精神病質とは
精神病質(せいしんびょうしつ、英: psychopathy)またはサイコパシーとは、精神障害の一種であり、社会に適応することが難しい恒常的なパーソナリティ障害[1]。精神病(妄想・幻覚・乱雑な思考と発語・非現実的で奇妙な行動などの症状)[2]と健常との中間状態[3][注 1]。精神病質を「人格障害」(パーソナリティ障害)の同義語・類義語としている精神医学論文や日本語辞典もある[4][5][注 2]。
精神病質(サイコパシー)を持つ者は精神病質者[6]・サイコパスといい[6]、精神障害者の一種として「精神保健福祉法」で定義されている[6]。より詳細には反社会性パーソナリティ障害者に分類されることがある[6][注 3]。
精神病質(せいしんびょうしつ、英: psychopathy)またはサイコパシーとは、精神障害の一種であり、社会に適応することが難しい恒常的なパーソナリティ障害[1]。精神病(妄想・幻覚・乱雑な思考と発語・非現実的で奇妙な行動などの症状)[2]と健常との中間状態[3][注 1]。精神病質を「人格障害」(パーソナリティ障害)の同義語・類義語としている精神医学論文や日本語辞典もある[4][5][注 2]。
精神病質(サイコパシー)を持つ者は精神病質者[6]・サイコパスといい[6]、精神障害者の一種として「精神保健福祉法」で定義されている[6]。より詳細には反社会性パーソナリティ障害者に分類されることがある[6][注 3]。
政策科学博士の緒方あゆみ[7]の論文によると、現代の精神病質者に対する精神鑑定では、医学者・精神科医クレッチマーの方法論が用いられている[8]。クレッチマーいわく「精神病者、精神病質者〔サイコパス〕、正常人」という三者を断定的に区別できる指標は存在せず、これら三者は「相互に移行しあうもの」である[9]。クレッチマーによって、精神鑑定対象者の責任能力については「心理学的基準による量的判断」が行われるようになり、正常からの偏りが大きければ「限定責任能力」、極端であれば「責任無能力」と鑑定されるようになった[9]。
用語
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精神病質は、『広辞苑』(第七版 2018年)で以下の解説がされている[5]。
「【精神病質】性格の異常性のために自分で悩んだり、社会を困らせたりするような性格。性格障害・人格障害にほぼ同じ」[5]。
医学博士・精神医学者の林拓二の学術論文では、「精神病質=人格障害」という表記がある[4]。
用語
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精神病質は、『広辞苑』(第七版 2018年)で以下の解説がされている[5]。
「【精神病質】性格の異常性のために自分で悩んだり、社会を困らせたりするような性格。性格障害・人格障害にほぼ同じ」[5]。
医学博士・精神医学者の林拓二の学術論文では、「精神病質=人格障害」という表記がある[4]。
犯罪社会学者の赤羽由起夫の学術論文によると「精神病質とは,性格の極端さのために自分や他人が悩む症状につけられた病名」であり[10]、教育心理学者の加戸陽子と眞田敏らの論文によると「精神病質とは、成人において非社会性または反社会性を常況として社会生活上の困難をしめすパーソナリティ障害と解釈されることが多い」[11]。
精神病質という用語は、主に異常心理学や生物学的精神医学などの分野で使われている。ユリウス・L・A・コッホ (Julius Ludwig August Koch)が1891年に Psychopathische Minderwertigkeiten(サイコパス的障害)と名づけ、サイコパスが発見された[12]。英語ではpsychopathic inferiority(精神病質劣等感)。
精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)や疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)においては、反社会性パーソナリティ障害(Antisocial personality disorder/ASPD, dissocial personality disorder/sociopath)として分類されている。
類似語
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類似する用語として、社会病質(しゃかいびょうしつ、(英: sociopathy、ソシオパシー)がある。また、社会病質(ソシオパシー)を持つ者は社会病質者(しゃかいびょうしつしゃ)、ソシオパスと呼ばれる。サイコパス行動遺伝学者デヴィッド・リッケン (David T. Lykken) は反社会的人格を「ソシオパス的人格」「サイコパス的人格」「性格神経症」の三つに大別し、「ソシオパス的人格は、親の育て方などによる後天的なもの」「サイコパス的人格は元来の性格、気質などの先天的なもの」として位置付けている[13]。しかし一般には、ソシオパスとサイコパスはほぼ同義なものとして扱われることが多い[注 4]。研究では、原因は遺伝的要因と非遺伝的要因が挙げられている。
「サイコパシー」は「マキャヴェリズム」「ナルシシズム」と共に、ダークトライアド[14]を構成する3要素の1つである。
注意点
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この節は検証可能性のために医学に関する信頼できる情報源を必要としている、あるいは過度に一次資料に基づいています。
(2022年11月)
「精神病質(サイコパシー)」という言葉はかつては(主にヨーロッパにおいて)精神医学用語の1つとして、比較的広い意味で用いられていた。現在ではそうした用法は廃れているが、今日の用法と混同しないよう注意が必要である。またサイコパスは俗にサイコと略されることがあるが、この言葉には「精神病的(英: psychotic、サイコチック)」という意味も含まれることもあるので「サイコパス的(英: psychopathic、サイコパシック)」とは必ずしも同義ではない。
低下
遺伝子:MAO-A遺伝子などいくつかの遺伝要因
生育環境:幼少期の身体的、精神的、性的虐待
ファロン自身が患っている疾患は双極性障害、強迫性障害、パニック発作。遠い親族に殺人者、殺人嫌疑者、兄弟にADHDがおり、本人の行為障害的行動についても語っている[26]。ジェームズ・ブレアは扁桃体の機能不全こそがサイコパスの主な原因とするが、その原因については不明としている。
精神病質という用語は、主に異常心理学や生物学的精神医学などの分野で使われている。ユリウス・L・A・コッホ (Julius Ludwig August Koch)が1891年に Psychopathische Minderwertigkeiten(サイコパス的障害)と名づけ、サイコパスが発見された[12]。英語ではpsychopathic inferiority(精神病質劣等感)。
精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)や疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)においては、反社会性パーソナリティ障害(Antisocial personality disorder/ASPD, dissocial personality disorder/sociopath)として分類されている。
類似語
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類似する用語として、社会病質(しゃかいびょうしつ、(英: sociopathy、ソシオパシー)がある。また、社会病質(ソシオパシー)を持つ者は社会病質者(しゃかいびょうしつしゃ)、ソシオパスと呼ばれる。サイコパス行動遺伝学者デヴィッド・リッケン (David T. Lykken) は反社会的人格を「ソシオパス的人格」「サイコパス的人格」「性格神経症」の三つに大別し、「ソシオパス的人格は、親の育て方などによる後天的なもの」「サイコパス的人格は元来の性格、気質などの先天的なもの」として位置付けている[13]。しかし一般には、ソシオパスとサイコパスはほぼ同義なものとして扱われることが多い[注 4]。研究では、原因は遺伝的要因と非遺伝的要因が挙げられている。
「サイコパシー」は「マキャヴェリズム」「ナルシシズム」と共に、ダークトライアド[14]を構成する3要素の1つである。
注意点
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この節は検証可能性のために医学に関する信頼できる情報源を必要としている、あるいは過度に一次資料に基づいています。
(2022年11月)
「精神病質(サイコパシー)」という言葉はかつては(主にヨーロッパにおいて)精神医学用語の1つとして、比較的広い意味で用いられていた。現在ではそうした用法は廃れているが、今日の用法と混同しないよう注意が必要である。またサイコパスは俗にサイコと略されることがあるが、この言葉には「精神病的(英: psychotic、サイコチック)」という意味も含まれることもあるので「サイコパス的(英: psychopathic、サイコパシック)」とは必ずしも同義ではない。
低下
遺伝子:MAO-A遺伝子などいくつかの遺伝要因
生育環境:幼少期の身体的、精神的、性的虐待
ファロン自身が患っている疾患は双極性障害、強迫性障害、パニック発作。遠い親族に殺人者、殺人嫌疑者、兄弟にADHDがおり、本人の行為障害的行動についても語っている[26]。ジェームズ・ブレアは扁桃体の機能不全こそがサイコパスの主な原因とするが、その原因については不明としている。
現時点でいえることは、以下の2点である。
脳の機能について、遺伝の影響は大きい
生育環境が引き金になって反社会性が高まる可能性がある
虐待や劣悪な環境を避けることで反社会性の発現のいくらかは抑えられるという研究がある[27][要ページ番号]。
生育環境が引き金になって反社会性が高まる可能性がある
虐待や劣悪な環境を避けることで反社会性の発現のいくらかは抑えられるという研究がある[27][要ページ番号]。
脳の特徴
『扁桃体』領域が不具合を起こしているという説が主流である。また前部帯状回の活動も健常者に比べ低い[28]。
ジェームズ・ファロン(英語版)による分析では、健常な人の脳と比べた場合に、前頭前皮質の「腹側システム(扁桃体・眼窩前頭皮質)および側頭葉前部)」の活動が異常に低い。一方で、前頭前皮質の「背側システム」の活動は活発なままであった[29]。
管理
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英国国立医療技術評価機構 (NICE) は精神病質の診断基準を満たす人口に対しては、認知行動介入を検討するとしている[30]。また併発疾患を治療することで、精神病質によるリスクを減少させることができる[30]。また、これに携わるスタッフは有害事象リスクが高いため、スタッフには高レベルの支援と厳重な監督が提供されなければならないとしている[30]
『扁桃体』領域が不具合を起こしているという説が主流である。また前部帯状回の活動も健常者に比べ低い[28]。
ジェームズ・ファロン(英語版)による分析では、健常な人の脳と比べた場合に、前頭前皮質の「腹側システム(扁桃体・眼窩前頭皮質)および側頭葉前部)」の活動が異常に低い。一方で、前頭前皮質の「背側システム」の活動は活発なままであった[29]。
管理
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英国国立医療技術評価機構 (NICE) は精神病質の診断基準を満たす人口に対しては、認知行動介入を検討するとしている[30]。また併発疾患を治療することで、精神病質によるリスクを減少させることができる[30]。また、これに携わるスタッフは有害事象リスクが高いため、スタッフには高レベルの支援と厳重な監督が提供されなければならないとしている[30]