。19時からは来週のミス・マクロスの審査の打ち合わせ。その後は……。 |
シェリル | 無い、無いわ。ここにも、ここでもない。あ~も~。違う、違うっ! |
グレイス | 聞いてます?シェリル。 |
シェリル | 昨日のLIVEビデオは? |
グレイス | まだ届いてませんけど。 |
シェリル | でもあなた見てたでしょグレイス。 |
アルト | 何で俺がこんな検査受けなきゃならないんだよ。 |
キャシー | 必要な措置です。あなたは正体不明の敵に接触したようですから。 |
オズマ | !?奴が……。 |
アルト | 何なんだよあの化け物どもは。 |
キャシー | 軍事機密です。 |
アルト | ……。 |
キャシー | 早乙女アルト。歌舞伎俳優。18世早乙女嵐蔵の長男。10歳で初舞台。 |
55年、美星学園中等部演劇コースに入学。高等部進学時にパイロットコースに転科。 | |
成績は次席。優秀ね。だからと言って、バルキリーに乗って戦闘するのはやり過ぎね。 | |
軍はこの件であなたを告発する用意があります。 | |
アルト | …あの時はあぁするしかなかった。どっかの軍人はやられっちまったし。 |
キャシー | それは理解します。ですから譲歩案も用意してあるわ。あなた、軍に入るつもりはない? |
アルト | え? |
オズマ | そんな素人を勧誘するなんざ、軍の人手不足もいよいよ深刻なんだな。 |
キャシー | オズマ。軍を辞めたあなたには関係ありません。 |
オズマ | いや、あるね。そいつの壊したVF-25は、俺達S.M.Sの管理下にある機体だからな。 |
アルト | え?SMS? |
オズマ | だろう? キャサリン・グラス中尉。 |
キャシー | ……。 |
アルト | あんた、S.M.Sって言ってたよな。軍の下働きやってる会社が、何であんな機体を持っている。 |
まだ性能評価試験中のはずだぜ。 | |
オズマ | フ。一端の知識はあるってわけだ。どうだ、VF-25は。ゾクゾクしたろ。 |
アルト | アルト ……。 |
オズマ | その試験はメーカーの委託で俺達がやっているのさ。より実戦的にな。 |
キャシー | なぜそんな事を? |
シェリル | いいから教えて。そのアクロバットをやっていた早乙女アルトって子が今いる場所を。 |
シェリル | 立ち入り禁止!?そんなの無意味よ。私はシェリルなのよ! |
アルト | 意外だな。民間なんてもっとグダグダしてんのかと思った。 |
オズマ | 資本主義ってやつさ。 |
アルト | ? |
オズマ | 金の力は偉大ってことだ。 |
アルト | なんで俺を連れてきた。 |
オズマ | それは……こいつのためさ。 |
グレイス | はぁ。 |
シェリル | (ごめーんグレイス。ちょっと外出してくる。仕事までには必ず戻るから。 |
愛してる。シェリル) | |
グレイス | もう。 |
シェリル | えーっと、297、297、297区画……どこなのよ!!もう分かりにくい! |
ランカ | 飛び越えろ~、ハラペコなの~♪、次のステージ…。 |
シェリル | あぁ、ちょっと、そこのあなた。 |
ランカ | はい? |
オペレータ | 司令。 |
オズマ | ギリアムは死んだ。お前は見ていたはずだな。話せ。奴がどんなふうに戦って死んだか。 |
オズマ | 看取った奴は、残された者に死に様を語って聴かせる、それがここの流儀だ。 |
アルト | ……。 |
ルカ | カナリアさん、何です?この騒ぎ。 |
カナリア | 連れてきた、オズマが。ギリアムの見届け人。 |
ミハエル | お、ってアルト!? |
ルカ | え、えぇ!? |
アルト | ミハエル、ルカ? |
ボビー | ミッションコードビクター、繰り返すコードビクターを発令中。 |
アルト | えぇ!? |
オズマ | スカル小隊、出撃準備! |
ルカ&ミハエル | 了解! |
オズマ | ギリアムの弔い合戦だ!行くぞぉ!! |
モニカ | 新統合軍作戦司令室から入電。ビクターは退却せず、アイランド3基礎ブロックに潜んでいた模様。 |
アイランド1への接近を阻止せよ。 | |
ラム | 町への警報、まだ出てないです。 |
ミーナ | 揉めてるんでしょ。もう安全宣言出しちゃったし。 |
ボビー | フ、無能ですねぇ、相変わらず。 |
ラム&ミーナ | ねぇ。 |
ジェフリー | 諸君、敵は昨日の生き残りだ。すでに懐に入り込まれている。船団宙域内での戦闘だ。 |
諸君の実力を遺憾無く発揮してくれたまえ。 |
アルト | おい。 |
オズマ | ん? |
アルト | 俺を、俺をバルキリーに乗せろ! |
オズマ | フ。このっ!! |
ノリでほざいてんじゃねぇ!ガキが!! | |
誰か、こいつを安全界域に放り出せ! | |
アルト | くっ……。 |
シェリル | へ~、あなたそんなにシェリルのこと好きなんだぁ。 |
ランカ | だって素敵じゃないですか。歌も凄いし、踊りも。あぁでも何て言うか、そう、オーラです。 |
自信と才能にあふれてて、それが見えるみたいで。 | |
シェリル | もっとないの? |
ランカ | あと、そう、インタビューとかで時々言い過ぎちゃうとことか。 |
シェリル | えへへ。 |
ランカ | うふふ。でも憧れます。私も一度でいいからあんな風になれたらなぁって。えへ。 |
私なんかじゃとても無理なの分かってるんですけど。 | |
シェリル | そう。かわいいわよ、あなた。 |
ランカ | ありがとうございます。お世辞でもすっごくうれしいです。 |
ランカ | あっ。 |
シェリル | 綺麗ね。 |
ランカ | はい。でも……。 |
シェリル | もしかして知り合いに飛行機乗りがいるの? |
ランカ | お兄ちゃん、兄が昔。今は事務の仕事だから安心なんですけど。でも……。 |
シェリル | 『神様に恋をしてた頃は |
こんな別れが来るとは思ってなかったよ』 | |
ランカ | あ、え?うそ!? |
シェリル | 『もう二度とふれられないなら |
せめて最後に もう一度抱きしめて欲しかったよ | |
It's long long good-bye……』 |
ランカ | シェリル……? |
シェリル | こんなサービス、滅多にしないんだからね。 |
アルト | お前達。 |
ランカ | え? 昨日のお姫様。 |
シェリル | 見つけたわ。早乙女アルト! |
ダイアモンド クレバス(エンディング)
予告 | 突然のバジュラの襲来。閉じ込められたアルト達は、己の隠された思いに気付く。 |
次回「オン・ユア・マークス」決意の歌、銀河に響け。 |