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EXECUTION-Another 06-『AbsoluteTruth』 - (2007/05/20 (日) 05:35:21) の編集履歴(バックアップ)
―PM:17:22 March XX. 203X.
―Water Supply, B2F.
7つ目の『運命の輪』の解体から、ミラは慎重にならなければならないと思った。少し前に大紀を負かしたが、彼が連れている黒服の姿をよく見かけるようになったのだ。
「ったく、邪魔くせぇな」
「しつこい男は嫌われるものだよ」
あの場は逃がしてくれたようなものだったが、敗北に納得出来ず、ミラの本当の目的を探ろうとする為に後を追っているのかもしれない。
だが、特設ドームの構造は十分すぎる程に把握している為、黒服を撒くのにはさほど苦労せずに済んだ。それに、関係者以外立ち入り禁止とされる場所をミラなら通る事が出来るし、更に桜に連絡し警備員に黒服の行動を制限するように頼んだのだった。
ANOTHER PHASE-06
『AbsoluteTruth』
閑話休題、ミラは非常口の会談から地下へ降りて水道施設に来ていた。
部屋の中は非常に薄暗かったが、部屋中に張り巡らされた様々な太さの無数の管が見てとれた。その中には、大柄で無骨なハンドルが付けられているものもあった。
それらに繋がっている大型装置は、無機質な不気味な鳴動を立てている。今までに見たような機械類とはまるで異なる代物だった。
「何でこんな場所なんだよ?」
「半分の推測と半分の勘だ。タロットに水に関するカードが3枚はある。『節制』と『星』と『月』だ。が、『節制』は既に解除し、『月』は開閉式ドームにあった……となると、水にもっとも縁のある『星』が怪しい」
トランクを開けて震電と連山を出しつつ、自分の推理を説明する。
「けどよ、水だったら他にもあるだろ? 例えば……調理場とかトイレとか?」
「調理場だったら、昼や夜など客のかき入れ時を狙うだろうが、『アルカナ』の爆弾が作動するタイミングは必ず、表彰式だ。そんな時に、暢気に食事に来る客は少ないだろう。トイレは尚更だ。必要な時しか人は来ないし、『星』の数字である17の数にも当てはまらない。それに図面を見たが、施設に効率の良いダメージを与える事は出来ないと判断した」
ドームと言う施設である為、水を使う場所は限定される。ミラは更に言葉を続けた。
「だが、これだけ巨大な施設の地下には必ず、それらを支える基礎がある。この水道施設の排水量なら……裕に30トンは越えるだろう。それが全てでは無いし、万が一の事故の為に漏水しにくくなっている筈だろうが、地下に穴が開き大量の水が押し寄せてきたら…」
「電力室の漏電と、筐体制御室の壊滅ってか…きつい冗談だな」
爆弾そのものよりも、爆破した後が最大の問題だ。
「さて、探そうか。出来る限り速やかにな」
to be continued...
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