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戦うことを忘れた武装神姫-8 - (2007/01/15 (月) 01:50:39) の編集履歴(バックアップ)
戦うことを忘れた武装神姫 その8
・・・その7の続き・・・
「・・・ロクな武装神姫にならないとは聞き捨てならないなぁ。」
振り向いた久遠は、M町センターのトップランカーに言った。
「別にこいつらは戦わせるだけが全てじゃないんだし。俺に言わせりゃ、あんな
戦い方をする神姫こそロクでもない育ちをしている思うんだけどな。」
「言いたい事いってくれるっすねぇ、オッサン。」
と、言われたときだった。
「ヌシさんをオッサンと呼ぶなー!! このクサレ神姫使いがー!!!」
久遠の肩の上でリゼが叫んだ。あまりの声の大きさに周囲の目が一瞬にして彼ら
に集まる。 側ではかえでがどうして良いのかオロオロする・・・。
「り、リゼ・・・肩の上では大声出すんじゃない・・・。」
片耳を押さえもだえる久遠。元々、耳が良い久遠にとってはかなりのダメージの
ようで、しきりに頭を振っている。一方のトップランカーもリゼに「クサレ」と
呼ばれたことに動揺を隠せない様子。
「な、なんだよ神姫のくせに、偉そ・・・」
ヒュッ! さくっ、さくさくっ!!
作業台に降りたリゼの投げたデザインナイフの刃が数本、トップランカーの手に
していたケースに突き刺さった。恐ろしい形相で、さらにデザインナイフの刃を
数本手にしている。
「神姫のくせに、だって? てめぇ、あたしらを何だと思ってるんだっ!!」
「お前らは機械なんだぞ! 人間に刃向かったらどうなるか、わかっ・・・」
ヒュッ! さくさくっ!
再びデザインナイフの刃が投げられ、ボックスに突き刺さる。・・・だんだんと
刺さる位置が、ボックスを持つ手に近づいている。
「ほぉ・・・『機械』ねぇ。 そうかそうか。」
ヒュッ! さくっ!
ボックスの持ち手に刃が刺さった。
「なら、あたしたちが機械と神姫の違いを教えてやるよ。 よーし、準備期間を
1週間与えてやる。対戦方式はそれぞれ4体、1vs1が4戦でいいな?」
「お、面白いじゃないっすか・・・。 やるっす、受けるっすよ!」
「じゃ、決まりだな。 あたしじゃ正式な申し込みは出来ないから、ヌシさんが
・・・って、いつまでも耳押さえてるんじゃないよ!」
「お前の所為だろ、この耳と頭痛とめまいは・・・。はいはい、対戦の申し込み
するんだね。 受付に行って来るから、リゼはここでちょいと待ってろや。」
「本当にいいんすね、オッサ・・・」
その言葉を聞き逃さなかったリゼ、
ぶんッ! べちん!!
手元のマスキングテープを投げつけ、トップランカーの手にブチ当てた。
「ってー!! わかりました、いいんすね、ストラーフのマスターさん!」
「わかればよろしい。」
動揺するトップランカーは、ちょっと申し訳なさそうにする久遠に促され、共に
受付へ向かった。
その後、受付を終えた久遠が戻ると、心配そうにまだうろたえるかえでとティナ
に何やら語っている。
「・・・大丈夫だって! まー、見てなって。あんたとかえでちゃんの『痛み』
は、何が何でもあいつらに味わわせてやるから! あ、ヌシさんおかえりー。」
「まー、リゼの気持ちはわからんでもないが・・・」
と、久遠につまみ上げられたリゼ、ここで初めて何をしでかしたか、事の重大さ
に気づいた。廻りを取り囲むギャラリー。そのギャラリーの前で、このセンター
のトップランカーに勝負を挑んでしまった・・・ だんだんと表情がこわばり、
膝ガクガクになったリゼを久遠はじっと見つめる。
「わかった? いまの状況が。」
「や、やばい・・・ す、すまない、ヌシさん・・・ど、どど、どうしよう?」
久遠はリゼの動揺する姿をかえでに見られないよう、リゼを手のひらでちょいと
包むように持った。
「まー・・・俺の言いたいことをリゼが全部言ってくれた感じかな。結局、俺が
話しても対戦申し込んだだろうし。だから・・・」
手を顔の高さまで持ち上げ、リゼにそっと耳打ちするように、
「リゼ、お前は・・・何があろうと、かえでちゃんとティナちゃんのヒーローで
あり続けること。いいね。」
と付け加えた。目にいっぱい涙をため、しおしおになりかけていたリゼの顔が、
ぱっと明るくなった。
「ささ、涙を拭いて。 そーだ。いい顔になったか?」
「ありがと、ヌシさん・・・。」
「別にいいって。じゃー、やるぞー。お前も付いてこいよー!!」
振り向いた久遠は、M町センターのトップランカーに言った。
「別にこいつらは戦わせるだけが全てじゃないんだし。俺に言わせりゃ、あんな
戦い方をする神姫こそロクでもない育ちをしている思うんだけどな。」
「言いたい事いってくれるっすねぇ、オッサン。」
と、言われたときだった。
「ヌシさんをオッサンと呼ぶなー!! このクサレ神姫使いがー!!!」
久遠の肩の上でリゼが叫んだ。あまりの声の大きさに周囲の目が一瞬にして彼ら
に集まる。 側ではかえでがどうして良いのかオロオロする・・・。
「り、リゼ・・・肩の上では大声出すんじゃない・・・。」
片耳を押さえもだえる久遠。元々、耳が良い久遠にとってはかなりのダメージの
ようで、しきりに頭を振っている。一方のトップランカーもリゼに「クサレ」と
呼ばれたことに動揺を隠せない様子。
「な、なんだよ神姫のくせに、偉そ・・・」
ヒュッ! さくっ、さくさくっ!!
作業台に降りたリゼの投げたデザインナイフの刃が数本、トップランカーの手に
していたケースに突き刺さった。恐ろしい形相で、さらにデザインナイフの刃を
数本手にしている。
「神姫のくせに、だって? てめぇ、あたしらを何だと思ってるんだっ!!」
「お前らは機械なんだぞ! 人間に刃向かったらどうなるか、わかっ・・・」
ヒュッ! さくさくっ!
再びデザインナイフの刃が投げられ、ボックスに突き刺さる。・・・だんだんと
刺さる位置が、ボックスを持つ手に近づいている。
「ほぉ・・・『機械』ねぇ。 そうかそうか。」
ヒュッ! さくっ!
ボックスの持ち手に刃が刺さった。
「なら、あたしたちが機械と神姫の違いを教えてやるよ。 よーし、準備期間を
1週間与えてやる。対戦方式はそれぞれ4体、1vs1が4戦でいいな?」
「お、面白いじゃないっすか・・・。 やるっす、受けるっすよ!」
「じゃ、決まりだな。 あたしじゃ正式な申し込みは出来ないから、ヌシさんが
・・・って、いつまでも耳押さえてるんじゃないよ!」
「お前の所為だろ、この耳と頭痛とめまいは・・・。はいはい、対戦の申し込み
するんだね。 受付に行って来るから、リゼはここでちょいと待ってろや。」
「本当にいいんすね、オッサ・・・」
その言葉を聞き逃さなかったリゼ、
ぶんッ! べちん!!
手元のマスキングテープを投げつけ、トップランカーの手にブチ当てた。
「ってー!! わかりました、いいんすね、ストラーフのマスターさん!」
「わかればよろしい。」
動揺するトップランカーは、ちょっと申し訳なさそうにする久遠に促され、共に
受付へ向かった。
その後、受付を終えた久遠が戻ると、心配そうにまだうろたえるかえでとティナ
に何やら語っている。
「・・・大丈夫だって! まー、見てなって。あんたとかえでちゃんの『痛み』
は、何が何でもあいつらに味わわせてやるから! あ、ヌシさんおかえりー。」
「まー、リゼの気持ちはわからんでもないが・・・」
と、久遠につまみ上げられたリゼ、ここで初めて何をしでかしたか、事の重大さ
に気づいた。廻りを取り囲むギャラリー。そのギャラリーの前で、このセンター
のトップランカーに勝負を挑んでしまった・・・ だんだんと表情がこわばり、
膝ガクガクになったリゼを久遠はじっと見つめる。
「わかった? いまの状況が。」
「や、やばい・・・ す、すまない、ヌシさん・・・ど、どど、どうしよう?」
久遠はリゼの動揺する姿をかえでに見られないよう、リゼを手のひらでちょいと
包むように持った。
「まー・・・俺の言いたいことをリゼが全部言ってくれた感じかな。結局、俺が
話しても対戦申し込んだだろうし。だから・・・」
手を顔の高さまで持ち上げ、リゼにそっと耳打ちするように、
「リゼ、お前は・・・何があろうと、かえでちゃんとティナちゃんのヒーローで
あり続けること。いいね。」
と付け加えた。目にいっぱい涙をため、しおしおになりかけていたリゼの顔が、
ぱっと明るくなった。
「ささ、涙を拭いて。 そーだ。いい顔になったか?」
「ありがと、ヌシさん・・・。」
「別にいいって。じゃー、やるぞー。お前も付いてこいよー!!」
・・・
「んで、その時の記事がこれかい。」
久遠から渡されたミニコミ紙の記事をつつきながらCTaが言った。
久遠から渡されたミニコミ紙の記事をつつきながらCTaが言った。
・・・続く・・・