朱鷺の崎物語・人物設定




時計台より、あなたへ(40年代)

八弥(40年代:女子中学生)

空襲で家族を失い、町はずれの防空壕に一人で暮らしていた娘。
父に薙刀を習っていた回想シーンが描かれ、今も薙刀を形見として手放さない。
作中既に他界しており、時計台が見えるのはそのため。
楠から託された鞄を時計台に届ける大役を果たし、時計台の奏でた「ふるさと」は朱鷺の崎の人々に希望を与えた。

楠(40年代:三十歳くらいの男性)

八弥のもとに訪れた不思議な旅人。
この街を去るといって、山を下りていく際、鞄をわすれていく。
作中既に他界しており、鞄は楠が八弥に託したものであった。
鞄の中には幻の時計台にあるオルゴールのためのパンチカードが入っており、これが朱鷺の崎の将来を変えた。

クリス(40年代:20歳前後の若者)

目の見えない外国人の青年。
「先生」にギターを習っており、八弥に披露する。
時計台の音を聞いたという彼の証言によって、時計台が空襲で焼け残ったことにされてしまった。
曰くつきの時計台は、以後朱鷺の崎のシンボルとして人々の心を支えることになる。
なお、戦後も彼は街に住んでいる模様。


脇役

  • 八弥の父(死亡。八弥に薙刀を教えた道場主?)
  • ゆり(5歳の女の子。迷子になっているところを八弥に助けられる)
  • ゆりの母(中年。ゆりを連れて租界した)
  • 駅員(中年。時計台が破壊されていることを八弥に教えるが、八弥には幻の時計台が見えていた)

ぜんまいのきれたよるに(50年代半ば)

ケースケ(50年代:男子小学生)

朱鷺の崎の団地に住む純朴で優しい小学生。
父は出征して帰らぬ人となり、母と二人暮らしをしている。
スカート捲りに失敗してマリーの子分にされてしまうが、マリーの演奏を聴いて恋に落ちる。
本編後、マリーと別れた彼は時計に興味を持ち、上京して時計職人となった。
80年代の時点で早雪という女性と結婚しており、徹という小学生の息子がいる。

マリー(50年代:女子中学生)

海沿いのお嬢様学校に通う意地っ張りな中学生。
イギリス人の音楽家を父を持ち、ヴァイオリンを徹底的に仕込まれた。
ケースケと出会った当初は彼をいじめて憂さ晴らししていたが、そのうち彼に演奏を聴かせるのが楽しみになってしまう。
母は日本人だが父の都合でイギリスに引越し、ヴァイオリニストとなり、二人の息子がいる。

時計屋(50年代:不思議な老人)

異国通りの路地裏に隠れた時計屋を営む話好きの老人。
時間を動かす「宇宙の時計」を所有しているあたり、謎の多い人物である。


脇役

  • 神社の神様(「巫女と神との勘違いラプソディ」より友情出演。神主と間違えられている)
  • クロエの祖父(「夢想の彼方に、光。」より友情出演。この時は若い)
  • ケースケの母(中年。貧しい中ケースケを女手一つで育てたたくましい女性)
  • マリーの父(イギリス人壮年。長崎の音大に勤め、戦後日本の音楽界の再生に力を貸した)
  • サドケン(小学生男。仲間内ではガキ大将で通っている悪ガキ)
  • 竹ちゃん(小学生男)
  • 早雪(ケースケの妻。クラシックに興味があり、コンサート会場で圭介と知り合ったらしい)
  • 徹(ケースケの息子)


無双の彼方に、光。(80年代)

クロエ(80年代:10代後半の少女)

住宅街の中にあるパン屋の娘。
母は既に他界し、父は仕事で家を空けている。
母が早世したため、高校にはいかず実家の店を継ごうとしている。
ある日店を訪れた少年に心を奪われる。

和服の若者(80年代:10代後半の少年)

髪の長い中世的なイケメン。
ある日店にやってきて、売れ残ったパンを買って行ってしまう。

クリスおじさん(80年代:壮年)

クロエの祖父と共に店を始めたパン屋の実質的な経営者。
ベテランのパン職人である。

脇役

  • クロエの父(仕事で海外を飛び回っており、父が月に一度家に帰ってくるのをクロエは楽しみにしている)
  • クロエの祖父(他界している。クリスと共にパン屋を開業した。「ぜんまいのきれたよるに」に若いころの彼が登場している)

光は泡沫に踊る(40~90年代)

光弥(40~90年代:人魚)

人魚の女の子。沖縄の海底遺跡にある人魚の集落で暮らしている。
戦火に焼かれる朱鷺の崎を目にしてから人間の街が気になり出し、忘れられなくなってしまう。
冒頭は光の子供時代が描かれ、回想を挟んで成人した彼女が描かれる。
人魚は長生きなので細かい年齢は不明。

光弥の叔父(40~90年代:人魚)

光弥の母の兄。遠くの海を彷徨っていた光弥を助け、実家まで送り届ける。
かつて人間界に近づき実家から放逐された過去を持ち、人間界の事に詳しい遊び人。

光弥の父(40~90年代:人魚)

厳格な家長として描かれ、地上に憧れる光弥に外出を禁じてしまう。
それでも光弥は地上を忘れられず、とうとう光弥に地上を諦めさせるため朱鷺の崎まで同行した。

光弥の母(40~90年代:人魚)

父に劣らず厳しい母。
世間並みに心配性の良家のご婦人で、光弥にまっとうな人生を送らせようと必死である。

礁太(90年代:人魚)

光弥が子供の頃潮に流され遭難した年下の少年。
成長した光弥の前に立派な若者として現れ、彼女に求婚する。
塞いでいた光弥は彼に少しずつ心を開いてゆくが、嵐に遭い二人は離れ離れになってしまう。

浅村(90年代:青年)

不機嫌な万華鏡(90年代)の主人公と同一人物。
浅村が光と出会うシーンが光弥の視点から描写された。
光弥をさらってゆく。


脇役

  • 漁師(光弥を魚と間違え網にかけようとした)
  • 人魚のお婆さん(両親が招いた客の一人)
  • 人魚の若者達(広場で待ち合わせしていた男女。光弥のことを迷惑がって去ってゆく)


不機嫌な万華鏡(90年代)

浅村(90年代:青年)

人魚を拾ってしまった青年。20代中盤。物語開始の少し前まで働いていたが現在は無職。先祖の残した莫大な財産を切り崩して生活している。
光を自宅にかくまい、密かに飼育し始める。光に恋をしているが、人魚と人間の種族の隔たりに葛藤を感じている。

光(90年代:人魚)

海沿いの道で行き倒れていた人魚。
行き倒れるまでの記憶を失っており、日本語もたどたどしかったが、テレビを観ていることで日本語は堪能になってゆき、徐々に知能も上がっている。記憶喪失以前の詳細は名前や家族構成、生活など全く不明。
浅村家で過ごし始めた当初はで無意識のうちにストレスを感じておりひどい頭痛に悩まされていたが、現在はほとんど頭痛を起こさない。頭痛薬の鎮痛作用に依存しており、現在は頭痛がするふりをしているだけの頭痛薬中毒者。タバコを好む。ぼけーっとしているが悩みをため込みがちな性格であり、下着のサイズが合わなかったことを気に病み、拒食症になったり食事量を抑えている。好物は竹輪。体長約2m。歩くことが出来ないが、キャスター付きオフィスチェアを車いす代わりにすることで歩行能力が補われている。

脇役

  • 綿貫(浅村の通う百貨店の手伝売場の店員)


巫女と神との勘違いラプソディ(00年代)

巫女(00年代:若者)

一年間の間だけ山の上の神社を預かることになった真面目な女の子。
神様いわく、綺麗な心の持ち主らしい。

神様(年齢不詳)

山の上の神社に祭られた神。
主人公の前では若い男の姿をし、遊び人のような性格をしている。
作中では主人公にしか見えない。
ぜんまいのきれたよるに」にゲスト出演し、ケースケたちには姿を見せている。

脇役



朱鷺の崎五番勝負(10年代)


演劇サークル

ミスター志乃のドタバタ青春&プロレス小説「Walk Now For So Meet(うぉくのふぉそみつ)」の登場人物たち。
大学のOBである佐渡からの依頼を受け、ローカル特番、『朱鷺の崎五番勝負』に出演、参加する羽目になった。
  • 曾根崎心中(「Walk Now for so Meets」の主人公本名は曾根崎忠)
  • ハイジさん(「Walk Now for so Meets」から出張出演。本名陣内一葉。演劇サークル所属。ダヴィンチ的万能人であり、心中にとっては頼れる兄貴である)
  • 良崎(「Walk Now for so Meets」から出張出演。通称リーベルト。容姿端麗な父日本人+母ドイツ人のハーフであり、ハイジさんについていけるバイタリティとギャグセンスを持つ。日本から出たことはない)
  • 水原さん(「Walk Now for so Meets」から出張出演。実は演劇サークル会長。おしとやかなじょせいであり、サークル内で数少ない常識人である)
  • マスカラスマン(「Walk Now for so Meets」から出張出演。弱小プロレスサークルと演劇サークルの掛け持ち。演劇サークル公認マスコット、エッちゃんの中身でもある。演劇サークルに入会してからまだ日が浅く、常識人)

佐渡(10年代:30代)

朱鷺の崎で育った後、東京の大学に進学、朱鷺の崎の役場に就職。
お調子者で宴会部長の名をほしいがままにしている。

脇役

  • 白塗り(『パイ投げサバイバルゲーム』のプレイヤー。自転車で移動し、パイを投げつけて去っていく)
  • 温カヲル(エヴァブームが来ている朱鷺の崎の中学生。父はホテルニュートキノサキ勤務。『朱鷺の崎五番勝負』第二種目のプレイヤー)
  • 美里桂(エヴァブームが来ている朱鷺の崎の女子高生。クロエベーカリーでアルバイトをしている。『朱鷺の崎五番勝負』第二種目のプレイヤー)
  • 鯖木剣八(巨漢の男性。『朱鷺の崎五番勝負』第三種目の審判を務める)
  • 寒色卓(朱鷺の崎一の大食漢であだ名は「カン食マン」。身長は2m近い。『朱鷺の崎五番勝負』最終決戦のプレイヤー)
  • 浅村宗一郎(朱鷺の崎の名士浅村家の現当主。『不機嫌な万華鏡(90年代)』の浅村と同一人物。眼鏡をかけ、頭髪はほぼ白髪になっている。朱鷺の崎の名物、かまぼこまんを考案した人物であり、海岸公園に人魚像を立てたのも彼である。『朱鷺の崎五番勝負』最終決戦の主審を務める)
  • 浅村良枝(浅村宗一郎の妻。『朱鷺の崎五番勝負』最終決戦の副審を務める。浅村とはお見合い結婚)

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最終更新:2014年07月22日 00:47