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彼の者もまた――――

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彼の者もまた―――― ◆KKid85tGwY



街。と、呼べばいいのだろうか。
材質も様式もまるで未知の物だったが、明らかな人工建造物が建ち並ぶその景色は
街と呼ぶ他は無い場所であった。
見知った物は何1つとしてない、全く得体の知れない場所に突如連れて来られ尚
その男の様子には、疑問の色は有れど怯えは無い。
巨体の男。
天を衝く長身に、高密度の筋肉が内からはち切れん程発達している。
短く切り揃えられた髪は天に逆立ち、瞳は円く見開いていた。
男の名はゾッド
二つ名と共に”不死の(ノスフェラトゥ)ゾッド”とも呼ばれる。
100年を超える戦歴で、上げた首は1000を超え、戦場の神とすら呼ばれる伝説の傭兵。
そして男は真に人に在らざる存在。
この世ならざる者に、転生した使徒。


殺し合い。ゾッドがこの地に召喚された理由は、そう説明された。
前触れ無く突き付けられた、殺し合いと言う要求。
それにすら、ゾッドが恐れも怒りも抱く事は無い。
沸き立つのは、これより行う戦いへの猛りと喜びのみ。
本よりゾッドが傭兵となり戦場に出るのは、如何なる大儀情義にも因らずゾッド自身が戦いを求める故。
それは如何な戦争で、何処の軍に付こうが変わらない。
300年に渡る闘争の日々。
その中でひたすらに殺した。数多の敵を、正に殺戮したのだ。
全ては己が満足し得る、強敵との闘いを得る為。
だから意味の無い殺戮であろうと構わない。
己が命を賭けて抵抗する者を全霊を持って打倒する、そんな戦いこそがゾッドの求める物なのだ。
命を繋ぐ為の戦いではなく、闘争の為の命
それこそが如何に時を隔てようとも変わらぬ、ゾッドの生き方に他ならない。


早速行動に移る為、デイパックの中身を漁り支給されたと言う武器の確認する。
見付かったのは1本の剣。
剣自体は扱いなれた得物ではあるが、細い刀身に反りの有る見慣れない形状の物であった。
その上ゾッドが武器とするには、些か小さい。
しかし外れかと落胆しながら手に取れば、材質と言い重心と言い
意外な程に良く出来ている。
満更鈍らでもないのかと、切れ味を試すべく地に切りつける。
この地は見た事も無い濃紺色の材質で、石の様に堅く塗り固めてあった。
それが細身の剣に拠って、容易く切り裂かれた。
ゾッドはこの意外な業物を、武器として携える事として
目標も定めず出発する。
地図を見た所で、何か当てが有る訳でも無し。どうせここは、殺し合いの為の会場なのだ。
適当に歩けば、その内誰か接触出来ると踏んだ。


そして男は女と出会った。
曲がり角の向こうの物陰から、奇妙ないでたちのまだ幼さの残る少女が現れる。
これが創作なら、恋物語でも始まりそうな出会い。
しかし、ここは殺し合いの場であり
何より相手は、人に仇なす魔性を討つ使命を帯びた巫女であった。


     ◇     ◇     ◇


無人の街に和服を着込んだ長い黒髪の少女が1人。
少女の名前は鷺ノ宮伊澄
代々妖怪退治を生業とする鷺ノ宮家の末裔。更にその中でも、歴代最強の力を持っている。
そして現在の伊澄は、かつて無い強敵に挑んでいた。
何しろ攻める手掛かりが、まるで見えないのだ。
どう目を凝らし頭を働かせても、付け入る隙さえ見付けられない。
苦戦の末、この強敵に対し伊澄はある推測をする。
『このデイパックは開かない』と。
そう考えデイパック攻略を諦め様とした瞬間、手元で弄んでいたジッパーが滑り出した。
苦節10分の末ようやくデイパックを開けた伊澄は、中の荷物を改める。
食料や地図等の存在を確認し、武器の確認に移る。


まず目に付いたのは、4つの手榴弾。
世間知らずの伊澄と言えど、テレビ等で見た事のある物だが
実物をこうして手に取るのは初めてだ。
説明書によれば、ピンを抜いて投擲して使う物らしい。
普通の人間にとっては、強力な武器になるだろうが
伊澄にとってはハズレ武器でしかない。
ピンを抜いて投げるという言葉にすれば簡単な作業も、伊澄が実戦で行うには難し過ぎるし
何より伊澄にはもっと強力で使い慣れた武器、『術式八葉』が有る。
2種類目は、巨大な突撃槍と思しき武器。
それが伊澄の手から零れ、地面に落ちる。
明らかにデイパックより大きい物体。
どうやって入ったのかと疑問が沸くが、今更そんな事を考えても仕方ないと気持ちを切り替える。
武器として扱えるかと言えば、勿論答えは否だ。
どうやら使用者の法力を使う、武法具らしいが
そもそも持ち上げる事も出来ない物を、どうやって扱えと言うのか。
しかしこれも捨て置くのは勿体無いので、デイパックの方を動かし苦心して仕舞う。
他に武器になる物は無い。
出来れば護符が欲しかったが、無いもの強請りしても仕方ないので
武器も持たずに出発する。
目的は最初に集められた場所に居た古くからの親友、三千院ナギとの合流。
そうあの場所で多くの声に混じって、でも確かに聞いたのだ。ナギの声を。
あの場で行われたムルムルの説明は、伊澄にとっては早口過ぎてほとんど聞き取れなかった。
何とか理解出来たのは、殺し合いが行われている事と武器が支給された事位か。
とにかくこんな場所でナギを1人にしておく訳にはいかない。
ナギは今も暗闇に包まれ怯えているに違いない。彼女がそうなったのは、自分の責任でも有るのだ。
一刻も早く助けに行かなければ。


そして女は男と出会った。
曲がり角の向こうの物陰から、奇妙ないでたちの屈強な男が現れる。
これが創作なら、恋物語でも始まりそうな出会い。
しかし、ここは殺し合いの場であり
何より相手は、魔性を内に秘めた血塗られし狂戦士であった。


     ◇     ◇     ◇


男――ゾッドは伊澄を一瞥する。
まるで鍛えられた様子の無い、細身の身体。覇気も闘気も感じない。
ゾッドは伊澄を求める強者から程遠いと判断し、眼中に無きかの如く立ち去ろうとしだした。


「…………あなたは、人間ではありませんね?」


その背中に伊澄の声が掛かる。
ゾッドは足を止め、伊澄の方へ向き直った。
先程とは気配が違っている。
戦場を知る、兵のそれに。
「ほう……見抜いたか、我が身が人ならぬ物だと。ならば小娘よ、貴様もまた……只の人間では無いと言う事だな」
ならばとゾッドも気を放つ。
戦場において百軍を震え上がらせた、狂戦士の闘気を。


ゾッドのまるで質量を持って叩き付けて来る様な威圧感に、伊澄はかつて無い脅威を覚える。
自分の知る如何なる妖怪とも魑魅魍魎とも違う、魔性を帯びた存在。
しかしその血生臭い気配から、人に仇なす存在だと容易に読み取れる。
だからこそゾッドを見て早々、自分の意識に”仕事スイッチ”を入れたのだ。
「あなたが人に仇なす存在なら、私は鷺ノ宮の一族の者として討たなければなりません」


「ク……ククク……クハハハハ!! 宣戦布告と言う訳か、面白い。それ程の大言を吐いたからには小娘、オレを失望させるな!!」
言うが早いか、ゾッドは伊澄に向かって踏み込んだ。
一足飛びに間合いが詰まる。ゾッドの巨躯からは想像もつかぬ早さ。
踏み込む勢いのまま手に持つ日本刀を天へ掲げ、真っ向から振り下ろした。
怪物の力任せでは決して叶わぬ早さの武技で、伊澄の顔面へ剣が落ちる。
それを伊澄が、指先だけで受け止め――――切れない。
剣圧に負け、身体毎背後の街路樹に叩き付けられた。


ゾッドは伊澄に、自分の剣が届かなかった事に驚く。
見えない力に阻まれた様な手応え。恐らく実際に伊澄が、見えない力を振るったのだろう。
「…………八葉…………六式……」
伊澄の声が聞こえる。
人知を超えた使徒の勘が、戦場で鍛え抜かれた武人の勘が
ゾッドに危険を告げた。
「…………撃破滅却」
ゾッドは咄嗟に後ろに飛び、両手を面前で交差し防御の構えを取る。
次の瞬間、閃光と爆音がゾッドを包んだ。


術式八葉における最強の術、『八葉六式・撃破滅却』。
伊澄が放ったその術の爆発を受け、ゾッドは後ろへ仰向けに倒れた。
木に叩き付けられた痛みから目に涙を浮かべながら、伊澄はゾッドの様子を窺う。
全身に夥しい傷を負い、一部は内臓まで達している様子だ。
直撃こそ避けられたものの、爆発の余波を受けたのだから重傷も当然だろう。
倒し切れなかったゾッドの耐久力にこそ、驚嘆に値する。
どうにも術の調子が悪い様にも思える。
威力が僅かに弱まっている上、何より消耗が激しい。
ゾッドへのトドメ刺したいが、もう少し時間が経たなければ『撃破滅却』は使えない。


「驚いたぞ……」
不意にゾッドがする。
「何の道具も使わず、これ程の威力を出すとはな…………」
ゆっくりと体を起こすゾッド。
「…………貴様が初めてだ。オレの体にこれだけ多くの傷を付けた人間は…………」
そのゾッドの身体に――――内から異形を現れた。
「三百年に渡る殺戮の日々においてな!!」
その身体を更に肥大させた巨躯。
全身から黒い体毛を生やし、頭からは牛角が伸びる。左の角は何故か根元より折れていた。
あれだけ帯びていた傷も、見る間に直っていく。
それは正しく超越者の姿。


しばしゾッドの変容を、呆然と眺めていた伊澄だが
やがて何か意を決した様子で、ゾッドに背を向け走り出す。
「どこへ行く? まさか逃げるつもりか? よもや逃すと思うか!!?」
ゾッドは怪我も治り切らぬ内に立ち上がり、伊澄を追う。
既にかなりの距離を稼がれていたが、ゾッドの伊澄に対する体力的優位はそれを補って余りある。
たちまちに両者の距離は縮まった。
伊澄はビルに挟まれた2m程の幅の路地に入った所で立ち止まり、ゾッドを待ち受ける。
そしてゾッドも路地の入り口前で立ち止まり、伊澄と睨み合う。
ここまでは伊澄の作戦通り。


伊澄の立てた作戦は単純。
ゾッドから逃げて距離を取り、『撃破滅却』を使えるだけの力が回復するまで時間を稼ぐ。
そしてこの路地の様に狭い空間で、ゾッドを待ち受ける。
後は攻撃を仕掛けて来たゾッドに、カウンターで『撃破滅却』を叩き込む。
恐らくゾッドの異常な耐久力に通用する術は、『撃破滅却』のしかも直撃のみ。
ならばこちらは待ちに徹して、ゾッドが攻撃する隙を狙うのが最も効果的な戦術。
この路地ならゾッドが仕掛けてくる方向も限られる。
如何にゾッドの踏み込みが速くとも、タイミングを合わせる事は可能の筈。


「成る程、左右を壁に阻まれたその場所ならオレの攻め口も限定されると言う訳か。
 だが、そんな事でオレの動きに対応し切れるとでも?」
ゾッドは日本刀を上段に構える。
今のゾッドの巨体には、まるで日本刀が玩具の如く小さい。
その日本刀を天に掲げたまま伊澄目掛け、轟と踏み込んだ。
先程の踏み込みより更に速い。
が、それでも真っ向からの直進。何とか対応出来る。
そう思い『撃破滅却』を撃とうとした刹那
2歩目の踏み込み。
しかも進行方向をほぼ直角に曲げ、ゾッドは壁の向こうへ破り抜けてビルの中へ姿を消した。
意表を付かれ呆気に取られた伊澄は、瓦礫に足を取られ
後ろに尻餅をついた。
その直後ゾッドが壁を破り抜け、先程まで伊澄が居た地点を斬り付けた。


日本刀がアスファルトに、深々と突き刺さる。
ゾッドの体勢は日本刀を、両手で握り締めた状態。
この体勢からなら、『撃破滅却』は避わせない。
期せずして伊澄に訪れた、絶好の勝機。
それを物にすべく、伊澄は術を放つ体勢に入った。
「八葉六式」
同時にゾッドの背中から、蝙蝠の様な羽が生え広がり
「撃破滅却」
それが羽ばたき、暴風を生んだ。
宙を舞いながらも、伊澄は『撃破滅却』を放つ。
それが直撃したか否かも確認出来ないまま
伊澄は路地を抜け、車道脇の植え込みまで吹き飛ばされた。


今日2度目の閃光と轟音。今度は側面から叩き付けられた。
羽ばたきに拠って生んだ突風と相殺しても、尚威力は殺し切れず
ゾッドは爆発に全身が焼かれ、地面を何mも転がされた。
剣を手放さなかったのは、ひとえに矜持ゆえ。
使徒の自己治癒力が傷を治していくが、完治にはもう少し間が要る。
その間痛む身体を無理やり起こし、周囲を警戒する。
幸い、伊澄が追撃してくる様子は無い。
その間にも傷がふさがっていく。
怪我の8割方治った所で、ゾッドは伊澄が飛ばされていった路地の反対側に駆け出す。
そこは大きな道路が伸びていた。
そして伊澄の姿を見付ける。
道路の上を渡る橋から、伊澄は険しい視線を送っていた。
伊澄はどうあっても、この場でゾッドと決着を付けたいらしい。
面白い、とゾッドは笑う。
あれ程の強者が仕掛けてくる勝負。どうして無碍にする事が有ろうか。
黒い剣士や髑髏の騎士と対峙して以来の喜び。
沸き立つ血のままに、ゾッドは勝負に踏み出す。


伊澄が次に勝負の場として選んだのは、歩道橋の上。
下手に狭い場所を選んでも、逆にこちらが敵の出方が見えず不利になるだけ。
ならばいっそ全方位を見渡せる場所に立ち、敵を待ち構えればいい。
自分が『撃破滅却』を叩き込むのが早いか、敵がこちらに攻撃を当てるのが早いか。
何れにしろ一撃勝負。己の術者としての腕に賭けるのみ。


ゾッドは羽を羽ばたかせ、空中に飛翔。
そして伊澄の居る歩道橋から離れていく。
逃げるのかと思ったが、50m程離れた空中で静止し伊澄に向き直る。
加速の為の距離と言うわけか。
ゾッドは、一旦身体を縮め
弾丸の如き急発進で伊澄に掛かっていった。


途轍もなく速い。
だが補足出来る。
今の自分は常の鈍な鷺ノ宮伊澄ではなく、鷺ノ宮の一族最強の術者なのだから。
捉えた。
そう確信する。
途端、ゾッドが急旋回する。
遮蔽物の無い空中で何故?
そう伊澄が疑問に思う内に、弾丸と化したゾッドが
伊澄から向かって歩道橋の左端部分を貫いた。
歩道橋を支えるちょうど片側部分が、ゾッドと言う砲弾によって爆砕する。
余りの揺れに、伊澄はその場に倒れる。
それでも勝負を捨てる訳には行かない。必死にゾッドを目で追う。
ゾッドは伊澄と一定の距離を置きながら、空中を旋回し
歩道橋のもう片側部分を破砕した。
支えの無くなった歩道橋は、伊澄を乗せたまま引力に引かれ自由落下。
が、途中で止まる。
空中に静止したゾッドが、両手で欄干を持って歩道橋を支えていた。
そして両手を交差し、歩道橋は縦方向の軸を中心に半回転。
伊澄は呆気無く、歩道橋から零れ落ちる。
約2mの高さから落下し、地面に叩き付けられた衝撃が伊澄の身体を走る。
更にその上から、歩道橋が落ちて来た。
自分の直上に落ちて来た部分は、術で爆砕。
何とか直撃は避けるも、これで全ての力は使い切った。
落下した歩道橋が地を揺らし、至る所の骨が折れた伊澄を痛め付ける。
轟音が鼓膜に叩き付けられ、何も聞こえなくなった。


伊澄は悟る、自分は敗北したと。
最早ここからゾッドを相手に逆転劇を演ずる等、絶対に不可能だ。
自分は術者として力を尽くしたのだ。その事に悔いは無い。
だが、このまま座して死を待つと言う訳にはいかない。
あの怪物は危険過ぎる。
放置すれば、更なる被害者が出るだろう。
そしてナギにも累が及ぶかもしれない。
だから、最後までゾッドとの戦いを止める訳にはいかない。
勝てないまでも、少しでもゾッドに手傷を負わせねば。
伊澄はデイパックから手を抜く。
僅かな動きでも激痛が走るが、必死に耐える。
そしてデイパックから1つの武器を取り出した。


「何をしている?」
背後からゾッドの声が掛かる。耳がおかしくなっているのか、もうほとんど聞こえないが。
「貴様の心臓はまだ動いているぞ。戦え!! 肢体がちぎれるまでこのオレと……」
伊澄は武器を和服の袖に仕舞う。
「これまでか……!? こんなものなのか!? 貴様の力は……!?
 戦えぬのなら……その体引き裂く!!」
ゾッドは伊澄の身体を、両手で軽々と掲げ
両断すべく、両手に力を込める。
凄まじい痛みが伊澄を襲うが、同時に奇跡的な好機が訪れた。
今のゾッドは、ちょうど伊澄の斜め下の位置に居る。
そして袖の中に隠し持った武器の存在には気付いていない。
伊澄は袖の中でピンを抜いた手榴弾を、放り落とす。
(さようならナギ…………どうかあなたは死なないで)
この至近距離で手榴弾の爆発を受ければ生きていられない事位、伊澄にも分かる。
だがゾッドと言えど、無事では済まないだろう。
次の瞬間、伊澄の身体はゾッドの手で急激に振られ
手榴弾を巻き込んで、地面に叩き付けられた。
自分の身体の下から発する光。
それが伊澄の最後の知覚となった。


     ◇     ◇     ◇


全身の傷が癒えていく。
元々ゾッドが受けた、爆弾の被害は大した事は無かった。
咄嗟に伊澄の身体を防護幕代わりにして、爆弾を覆い地面に叩きつけたからだ。
伊澄の身体は四散しゾッドも爆発の余波を受けたが、被害を最小限にする事が出来た。
文字通りの意味に、伊澄は肢体がちぎれるまで戦った事になる。


伊澄のデイパックを拾い、中身を改めた。
中からは先程の爆弾が3つと、ランスの様な武器が出て来る。
説明書きの様なものが添えられている。
それによると、このランスは法力僧が妖怪を退治する為に作った物らしい。
(……ククク、面白い。破魔の武具を、魔なるこのオレが使うか!)
ランスを右手に持ち、剣を左手に持つ。
長短一対の二刀流。戦場での勝手は悪く無さそうだ。
しばらくはこれで、いって見るか。
爆弾の方も、説明書きが付いていた。
使い方はピンを抜いて投げるだけ。
ゾッドの膂力が有るならば、頼る事も無さそうだが
一応は持てるカードとして、取っておく。


それにしても、あの様な妙な術を使う兵が居たとは。
あの取るに足らぬ様に見えた小娘が、久しく出会う事の無かった強者であったとは。
全く未知の強者。その存在に、ゾッドの心は沸き立つ。
力量は申し分無し。だが、些か脆過ぎた。
まだ喰らい足りぬ。未だ満足は見えぬ。
ならば次なる敵を求めるだけ。
どうやらこの殺し合いに集められた者は、見た目から戦力を判断出来ないらしい。
ならば出会った者、片っ端から挑んで行けば良い。
取るに足らぬ弱者なら、唯死ぬだけ。
強者ならば、そのまま見えるのみ。
果たしてこの殺し合いに場だけで、どれ程の強者と見えるか。


まだ見ぬ強者に思いを馳せ、ゾッドは殺戮の地に臨む。
不死の(ノスフェラトゥ)ゾッド、彼の者もまた――――狂戦士(ベルセルク)。


【鷺ノ宮伊澄@ハヤテのごとく! 死亡】


【一日目深夜/H-9】
【ゾッド@ベルセルク】
[装備]穿心角@うしおととら、秋水@ONE PIECE
[支給品]支給品一式、手榴弾x3@現実、未確認(0〜1)
[状態]疲労(小)
[思考・行動]
基本:強者との戦いを楽しむ
1:出会った者全てに戦いを挑み、強者ならばその者との戦いを楽しむ。
[備考]
※未知の異能に対し、警戒と期待をしています。


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