たった一度与えられた命はチャンスだから ◆AO7VTfSi26
自分達を守る為に死に、そして最期まで生きる望みを捨てずに散った男。
ブラックジャックは、唇を強くかみ締めつつその亡骸をゆっくりと地に下ろした。
ブラックジャックは、唇を強くかみ締めつつその亡骸をゆっくりと地に下ろした。
「……すまない……!!」
詫びの言葉と共に拳を振るわせる。
目の前にある命を、救う事が出来なかった。
彼は命の尊さを、その重みを十分に理解している。
だからこそ、彼は患者を助ける為に法外な金額をふっかける。
どれだけ莫大な金であろうとも、決して命には変える事なんて出来ない。
その信念こそが、ブラックジャックの強みでもあったのだ。
目の前にある命を、救う事が出来なかった。
彼は命の尊さを、その重みを十分に理解している。
だからこそ、彼は患者を助ける為に法外な金額をふっかける。
どれだけ莫大な金であろうとも、決して命には変える事なんて出来ない。
その信念こそが、ブラックジャックの強みでもあったのだ。
「……増田さんを……埋めてあげましょう」
妙は震えた声で、マスタングの埋葬をしたいと望んだ。
その命を救う事が出来なかったからこそ、せめて丁重に弔わねばならない。
ブラックジャックは静かに肯き、その場から立ち上がろうとする。
その命を救う事が出来なかったからこそ、せめて丁重に弔わねばならない。
ブラックジャックは静かに肯き、その場から立ち上がろうとする。
だが……
「待て」
「ガッツ……?」
「ガッツ……?」
それをガッツが拒んだ。
二人は、その言葉の意味が分からなかった。
このまま、彼を野ざらしにしておくとでもいうのか。
とっさにブラックジャックは、そう反論しようとしたが……
口を開こうとしたそのギリギリ瞬間に、彼はその意図を察した。
二人は、その言葉の意味が分からなかった。
このまま、彼を野ざらしにしておくとでもいうのか。
とっさにブラックジャックは、そう反論しようとしたが……
口を開こうとしたそのギリギリ瞬間に、彼はその意図を察した。
「……そうか……そういうことか」
ガッツは、その手にしっかりとキリバチを握り締めていたのだ。
死体を前にして刃を握る意味は、一つしかない。
そしてそれは……この殺し合いを止める為には、避けては通れない道なのだ。
死体を前にして刃を握る意味は、一つしかない。
そしてそれは……この殺し合いを止める為には、避けては通れない道なのだ。
「ああ……こいつの首を切り落として、首輪を貰っておく」
首を切り落とし、首輪を取り出す。
その言葉を聞いた途端、妙は口元に手を当てて絶句した。
確かに、彼の言う事は分かる。
自分達の命を握るこの首輪は、何よりも優先して外さねばならぬ障害だ。
その言葉を聞いた途端、妙は口元に手を当てて絶句した。
確かに、彼の言う事は分かる。
自分達の命を握るこの首輪は、何よりも優先して外さねばならぬ障害だ。
「そんな……!!
やめてください、お願いします!!」
やめてください、お願いします!!」
だが……頭では理解していても、その行動を承知する事が出来ない。
つい先ほどまで、優しく微笑みかけてくれたこの紳士を。
己が命を守る為に、強敵へと単身立ち向かったこの勇敢な戦士を。
この極限の場で、初めて出会えたこの男を。
そんな彼の首を切り落とすという行動は、妙には耐えられるものではなかったのだ。
つい先ほどまで、優しく微笑みかけてくれたこの紳士を。
己が命を守る為に、強敵へと単身立ち向かったこの勇敢な戦士を。
この極限の場で、初めて出会えたこの男を。
そんな彼の首を切り落とすという行動は、妙には耐えられるものではなかったのだ。
「……あんたの気持ちは分かる。
だがな、俺達まで死んだら元も子もねぇだろ?」
「でも……」
「ガッツの言うとおりだ」
だがな、俺達まで死んだら元も子もねぇだろ?」
「でも……」
「ガッツの言うとおりだ」
ここで、ずっと黙り込んでいたブラックジャックがようやく口を開いた。
その瞳には、先ほどまであった絶望と無念の色は無い。
その瞳には、先ほどまであった絶望と無念の色は無い。
あるのは一つ……強い決意。
「……彼は最期の最期まで生きることを望んだ。
そうさせた理由はなんだと思う?」
「……この殺し合いを止めて、生きて帰るため……」
「そうだ……そしてその思いは、私達とて同じだ。
ならば私達は、彼の意志を引き継ぎそれを成し遂げなければならないんだ!」
そうさせた理由はなんだと思う?」
「……この殺し合いを止めて、生きて帰るため……」
「そうだ……そしてその思いは、私達とて同じだ。
ならば私達は、彼の意志を引き継ぎそれを成し遂げなければならないんだ!」
ブラックジャックは妙へとそう強く言い放ち、そして傍らにある男の亡骸へと視線を向ける。
「彼の首を切り落とす事は、確かに残酷な行為とも言えるだろう。
だが、首輪が手に入れば少なからず光明は見えてくる……彼の望みを果す事に繋がっていく。
これは、彼が残した最後の希望なんだ!!」
だが、首輪が手に入れば少なからず光明は見えてくる……彼の望みを果す事に繋がっていく。
これは、彼が残した最後の希望なんだ!!」
ブラックジャックは、マスタングの意志を汲み取った。
自分達が殺し合いを止める事を、きっと死んだ彼は望んでいるはずだ。
その為にも、この首輪という名の『希望』は手にしなければならない。
自分達が殺し合いを止める事を、きっと死んだ彼は望んでいるはずだ。
その為にも、この首輪という名の『希望』は手にしなければならない。
「……ガッツ、頼む」
「ああ」
「ああ」
ブラックジャックは、ガッツへとマスタングの首の切断を頼んだ。
彼の手持ちの投げナイフでは、残念ながら首を切り落とすのには長さが足りない。
ガッツが持つキリバチでなければ、こればかりはどうしても無理なのだ。
彼の手持ちの投げナイフでは、残念ながら首を切り落とすのには長さが足りない。
ガッツが持つキリバチでなければ、こればかりはどうしても無理なのだ。
「……待ってください」
そして、ガッツがキリバチの刃をマスタングの首元へ当てた時。
妙は、力強いはっきりとした声でガッツの行動を止めた。
妙は、力強いはっきりとした声でガッツの行動を止めた。
「……まだ、首を切るなって言うのか?」
「いえ……違います」
「いえ……違います」
ガッツは妙へと向き直ると、その表情に驚かされた。
「これが本当に、さっきまで震え泣いていた女の顔なのか」と。
その瞳には、先のブラックジャックと同じ決意があったのだ。
そう、彼女はもはや反対などしていない。
ブラックジャックの言葉どおり、彼らと共に行動し、マスタングの意志を継ぐ覚悟を決めたのだ……だからこそ。
「これが本当に、さっきまで震え泣いていた女の顔なのか」と。
その瞳には、先のブラックジャックと同じ決意があったのだ。
そう、彼女はもはや反対などしていない。
ブラックジャックの言葉どおり、彼らと共に行動し、マスタングの意志を継ぐ覚悟を決めたのだ……だからこそ。
「……そのノコギリを私に貸してください。
首を落とすのは、私がやります……!!」
首を落とすのは、私がやります……!!」
だからこそ……この役目だけは、自らの手で引き受けたかったのだ。
「……分かった。
かなり重たいから、気をつけろよ」
かなり重たいから、気をつけろよ」
ガッツは妙へとキリバチを手渡し、一歩後ろへと下がった。
こんな重いものをよく扱えていたものだと、妙はガッツに素直な感心を覚えた。
しかし、この程度の重さでは弱音など吐かない。
それよりも、ずっと重いものを……マスタングの命を背負い、ここにいるのだから。
キリバチの刃が、マスタングの首元へと当てられ……そして。
こんな重いものをよく扱えていたものだと、妙はガッツに素直な感心を覚えた。
しかし、この程度の重さでは弱音など吐かない。
それよりも、ずっと重いものを……マスタングの命を背負い、ここにいるのだから。
キリバチの刃が、マスタングの首元へと当てられ……そして。
「増田さん……ありがとうございました……!!」
首は、落ちた。
妙の瞳から、一筋の涙が流れ落ちるのと共に……
妙の瞳から、一筋の涙が流れ落ちるのと共に……
◇ ◇ ◇
「どうだ、ブラックジャック?」
「……この場にある道具だけでは、流石にどうしようもないな」
「……この場にある道具だけでは、流石にどうしようもないな」
マスタングの首から首輪を外し、彼を埋葬した後。
三人は簡単な情報交換を済ませると、この首輪について考えていた。
手に取った質感は金属っぽいものなのだが、素材が何なのかまではいまいち分からない。
それと、もう一つ……首輪をつけていた状態では気付けなかったが、かなり奇妙な点が一つあるのだ。
三人は簡単な情報交換を済ませると、この首輪について考えていた。
手に取った質感は金属っぽいものなのだが、素材が何なのかまではいまいち分からない。
それと、もう一つ……首輪をつけていた状態では気付けなかったが、かなり奇妙な点が一つあるのだ。
(……繋ぎ目が見当たらないだと……?)
この首輪には、繋ぎ目が見当たらないのだ。
幾らなんでもこれはおかしすぎる。
ならばどうやって、この首輪を首に嵌めたというのだ。
幾らなんでもこれはおかしすぎる。
ならばどうやって、この首輪を首に嵌めたというのだ。
(……何かからくりがあるに違いない。
この首輪、更に詳しく調べてみなければ……!!)
この首輪、更に詳しく調べてみなければ……!!)
ブラックジャックは首輪を自らのデイパックにしまうと、ガッツと妙へと口を開く。
「ガッツ、妙さん。
兎に角、病院へ急ごう……そうすれば何か分かるかもしれん」
兎に角、病院へ急ごう……そうすれば何か分かるかもしれん」
ブラックジャックは、最初の目的通りに病院へ行く事を告げた。
それには、先程のような悲劇を繰り返させぬ為に医療器具を入手する以外にも、もう一つの意味がある。
病院の設備を使えば、首輪の解析が出来るかもしれないのだ。
それには、先程のような悲劇を繰り返させぬ為に医療器具を入手する以外にも、もう一つの意味がある。
病院の設備を使えば、首輪の解析が出来るかもしれないのだ。
例えば、X線撮影。
診断は勿論、空港の手荷物検査等にも使われている、俗に言うレントゲンだ。
首輪の素材次第では、これを使い内部を調べられるかもしれない。
しかし……この方法は、恐らく主催者に読まれている可能性がある。
診断は勿論、空港の手荷物検査等にも使われている、俗に言うレントゲンだ。
首輪の素材次第では、これを使い内部を調べられるかもしれない。
しかし……この方法は、恐らく主催者に読まれている可能性がある。
(殺し合いを開いた連中も、そこまで馬鹿じゃないだろう。
恐らくは、X線を完全に遮断する金属素材が使われている筈……だが)
恐らくは、X線を完全に遮断する金属素材が使われている筈……だが)
もしこれが通用しなかったとしても、手はまだある。
いや、寧ろこちらこそがブラックジャックの本命だった。
いや、寧ろこちらこそがブラックジャックの本命だった。
(聴診器……奴等も、ここまでは考えが及んでいない筈だ)
それは、医者にとって必需品の一つ―――聴診器の使用だ。
以前、ブラックジャックは壁の中に仕掛けられていた盗聴機を、聴診器を使う事で取り出した経験がある。
あの時の応用で、音を頼りに大体の構造を調べられるのではと彼は考えたのだ。
医師だからこそ考えつける、医師だからこそ出来る方法である。
以前、ブラックジャックは壁の中に仕掛けられていた盗聴機を、聴診器を使う事で取り出した経験がある。
あの時の応用で、音を頼りに大体の構造を調べられるのではと彼は考えたのだ。
医師だからこそ考えつける、医師だからこそ出来る方法である。
(後は、手術用顕微鏡で小さな繋ぎ目があるかどうかの視認……素材が何なのかも確認しておきたい。
レーザーメスでの切開は、爆破の可能性がある以上出来ない……これは構造が分かるまで後回しだな)
レーザーメスでの切開は、爆破の可能性がある以上出来ない……これは構造が分かるまで後回しだな)
他にも、何か出来る事はないだろうか。
ブラックジャックは、己の持ちうる全ての知識を総動員して首輪解除の為の手段を模索する。
ブラックジャックは、己の持ちうる全ての知識を総動員して首輪解除の為の手段を模索する。
焔の男が残してくれた希望を、しかと繋ぐ為に。
【B-3/道路/1日目 早朝】
【志村妙@銀魂】
[状態]:疲労(小)
[装備]:
[道具]:支給品一式 、クリマ・タクト@ワンピース、不明支給品(0〜1(本人確認済))
[思考]
0:増田さんの分も生き、この殺し合いを止めてみせる
1:ブラックジャック、ガッツと共に病院を目指す
2:新ちゃんはいるのかしら?
[備考]
※ロイ・マスタングと情報交換をしました。 お互いの世界の情報について一部把握しました。
※ブラックジャックとガッツと、簡単な情報交換をしました。
※参戦時期は28巻以降です。
【志村妙@銀魂】
[状態]:疲労(小)
[装備]:
[道具]:支給品一式 、クリマ・タクト@ワンピース、不明支給品(0〜1(本人確認済))
[思考]
0:増田さんの分も生き、この殺し合いを止めてみせる
1:ブラックジャック、ガッツと共に病院を目指す
2:新ちゃんはいるのかしら?
[備考]
※ロイ・マスタングと情報交換をしました。 お互いの世界の情報について一部把握しました。
※ブラックジャックとガッツと、簡単な情報交換をしました。
※参戦時期は28巻以降です。
【ガッツ@ベルセルク】
[状態]:疲労(小)
[装備]:キリバチ@ワンピース
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1個(未確認)
[思考]
基本:殺し合いの主催者を叩き潰し、仲間の下へ帰る
0:ブラックジャック、妙と共に病院を目指す
1:あの黒い獣(使徒?)は絶対に殺す
[備考]
※原作32巻、ゾッドと共にガニシュカを撃退した後からの参戦です。
※左手の義手に仕込まれた火砲と矢、身に着けていた狂戦士の甲冑は没収されています。
※紅煉を使徒ではないかと思っています。
※妙と、簡単な情報交換をしました。
[状態]:疲労(小)
[装備]:キリバチ@ワンピース
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1個(未確認)
[思考]
基本:殺し合いの主催者を叩き潰し、仲間の下へ帰る
0:ブラックジャック、妙と共に病院を目指す
1:あの黒い獣(使徒?)は絶対に殺す
[備考]
※原作32巻、ゾッドと共にガニシュカを撃退した後からの参戦です。
※左手の義手に仕込まれた火砲と矢、身に着けていた狂戦士の甲冑は没収されています。
※紅煉を使徒ではないかと思っています。
※妙と、簡単な情報交換をしました。
【ブラックジャック@ブラック・ジャック】
[状態]:疲労(小)
[装備]:ヒューズの投げナイフ(8/10)@鋼の錬金術師、首輪1個
[道具]:基本支給品一式
[思考]
基本:主催者を止め、会場から脱出する。
0:マスタングの分も生き、この殺し合いを止めてみせる
1:ガッツ、妙と共に病院を目指し、医療器具を入手する。
2:病院にある器具を利用して、首輪を解析してみる。
3:あの黒い獣は許さない
[備考]
※コートに仕込んでいるメス等の手術道具は、全て没収されています。
※マスタングの首輪を入手しました。
首輪には一見、繋ぎ目らしきものはありません。
※B-3にマスタングの墓があります
[状態]:疲労(小)
[装備]:ヒューズの投げナイフ(8/10)@鋼の錬金術師、首輪1個
[道具]:基本支給品一式
[思考]
基本:主催者を止め、会場から脱出する。
0:マスタングの分も生き、この殺し合いを止めてみせる
1:ガッツ、妙と共に病院を目指し、医療器具を入手する。
2:病院にある器具を利用して、首輪を解析してみる。
3:あの黒い獣は許さない
[備考]
※コートに仕込んでいるメス等の手術道具は、全て没収されています。
※マスタングの首輪を入手しました。
首輪には一見、繋ぎ目らしきものはありません。
※B-3にマスタングの墓があります
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