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第九話『天井突破グレンマイン』 - (2007/08/23 (木) 09:19:35) の編集履歴(バックアップ)
今回の対戦は、リハビリの意味もかねて指示を出さない。
犬型のハウと悪魔型のノワールのオーナー。七瀬都はそう決めていた。
彼女の神姫たちは一ヶ月前、とある事情により負傷をしていた。そしてようやっと治り、さて帰ろうと言う矢先に春奈を見つけ、今に至るわけなのだが・・・・。
そもそも元からあれこれと指示を出す戦闘スタイルではないのだが、今回に限り彼女は心にそう決めていた。
・・・・決めていたのだが。
『なんと言うかだね。ノワール、早くトドメ刺しちゃったほうがいいんじゃないかね』
犬型のハウと悪魔型のノワールのオーナー。七瀬都はそう決めていた。
彼女の神姫たちは一ヶ月前、とある事情により負傷をしていた。そしてようやっと治り、さて帰ろうと言う矢先に春奈を見つけ、今に至るわけなのだが・・・・。
そもそも元からあれこれと指示を出す戦闘スタイルではないのだが、今回に限り彼女は心にそう決めていた。
・・・・決めていたのだが。
『なんと言うかだね。ノワール、早くトドメ刺しちゃったほうがいいんじゃないかね』
クラブハンド・フォートブラッグ
第九話
『天井突破グレンマイン』
「・・・・ノワールも、そう思う」
都の神姫、悪魔型のノワールの目の前には、壁にめり込んだマオチャオがいた。
開戦早々、自分は一発の弾丸なのだ! と叫ぶと槍を持ってぶっ飛んできた。当然の如くノワールはそれを避けた、すると背後の壁にそのままぶち当たったと言うわけだ。
『マイ!? しっかりするんだマイ!!』
筐体の向こうでは、幼馴染の八谷良平が慌てている。
無理も無い。
『哀れに思えてきた・・・・勝手に戦っていいよ。今日はリハビリだし』
「ヤー、マイスター」
背中のバックパックからブレードを引き出し、面倒臭そうにめり込んだマイに近づいていくノワール。
相手は動けないのだからこのままゲージがゼロになるまで斬り続ければ・・・そんなことを考えていた矢先だった。
「・・・・・・?」
よくみるとめり込んだ壁にひびが入っている。しかもひびはゆっくりと大きくなってきていた。
「・・・・・・・・おー」
そうこうしているうちにひびは広がり、とうとう壁は崩れ去った。
「いってぇのだ!! チクショウ!! 頭打ったのだなん!!」
瓦礫となった壁の向こうから、マイが姿を現した。
砂と埃で大分汚れているが、ダメージは無い。
「・・・・意外と、頑丈」
「やいそこの無口っ子!! よくも避けてくれたのだなん!! せっかくの必殺技を避けるとは何事だー!?」
「・・・・初め、いきなり、必殺技・・・出すほうが悪い・・・と思う」
「なんとッ!? このあたしに正論で返してくるとは外道なマネをッ!!」
「・・・・だいじょう、ぶ?」
「いてぇのだ! たんこぶ出来ててもおかしくないのだなん!! じゃなくって!!」
「・・・・・あとで、医務室、行く」
「あ、ありがとう御座います・・・じゃない!!」
会話がかみ合っていなかった。
「あたしとお前は戦うのだなん!! よって問答無用!!」
そういうやいなやバックパックのブースターを点火し、さっきよりも速い速度でノワールに突っ込んでいくマイ。
対するノワールはほんの少し身をそらし、マイの足に自分の足を引っ掛けて転倒させた。
「・・・・・え、と」
「卑怯ものー!! 足を引っ掛けて転ばせるとは何事だー!?」
『マイ・・・とりあえず落ち着いてくれないかな・・・・』
筐体の外から、八谷の苦悩する声が響いてきた。
これまた無理も無い。
「OK。くーるだうんくーるだうん・・・・」
呟きながら立ち上がるマイ。
話が進まない。
「・・・・落ち着いたのだ・・・・ってうあっ!?」
マイが顔を上げるとノワールがいきなりブレードで斬りつけてきた。
紙一重でそれをかわすマイ。
「・・・・面倒・・・早く終わらせる・・・・」
そういいながらまたも斬撃を繰り返すノワール。その速度は段々と速くなってきている。
『マイ、一度はなれるんだ!!』
「らにゃー!」
マイはバックステップで距離をとろうとする。しかし全く同時にノワールも前へと跳んでいた。
『「なっ!?」』
「・・・・・・・・・遅い」
そのまま斬りつけられマイは地面に倒れこむ。
ノワールはそれ以上の追撃をせず、その場に立っている。
『マイ! 大丈夫か!?』
「どうにか生きてるんだなん・・・・」
槍を杖代わりに立ち上がるマイ。
体力ゲージは三分の一ほど削られていた。
「・・・・・・・・・・降参、する?」
いつの間にか両手にブレードを持ったノワールがマイにそう問いかける。
「するか!!」
そういって槍をノワールに突きつけるマイ。
しかし今の一瞬で、マイとノワールの実力の差は明らかになった。
『(マイには勝ち目が無い・・・かといって降参なんて論外だ・・・どうすれば・・・どうすれば勝てる!?)』
八谷がそう悩んでいる間にも、ノワールはマイに向かって斬りかかる。それを紙一重でかわし続けるマイ。
「ハチやん! このままじゃヤバイのだなん!! なんか打開策無いのか!?」
『そんなこと言われても・・・・ん? ・・・・・あるな』
「あるのかよ!?」
都の神姫、悪魔型のノワールの目の前には、壁にめり込んだマオチャオがいた。
開戦早々、自分は一発の弾丸なのだ! と叫ぶと槍を持ってぶっ飛んできた。当然の如くノワールはそれを避けた、すると背後の壁にそのままぶち当たったと言うわけだ。
『マイ!? しっかりするんだマイ!!』
筐体の向こうでは、幼馴染の八谷良平が慌てている。
無理も無い。
『哀れに思えてきた・・・・勝手に戦っていいよ。今日はリハビリだし』
「ヤー、マイスター」
背中のバックパックからブレードを引き出し、面倒臭そうにめり込んだマイに近づいていくノワール。
相手は動けないのだからこのままゲージがゼロになるまで斬り続ければ・・・そんなことを考えていた矢先だった。
「・・・・・・?」
よくみるとめり込んだ壁にひびが入っている。しかもひびはゆっくりと大きくなってきていた。
「・・・・・・・・おー」
そうこうしているうちにひびは広がり、とうとう壁は崩れ去った。
「いってぇのだ!! チクショウ!! 頭打ったのだなん!!」
瓦礫となった壁の向こうから、マイが姿を現した。
砂と埃で大分汚れているが、ダメージは無い。
「・・・・意外と、頑丈」
「やいそこの無口っ子!! よくも避けてくれたのだなん!! せっかくの必殺技を避けるとは何事だー!?」
「・・・・初め、いきなり、必殺技・・・出すほうが悪い・・・と思う」
「なんとッ!? このあたしに正論で返してくるとは外道なマネをッ!!」
「・・・・だいじょう、ぶ?」
「いてぇのだ! たんこぶ出来ててもおかしくないのだなん!! じゃなくって!!」
「・・・・・あとで、医務室、行く」
「あ、ありがとう御座います・・・じゃない!!」
会話がかみ合っていなかった。
「あたしとお前は戦うのだなん!! よって問答無用!!」
そういうやいなやバックパックのブースターを点火し、さっきよりも速い速度でノワールに突っ込んでいくマイ。
対するノワールはほんの少し身をそらし、マイの足に自分の足を引っ掛けて転倒させた。
「・・・・・え、と」
「卑怯ものー!! 足を引っ掛けて転ばせるとは何事だー!?」
『マイ・・・とりあえず落ち着いてくれないかな・・・・』
筐体の外から、八谷の苦悩する声が響いてきた。
これまた無理も無い。
「OK。くーるだうんくーるだうん・・・・」
呟きながら立ち上がるマイ。
話が進まない。
「・・・・落ち着いたのだ・・・・ってうあっ!?」
マイが顔を上げるとノワールがいきなりブレードで斬りつけてきた。
紙一重でそれをかわすマイ。
「・・・・面倒・・・早く終わらせる・・・・」
そういいながらまたも斬撃を繰り返すノワール。その速度は段々と速くなってきている。
『マイ、一度はなれるんだ!!』
「らにゃー!」
マイはバックステップで距離をとろうとする。しかし全く同時にノワールも前へと跳んでいた。
『「なっ!?」』
「・・・・・・・・・遅い」
そのまま斬りつけられマイは地面に倒れこむ。
ノワールはそれ以上の追撃をせず、その場に立っている。
『マイ! 大丈夫か!?』
「どうにか生きてるんだなん・・・・」
槍を杖代わりに立ち上がるマイ。
体力ゲージは三分の一ほど削られていた。
「・・・・・・・・・・降参、する?」
いつの間にか両手にブレードを持ったノワールがマイにそう問いかける。
「するか!!」
そういって槍をノワールに突きつけるマイ。
しかし今の一瞬で、マイとノワールの実力の差は明らかになった。
『(マイには勝ち目が無い・・・かといって降参なんて論外だ・・・どうすれば・・・どうすれば勝てる!?)』
八谷がそう悩んでいる間にも、ノワールはマイに向かって斬りかかる。それを紙一重でかわし続けるマイ。
「ハチやん! このままじゃヤバイのだなん!! なんか打開策無いのか!?」
『そんなこと言われても・・・・ん? ・・・・・あるな』
「あるのかよ!?」
「・・・・・・・・・・・つまらない」
斬撃の途中、ノワールはそう呟いた。
彼女にとって、ブレードを使うのは数ヶ月ぶりである。ハウが来てから・・・とある事情で使うのをやめてしまったからだ。
そして今日は久しぶりのバトル。そしてなによりもブレードの使用許可がでたのが嬉しくて仕方が無かった。・・・・なのに、相手は避けるばかりでちっとも戦おうとしない。加えて相手の武装も、彼女と戦うには微妙な代物だった。
ドリルをつけた槍を構え、背中のブースターで加速して貫く。
単純すぎて欠伸が出る。
そして今も、自分の斬撃から逃げ惑うばかり。
そろそろ終わりにしようかと思った瞬間、マイはまた後ろへと跳んだ。
それと全く同じ速度でノワールは前へと跳ぶ。その瞬間
「――――――――――え!?」
物凄い速度で突き出されたドリルに、彼女は貫かれた。
斬撃の途中、ノワールはそう呟いた。
彼女にとって、ブレードを使うのは数ヶ月ぶりである。ハウが来てから・・・とある事情で使うのをやめてしまったからだ。
そして今日は久しぶりのバトル。そしてなによりもブレードの使用許可がでたのが嬉しくて仕方が無かった。・・・・なのに、相手は避けるばかりでちっとも戦おうとしない。加えて相手の武装も、彼女と戦うには微妙な代物だった。
ドリルをつけた槍を構え、背中のブースターで加速して貫く。
単純すぎて欠伸が出る。
そして今も、自分の斬撃から逃げ惑うばかり。
そろそろ終わりにしようかと思った瞬間、マイはまた後ろへと跳んだ。
それと全く同じ速度でノワールは前へと跳ぶ。その瞬間
「――――――――――え!?」
物凄い速度で突き出されたドリルに、彼女は貫かれた。
「当たったのだ!?」
『いよっし!! 行ける!!』
マイはバックステップで逃げた後それを追ってくるノワールに向かって、ブースターを全開にしたダッシュ突きを食らわせたのだ。
避けようの無いマイの攻撃に、ノワールの体力ゲージは大きく削られる。
「・・・・なんで」
「何でと問う!! それはこのマイが強いからなのだ!!」
『大口過ぎるよマイ・・・・・』
「とは言うものの・・・後一撃が限界なのだなん」
そういうとマイは槍を構えた。次の一撃で決めるつもりなのだろう。ノワールもブレードを構える。
「・・・最後に、何か言う事はあるのかなん?」
マイの問いに、ノワールは答えた。
「・・・どっちにしても・・・不完全、燃焼」
そうして互いに得物を構えたままにらみ合う。
そして動いたのは同時、しかしブースターの分マイのほうが速度が速い。
互いが互いの攻撃を受け、また沈黙が場を支配する。
そして・・・倒れたのは全く同時だった。
『いよっし!! 行ける!!』
マイはバックステップで逃げた後それを追ってくるノワールに向かって、ブースターを全開にしたダッシュ突きを食らわせたのだ。
避けようの無いマイの攻撃に、ノワールの体力ゲージは大きく削られる。
「・・・・なんで」
「何でと問う!! それはこのマイが強いからなのだ!!」
『大口過ぎるよマイ・・・・・』
「とは言うものの・・・後一撃が限界なのだなん」
そういうとマイは槍を構えた。次の一撃で決めるつもりなのだろう。ノワールもブレードを構える。
「・・・最後に、何か言う事はあるのかなん?」
マイの問いに、ノワールは答えた。
「・・・どっちにしても・・・不完全、燃焼」
そうして互いに得物を構えたままにらみ合う。
そして動いたのは同時、しかしブースターの分マイのほうが速度が速い。
互いが互いの攻撃を受け、また沈黙が場を支配する。
そして・・・倒れたのは全く同時だった。
『え、これで終わり!?』
『なんというかだね・・・もう少し腕を磨いたほうがいいな・・・・お互いに』
『なんというかだね・・・もう少し腕を磨いたほうがいいな・・・・お互いに』