「防壁」 - (2008/01/05 (土) 01:47:46) の編集履歴(バックアップ)
第16話 「防壁」
「くっそ、何なんだコレ」
開始から既に数分。 斬撃、銃撃……こっちの攻撃はことごとく防がれていた。
「どうやらっ……あの盾を何とかしない事には……っ!」
牽制に放ったカロッテTMPの銃撃が避けるまでもなく弾かれ、ルーシーが苦い顔で呟く。
ヴィーナスの持つ丸盾の表面は半円を描くように湾曲しており、こちらの攻撃に対して微細な角度をつけて受ける事で衝撃を受け流している……らしい。
精密射撃が売りのルーシーではあるが、マシンガンの弾丸程度じゃ、さながら傘に当たる雨粒みたいに散らされちまう。
稀にその盾を掻い潜っても、元々が重装甲であるから有効打を与えられずにいる。
かといって爆発力のあるグレネードを撃ち込もうにも、開始直後のアレを見るに効果は薄い。
オマケに向こうは近接戦闘特化型、足を止めての白兵戦じゃ、片脚のこっちはバランス取るのが難しい。
ルーシー自身にこそダメージはないが、装甲板の幾つかは貫通されたり斬り割られたりで結構ボロボロだ。
……正直かなりキツいわ、これ。
開始から既に数分。 斬撃、銃撃……こっちの攻撃はことごとく防がれていた。
「どうやらっ……あの盾を何とかしない事には……っ!」
牽制に放ったカロッテTMPの銃撃が避けるまでもなく弾かれ、ルーシーが苦い顔で呟く。
ヴィーナスの持つ丸盾の表面は半円を描くように湾曲しており、こちらの攻撃に対して微細な角度をつけて受ける事で衝撃を受け流している……らしい。
精密射撃が売りのルーシーではあるが、マシンガンの弾丸程度じゃ、さながら傘に当たる雨粒みたいに散らされちまう。
稀にその盾を掻い潜っても、元々が重装甲であるから有効打を与えられずにいる。
かといって爆発力のあるグレネードを撃ち込もうにも、開始直後のアレを見るに効果は薄い。
オマケに向こうは近接戦闘特化型、足を止めての白兵戦じゃ、片脚のこっちはバランス取るのが難しい。
ルーシー自身にこそダメージはないが、装甲板の幾つかは貫通されたり斬り割られたりで結構ボロボロだ。
……正直かなりキツいわ、これ。
「しゃーねぇ、いっぺん離れろ!」
「分っ……かりました!」
アングルブレードを握ったままのチーグルで盾を押し返し、高いジャンプで後方へ飛ぶ。
「にがすな、ヴィーナス!」
見れば、既に向こうも既に間合いを詰める態勢に入ってる。
「止めろッ!」
「ハイっ!」
俺の声に秒を置かずグレネードを放つが、ヴィーナスは盾の強度に任せて榴弾に体当たり、そのまま突進してきやがった。
……狙い通りとまでは言わねぇが、予想のうちだ。
爆煙を貫いて剣の切っ先が迫るのに、アングルブレードでの迎撃を行う。
タイミングは僅かにこっちが速い。 このままカウンターで……
「分っ……かりました!」
アングルブレードを握ったままのチーグルで盾を押し返し、高いジャンプで後方へ飛ぶ。
「にがすな、ヴィーナス!」
見れば、既に向こうも既に間合いを詰める態勢に入ってる。
「止めろッ!」
「ハイっ!」
俺の声に秒を置かずグレネードを放つが、ヴィーナスは盾の強度に任せて榴弾に体当たり、そのまま突進してきやがった。
……狙い通りとまでは言わねぇが、予想のうちだ。
爆煙を貫いて剣の切っ先が迫るのに、アングルブレードでの迎撃を行う。
タイミングは僅かにこっちが速い。 このままカウンターで……
「あまく見るなといったぞ!」
「はあぁッ!」
「はあぁッ!」
ヴィーナスが大きく振り上げた盾によって、斬撃は届く事なくチーグルごと打ち払われた。
悪い事は続くもんで、衝撃に耐え切れなかったブレードが鈍い音を立てて折れ飛ぶ。
悪い事は続くもんで、衝撃に耐え切れなかったブレードが鈍い音を立てて折れ飛ぶ。
忘我の一瞬。
本命の一撃。
……轟音が炸裂してヴィーナスが大きく吹き飛んだ。
まさか盾で殴られるとは思わなかったが、結果的にガードが開いた一瞬、ルーシーはグレネードをヴィーナスのどてっ腹にブチ込む事に成功した。
しかしこっちも無傷とは行かず……どころか右のブレードはへし折れるわ左のチーグルは肩口から斬り落とされるわの大ダメージだ。
……グレネードの炸裂で刺突の角度が変わらなけりゃ、どてっ腹に喰らってたのはこっちだったかもな。
しかしこっちも無傷とは行かず……どころか右のブレードはへし折れるわ左のチーグルは肩口から斬り落とされるわの大ダメージだ。
……グレネードの炸裂で刺突の角度が変わらなけりゃ、どてっ腹に喰らってたのはこっちだったかもな。