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知らない人にはついていっていけません

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知らない人にはついていっていけません ◆2/z7o.Vlls


上を見れば吸い込まれそうなほど真っ暗な夜空。
前を見れば騒々しく立ち並ぶ建物と、その間を縫うように伸びる道路。
そして、周りには煌々とそれらを照らし続ける街灯。
その中を私は歩いていた。

ここは、かぶき町と似ているようで全然違った街。
人の声はおろか、車の音も聞こえない。看板も、一辺のゴミさえも無い。
どこかミニチュアの世界に入り込んだみたいだ。
そう感じたのはただ単に無人だからというわけではない気がする。別にはっきりした理由も無いのだけれど。

「それにしても……」

立ち止まって手元へ目を向ける。手に握ったバッグっぽいものが目に障る。
――殺し合い、ねえ。
脳裏に浮かぶのは先程の光景。
首輪を付け、罪もない人の首を飛ばし、殺し合いをしてもらうと言った元凶の姿。
ムルムル、と言ったかしら?
ここから帰れるのは優勝した一人だけ。殺し合いをしなければ全員が死ぬ。
そんな、そんなのって……。

ぎゅっと手に力を込める。手に震えが走るのを感じた。

そう、私は――

「ふざけんじゃねえぞボケェェェ!!」

――今、ちょっとイライラしている。

「人拐っておいていきなり殺し合いだぁ!? こちとら毎日が人生という名のサバイバルだわァ!!
私がいなくなったら父上の残した道場どうなると思ってんだコラァ!」

怒りに任せてバックを叩きつける。蹴る、蹴る、蹴る、踏みつける。
あまり形が変わらないのが憎らしい。
こんなことをしてもどうしようもない。むしろ危険なのだが、怒らずにはいられなかった。
そして罵詈雑言を叫び、少し落ち着くと、今度は別のことが気になり始めていた。

「新ちゃん、巻き込まれてなければいいけど……」

私達姉弟は同居している。
寝ている間に誘拐されたのならば、私だけとはいかないかもしれない。
もし弟までもが連れてこられているならば、もう道場どころではない。志村家存亡の危機だ。
じゃあ、私はどうすれば――

「……そこのレディ、少しいいかね?」

男の声。
私は反射的にバッグを引き寄せ、その方向へ目を向ける。
少しほど離れた場所に見えたのは、背が高く、すっきりとした短い黒髪に、どこぞの警察のような青い制服を着た男の姿。
手探りでバッグから棒のような物を取り出す。
物腰柔らかに声をかけてきたが、警戒するに越したことはない。
――少し、騒ぎすぎたかしら……。
「何かしら?こんな時にナンパですか?」
「まあ、そう固くならずに。ナンパかもしれないが、君に危害を加えるつもりはない」
「……その言葉、信じてもいいのかしら?」

直後、足元でどさっと音がして、私は目を見開く。
男の人がバッグをこちら側に捨て、手を上げていた。

「信じられないなら、君が私のデイパックを持って持ってもらっていい。私が欲しいのは情報だ。
それに……女性がこんな危険な夜道を歩くのは見過ごせなくてね」
「まあ、お上手ね~」

私はバッグを拾い上げ、これも足元に寄せる。
正直まだ疑わしさはあるが、いつまでも一人でいるよりはいいかもしれない。
再び向き直ると、それを了承として男の人が近づいてきた。

「私はアメストリスの軍人、ロイ・マスタング。地位は大佐だ」
「私は志村妙といいます~。アメフトポリスの増田さん? チンピラ警察24時みたいなものかしら?」
「う、うむ……?まあよろしく頼むよ、ミス・タエ」
「こちらこそ~。お妙でいいですよ」

私は頭を下げる。と、向こうは手を差し出していた。思わず体の動きが止まる。
あら?握手?
外国人の方だったのかしら、天人……には見えないけれど。
そんなことを思って顔を上げる。そして、気づいた。向こうも同じ思案顔であることに。
私が見ていると、増田さんが言葉を返すように苦笑いを浮かべる。

「……お妙さんは、どこにお住まいで?」
「江戸のかぶき町……あ、地球の東の都市ですぅ」
「エド……?シン国とは関係無い場所で?」
「清なら隣の国ですけど……」
「「…………」」

何だか色々と噛み合わない。
そこでようやく私は、私達を取り巻く違和感に気づいた。
江戸は世界で一番と言っていいほどに発展した都市。隣の清まで知っているなら、江戸を知らないわけがないのだ。

「やはり……。もう少しお妙さんの話を聞きたいのだが、よろしいかね?」
「そうですねぇ…。こんなところも何だし、あの家で話しましょうか?」




その後、私はお妙さんと色々な話をし、ある確信を得た。
それは、私の住む世界と、お妙さんの住む世界は似ているようで全く別のものだということ。
向こうはアメストリスも知らなければドラクマ、アメルゴという言葉も聞いたことが無いという。
それどころか、お妙さんの世界では宇宙人が平然と住み着き、宇宙へ行くターミナルが立っているというのだ。
世界広しと言えど、そんな話は全く聞き覚えが無い。
つまり、ここに集められたのは異世界からの寄せ集めなのだろう。
しかしシンのこと、シンの向こうの砂漠、北の大国などの位置が同じだということは不可解だが。

一旦話し終えた私達は、少しの間この家でそれぞれ別に行動することになった。
ここの住宅は私達の世界でよく見る形式だが、お妙さんにはあまり馴染みがないらしい。
お妙さんは使えそうな物を探すと言っていた。少々頭に血が上りやすいようだが、弟思いのいい娘だ。

そして今、私はバスルームの鏡の前に立っている。
今気に鳴るのは、この首輪。
ぴったりと肌に付くそれは、全くもっていい気持ちはしない。
錬金術で分解できないかとは思ったが、触り見ただけでは材質が何なのかよく分からない。
「理解」ができなければ錬金術は成立しない。今の段階では外すのは無理であろう。

「まあ、そう易々と外してくれるとは思っていないが……」

とりあえず、外れた首輪を用意する所から始めるのが妥当だろうか。
出来る限り無駄な犠牲は出したくないのだが……。
首輪が外れれば、あの子供の支配を受けることも無くなる。そうなればそれに越したことはないだろう。

そういえば、私は先ほどの場所で、ちらとあの特徴的な影を見つけることが出来た。
おそらくあれは鋼のの弟、アルフォンスの姿。
そしてルール説明で言われた、「放送後に浮かび上がる参加者名簿」。
知らない人々しかいない名簿なら、あの説明も意味は無いはず。
つまり名簿には知り合い――あの兄弟や、私の部下がいる可能性がある。
部下がここで死ぬことなど、私は認めない。探し出して守らねば。

「……放送まで、長いな」

私は壁に寄りかかり、大きなため息をついた。

【B-2/家の中/1日目 深夜】
【ロイ・マスタング@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 、不明支給品(0~2)
[思考・備考]
1:知り合いがいるならば探して守る。
2:首輪を調べたい。そのために首輪が欲しい。
3:妙さんと行動。放送後はどうするか……。
※志村妙と情報交換をしました。 お互いの世界の情報について一部把握しました。
※参戦時期は22巻以降です。



「キャベツ、人参、魚、……しなしなしてるわねぇ」

狭い台所の中、私は冷蔵庫の中を物色している。
増田さんは首輪を調べたいと言って出て行った。私にはよく分からなかったが、レンキンジュツシという役職らしい。
どうやら私の出る幕はなさそうなので、何か使えるものはないかと家を散策している。
まず気になったのは武器。先ほど引っ張り出した棒は支給品だったらしい。
天候を操作することができるようだけれど、専門的な知識が必要らしく私には使えない。
まあ、殴るのは存分できそうだけれど。

そして、今確認している食料。
殺し合いを促進するから少なめなのだろう、一日分くらいの食料しか支給されなかった。
ここもそう、食料があるにはあるが、冷蔵庫が動いていない。しかもあるのは生ものばかり。
加えて火は出るのに水は出ない。
これじゃあ長持ちはしそうにない。それは料理をあまりやらない私にも分かった。
でも、火を通せば食べられるかしら?

「あら、卵もあったわ! 増田さん、頑張っているし……私が玉子焼きを作ってあげようかしら」

そうとなったら動かずにはいられない。
フライパンとあるだけの調味料を取り出し、私は早速料理を始めた。


【B-2/家の中/1日目 深夜】
【志村妙@銀魂】
[状態]:健康
[装備]:フライパン、腐った卵
[道具]:支給品一式 、クリマ・タクト@ワンピース、不明支給品(0~1(本人確認済))
[思考・備考]
1:料理を作る。
2:新ちゃんはいるのかしら?
3:増田さんと行動。
※ロイ・マスタングと情報交換をしました。 お互いの世界の情報について一部把握しました。
※参戦時期は28巻以降です。

※天候棒(クリマ・タクト)
ウソップがナミのために開発した武器。
本来、宴会芸で使用するようなおもしろ手品アイテムみたいなものだが、ナミが独自に使い方を編み出し、天候を操ることが可能になった。
周りの気圧を操作し、人工的に蜃気楼を発生させたり、雨を降らせたり、雷を起こすことができる。

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GAME START 志村妙 045:焔は選び、闇に消え…
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