「第五話 「悲しき戦士の咆吼」」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
第五話 「悲しき戦士の咆吼」 - (2006/10/22 (日) 11:12:32) のソース
ふ… ふふふふふふ… 来たわっ… 来たわよついにっ…!!! ついにアタシが戦いの舞台にッッッッッ!! コニー「ふふふふふ…アハハハハハハハハハハぁ!!今日からこのコニーちゃんの 最強伝説が幕を上げるのよ!カ――ッカカカ―――!!」 ジャロ「すごいのだコニーちゃん、すっごいハイテンションなのだ!」 ヴェル「ええ…でも入れ込み過ぎて、逆効果にならなければ良いんだけど…。」 ノワル「うわ~!このポップコーン美味ひいよ!ねぇ! 『ニンニクギョーザ味』らって!ヴェルも食べる?モグモグ…」 今日はセカンドリーグ…いわゆる非賞金制リーグの第1回戦、やっとボディを購入できた コニーの初陣なのである。 とりあえず短いながらも1週間みっちりヴェル達と同様の疑似訓練を積んでの戦いだから、 まず負ける事はない… と、思うんだが……。 「コニー、初めての実践で気持ちが高ぶってる様だけど、もっとリラックスして…」 コニー「分かってますわ!!相手が再起不能になるまで徹底的に叩きのめす!ですわね! うふふふふふふ…腕が鳴りますわ!」 「いや…そうじゃなくて…てか今日の戦いは電脳空間上でのバトルだから、再起不能とか そう言うのは無理な訳で…。」 コニー「そこでぼへ~っと眺めてるノータリン猫娘!見てなさい!今日があんたの レギュラー落ち記念日よ!そしてアタシが今まで歩んできたやさぐれロードを 歩ませてあげるからね!ホーホッホッホッホッホッホ!!」 「自分で言っちゃったよ…やさぐれ…って;まぁ、あんな感じだから頼んだよ、ぷちマスィーンズ。」 オレ「ん――――っだよ~!なんでオレ等があんな発狂ウサギの面倒見なきゃなんねーんだよ!」 シロ「ホンマですわ~。ワイは銭にならんことはまっぴらゴメンですがな~…。」 クロ「司令官(コマンダー)直々の命とは言え…遺憾であります…。」 ボク「ま…まぁまぁ…;兎に角お任せ下さいマスター、サポートはきっちり行います!」 コニー「ケ――――――――ッケッケッケッケッケ―――――!!!」 「…ホントに頼む。イヤマジで…;」 コニー「さぁ!アタシの栄光ある第一歩の礎となる、哀れな相手は…ふぅん…ストラーフタイプね。 あそこでポップコーンバリバリ喰ってるノーテンキなボクっ子と同じ…。 潰 し 甲 斐 が あ る っ て も ん で す わ よ !」 ビシィ! そう言うと相手に向かって指差すコニー。 リン「マスター…あの人何か怖い…。」 マスター「大丈夫大丈夫。今まで訓練してきた事をしっかり行えば良いだけさ。後は落ち着いて 俺の指示に耳を傾ける事、いいね。」 リン「はい!」 試合が始まった。 フィールドは廃ビル群、オーソドックスな試合場だ。 コニーの装備は、彼女が得意とする、中長距離の銃火砲タイプ。一方相手のストラーフタイプ「リン」は、 セカンドアームにレッグパーツと言うストラーフのお手本のような装備であった。 「コニー、相手は近接戦闘を主とした一撃離脱を目的としている。ひとまず広い所に出て『待ち』の戦法を取る! クロとボクは後方をサポート!シロとオレは索敵を!」 4匹「「「「了解!」」」」 だだっ広い公園に着くコニー達。俺の指示したとおり『待ち』の戦法を取る。 しかし…気配がない。相手も出あぐねいているのか…? コニー「出てきなさい…蜂の巣にして差し上げてよ…!!」 と、 シロ「センサーに反応や!周囲30メートル!」 コニー「そんな近くに!?何ボサっとしてたのよ馬鹿ネコ!」 シロ「そんな事言うたって…いきなりセンサーに反応し…また消えたで!」 ボク「!!…まずいです…これは…」 クロ「ジャマーと光学迷彩(ステルス)だ!!」 そう言うが早いか、コニーの目前に現れるリン。 ギィン! 振り下ろされたフルストゥ・グフロートゥの一撃に咄嗟に反応し、銃で受け止めるコニー。 しかし、間髪入れずセカンドアームが襲う! クロ「やらせん!!」 オレ「させるかよ!!」 ガガガガガガガガガ!! 至近距離でガトリングを放つ2匹。たまらず後退し、再び背景に溶けるリン。 シロ「まずい…まずいでぇ…この戦法取られたらワイ等は不利や!」 ボク「コレを繰り返されたら、いつか弾薬切れを起こして、僕たちが…」 コニー「分かってるわよ!それぐらい…分かってる!」 背景に消えては現れ、現れては消えるリン。その戦法にコニーは明らかに精細を欠いていた、 コニー「うっ…く…照準が…定まら…ない…っくぅ!!」 「おいお~い、ウサちゃんよ~!あんだけ大きな事言ってて、Konozamaか~!」 「コレで負けちゃったら、リサイクル業者逝きだな~、ハハハハ!」 コニーにとって、思いがけない苦戦に、周囲から心ないヤジが飛ぶ。 「コニー!気にするな!目標をセンターに入れてロック!落ち着けばでk……」 コニー「リ…サイ…クル……?」 いや…イヤよ…また首だけの生活に… それ以上!?リサイクル…いえ廃棄処分? いや…廃棄処分になるのはいや…! イヤイやイヤいヤイyaイやイヤiyaいやいあIYA…!! コニー「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 コニーは会場に響き渡らんばかりの悲鳴を上げ、全ての武器を一斉に撃ち放つ。 ずがががががががががっががががががっがぁぁぁぁぁん!! コニーとリンの周囲が爆炎に包まれる。 リン「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 マスター「マズい!!トリガーハッピーだ!リン、一旦後退を…!!」 コニー「オマエなんか嫌いだ!死ね!死ね!死ね師ね史ね氏ねシネsineしね屍ねぇ―――――――――!!!」 「く…このままじゃこちらも相手も共倒れだ…!ボクにゃん!生きてるか!」 ボク「ハイ!何とか!」 「コニーの後ろに回って、後頭部に一発ぶちかませ!」 ボク「そ…そんなコトしたらコニーさんが…!」 「今は頭を冷やさせるのが先決だ!かまわん!行けぇ!」 ボク「りょ…了解…ッ!」 そう言うやボクにゃんは爆炎の中をかき分け、コニーの後ろへ、そして ボク「御免なさい!コニーさん!」 ぎゃんっ! 至近距離から右の長距離ライフルをコニーの後頭部に放つ。 コニー「がっ………………ッツ!!」 しぃぃぃぃぃん――――――――――――――…………。 コニーの低いうめき声と共に銃声が止んだ。しかしまだ周囲には粉煙が立ちこめ、まともに見る事が出来ない。 そして、粉煙が消え去った後、今までそびえ立っていた廃ビル群の姿はなく、あるのは周囲数百メートルに及ぶ 瓦礫の山だった。 その中央で立ったまま動かないコニー、リンの姿は…見えない。 マスター「リン…リン!何処だ!無事か!」 モニター越しに叫ぶリンのマスター。 リン「ぶ…無事で…す…、でも…。」 崩れた瓦礫に足を挟まれ動けないリン。そして… コニー「………………………ッツ!!」 本来ならば意識が飛んでもおかしくない一撃にもかかわらず、コニーは目を覚ました、そして、後ろにいる ボクにゃんに視線を向けた瞬間、 「て…めェェェェェェェェェェ!!何しやがったァァァァァァァ!!!」 ごがっ! 手に持った銃を振り下ろし、ボクにゃんを地面に叩き付けるコニー。 ガガガガガガガガガガガガ!!! コニー「ご主人様に手ぇ上げるとは、イイ根性してるじゃねぇかこの低脳AIの分際でよォ―――――――!!!」 落ちたボクにゃんに向かって銃を乱射するコニー。ボクにゃんはすでに動かない。 コニー「ケッ!弱っちぃクソ猫の金魚のフンの分際で、アタシに逆らってんじゃねぇよ…。 さて…まだ試合が終わってねぇってことは…?あのクソ黒子は生きてるって事だよなぁ…。 止め刺してあげて差し上げなくちゃ…ですわねぇ…ってかぁ?」 そう言うと、コニーは瓦礫の中に足を踏み入れた。 「コニー!コニー!もういい止めるんだ!負けても良い!ギブアップを宣言しろ!」 コニー「だ・め・で・す・よぉ…マスタぁ…?アタシが負けたらリサイクル業者行きなんでしょう…? 分かってるんですから…♪だ・か・ら・♪殺さなきゃ…アイツを…殺さなきゃぁぁァア亜阿嗚呼あああぁ!!」 マスター「リン!リン!宣言するんだ!ギブアップを!早く!」 リン「い…いや…です! 私とマスターの公式戦を…こんな形で汚した人は…許さない!!」 と、 コニー「見ぃ・つけ・た♪ ハロー・ハロー♪クソ黒子ちゃぁん…聞いてたわよぉ… 『マスターとの公式戦を汚した人は…許さない』…? ふぅん…許さないね…許さない…ゆルさナイ…!!?? ど の 口 が 言 っ て ん だ こ の 甘 ち ゃ ん が ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !!」 どがががががががががががががっ!!! 身動きの取れないリンに向かって至近距離からカロッテTMPを乱射するコニー。 コニー「何日も!何週間も!何ヶ月も!首だけの状態でほったらかしにされて!自分より格下のサポートメカ風情に パーツ取り野郎とコケにされて!挙げ句にクソ猫野郎に、額に『肉』なんていたずら書きされて、こんな 賞金も出ねぇクソみてぇな試合で負けりゃぁリサイクル業者行き確定な…オレの気持ちが分かるか! 『マスター♪』なんて言ってぬくぬくとトレーニングもどきして!1人でマスターを独り占めできるテメエに なんざよぉぉぉぉ!!」 その時、乱射された銃弾により、リンの足が瓦礫から外れる、そして! リン「てやぁぁぁぁぁぁぁ!!」 リンは叫びと共にあの技…かつてエキシビジョンで見せたあの技を放つ。 だが…止めを刺しに行かない。 それどころか、全ての装備を解除し、フルストゥ・グフロートゥを構えたのだ。 マスター「リン!どうし…」 リン「分かる訳…無いでしょう…?いえ…分かるもんですか…あなたの気持ちなんて…私はあなたじゃないもの…でも! この試合に賭ける気持ちは…あなたには…負けない!」 そう叫ぶと、フルストゥを逆手に構えた。 コニー「いい度胸じゃねぇか…いいぜ…乗ってやるよ…!!」 そう言うとコニーもハグダンド・アーミーブレードを残し、装備を全解除する。 リン「行きます…!!」 コニー「来やがれ…!!」 そう言うや否や、2人は地を蹴った。 キィン! ガキィン! チィン! 音もない瓦礫の山の中、乾いた金属音だけがこだまする。まるでお互いの気持ちをぶつけ合うが如く…。 その姿を、両マスターも、そして観衆も、固唾を飲み見守っていた。 そして、 ズン! コニーの懐に入ったリンの刃は、彼女の胸を刺し貫いていた。勝負は決した。 ワァァァァァァァァァァァァァァ……………!!! 観衆から歓喜の声が涌く。 マスター「よくやったぞ…リン!」 リン「へへへ…頑張りました!」 勝利を喜び合う2人、そしてコニーは…、 コニー「……………………」 「過程はともあれいい試合だったぞ…コニー。」 コニー「私…負けちゃいました…、使えない子ですね…こんな役立たず…何処へでも送って…」 めし 鈍い音と共に上からげゲンコツをかます俺。その拳をグリグリさせながら、 「だ~れが何時そんな事言ったんだ~?ああ~?冗談じゃねぇぞ!お前が欲しがってたその素体にいくらかかって、この後 いくらかかるか分かってんのか~?今回の負けは良い経験になったろう!?でも負けたって言ってもまだ1回だ! それを踏み台にしてこれからもっと強くならなきゃ、な!」 コニー「ま…まずだぁ…… うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」 堰を切ったように泣き出すコニー。そこにリンとそのマスターが歩いて来た。 リン「いい試合でした。これからお互い腕を磨きあって、また戦いましょう!その時は…今回みたいな事のない様に、ね。」 コニー「ふ…フン!当たり前でしょう!次は負けませんわよ!」 そう言うと2人は固く握手を交わした。 と、 シロ「いや~、一時はどうなる事かとおもいましたわ~。」 オレ「ホントだぜ!まさか味方に墜とされるとはな!良い経験になったぜ! しかもまだ『肉』の字にこだわっていたとはな!ケケケ!」 クロ「本来、戦場での味方殺しは銃殺刑ものだがな……。」 ボク「ま…まぁまぁ…;皆さんそんな大声で…。」 コニー「何 だ っ て ! ?」 4匹「「「「ギクゥ!!」」」」 コニー「てめぇら!リアルでガラクタにされてぇのか―――――――――!!!」 シロ「うっひぃ~!コレがホントの「口は災いの元」やぁ~!!」 4匹を追いかけるコニー、みんなが笑っている。 こうして、コニーの初陣は幕を閉じたのであった。 ジャロ「めでたしめでたし なのだ!」 ヴェル「ZZZZZZZ………」 ノエル「んう!この『サワラの西京焼き風味』もおいひぃ~!モグモグ…。」