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神姫と暮らす日常 第三章 - (2007/12/22 (土) 04:18:47) のソース
武装神姫…それはテクノロジーが生み出した全く新しいロボットである。 MMSと呼ばれる基本素体にCSCチップを搭載、さらに様々なパーツを使用することで無限の能力を引き出す事ができるのである。 武装神姫と暮らす日常 第三章『ノエルVSクラリス』 瞳を開くと両サイドに2m前後のコンテナの積まれた場所に立っていた。 (ここがバトルフィールドの仮想空間かぁ……感覚は実世界とほとんど変わらないんだ) 『どうクラリス、相手の場所はわかる?』 端末を通して聞こえてくるゆかりの声にクラリスは首を振り答える。 「ダメだね…センサーはジャミングされているっぽいし、直接見ようにもこう障害物が多いとね……」 『それじゃ、私達は完全に後手に回るって事じゃ…』 「そういう事になるね。これだから金持ちは…」 そこまで言った所で、ゆかりの端末とクラリスのセンサーに警告が鳴り響く。 『な、なに…っ!?』 「ミサイル警報ッ方向は…上ッ!?」 言って上を向くとそこには無数の光点が灯っていた。 『クラリス、防御ッ!』 「まったくこれだから金持ちは……ッ」 ゆかりの咄嗟の指示に反応しクラリスは姿勢を低くし全身を護る様にチーグルを構え防御体制を取った。 それとほぼ同時に大量のミサイルがクラリスとその周辺のコンテナへと降り注ぐ。 『―ミギリアパーツGA4チーグルソンショウド28%、ヒジカンセツニキノウフゼン…ヒダリキャクブパーツGA2チーグルソンショウド23%…』 ゆかりの端末から無機質なシステム音が聞こえてくる。 『クラリス、大丈夫っ!』 「う……なんとかね」 防御姿勢を解きながらクラリスは答える。 「しかし、相手も無茶するねー…折角の障害物が木っ端微塵だよ」 今は見るも無残に破壊されているコンテナを見ながらクラリスは言う。 『でも今の状態なら相手の事視認できるんじゃ…』 「…ダメ、まだ砂埃が邪魔で何も見えないよ」 言いながら左右を見るクラリスの前を一つの点が光った。 「何、光った?」 そしてソレはクラリスの真横を通り… 左側のGA4チーグルアームを根元から吹き飛ばしていった。 「なっ……ぐっ」 クラリスはアームを吹き飛ばされた反動で地面を転がるように飛ばされた。 『ヒダリGA4チーグルゼンソン、キノウテイシ…』 『クラリスッ!』 「直撃はしてないからあたしは大丈夫……まったく一撃でチーグルを吹き飛ばすなんてどんなAPよ」 苦虫を噛んだかのような顔をしながらクラリスは言う。 『えーぴー?あくしょん…ぽいんと?』 「違うよ」 『ふぇ?』 本気で分からないと言う顔をしながらゆかりは言う。 『ノエル!折角のチャンスでしたのに何をしているのっ!』 「申し訳ありません、マスター…ですが次は必ず!」 『勿論よ、そんな雑魚さっさと倒してしまいなさい!』 べるのの言葉に対しノエルは全身に装備された武器を構えながら答える。 「って、そんなこと言ってる場合じゃなかった…相手は砲撃タイプみたいだから……」 『ずっと動き回っていれば大丈夫?』 「そういうことにっ………なるねっ!」 言いながらクラリスは横に跳躍する。 次の瞬間クラリスの居た場所にノエルが撃った弾丸が着弾し地面が抉れ飛ぶ。 「ふぅ~…間一髪」 『止まったら的ッ、動き続けながら反撃して!』 「そんなことは……わかってるよっ!」 左手でヴズルイフ、右側のチーグルアームでシュラムの引き金を撃ちつつ蛙の様に跳ねつつノエルの射撃を避ける。 『ノエル!あんな手負いの鼠に何時まで時間かけているの!』 「で、ですがマスター…あれでいて意外と身軽で……」 時折飛んでくる弾丸やグレーネード弾をリアパーツに接続されているシールドで防ぎながら答える。 『言い訳無用ですことよ。…仕方ないですわね、こんな相手に使うのは癪ですけどアレを使いますわよ』 「了解です…マスター」 『弾薬装填!』 「初弾焼夷弾…次弾APFSDS……装填完了」 『相手が着地した瞬間を狙いなさいよ』 「わかっています」 牽制の為の射撃をしながらノエルは言う。 『……今よ!』 「了解…発射ッ!!」 「…ッしまった!?」 着地した瞬間を狙ったかのように一発の弾がクラリスへと向かってくる。 『クラリス、避けて!』 「ダ、ダメ…間に合わ……」 そこまで言った所で弾はクラリスに直撃し、クラリスは炎に包まれ地面に膝を付く。 『クラリスッ!クラリス、返事をしてっ!』 「…………」 『クラリスカツドウゲンカイオンドヲチョウカ…キョウセイシャットダウンチュウデス……サイキドウマデシバラクオマチクダサイ………』 ゆかりの端末から無慈悲な機会音声が響き渡る。 『そ、そんな…このままじゃ狙い撃ちに………』 『その通りですわ』 端末越しにゆかりに対してべるのは言う。 『最早貴方に勝ち目はないですわ、大人しく降参しなさい!』 『くっ…』 『何なら…無防備なあの娘を機能停止に追い込んでさしあげてもよろしいのですわよ?』 べるのの言葉に反応するかのようにノエルは銃口をクラリスの胸部へと向ける。 『………わかった、私の負けよ』 言ってゆかりは端末を操作する。 『マスターユカリ…シアイホウキヲカクニン……Winner:Beruno』 「オーナー!何で試合放棄なんて…ッ!」 筐体から出てくるなりクラリスはゆかりに抗議する。 「仕方ないじゃない…あの状況じゃ他に打つ手なんてなかったんだし……」 俯き気味になりながらゆかりは言う。 「まぁまぁ、最初だったんだからそんなもんだよ」 二人の間に入りながら卯月は言う。 「それよりも問題は…あの娘がこれで更に増長しそうなことですね」 卯月の肩に乗っているアキがべるのの方を見ながら言う。 「確かにな…」 「オーホッホッホッホッホッホッホッ、ほんとここには雑魚でノロマな神姫しかいないみたいですわね」 周りを見下すように見ながらべるのは言う。 「なら、今度は私が相手をしましょうか?」 頭に種型ジュビジーを乗っけている少女が笑みを浮かべながら言う。 「…あまり強そうに見えませんけど、まぁいいでしょう。貴方も私の輝かしい戦歴の1ページにしてさしあげますわ!」 笑みを浮かべ少女を指差しながらべるのは言う。 「本当に輝かしい戦歴になるといいですね」 少女は笑みを崩さずに答える。 ―次回予告― 「むー…今回の勝負納得いかないなぁ」 「納得いかないなら修行してリベンジすればいいと思うんだけど…」 「余りそういう暑苦しいの嫌いなんだけどなぁ…」 「我侭…何ならボクが稽古つけてあげるけど?」 「そ、そんなことより予告予告ッ!」 (誤魔化した…) 「次回神姫と暮らす日常『稲が舞う日』お楽しみに!」 (そんなにボクの稽古って厳しいのかな…) [[続く>神姫と暮らす日常 第四章]] [[戻る>神姫と暮らす日常]]