◆
「確かに見た目も凄いピシッとしてて正に先生って感じだよ!乳首もピンクじゃなく金色に輝いてそうだね!」
「えっと…ありがとう、なのかな?」
「そもそも乳首は輝いたりしないんじゃないか?」
「悪い奴は許さない」
「ううん!乳首だけじゃなく全部がピカーって輝きそうだよ!はっ!まさか先生も美木杉先生みたく露出狂!?瞬きを終えたらそこにはすっぽんぽんな先生が!?」
「発想が飛躍し過ぎだぜ!?」
「悪い奴は許さない」
「えっと…ありがとう、なのかな?」
「そもそも乳首は輝いたりしないんじゃないか?」
「悪い奴は許さない」
「ううん!乳首だけじゃなく全部がピカーって輝きそうだよ!はっ!まさか先生も美木杉先生みたく露出狂!?瞬きを終えたらそこにはすっぽんぽんな先生が!?」
「発想が飛躍し過ぎだぜ!?」
「悪い奴は許さない」
元気いっぱいな少女の声に、何とも言えぬ反応を見せる男。
思わずツッコミを入れる少女(実際は男)と、答えになっていない言葉を繰り返す異形。
移動しながら情報交換を行う一団の姿がそこにあった。
思わずツッコミを入れる少女(実際は男)と、答えになっていない言葉を繰り返す異形。
移動しながら情報交換を行う一団の姿がそこにあった。
「じゃあ先生もどうして梔子ユメの体が利用されたのか、理由は分からないんだな…」
「うん。もっと言うなら私や生徒達が殺し合いに巻き込まれたこと自体、正直理解出来ないよ」
「うん。もっと言うなら私や生徒達が殺し合いに巻き込まれたこと自体、正直理解出来ないよ」
すぐ傍にはいない少女達を想ってか、暗い顔で頭を振る男。
ユメ同様、キヴォトスなる場所に関わる人間は主催者に利用された被害者。
少なくとも目の前の『先生』を見る限り、灯悟達にもそう思えた。
ユメ同様、キヴォトスなる場所に関わる人間は主催者に利用された被害者。
少なくとも目の前の『先生』を見る限り、灯悟達にもそう思えた。
総司令官達との戦闘後、灯悟が意気消沈するトラブルこそあったものの持ち直し、改めて移動再開となった。
民家で見付けた救急箱を使い、傷への処置も済んでいる。
万全とはいかずとも戦闘を行うのに問題はなく、道中何が来ても良いように構えた。
とはいえ出会ったのは殺し合いに乗っておらず、温厚な雰囲気の男。
相手が対話を望むなら断る理由を探す方が難しい、いざこざには発展せずお互いの情報を明かし今に至る。
民家で見付けた救急箱を使い、傷への処置も済んでいる。
万全とはいかずとも戦闘を行うのに問題はなく、道中何が来ても良いように構えた。
とはいえ出会ったのは殺し合いに乗っておらず、温厚な雰囲気の男。
相手が対話を望むなら断る理由を探す方が難しい、いざこざには発展せずお互いの情報を明かし今に至る。
「でも酷い奴だよそのチョイスって男!女の子を誑かして先生を襲わせるなんて!どっかのタヌキといい勝負だよ!」
『タヌキの方は総司令官の主観も入ってる可能性があるから、確定は出来んがな』
「因みにチョイスじゃなくてチェイスだよ、マコちゃん」
『タヌキの方は総司令官の主観も入ってる可能性があるから、確定は出来んがな』
「因みにチョイスじゃなくてチェイスだよ、マコちゃん」
どこからか取り出した紫の服とカツラを装着し、如何にもあくどい笑みを浮かべる。
かと思えば青いほっかむりを被り、これまたゲスの二文字が合う表情へ変化。
話で聞いたロクでもない性根の者達になり切るマコの奇行は、鮮血からすれば今に始まったものでもない。
一方で初見の先生は反応に困りつつ、取り敢えず言い間違えをやんわり指摘。
かと思えば青いほっかむりを被り、これまたゲスの二文字が合う表情へ変化。
話で聞いたロクでもない性根の者達になり切るマコの奇行は、鮮血からすれば今に始まったものでもない。
一方で初見の先生は反応に困りつつ、取り敢えず言い間違えをやんわり指摘。
ぷんすかの擬音が付きそうな、というか何故か目に見えて浮かび上がらせるマコはさておき。
先生が出会った二人組が危険なのに間違いはない。
曰く、チェイスと名乗った男は果穂という少女を言葉巧みに騙し自分を襲わせたとのこと。
しかも共に仮面ライダーなる戦士の力を持っており、危うく殺される所だった。
幸い先生にも仮面ライダーへの変身アイテムが支給された為、何と切り抜けられたらしい。
先生が出会った二人組が危険なのに間違いはない。
曰く、チェイスと名乗った男は果穂という少女を言葉巧みに騙し自分を襲わせたとのこと。
しかも共に仮面ライダーなる戦士の力を持っており、危うく殺される所だった。
幸い先生にも仮面ライダーへの変身アイテムが支給された為、何と切り抜けられたらしい。
『小宮果穂は騙されてるだけだが、男の方は明確な自分の意志で殺し合いに乗った、か』
「だとしたら放って置けないぜ。その娘が本当に手を汚す前に止めなきゃダメだ!」
「だとしたら放って置けないぜ。その娘が本当に手を汚す前に止めなきゃダメだ!」
アカリナの街の反抗軍に粗悪品の魔力の種を渡し、暴走態へ変貌させたアブダビ。
ククジャの街で暴動を促し、領主のアジールを利用したヴィダン。
善良な人々を悲劇へ誘った魔王族を、何度も目の当たりにして来た。
連中と同じように誰かの絆を踏み躙る行為は、灯悟が最も許せない悪行。
被害が大きくなる前に、何としてもチェイス達を止めねばならない。
ククジャの街で暴動を促し、領主のアジールを利用したヴィダン。
善良な人々を悲劇へ誘った魔王族を、何度も目の当たりにして来た。
連中と同じように誰かの絆を踏み躙る行為は、灯悟が最も許せない悪行。
被害が大きくなる前に、何としてもチェイス達を止めねばならない。
「私も灯悟ちゃ…くんに賛成だ。それに彼らは仮面ライダーの力を悪用している。放って置けばガッチャードくんや、こっちのオーズくん達が誤解されるかもしれない」
「悪い奴は許さない」
「悪い奴は許さない」
同じ言葉を口にするオーズ(バッタヤミー)が同意してるのかは不明だが、先生の言うことは最もだ。
何故かヒーロー名で名簿に記載されたガッチャード、彼が善人なのは最初の場での姿を見れば明らか。
初対面の少女を気遣い、尚且つ主催者へ真っ当な怒りをぶつける。
灯悟としても出会った際には心強い仲間として、絆を結びたいと思っていた少年。
そんなガッチャードが悪評の煽りを受け、いらぬ敵意を向けられるのは望む所ではないのだから。
何故かヒーロー名で名簿に記載されたガッチャード、彼が善人なのは最初の場での姿を見れば明らか。
初対面の少女を気遣い、尚且つ主催者へ真っ当な怒りをぶつける。
灯悟としても出会った際には心強い仲間として、絆を結びたいと思っていた少年。
そんなガッチャードが悪評の煽りを受け、いらぬ敵意を向けられるのは望む所ではないのだから。
「先生みたいな良い人だけが、仮面ライダーになれる訳じゃないのかぁ」
『どう扱うかは変身者次第、ということか』
『どう扱うかは変身者次第、ということか』
使い方一つで善にも悪にもなる。
仮に鬼龍院皐月が本当に羅暁の命令を忠実に守る者だったなら、極制服を着た生徒達とて暴虐の悪となっていただろう。
彼女の真意を知った今では、鮮血も違うと分かっているが。
仮に鬼龍院皐月が本当に羅暁の命令を忠実に守る者だったなら、極制服を着た生徒達とて暴虐の悪となっていただろう。
彼女の真意を知った今では、鮮血も違うと分かっているが。
「灯悟君達が会ったロボットの一団、何より城を破壊した参加者にも注意が必要だね」
「ああ。…せめて、他には誰も巻き添えになってないなら良いんだけどな……」
「ああ。…せめて、他には誰も巻き添えになってないなら良いんだけどな……」
神妙な顔で言う先生に、灯悟も顔を曇らせ頷く。
廃墟同然の民家で休んだ後、城を調べに行きたいとマコ達に言った。
総司令官は仮に生存者がいてもマトモに動けないと指摘したが、灯悟からすれば逆に行く理由になる。
身動きが取れず助けが必要な参加者がいるのに、無視するなど御免だ。
無論、倒壊の原因となった参加者とぶつかる可能性も低くはない。
自分達のいたエリアに現れなかったからと言って、絶対に遭遇しないとも言い切れなかった。
廃墟同然の民家で休んだ後、城を調べに行きたいとマコ達に言った。
総司令官は仮に生存者がいてもマトモに動けないと指摘したが、灯悟からすれば逆に行く理由になる。
身動きが取れず助けが必要な参加者がいるのに、無視するなど御免だ。
無論、倒壊の原因となった参加者とぶつかる可能性も低くはない。
自分達のいたエリアに現れなかったからと言って、絶対に遭遇しないとも言い切れなかった。
危険を承知で我儘を言ってる自覚はあったが、マコ達は灯悟の判断を責めず同意してくれた。
仲間達へ感謝を伝えて城に赴き、結果を言うなら生存者はゼロ。
瓦礫の山が高く積み重なり、生きてる者も死体も本当にあるのか分からない。
そんな状態で唯一見付けたのは、隙間から僅かに覗く銀髪と乾いた血。
これでまだ無事だとは幾ら灯悟でも口に出来ず、遅かった事実を噛み締めた。
仲間達へ感謝を伝えて城に赴き、結果を言うなら生存者はゼロ。
瓦礫の山が高く積み重なり、生きてる者も死体も本当にあるのか分からない。
そんな状態で唯一見付けたのは、隙間から僅かに覗く銀髪と乾いた血。
これでまだ無事だとは幾ら灯悟でも口に出来ず、遅かった事実を噛み締めた。
「…ところで、これからどうするかだけど――!?」
重くなった空気を察してか、先生が口を開くも最後まで続かない。
爆音と建造物の倒壊する音が聞こえ、振動がこっちまで伝わって来た。
爆音と建造物の倒壊する音が聞こえ、振動がこっちまで伝わって来た。
「な、なに!?戦争!?襲撃!?大怪獣日本上陸!?」
『そう遠くない場所で戦闘が起きたのか?どうする灯悟?』
「勿論放って置けないぜ!先生、話は後回しになっちまうけど…」
「皆まで言わなくても構わないよ。若しかしたら生徒がいるかもしれない、急ごう!」
『そう遠くない場所で戦闘が起きたのか?どうする灯悟?』
「勿論放って置けないぜ!先生、話は後回しになっちまうけど…」
「皆まで言わなくても構わないよ。若しかしたら生徒がいるかもしれない、急ごう!」
自販機へ詰めて座り空から移動。
ある程度近付くと一旦降り、近場の民家の前で額を突き合わせる。
このまま全員で突撃、と行くには抵抗が灯悟や鮮血に生まれたのだ。
ある程度近付くと一旦降り、近場の民家の前で額を突き合わせる。
このまま全員で突撃、と行くには抵抗が灯悟や鮮血に生まれたのだ。
「マコ、オーズ。二人はここに隠れて待っててくれ」
「うええっ!?何で!?私達だけお留守番!?ここ私の家じゃないけど!私の家ってこんなに綺麗じゃないもん!」
「うええっ!?何で!?私達だけお留守番!?ここ私の家じゃないけど!私の家ってこんなに綺麗じゃないもん!」
てっきり皆で一緒に行くと思っていた為、予想外の言葉に疑問を返す。
だがマコとオーズが民家で身を隠すのには灯悟のみならず、彼(彼女)の胸元からも同意があった。
だがマコとオーズが民家で身を隠すのには灯悟のみならず、彼(彼女)の胸元からも同意があった。
『マコ、今回は私も灯悟に賛成だ。これだけ距離があっても感じる気配だ、暴れているのは並大抵の存在ではない…!』
「ああ、まるで絶縁王と対峙した時みたいだぜ……」
「ああ、まるで絶縁王と対峙した時みたいだぜ……」
姿を見ていないにも関わらず、気配だけで戦慄を抱かざるを得ない。
今自分達が向かう先には生半可な力では叶わない強敵がいる。
ゼツエンダーや魔王族、極制服の着用者達との死闘を経験して来た灯悟と鮮血だからこそ分かった。
NPCのリメインズ・ドラゴン、先のロボ子やシャチパンダヤミー。
この数時間で戦った者達とは余りにも違う、下手をすればマコを巻き込む可能性も大いに有る。
かといってマコ一人を残し、自分達がいない間に危機に陥らないとも限らない。
だからNPCではあるも、信頼の置ける仲間にマコを任せるのだ。
今自分達が向かう先には生半可な力では叶わない強敵がいる。
ゼツエンダーや魔王族、極制服の着用者達との死闘を経験して来た灯悟と鮮血だからこそ分かった。
NPCのリメインズ・ドラゴン、先のロボ子やシャチパンダヤミー。
この数時間で戦った者達とは余りにも違う、下手をすればマコを巻き込む可能性も大いに有る。
かといってマコ一人を残し、自分達がいない間に危機に陥らないとも限らない。
だからNPCではあるも、信頼の置ける仲間にマコを任せるのだ。
「うー…で、でも……」
「私も彼らと同意見だよ、マコちゃん。この異様なプレッシャーに充てられて、今の君は大分顔色も悪い。無理はさせられないよ」
「私も彼らと同意見だよ、マコちゃん。この異様なプレッシャーに充てられて、今の君は大分顔色も悪い。無理はさせられないよ」
普段通りに振舞っているつもりでも、やはり尋常ならざる威圧感の影響はマコと言えども避けれていない。
命令口調ではなく、あくまで気遣いとして二人と一着から言われては食い下がれない。
修学旅行の時には流子の傍が一番安全だと、彼女が皐月と戦う場へ赴いた。
しかし叩きのめしはしても命までは奪わない本能寺学園の生徒達と違い、この島は正真正銘の殺し合いの会場。
総司令官達のように人質として捕まえるだけでない参加者だって、当然いるだろう。
命令口調ではなく、あくまで気遣いとして二人と一着から言われては食い下がれない。
修学旅行の時には流子の傍が一番安全だと、彼女が皐月と戦う場へ赴いた。
しかし叩きのめしはしても命までは奪わない本能寺学園の生徒達と違い、この島は正真正銘の殺し合いの会場。
総司令官達のように人質として捕まえるだけでない参加者だって、当然いるだろう。
「う~~~…分かった!じゃあオーズさんと二人で待ってるよ!でも!皆ちゃんと戻って来てね!」
「おう!約束だ!先生、あんたは……」
「勿論私も灯悟くんと一緒に行くよ。仮に生徒達がいないとしても、君だけに戦わせるのは大人のやることじゃないからね」
「おう!約束だ!先生、あんたは……」
「勿論私も灯悟くんと一緒に行くよ。仮に生徒達がいないとしても、君だけに戦わせるのは大人のやることじゃないからね」
頼もしい言葉を受け、燃える心のままに戦場へ赴く姿へ変わる。
隣では灯悟に倣ってか、先生もマゼンタ色のドライバーを装着。
隣では灯悟に倣ってか、先生もマゼンタ色のドライバーを装着。
「人心絆装――神衣鮮血!!!!!」
「変身」
『KAMEN RIDE DEACDE!』
豊満な肢体を包み込む、過激ながら力強さも覚える戦闘形態。
鮮血の力を最大限に引き出す姿となる。
先生も同様にドライバーと同色の装甲を纏い、複数のプレートが突き刺さった仮面を被った。
何故か灯悟の背後で爆発が起きた上に、デカデカと「人心絆創」「神衣鮮血」の文字が浮かんでるのに思わず二度見。
灯悟もマコも平然としており、困惑するもそれどころでないと深く考えないことにする。
鮮血の力を最大限に引き出す姿となる。
先生も同様にドライバーと同色の装甲を纏い、複数のプレートが突き刺さった仮面を被った。
何故か灯悟の背後で爆発が起きた上に、デカデカと「人心絆創」「神衣鮮血」の文字が浮かんでるのに思わず二度見。
灯悟もマコも平然としており、困惑するもそれどころでないと深く考えないことにする。
「気を付けてねー!」
「悪い奴は許さない」
「悪い奴は許さない」
仲間達の声を背に受け、二人の戦士は闘争の真っ只中へと飛び込んで行った。
◆
きっとここが、分岐点だったのだろう。
とある世界ではキズナファイブに6人目の戦士がおらず、廻り廻って異世界にて浅垣灯悟がバットエンドを迎えたように。
切っ掛け一つで物語は大きく変わる。
とある世界ではキズナファイブに6人目の戦士がおらず、廻り廻って異世界にて浅垣灯悟がバットエンドを迎えたように。
切っ掛け一つで物語は大きく変わる。
もしも灯悟達が危険は承知の上で、マコを戦場へ連れて行ったら。
目が届く距離に、手が届く範囲に彼女を置いていれば。
目が届く距離に、手が届く範囲に彼女を置いていれば。
或いは、違った結末を迎えられたかもしれない。
◆
強大な力を我が物にする敵はこれが初めてではない。
キズナファイブの宿敵絶縁王、ニヅベルでの事件の際に一度だけ見た四本腕の魔王族。
地球上で最も生命繊維に魅せられた人間(バケモノ)、鬼龍院羅暁。
そういった者達を前にし、心の底からの戦慄を覚えた。
キズナファイブの宿敵絶縁王、ニヅベルでの事件の際に一度だけ見た四本腕の魔王族。
地球上で最も生命繊維に魅せられた人間(バケモノ)、鬼龍院羅暁。
そういった者達を前にし、心の底からの戦慄を覚えた。
そして此度も彼らは、神を前に恐怖を味わう事となる。
未だ戦闘には至っていない。
乱入し視線をぶつけ合った、ただそれだけだというのに。
目の前の男に勝てる未来(ヴィジョン)が、全くと言って良い程見えなかった。
未だ戦闘には至っていない。
乱入し視線をぶつけ合った、ただそれだけだというのに。
目の前の男に勝てる未来(ヴィジョン)が、全くと言って良い程見えなかった。
「どうしてアンタは戦ってる!?こいつらを襲う理由は何だ!?」
だからといって、怖気づき逃げ出す気は毛頭ない。
敵の強さに怯えて、尻尾を巻いて背を向けるようなら最初からキズナレッドになってなどいない。
恐れを自覚し、尚且つ呑まれずに自らの正義感を奮い立たせる。
声を張り上げた問い掛けに、神は無機質な瞳を向けるだけ。
超常の存在に見極められても臆さず見つめ返すヒーローへ、熱の宿らぬ声で告げる。
敵の強さに怯えて、尻尾を巻いて背を向けるようなら最初からキズナレッドになってなどいない。
恐れを自覚し、尚且つ呑まれずに自らの正義感を奮い立たせる。
声を張り上げた問い掛けに、神は無機質な瞳を向けるだけ。
超常の存在に見極められても臆さず見つめ返すヒーローへ、熱の宿らぬ声で告げる。
「戦火の元となる不出来は……争いなき世界に不要……理由は他に必要ない……」
『つまり…………争いの元になるから殺す、と言いたいのか?』
「それなら一番に倒さなきゃいけないのは、殺し合いをさせるクルーゼ達だろ!?」
『つまり…………争いの元になるから殺す、と言いたいのか?』
「それなら一番に倒さなきゃいけないのは、殺し合いをさせるクルーゼ達だろ!?」
返って来た答えは到底納得のいく類ではなく、当たり前の反論を叫ぶ。
しかし神が考えを変える展開は決して起きない。
何より、既に灯悟達も「視」られてしまった。
しかし神が考えを変える展開は決して起きない。
何より、既に灯悟達も「視」られてしまった。
「異星より来る者……汝も私の世界へ……存在すべきではない邪悪……」
『なっ……』
『なっ……』
自分の指しての宣言と鮮血が鼻白み、神から発せられる威圧感が上昇。
排除対象に選ばれた、誰に説明されるまでもなく理解。
神の意志に応じ光球は熱を帯び、悪を焼き払う輝きを放たんとする。
排除対象に選ばれた、誰に説明されるまでもなく理解。
神の意志に応じ光球は熱を帯び、悪を焼き払う輝きを放たんとする。
『ACCEL!MAXIMAM DRIVE!』
その間、周囲の者が指を咥え見物に徹するルールは存在せず。
メモリから引き出したエネルギーが炎となって、アクセルの右脚へ付与。
灯悟へ意識を向けがら空きの背中へ、必殺の蹴りが叩き込まれる。
正々堂々の勝負でないなら、文句を言われる筋合いもない。
メモリから引き出したエネルギーが炎となって、アクセルの右脚へ付与。
灯悟へ意識を向けがら空きの背中へ、必殺の蹴りが叩き込まれる。
正々堂々の勝負でないなら、文句を言われる筋合いもない。
「うおっ…と!」
尤もアルジュナからすれば、何ら脅威になり得なかった。
目だけを動かし赤い戦士を捉え、蹴りに合わせて拳一発を叩き付ける。
甚爾が変身したアクセルのマキシマムドライブだ、ミサイルの直撃に等しい威力を叩き出す。
なれど相手が神である以上、倒せる道理は微塵も無し。
アクセルメモリのエネルギーは呆気なく霧散、殴り飛ばされ不格好に宙を泳ぐ。
地面への激突を律儀に見届けはしない、光球を操作し熱線を発射。
目だけを動かし赤い戦士を捉え、蹴りに合わせて拳一発を叩き付ける。
甚爾が変身したアクセルのマキシマムドライブだ、ミサイルの直撃に等しい威力を叩き出す。
なれど相手が神である以上、倒せる道理は微塵も無し。
アクセルメモリのエネルギーは呆気なく霧散、殴り飛ばされ不格好に宙を泳ぐ。
地面への激突を律儀に見届けはしない、光球を操作し熱線を発射。
「はあっ!」
寸前で邪魔に出たのは姫和、刹那で距離を詰め斬り上げを放つ。
何のダメージにもならないのは承知の上、意識を少しでも自分へ向けられれば構わない。
発射のタイミングが僅かに遅れ、体勢を直しアクセルが着地。
先程と違って姫和も不要な動揺は抱かず、迅速に距離を取る。
何のダメージにもならないのは承知の上、意識を少しでも自分へ向けられれば構わない。
発射のタイミングが僅かに遅れ、体勢を直しアクセルが着地。
先程と違って姫和も不要な動揺は抱かず、迅速に距離を取る。
「説得でどうにか出来んなら任せても良いけどよ、ありゃ無理だろ」
灯悟の隣に並んだアクセルが淡々と現実を告げる。
言葉だけで矛を収める性質なら、最初からこんな戦いは起きていない。
不要な争いを灯悟は求めない、だが戦わねば切り抜けられない状況で意固地になる気もなかった。
言葉だけで矛を収める性質なら、最初からこんな戦いは起きていない。
不要な争いを灯悟は求めない、だが戦わねば切り抜けられない状況で意固地になる気もなかった。
「分かったぜ、こっからは俺達も一緒に戦わせてくれ。浅垣灯悟と鮮血だ。あっちにいるのは…」
「長い自己紹介なら生き残ってからな、ねえちゃん。…一応言っとくか。伏黒甚爾だ、よろしく頼むわ」
「長い自己紹介なら生き残ってからな、ねえちゃん。…一応言っとくか。伏黒甚爾だ、よろしく頼むわ」
この場にいる全員の名前やら何やらは、生き延びられれば後で幾らでも聞ける。
切り替え戦闘に集中、キズナブレスへ手を伸ばす。
出し惜しみは抜きで最初から全力行使させてもらう。
切り替え戦闘に集中、キズナブレスへ手を伸ばす。
出し惜しみは抜きで最初から全力行使させてもらう。
『ぺっTURN!』
「絆装チェンジ!」
鮮血を纏った状態からの二重変身。
四肢は真紅のスーツを装甲に覆われ、頭部にはフルフェイスのヘルメット。
正史においては実現が有り得なかった、異なる世界の絆を結んだ証。
四肢は真紅のスーツを装甲に覆われ、頭部にはフルフェイスのヘルメット。
正史においては実現が有り得なかった、異なる世界の絆を結んだ証。
「燃え盛る熱き友情のおおおおおおおおお!?」
堂々と名乗りを上げる途中で襲い来る複数の熱線。
自前で起こした爆発すらも上回る熱が襲い、これには灯悟も最後まで言い切る余裕はない。
横へ跳んで躱し、間髪入れずに次の攻撃が来る。
向こうはとっくに会話を続ける気が失せたらしく、攻撃にも一切の容赦が見られない。
地を蹴り、死を運ぶ輝きを我が身に当てさせないように避ける。
自前で起こした爆発すらも上回る熱が襲い、これには灯悟も最後まで言い切る余裕はない。
横へ跳んで躱し、間髪入れずに次の攻撃が来る。
向こうはとっくに会話を続ける気が失せたらしく、攻撃にも一切の容赦が見られない。
地を蹴り、死を運ぶ輝きを我が身に当てさせないように避ける。
「悪いけど、私も手加減無しでいかせてもらうよ」
戦闘へ新たに加わったのは灯悟だけではない。
ライドブッカーを連射し姫和の援護に出ていたディケイドも、チマチマ撃つだけでは無意味と理解。
素早くカードを抜き取りドライバーへ装填、高出力の次元エネルギーを銃口に送り込む。
ライドブッカーを連射し姫和の援護に出ていたディケイドも、チマチマ撃つだけでは無意味と理解。
素早くカードを抜き取りドライバーへ装填、高出力の次元エネルギーを銃口に送り込む。
『FINAL ATTACK RIDE DE・DE・DE DECADE!』
銃口を向けたアルジュナとの間に、カード状のエネルギーを複数枚展開。
発射された光弾が潜り抜ける度に威力が上昇、最終的には一本のレーザーへと収束。
ネオディケイドライバーにアップデートした影響で、技の威力も9つのライダー世界を旅した時以上。
怪人複数体だろうと纏めて葬る光線に照らされ、神は言葉無く光球を操作。
展開し一斉に熱線を発射、帯状に変化を見せディメンションブラストを迎え撃つ。
発射された光弾が潜り抜ける度に威力が上昇、最終的には一本のレーザーへと収束。
ネオディケイドライバーにアップデートした影響で、技の威力も9つのライダー世界を旅した時以上。
怪人複数体だろうと纏めて葬る光線に照らされ、神は言葉無く光球を操作。
展開し一斉に熱線を発射、帯状に変化を見せディメンションブラストを迎え撃つ。
「なにっ!?」
ほんの数秒の拮抗すら許さず、世界の破壊者の光線は掻き消された。
撃った本人を飲み込み骨まで溶かす光が目前に迫り、ディケイドも慌てて動く。
全身が装甲に覆われてるから大丈夫など、楽観的に思える相手じゃない。
掠めたスーツ越しに猛烈な熱を感じ、仮面の下で顔が歪む。
超鉱石ディヴァインオレ製のスーツは、6000℃のマグマの中でも活動を可能にする。
しかし神の攻撃を前に、そういった機能やスペック云々はまるで当てにならない。
生きたまま焼かれる、生前のトラウマにもなった屈辱を思い出すが無理やり捻じ伏せた。
そんなものに気を取られていては、それこそ嘗ての焼き直しで消し炭だろう。
撃った本人を飲み込み骨まで溶かす光が目前に迫り、ディケイドも慌てて動く。
全身が装甲に覆われてるから大丈夫など、楽観的に思える相手じゃない。
掠めたスーツ越しに猛烈な熱を感じ、仮面の下で顔が歪む。
超鉱石ディヴァインオレ製のスーツは、6000℃のマグマの中でも活動を可能にする。
しかし神の攻撃を前に、そういった機能やスペック云々はまるで当てにならない。
生きたまま焼かれる、生前のトラウマにもなった屈辱を思い出すが無理やり捻じ伏せた。
そんなものに気を取られていては、それこそ嘗ての焼き直しで消し炭だろう。
「鮮血疾風!」
幸い、敵意を多少なりとも逸らせる者達がここにはいる。
灯悟の脚部へブースターが増設、機動力を大幅に強化。
空を駆け熱線の雨を躱しながらアルジュナへと迫る。
気が抜けないのは灯悟と鮮血も同じだ、頑強となった今の体でも熱線一発を受ければ無事で済むとは思えない。
なれど及び腰になっては敵の好き放題を許すだけ、慎重且つ大胆な行動に出なくては勝てない。
灯悟の脚部へブースターが増設、機動力を大幅に強化。
空を駆け熱線の雨を躱しながらアルジュナへと迫る。
気が抜けないのは灯悟と鮮血も同じだ、頑強となった今の体でも熱線一発を受ければ無事で済むとは思えない。
なれど及び腰になっては敵の好き放題を許すだけ、慎重且つ大胆な行動に出なくては勝てない。
「ダーボ円陣フォーメーションγ!」
神衣鮮血とキズナレッド、異なる力を同時に使える強みを活かす。
右拳に展開したターボ円陣が火を吹き、拳速を爆発的に引き上げる。
既に鮮血疾風で猛加速中なのも合わさり、ロケットもかくやの勢いだ。
強固なシールドを数百枚重ねたとて、貫き拳を確実に届かせる威力。
過剰攻撃とは思わない、むしろこれくらいやらねば倒せる相手ではない。
右拳に展開したターボ円陣が火を吹き、拳速を爆発的に引き上げる。
既に鮮血疾風で猛加速中なのも合わさり、ロケットもかくやの勢いだ。
強固なシールドを数百枚重ねたとて、貫き拳を確実に届かせる威力。
過剰攻撃とは思わない、むしろこれくらいやらねば倒せる相手ではない。
「『バーニングアンビグアスパンチ!ターボスマッ――ッ!?」』
その考えは間違っていない。
何せ『この程度』はアルジュナにしてみれば、幼子の戯れに過ぎないのだから。
何せ『この程度』はアルジュナにしてみれば、幼子の戯れに過ぎないのだから。
「がっ……」
パシリという音と共に拳を容易く受け止められ、抜け出す間もなく胴へ衝撃が走った。
殴られたと、辛うじて感覚だけで理解する。
敵が腕を動かし己に打撃を当てた瞬間を、今の灯悟の動体視力でさえも捉えられない。
殴られたと、辛うじて感覚だけで理解する。
敵が腕を動かし己に打撃を当てた瞬間を、今の灯悟の動体視力でさえも捉えられない。
『灯悟!』
「っ!!!」
「っ!!!」
鮮血に言われるまでもなく、間近の危機は灯悟にも分かった。
殴り飛ばされた先へには一瞬で移動した神が待ち構えており、手刀が振り落とされる。
無手でありながら罪人を裁くギロチンにも等しい、ヒーローの首なし死体の完成まで一刻の猶予もない。
殴り飛ばされた先へには一瞬で移動した神が待ち構えており、手刀が振り落とされる。
無手でありながら罪人を裁くギロチンにも等しい、ヒーローの首なし死体の完成まで一刻の猶予もない。
「ほいさっと」
熱線を駆け回って凌ぎながら、アクセルが得物を投擲。
軽い口調とは裏腹の馬鹿げた威力だ、これ一本で民家十数軒の壁を一気に突き破れる。
灯悟を断罪するつもりだったが狙いを変更、手刀が真紅の刃を弾く。
相変わらず手の皮一枚すら裂けていないのは、最早今更なので一々反応しない。
軽い口調とは裏腹の馬鹿げた威力だ、これ一本で民家十数軒の壁を一気に突き破れる。
灯悟を断罪するつもりだったが狙いを変更、手刀が真紅の刃を弾く。
相変わらず手の皮一枚すら裂けていないのは、最早今更なので一々反応しない。
『灯悟!アレを掴め!』
「分かったぜ!」
「分かったぜ!」
共闘相手が作ってくれたチャンスを無駄にはしない。
処刑台を抜け出し、地面へ突き刺さった真紅の元へ疾走。
アルジュナが視線を戻すも間髪入れず殺到する、鋼鉄の群れ。
モビルワーカーの銃撃程度、痒いとすら思えないが動きを少しでも止めれば上出来だ。
柄を掴んで引き抜き、アクセルの隣へと一旦後退。
処刑台を抜け出し、地面へ突き刺さった真紅の元へ疾走。
アルジュナが視線を戻すも間髪入れず殺到する、鋼鉄の群れ。
モビルワーカーの銃撃程度、痒いとすら思えないが動きを少しでも止めれば上出来だ。
柄を掴んで引き抜き、アクセルの隣へと一旦後退。
『まさかここで取り戻せるとは……』
灯悟の手に渡った武器は、鮮血にとって馴染み深い物。
纏一身が遺した片太刀バサミもまた、流子の手を離れていたらしい。
自分も片太刀バサミも奪われた流子がどうなっているのか不安を覚えるも、今は敵に集中しなくては。
それにコレが灯悟の所へ来たのは悪くない流れだ。
纏一身が遺した片太刀バサミもまた、流子の手を離れていたらしい。
自分も片太刀バサミも奪われた流子がどうなっているのか不安を覚えるも、今は敵に集中しなくては。
それにコレが灯悟の所へ来たのは悪くない流れだ。
『片太刀バサミは今の私達の大きな力になる。いずれ流子に返す為にも、伏黒甚爾から譲ってもうべきだ』
「……ってことなんだけど、やっぱり武器を手放すのは難しいか?」
「……ってことなんだけど、やっぱり武器を手放すのは難しいか?」
元々の所有者が流子とはいえ、支給されたのは甚爾。
この状況で得物を失うのには難色を示されてもおかしくない。
この状況で得物を失うのには難色を示されてもおかしくない。
「くれてやっても良いが、その分しっかり働いてこっちを楽させてくれよ?」
「良いのか!?」
「良いのか!?」
灯悟の予想に反し、甚爾からは実にあっさりと快諾。
使い慣れた得物が戻れば戦力も多少は上がり、その分自分達の生存率を僅かでもマシに出来る。
ストリップショーにでも出そうな見た目に反し、実力は中々に高いと見た。
善意とは異なる考え故の譲渡だが、何にせよ灯悟達には有難い。
それに、手持ちの武器がゼロになったと言った覚えもない。
使い慣れた得物が戻れば戦力も多少は上がり、その分自分達の生存率を僅かでもマシに出来る。
ストリップショーにでも出そうな見た目に反し、実力は中々に高いと見た。
善意とは異なる考え故の譲渡だが、何にせよ灯悟達には有難い。
それに、手持ちの武器がゼロになったと言った覚えもない。
「そんじゃ、新顔の出番といきますかね」
剣ならもう一本支給されている。
真紅の片太刀バサミとは違う、銀に輝く大剣。
刀剣類を使い慣れた姫和に譲ってやらなかった理由は一つ、重過ぎて素の彼女では到底扱えないから。
真紅の片太刀バサミとは違う、銀に輝く大剣。
刀剣類を使い慣れた姫和に譲ってやらなかった理由は一つ、重過ぎて素の彼女では到底扱えないから。
「しっかし、どこの物好きが作ったんだこりゃ。ターミネーターにでもぶん回させる気か?」
呆れ笑いを浮かべつつ、20kgを超える重量の大剣を軽く振り回す。
エンジンブレード、奇しくも仮面ライダーアクセル専用の武器こそ甚爾の二つ目の支給品。
常人では持ち上げるのも一苦労だが、甚爾には鉛筆のように軽い。
釈迦刀程の魅力は感じなくとも、破壊力と強度には期待できそうだ。
エンジンブレード、奇しくも仮面ライダーアクセル専用の武器こそ甚爾の二つ目の支給品。
常人では持ち上げるのも一苦労だが、甚爾には鉛筆のように軽い。
釈迦刀程の魅力は感じなくとも、破壊力と強度には期待できそうだ。
そこから先、言葉は不要。
熱線の発射と同時に真紅のヒーローと術師殺しが駆ける。
踏み込みの強さにアスファルトが豆腐のように崩れ、宙へ舞った破片は神の光に焼かれて消滅。
当たれば死ぬ、止まれば死ぬ、戦わねば死ぬ。
神と対峙する全員の共通認識だ、故に熱線の直撃だけは何としても防ぐ。
熱線の発射と同時に真紅のヒーローと術師殺しが駆ける。
踏み込みの強さにアスファルトが豆腐のように崩れ、宙へ舞った破片は神の光に焼かれて消滅。
当たれば死ぬ、止まれば死ぬ、戦わねば死ぬ。
神と対峙する全員の共通認識だ、故に熱線の直撃だけは何としても防ぐ。
左右両方から距離を詰め斬り掛かった。
得物は高性能、使い手もまた参加者の中でも屈指の実力者。
高レベルの魔物や階位が上の呪霊だろうと、一刀の元に命を絶つ。
されど生を刈り取った感覚は灯悟とアクセル、両名共に感じ取れない。
神の手に握られた黄金の得物、廻剣を組み替えた弓が死を決して寄せ付けない。
得物は高性能、使い手もまた参加者の中でも屈指の実力者。
高レベルの魔物や階位が上の呪霊だろうと、一刀の元に命を絶つ。
されど生を刈り取った感覚は灯悟とアクセル、両名共に感じ取れない。
神の手に握られた黄金の得物、廻剣を組み替えた弓が死を決して寄せ付けない。
「オオオオオオオオッ!!」
気合の叫びすらも得物の勢いに乗せ、片太刀バサミを振るう。
感化されてはいないが、アクセルも剣の速度を一段階上げる。
だが神の身に触れることは許されない。
得物二本に対し弓一つで打ち合い、弾き、両名を大きく怯ませた。
腕の太さで言ったら甚爾や元の体の灯悟が上、なのに得物越しに振動が走り手が痺れる。
感化されてはいないが、アクセルも剣の速度を一段階上げる。
だが神の身に触れることは許されない。
得物二本に対し弓一つで打ち合い、弾き、両名を大きく怯ませた。
腕の太さで言ったら甚爾や元の体の灯悟が上、なのに得物越しに振動が走り手が痺れる。
馬鹿正直に叩きつけ合ったところで、腕に負担を強いるだけ。
一度離れるべきかと考える間にも神は次の手を実行。
光球を全て己の元に戻し、急速に魔力を充填。
間近で大技の予兆を感じたなら、いつまでも剣を振るってる場合じゃない。
地を蹴り付け大きく後退、悪夢同然の光景が広がったのは直後のこと。
一度離れるべきかと考える間にも神は次の手を実行。
光球を全て己の元に戻し、急速に魔力を充填。
間近で大技の予兆を感じたなら、いつまでも剣を振るってる場合じゃない。
地を蹴り付け大きく後退、悪夢同然の光景が広がったのは直後のこと。
土星の輪のように配置された光球が輝きを放つ。
あっという間に回転光刃を作り上げ、範囲を広げ人間達を焼き斬らんと迫る。
後ろへ後ろへと退がっても、光刃の勢いは一向に衰えない。
粉すら残らず消えた去った家々が、彼らにも待ち受ける末路。
何もしなければそうなる、だからどうにか生き延びる術を弾き出す。
あっという間に回転光刃を作り上げ、範囲を広げ人間達を焼き斬らんと迫る。
後ろへ後ろへと退がっても、光刃の勢いは一向に衰えない。
粉すら残らず消えた去った家々が、彼らにも待ち受ける末路。
何もしなければそうなる、だからどうにか生き延びる術を弾き出す。
『ENGINE!MAXIMAM DRIVE!』
『FINAL ATTACK RIDE!DE・DE・DE DECADE!』
『灯悟!片太刀バサミを構えろ!』
「おう!って、うお!?物凄いことになったぜ!?」
「おう!って、うお!?物凄いことになったぜ!?」
エンジンブレードとライドブッカーにエネルギーを流し込む。
鮮血に言われるがまま灯悟も武器を構えれば、片太刀バサミは長大化。
女体化し鮮血を着こなし、更に総司令官達との一件を経て僅かに燻っていた女であることへの羞恥を捨てた。
それらを受け完全なる人衣一体を果たした灯悟だからこそ可能になった、武滾流猛怒(ぶった切るモード)。
殺し合いで出会った仲間との絆が齎す力に、驚きを引っ込め戦意を燃え上がらせる。
キズナレッドの力の象徴、火炎を刃に纏わせ必殺の技を放つ時だ。
鮮血に言われるがまま灯悟も武器を構えれば、片太刀バサミは長大化。
女体化し鮮血を着こなし、更に総司令官達との一件を経て僅かに燻っていた女であることへの羞恥を捨てた。
それらを受け完全なる人衣一体を果たした灯悟だからこそ可能になった、武滾流猛怒(ぶった切るモード)。
殺し合いで出会った仲間との絆が齎す力に、驚きを引っ込め戦意を燃え上がらせる。
キズナレッドの力の象徴、火炎を刃に纏わせ必殺の技を放つ時だ。
「後ろに来いお二人さん!死にたいなら別だがな!」
依頼人と協力者に移動を促し、アクセルが剣を振り下ろす。
同じタイミングで灯悟とディケイドも、光刃を叩き割るべく動いた。
闇雲に逃げ回るより言われた通りにすべきと、龍園達も従う。
三本の高威力の剣ですら即座に打ち勝てず、ほんのちょっぴり気を抜けば確実に押し負けて全滅だろう。
同じタイミングで灯悟とディケイドも、光刃を叩き割るべく動いた。
闇雲に逃げ回るより言われた通りにすべきと、龍園達も従う。
三本の高威力の剣ですら即座に打ち勝てず、ほんのちょっぴり気を抜けば確実に押し負けて全滅だろう。
「バーニング…ッ!キズナスラアアアアアアアッシュ!!!」
自らへの鼓舞も籠めて技名を叫び、とうとう光刃に穴が生まれた。
灯悟達が集まった箇所のみ被害を避け、やがて魔力も収まる。
周囲は原型を保っている建造物を探す方が困難な有様。
エリアの破壊へ息を呑む、などの無駄な行動に今更出る者は一人もいない。
神が動き出す前に、今度はこっちが仕掛ける番だ。
灯悟達が集まった箇所のみ被害を避け、やがて魔力も収まる。
周囲は原型を保っている建造物を探す方が困難な有様。
エリアの破壊へ息を呑む、などの無駄な行動に今更出る者は一人もいない。
神が動き出す前に、今度はこっちが仕掛ける番だ。
『KAMEN RIDE FAIZ!』
マゼンタ色の装甲から一転、赤いラインを走らせた銀の胸部装甲に変身。
ディケイドが持つ他ライダーへのカメンライドは、制限によりいきなり全ての力は使用不可能。
しかし灯悟達と会う前に先生もNPCに遭遇し、戦闘を重ねて来た。
ドロップ品は一つも手に入らなかったが、ディケイドの力を取り戻す為の条件はクリア。
クウガ以外にも複数のライダーへ変身可能となり、内の一つがこの姿。
人類の進化系オルフェノクと戦った夢の守り人、仮面ライダーファイズである。
ディケイドが持つ他ライダーへのカメンライドは、制限によりいきなり全ての力は使用不可能。
しかし灯悟達と会う前に先生もNPCに遭遇し、戦闘を重ねて来た。
ドロップ品は一つも手に入らなかったが、ディケイドの力を取り戻す為の条件はクリア。
クウガ以外にも複数のライダーへ変身可能となり、内の一つがこの姿。
人類の進化系オルフェノクと戦った夢の守り人、仮面ライダーファイズである。
『FINAL ATTACK RIDE FA・FA・FA FAIZ!』
「絆創拘束(バンソウバインド)!超重ね張り!」
ファイズの片脚部分に装着したポインダーから、光線を発射。
標的を捉えるマーカーだけでなく、動きを止める拘束具にもなる。
畳みかけるように灯悟が大量の巨大絆創膏を出現させ、アルジュナへ重ねて貼り付けた。
バイオライダーのゲル化能力をも封じたファイズの技。
アジールの特権魔法相手に活用されたキズナレッドの技。
二つに捕らえられた神目掛け、ファイズが跳躍し蹴りを放つ。
フォトンブラッドを一点集中し叩き込み、数多のオルフェノクを灰の山へ変えた一撃だ。
直撃し無事で済む者はそうそういない。
標的を捉えるマーカーだけでなく、動きを止める拘束具にもなる。
畳みかけるように灯悟が大量の巨大絆創膏を出現させ、アルジュナへ重ねて貼り付けた。
バイオライダーのゲル化能力をも封じたファイズの技。
アジールの特権魔法相手に活用されたキズナレッドの技。
二つに捕らえられた神目掛け、ファイズが跳躍し蹴りを放つ。
フォトンブラッドを一点集中し叩き込み、数多のオルフェノクを灰の山へ変えた一撃だ。
直撃し無事で済む者はそうそういない。
「があっ!?」
その例外に含まれるのがアルジュナである。
二重拘束が消し飛び、自ら飛び込んで来たファイズへ拳を放つ。
狙ったのは胸部の装甲、戦車の主砲をも跳ね返す最も強固な箇所。
打撃一つで凹み、変身者へ軽くないダメージが襲う。
仮面の下で血を吐き出すもまだ終わりじゃあない。
紙切れのように遥か彼方へと吹き飛び、あっという間に見えなくなった。
二重拘束が消し飛び、自ら飛び込んで来たファイズへ拳を放つ。
狙ったのは胸部の装甲、戦車の主砲をも跳ね返す最も強固な箇所。
打撃一つで凹み、変身者へ軽くないダメージが襲う。
仮面の下で血を吐き出すもまだ終わりじゃあない。
紙切れのように遥か彼方へと吹き飛び、あっという間に見えなくなった。
「先せっ!?」
言い切る前に駆け出せば、立っていた場所を焼き払う熱線。
追い掛けて無事を確認する余裕があろう筈もなく、襲い来る死への対処で手一杯だ。
だが灯悟へ視線が向いた隙に、他の者が攻めに出る。
刹那を使いアルジュナの懐へ潜り込み、姫和が放つは居合による無数の斬撃。
数十もの刃が纏めて放たれたと錯覚せん技なれど、肉を斬り裂く音も手応えもなし。
黄金に輝く弓が一つとして打ち漏らさず、技を不発に終わらせる。
振るう瞬間を両の瞳でも捉えられなかった事実へ、改めて敵の異常さが身に染みる。
追い掛けて無事を確認する余裕があろう筈もなく、襲い来る死への対処で手一杯だ。
だが灯悟へ視線が向いた隙に、他の者が攻めに出る。
刹那を使いアルジュナの懐へ潜り込み、姫和が放つは居合による無数の斬撃。
数十もの刃が纏めて放たれたと錯覚せん技なれど、肉を斬り裂く音も手応えもなし。
黄金に輝く弓が一つとして打ち漏らさず、技を不発に終わらせる。
振るう瞬間を両の瞳でも捉えられなかった事実へ、改めて敵の異常さが身に染みる。
「くっ…!」
頭上へ配置した光球が熱を発し、歯噛みしつつ飛び退く。
が、それより早くに姫和を掻っ攫う赤い影があった。
背後で焼かれる地面には目もくれず、アクセルは姫和を神から引き離す。
手頃な場所で降ろすと、途端に響くは銃撃音。
が、それより早くに姫和を掻っ攫う赤い影があった。
背後で焼かれる地面には目もくれず、アクセルは姫和を神から引き離す。
手頃な場所で降ろすと、途端に響くは銃撃音。
「いい加減にしろよテメェ!」
言っても意味が無いと分かってはいるが、口に出さずにはいられない。
幾らトリガーを引き絞っても神は無傷。
その癖レジスターに当たるだろう弾は的確に叩き落とすのだから、全く始末に負えない。
幾らトリガーを引き絞っても神は無傷。
その癖レジスターに当たるだろう弾は的確に叩き落とすのだから、全く始末に負えない。
一向に終わりの見えない戦いへ焦りを覚えつつも、モビルワーカーを走らせる。
密着した少女の目が薄っすら開いたとは気付かずに。
密着した少女の目が薄っすら開いたとは気付かずに。
◆◆◆
「うっひゃあ!?」
突如民家内へ激しい物音と振動が走り、マコは素っ頓狂な声を出す。
全身をバネのように震えさせ、何事かと辺りを見回すも自分達のいる部屋に異常はなし。
ならばどこからだと考えるより早く、共にいた異形が音の方向へと向かった。
全身をバネのように震えさせ、何事かと辺りを見回すも自分達のいる部屋に異常はなし。
ならばどこからだと考えるより早く、共にいた異形が音の方向へと向かった。
「置いてかないでー!」
まるでギャグ漫画の表現のように足をバタつかせ、オーズを追い掛ける。
もしや悪い人がやって来たのか、さっき会った総司令官達ならどうしよう。
不安に急かされながら音の発生源が待つだろう部屋へ到着、見るも無残なドアの残骸を避けて正体を見た。
もしや悪い人がやって来たのか、さっき会った総司令官達ならどうしよう。
不安に急かされながら音の発生源が待つだろう部屋へ到着、見るも無残なドアの残骸を避けて正体を見た。
砕けた床の上に座り込み、痛がる素振りを見せるマゼンタ色の怪人物。
バーコードを思わせる意匠の仮面にも、目に優しくない色の装甲にも覚えがある。
まさかこんなに早く戻って来るとは思わなかった。
バーコードを思わせる意匠の仮面にも、目に優しくない色の装甲にも覚えがある。
まさかこんなに早く戻って来るとは思わなかった。
「あやや!そのシマシマ仮面は先生じゃないですかー!?」
「やあマコちゃん…痛つつ……カッコ悪いところを見せちゃったね」
「やあマコちゃん…痛つつ……カッコ悪いところを見せちゃったね」
怪我でもしたのだろうか、胸を擦りつつ立ち上がる。
危ない参加者をやっつけて無事に帰って来た、訳ではない様子。
ダイナミックな帰宅は先生とて望まないものであり、何よりいるのは彼一人のみ。
灯悟と鮮血の姿がどこにも見当たらない。
首を傾げていると疑問を察したのか、神妙な雰囲気を醸し出し先生が口を開く。
危ない参加者をやっつけて無事に帰って来た、訳ではない様子。
ダイナミックな帰宅は先生とて望まないものであり、何よりいるのは彼一人のみ。
灯悟と鮮血の姿がどこにも見当たらない。
首を傾げていると疑問を察したのか、神妙な雰囲気を醸し出し先生が口を開く。
「マコちゃん、私はすぐに灯悟くんの元へ戻るよ。彼はまだ戦っているからね」
「えぇ!?じゃあ先生はもしかして、危ない人にグワーンってやられてお星さまになっちゃったんですか!?」
「うん、まあ、間違ってはいないけどね」
「えぇ!?じゃあ先生はもしかして、危ない人にグワーンってやられてお星さまになっちゃったんですか!?」
「うん、まあ、間違ってはいないけどね」
微妙に緊張感を削ぐ言い方へ少々空気が緩くなるも、気を取り直す。
状況は一つも笑えるようなものじゃあない。
状況は一つも笑えるようなものじゃあない。
「隠してもしょうがないからハッキリ言うよ。正直に言って、私達じゃ今戦ってる敵には勝てない」
「え……」
「だからマコちゃん、君はオーズくんと一緒に逃げるんだ。もし私達が全滅すれば、奴は君達の方へやって来る可能性が高い」
「え……」
「だからマコちゃん、君はオーズくんと一緒に逃げるんだ。もし私達が全滅すれば、奴は君達の方へやって来る可能性が高い」
告げられた内容に、暫し返す言葉が出て来ない。
またまたそんな大袈裟な、なんて調子で朗らかに言えない。
先生の言葉はやけに重苦しく、決して誇張を混ぜてるのではないとマコにも分かる。
またまたそんな大袈裟な、なんて調子で朗らかに言えない。
先生の言葉はやけに重苦しく、決して誇張を混ぜてるのではないとマコにも分かる。
灯悟と先生が協力しても勝てない相手なら、マコがどうこう出来る訳がない。
オーズの助けを借りたとて、生き残るのは不可能なのだろう。
でなければ逃げろとは言わないのだから。
それ程の敵を相手に彼らは戦っている。
オーズの助けを借りたとて、生き残るのは不可能なのだろう。
でなければ逃げろとは言わないのだから。
それ程の敵を相手に彼らは戦っている。
「ま、待って!えっと、じゃあ今からオーズさんにも一緒に戦ってもらう、とか……」
「彼の助けがあるのは有難いよ。けれどあの男相手にはまだ……せめてもう一人、いやこんな期待をしても無意味か」
「彼の助けがあるのは有難いよ。けれどあの男相手にはまだ……せめてもう一人、いやこんな期待をしても無意味か」
アナザーウォッチを使ったオーズの戦いぶりはマコも見た。
一抹の望みに賭けて提案してみるが、反応は芳しくない。
既に先生の中では、マコはオーズ共々逃げるべきだとほぼ決定らしい。
だが、素直に頷けない。
一抹の望みに賭けて提案してみるが、反応は芳しくない。
既に先生の中では、マコはオーズ共々逃げるべきだとほぼ決定らしい。
だが、素直に頷けない。
「先生!私も先生みたいな、仮面ライダーになれる道具とかないかな!?」
「…なんだって?」
「オーズさんと後もう一人いれば、レッドさん達は助かるかもしれないんでしょ!?だったら私がその一人になるよ!改造手術だろうとバッチ来い!」
「…なんだって?」
「オーズさんと後もう一人いれば、レッドさん達は助かるかもしれないんでしょ!?だったら私がその一人になるよ!改造手術だろうとバッチ来い!」
いつの間にか手術台に横たわり、グルグル巻きになり言う構図は実にシュールである。
しかしマコは冗談やふざけてるのではなく、本気で共に戦う気だ。
素の自分は打たれ強いだけの劣等生でも、変身する為の力があれば。
レッド達の助けになれるナニカを強く求める。
しかしマコは冗談やふざけてるのではなく、本気で共に戦う気だ。
素の自分は打たれ強いだけの劣等生でも、変身する為の力があれば。
レッド達の助けになれるナニカを強く求める。
「流子ちゃんだったら…こんな時絶対に逃げないよ!仲間を、ううん、友達を置いていったりしないから!」
口が悪くて、ぶっきらぼうで、でも心から大好きだと言える親友。
会って間もない自分を助ける為に、ボクシング部と対決した。
贅沢暮らしに目が眩み酷い仕打ちをしたのに、自分を見限らず引き戻してくれた。
そんな流子を知っているから、胸を張って自分は流子の友達だと言えるから。
彼女の大切な相棒の危機に何もしない自分でいたくない。
この地で絆を結んだヒーローを、今度は自分が助ける番になりたい。
会って間もない自分を助ける為に、ボクシング部と対決した。
贅沢暮らしに目が眩み酷い仕打ちをしたのに、自分を見限らず引き戻してくれた。
そんな流子を知っているから、胸を張って自分は流子の友達だと言えるから。
彼女の大切な相棒の危機に何もしない自分でいたくない。
この地で絆を結んだヒーローを、今度は自分が助ける番になりたい。
「だから、もし私にも戦える力があったら貸してください!」
勢い良く上半身を下げ、精一杯のお辞儀を行う。
戦って欲しくないと言ってくれた鮮血達は、良い顔をしないかもしれない。
でも彼らが死んでしまうのに比べたら、自分が後で文句を言われるくらい屁でもなかった。
戦って欲しくないと言ってくれた鮮血達は、良い顔をしないかもしれない。
でも彼らが死んでしまうのに比べたら、自分が後で文句を言われるくらい屁でもなかった。
「……分かったよ、マコちゃん」
沈黙を破った第一声にバッと顔を上げれば、緑色のレンズで射抜かれる。
仮面で見えないけどさぞ真剣な顔だと、纏う雰囲気で察した。
仮面で見えないけどさぞ真剣な顔だと、纏う雰囲気で察した。
「正直君を戦わせるのは私も素直に頷けないけど、でも、そこまで本気で頼まれたら無下には出来ないからね」
「じゃ、じゃあ…!」
「私の支給品にもう一つ、仮面ライダーになれるベルトが入ってる。それを君に託そう」
「じゃ、じゃあ…!」
「私の支給品にもう一つ、仮面ライダーになれるベルトが入ってる。それを君に託そう」
言って渡されたのは、ディケイドライバーとは異なる形状のアイテム。
慎重に受け取り、輝く瞳で手の中の二つを見つめた。
喧嘩部の極制服とは違うも、自分も流子やレッドのように戦える力。
大事な友達を守れる力を本当に譲ってもらい、鼻の奥がツンとなる。
慎重に受け取り、輝く瞳で手の中の二つを見つめた。
喧嘩部の極制服とは違うも、自分も流子やレッドのように戦える力。
大事な友達を守れる力を本当に譲ってもらい、鼻の奥がツンとなる。
「ありがとうございます先生!この御恩は一生忘れません!もし怪我したら、父ちゃんにタダで治療してもらえるよう私から言っとくね!闇医者の腕はピカイチなんだから!」
「う、うん、ちょっと遠慮しておこうかな」
「う、うん、ちょっと遠慮しておこうかな」
サラッと後ろ暗い家庭事情が明かされたが、ともかく。
今から三人で灯悟と鮮血を助けに行く。
ライドウォッチを起動しオーズに埋め込むと、三つの獣の力が混ぜ合わさった異形へ変身。
アナザーオーズになった仲間に倣い、マコもベルトを装着。
いよいよ戦士になる時だ。
今から三人で灯悟と鮮血を助けに行く。
ライドウォッチを起動しオーズに埋め込むと、三つの獣の力が混ぜ合わさった異形へ変身。
アナザーオーズになった仲間に倣い、マコもベルトを装着。
いよいよ戦士になる時だ。
「よーっし!やるぞー!」
手元の機械のスイッチを押すと、電子音声が鳴る。
後はコレを腹部のベルトに装填すれば、必要な工程は全て完了。
高揚感を抑えず、勢い良くスロットへ叩き込んだ。
後はコレを腹部のベルトに装填すれば、必要な工程は全て完了。
高揚感を抑えず、勢い良くスロットへ叩き込んだ。
「へーんしんっ!」
そして
『Secret material!HIDEN-METAL!』
『METAL CLUSTER HOPPER』
それが終わりの合図となった。
058:ファントムパレード(前編) | 投下順 | 058:ファントムパレード(後編) |
時系列順 | ||
龍園翔 | ||
十条姫和 | ||
伏黒甚爾 | ||
松坂さとう | ||
アルジュナ・オルタ | ||
キズナレッド | ||
満艦飾マコ | ||
バッタヤミー | ||
エンヴィー |