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  • 空と虚② 柊うてなという敵(おんな)

真贋バトルロワイヤル

空と虚② 柊うてなという敵(おんな)

最終更新:2025年04月21日 00:55

sinjitsurowa

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だれでも歓迎! 編集
◆

 時はわずかに遡る。
 ダークマイトとの戦いにおいて最も避けなければならないことは、アビドス高校を巻き添えとすることである。黒見セリカや梔子ユメが望むまでもなく、その認識で全員が一致した。
 ダークマイトの標的は梔子ユメを含むアビドス生であり、アビドスだ。
 故にまずすべきことは分断。シノンとノノミを中心にダークマイトを誘導し主戦場を少しでもアビドス高校から遠ざける。
 結論から言えばこの方法は成功し、この選択は大正解だと言える。
 アビドス高校には宇蟲王ギラが襲来し混沌を極めていた。その場にダークマイトと言う厄ネタが混ざりこめば被害はさらに甚大だっただろう。
 既にダークマイトはシノンとノノミ、後の奇襲のため別の場所に待機しているユメを追いアビドス高校から離れている。
 残る九堂りんねを相手にするのは、亀井美嘉、黒見セリカ、マジアベーゼという形である。

「はぁ……はぁ……」
 仮面ライダーマジェードの攻撃を必死で躱しながら、美嘉はどうにか息を整えた。
 ダークマイトをアビドス高校から引きはがしたものの、残った九堂りんねも十二分に強い相手だ。
 悪霊を宿しマルガムになったとはいえ亀井美嘉がの戦闘経験は皆無、マジェードの正規変身者である九堂りんねの経験値には遠く及ばない。
 一切の容赦が感じられない攻撃を前に、回避に専念することしかできない。

「マルガム……!!しかも金のマルガムってことはグリオンの関係者!そうよね!!」
「そういうことに……なりますね。
 マルガムに金以外の色があるというのは初耳ですが。」
 否定はしない。事実として今の美嘉はグリオンの陣営だ。
 九堂りんねたちを苦しめ続け、九堂りんねを殺したグリオン配下だ。断片的な関係性は美嘉も聞き及んでいた。
 大きく足を蹴り上げマジェードの蹴りがエンジェルマルガムの首元を狙う。
 殺意の籠った回し蹴りを羽のような意匠の薙刀「フォールンハルバード」で防ぐが間に合わない。攻撃の軌跡は弧を描きマルガム化して生えた翼を掠めた。

「ぐっ……」
「どういう経緯でグリオンと手を組んでるのかは知らないけど、ケミーを悪用する以上倒すしかない!
          ・・・・・・・・・・
 それに……今の私は自分でも止められないの!!」
 苦悶の声をあげながら美嘉は3歩さがるが、りんねは両足が地面につくと同時に体をひねり美嘉にとびかかる。
 このままアルケミスドライバーにハイアルケミストリングをスキャンすれば、エンジェルマルガムを撃破できるだろう。
 申し訳なさげに指を動かすりんねの視界に、青い影が見えた。
 マジェードとは異なる世界。プログライズキーを用いた仮面ライダーがそこにいた。

「くらいなさい!!」
『バレット!』
 美嘉の背後から4匹の青い狼のようなエネルギー弾が揺らめき、りんねに向けて襲いかかる。
 仮面ライダーバルカンへと姿を変えた黒見セリカは銃撃戦が日常のキヴォトス育ちだ。
 引き金を引くことにためらいはない。相手も仮面ライダーならなおのこと躊躇いなくマジェードめがけて引き金を引いた。
 この行動を機にりんねの中で何かがずれる。
 セリカを視界に捉えた瞬間、りんねの両足はセリカに向けて駆けだしていた。

『アルケミスリンク!』
「ダメ……ダメ!!!」
 九堂りんねにはマルガムである美嘉はまだしも、黒見セリカを倒す理由は1つもない。
 むしろダークマイトに強引な悪人認定を押し付けられ同情の念すら浮かべていた。
 そんな感情とは裏腹に、りんねの体はエンジェルマルガムを討ち滅ぼすための必殺技をバルカンに向け予備動作を開始している。
 狼がりんねの四肢を封たタイミングはりんねの体が必殺技の準備を終えるのと同時だった。

『サンユニコーン!ノヴァ!』
『バレットシューティングブラスト!』
 電子音とともにセリカは引き金を引く。
 エイムズショットライザーより放たれた蒼穹を前に、狼のエネルギーに拘束された四肢を強引に振りほどき水平姿勢で飛び上がる。
 セリカの放った弾丸はそれわずかにマジェードの肩を掠めた。装甲が破損し肩が痺れる。
 それでもマジェードの必殺技は止まらない。

「避けて!!!」
 泣き叫ぶりんねとは裏腹にセリカに向けて放たれる両足蹴りは落下と同時にぐんぐんと加速していく。
 その行動に躊躇いがあるようには見えない、エンジェルマルガムを前にした時と同様に殺意を込めた一撃だった。

「何よ……まるでやりたくもないのに戦わされてるみたいじゃない。」
 セリカが呟く。言葉と行動が一致していないその様子は明らかに異常だった。
 すぐそばに立つ美嘉も、背後に佇んでいたマジアベーゼも全く同じ気持ちだった。

「マジアベーゼ!!」
「分かってます……よ!!」
 美嘉の声に応じて、マジアベーゼは地面に支配の鞭(フルスタ・ドミネイト)を叩きつけた。
 マジアベーゼの魔力を受けた地面……アビドスの砂が波のようにうねり、セリカの前に分厚い壁を作り出した。
 壁に突き刺さったりんねの両足がりんねの意思とは無関係に連続蹴りを叩きこむ。10度も蹴ったころには砂の壁の魔物は耐久力の限界に至り爆発して消え去った。
 ちりとなり消える魔物の壁の奥に仮面ライダーバルカンの姿は無い。
 ほっと安堵する間もなくバルカンの姿を捉えたりんねの体は、次なる標的を見つけて意思に反して駆けだした。
 握りこんだ拳を大きく引き構える、視線の先には攻撃を防いだマジアベーゼの姿があった。

「次は私ですか。忙しい方ですね。」
「また体が勝手に!!」
 マジアベーゼが鞭を構え、美嘉も急いでりんねに向かって駆けだした。
 セリカが4度引き金を引くのは、彼女たちよりも速かった。
 カンカンと甲高い響きと共に空中に飛び上がったマジェードの体が銃弾に弾き飛ばされ、砂に塗れて地面を転がった。
 純白の装甲が煤けた姿を前にセリカは再びエイムズショットライザーの引き金を引いた。
 断続的に弾丸がマジェードを弾き飛ばす、飛ばされるたびにマジェードはセリカに殴りかかろうとし続ける。
 出来の悪いロボットでも見ているようだと美嘉は思った。今のりんねはセリカを攻撃する以外の行動をとろうとしていない。

「私だって……!!
 私だってこんなことしたくない!
 マルガムならともかく……貴方達と戦いたくなんてない!!
 錬金術を悪用するあんな男に、力なんて貸したくない!!」
「どういうこと……じゃあなんで何度何度も立ち上がって襲ってくるのよ!!」
 キヴォトス人は弾丸程度で死ぬことはない。
 それでも、撃たれ続けてもなお立ち上がる人間をみるのはセリカにとって初めての経験だ。
 もしそれが勇気なら、セリカは感心しただろう。
 しかしりんねの口から出る言葉は、戦いへの拒絶とダークマイトへの嫌悪だけだ。
 全員の表情が曇る。最初に可能性に行き着いたのは美嘉だった。

「……まさか、彼女の行動は自分の意思じゃないってこと?
 ルルーシュのギアスのような何かで、ダークマイトに操られているんじゃ。」
「成程……だとしたら彼女の奇行にもつじつまが合います。
 マルガムである美嘉さんと同じように私たちを襲ったのも、ダークマイトの敵と判断したのなら納得です。」
 九堂りんねの行動は、ダークマイトが用いた秘密道具『命れいじゅう』による支配が原因だ。
 バシンという音を響かせマジアベーゼが再びアビドスの砂を叩く。
 先ほどはセリカの前に壁を作り出した魔物創造だったが、今度は寄り集まった砂がりんねの足元で全身を包むように渦を巻いた。
 意思で止まらない以上、強引に動きを封じる以外に選択肢はない。
 このままだとセリカがりんねを殺してしまうかもしれない。

「趣味ではありませんが致し方ありません。
 ノワルの技の模倣といきましょうか。」
 不本意そうに両手を掲げると、りんねの足元の砂が一枚の布のように全身に纏わりついていく。
 両腕で何度も砂を払うが真化に至っているマジアベーゼの魔力の方が今のりんねより上だ。
 次第に全身が砂で覆われ、仮面ライダーマジェードの体は人間大の砂像のように固められた。
 唖然とする美嘉とセリカの前でりんねが動きを止め、マジアベーゼはつまらなそうにため息をついた。

「”闇檻劣化再現:砂檻”とでも名付けますか。
 こういった完全拘束はやはり面白くないですね。仮面ライダーなどという全身鎧なのがなおさらいけない。
 表情も抵抗も見られないというのは。味気ないものです。」
「密閉しているように見えるけど……大丈夫ですか?」
「逆ですよ。
 今の彼女はこうでもしないと止まりません。
 私自身がそうでした。己の理性でも欲望でもないナニカに動かされてしまった人を止めるのは、強引な力しかありえない。」
 一目すると呼吸さえままならない砂像だったが、マジアベーゼは確信をもって答えた。
 暴走状態になりマジアマゼンタを汚染するに至った過去の自分を止めたのは、魔法少女イミタシオが復讐と憎悪を乗せた巨大な一撃によるものだった。

「貴方も覚えがあるのではないのですか。美嘉さん。」
「どういう意味?」
「貴方の中にある『殺意』……それは貴方のものではないでしょう。」
 水色の人形のようなエンジェルマルガムの顔の奥で、亀井美嘉の目は黒い星を宿すマジアベーゼの目とあった。
 見た目は自分より幼いのにその言葉には貫禄や風格とでもいうべきものがあり、確かな確信を持った言葉だった。

 亀井美嘉の殺意は亀井美嘉のものではない。そもそも亀井美嘉がこれまでの人生で殺意を抱いた経験があるかさえ怪しい。
 美嘉に支給され紆余曲折あり取り込んだ悪霊、月蝕尽絶黒阿修羅の宿す底の無い殺意。美嘉がキリトに向ける殺意の根幹はそれだ。
 理性でも欲望でもナニカ。そう言われたら確かにその通りかもしれない。言い得て妙だと美嘉は微かに笑う。

「貴方がその殺意をどう使うかは自由です。
 キリトを殺すという目的を止めるつもりは私にはありません。
 ですが、己の理性でも欲望でもないものに身を委ねるには覚悟が必要です。吞み込まれて彼女のようにはなりたくないでしょう?」
「……忠告、感謝します。」
 全く同じタイミングで九堂りんねを封じた砂像を2人は見上げた。
 命れいじゅうが原因であることを2人は知らないが、己の意思とは関係のないまま動いた者は、強引に抑え込むしかない。
 今の九堂りんねの姿は未来の亀井美嘉かもしれない。
 冷たい空気が流れる中、バルカンの変身を解かないままセリカが不安げに尋ねる。

「マジアベーゼ。これで問題ないのよね?もう彼女は戦わなくていいのよね?」 
「概念的な拘束ではないとはいえノワルの技です。
 アビドスの砂を補助に用いている。仮面ライダーであろうとそう簡単に破れはしないはずですが。」
 九堂りんねの変身が解けるまで拘束し、ドライバーや支給品を奪い無力化する。もう数分もすれば酸欠で失神するだろう。
 普通の人間相手ならそれで足りる。マジアベーゼの拘束は十分有効のはずだった。
 それでもマジアベーゼの声に、安堵や余裕は欠片もない。
 嫌な予感はあった、おそらく全員に。
 誰一人変身を解いていないことが、その何よりりの証拠だった。

 『アルケミスリンク!』
 不安が現実になる音が、砂像の中から響いた。
 雪のような白い光が砂像の右足に集まっていき、そこだけ太陽でも燃えているようにぐんぐん赤熱していく。

 マジアベーゼの拘束に落ち度はない。
 ただ彼女は、1つ勘違いをしていた
 九堂りんねが受けた命令は【ダークマイトの敵を倒せ】ではない。
【全てを捧げてダークマイトに従い尽くす】だ。

『サンユニコーン!ノヴァ!』
 電子音と同時に砂像の右足が爆ぜた。
 マルガムを倒せるほどの、それも本来は両足で何度もぶつけるエネルギーをため込んだことでマジェードの右足から黒い煙が上がっている。
 体内でダイナマイトを点火させたようなものだ。足がへし折れていたっておかしくないだろう。

『アルケミスリンク!』
「二発目!!うそでしょ!?」
 誰かが叫んだ。マジアベーゼは操った砂を集めセリカは引き金を引いたが、間に合わない。

 『サンユニコーン!ノヴァ!』
 自由になった右足を大きく反らす。美しく光り輝く足が叩き込まれたのは仮面ライダーマジェードの胸だった。
 足を180度近くに曲げた酷く歪な一撃に胸を中心に体を抑える砂が弾け、無茶苦茶な動きに膝の骨がゴキリと嫌な音を立てた。

 全てを捧げてダークマイトに従いつくす。
 ・・・・・・・・・・・
 自分の体を破壊してでも、従いつくす。
 そう命令された以上、九堂りんねに逆らう選択は残っていなかった。
「くっ……」
 硬い何かがぶつけ合うような嫌な音が再びマジェードの膝から聞こえた。
 自分を蹴るために強引に外した膝を強引にはめ込んでいた。当然骨や筋肉はズタズタだろうがそれでもりんねは歩き出す。
 そう命令されているから。そこに勇気など存在しなかった。

「はぁ……はぁ……」
「何を……何をやっているのよ!!」
 仮面ライダーマジェード。太陽のごとき情熱と一角獣のような清廉さを宿す錬金術師。
 今の彼女にその美しさは見る影もない。右足を引きずり胸元は大きくえぐれている。
 糾弾するようにセリカが叫んだ。痛々しくて見ていられない姿にセリカの声もわずかに潤んでいる。

「ごめんなさい……ごめんなさい。」 
 涙で滲んだ声だった。それが今の九堂りんねに許された精一杯の抵抗だった。
 足が痛い、胸が痛い。それ以上に心が痛い。
                 ・・・・・・・
 マジアベーゼの拘束は九堂りんねを殺さないための手段だった。命れいじゅうによる支配はその慈悲を踏みにじった。
 立ちすくむ3人は動けない。緊急キズナワープにより九堂りんねが光に包まれたのは、ちょうどそんなタイミングだった。
 光に包まれる原因は仕込まれたマナメタルによるものだが、りんねにもその存在は知られていない。
 困惑をよそに九堂りんねの体が勝手に何かを取り出し地面に投げた。

 「何で……私は……」
 諦めたような言葉を最後に九堂りんねの姿は消え、入れ替わるようにりんねがいた場所の地面が虹色に光った。
 よく見るとその中心には、コインが2枚落ちていた。
 ダークマイトの”個性”が宿るそのコインはむくむくと土気色の怪物の姿に変わる。
 鉄仮面をつけタキシードを着た怪物は細身の体なのに手足だけが異様に太い。
 錬金兵。そう呼ばれる怪物だ。
 覆いかぶさる錬金兵を、エンジェルマルガムと仮面ライダーバルカンがそれぞれ抑え込む。
 単純なパワーだけで言えば2人と大きな差はない。錬金兵を生み出すコインは”数”の制約は与えられても”質”は本来の性能据え置きだった。

「何よこいつ!」
「りんねさんの錬金術?それともこれもダークマイトの能力?」
 置き土産というにはあまりにも厄介な相手だ、変身できていなければ美嘉どころかセリカだって無事か怪しい。
 こいつらを残した動きもダークマイトの支配によるもので、九堂りんねの意思ではないのだろう。
 そう考えると無性にむかっ腹が立つ。セリカも美嘉も同じ思いだ。

「……流石にこれは、笑えませんねダークマイト。」
 殊更キレていたのはマジアベーゼだ。
 マジアベーゼは本来ダークマイトに微塵も興味を抱いていない。
 平和の象徴だのなんだのと誇大妄想を並べる相手の評価はかつてのロードエノルメにも劣る。
 そもそも、レッド相手の対応がイドラ・アーヴォルンや横山千佳と比べて遥かに雑であったようにマジアベーゼはそもそもとして男に興味がない。
 ダークマイト側ではなく九堂りんね側で戦っていたのも、仮面ライダーとはいえ美少女相手ならまだわずかにモチベーションがあったからだ。
 そんなマジアベーゼが不俱戴天の仇のようにダークマイトの名を呼んだ。彼の九堂りんねに対する仕打ちはマジアベーゼの矜持と真っ向から反発していた。

 彼女が見たいのは魔法少女が苦難を前にしても諦めず、正義を為す輝きだ。
 ノワルのように抵抗の意思さえ剥奪し輝きをくすませる支配でさえ生理的に受け付けられなかった。
 ダークマイトはそれより悪い。意思を奪い正義を奪い、輝きそのものを潰す支配。
 可能性を奪うどころか、可能性さえ与えない支配。
 それを正義と呼ぶのは、『正義』そのものへの――正義のヒロインたる魔法少女たちへの侮辱に他ならない。

「ですが、コインから兵士を生み出したのは失敗でしたね。
 おそらく九堂りんねではなくダークマイトの力でしょうが。」
 二度、支配の鞭で錬金兵を叩く。
 エンジェルマルガムとバルカンを抑え込んでいた2匹の腕が急速に力を失い、アビドスの大地に倒れこんで砂に溶けた。
 支配の鞭は触れたものを魔物に変え、操る。そこに意志の有無は関係ない。
 人間さえ操れるとまでは言わないが、コインを錬成した兵士を生み出すことなどマジアベーゼには造作もない。

「この程度の怪物、操ることは造作もありません。」
「一瞬で終わっちゃった。」
 マジアベーゼの動きは、速い。
 真化へと至った魔法少女。ただでさえキヴォトスの生徒や仮面ライダーに劣らぬ戦闘経験は、ノワルという極大の相手との接触もあって研ぎ澄まされている。
 何よりも目を引いたのは、マジアベーゼの固有能力だ。
 魔物にして支配する。その力はダークマイトの影響下だろうと問題なく行使できた。

「魔物を生み出す力。
 もしかしてこの力は……」
「そうですね。憶測の域を出ませんが。
       ・・・・・・・・・
 私は恐らく、ダークマイトの天敵です。」

 内容とは裏腹にちっとも嬉しくなさそうに宣言する。
 空間に赤黒い穴が開き、中からプテラノドンマルガムがその姿を見せたのはちょうどこの時だった。
 彼女たちがダークマイトの前に現れる、1分前の話だった。

 ◆◇◆◇◆

「俺を倒す方法だって、そんなものが本当にあると思うのかい!?」

 ダークマイトの倒し方が分かった。
 突然現れた小娘には確かに異様な覇気があるがそうあっさりと豪語されてはダークマイトのプライドの立つ瀬がない。
 りんねに指示を出すよりも早く、ダークマイト自身が叩き潰さんと飛び掛かる。
 その右手は黄金色に輝き、マジアベーゼという敵(ヴィラン)を象徴の名のもとに叩き潰すための動きだ。
 自分が主人公だと言わんばかりに高笑いを上げる男を、マジアベーゼは泥を見るような冷たい目つきで睨んでいた。

「TORINO SMASH!!」
「真化(ラ・ヴェリタ)」
 黒い星が瞬き、少女は飛翔する。
 夜蜘蛛の帳。魔法少女の敵としての真髄。
 全力を出した悪の総帥の周囲には、漆黒の蜘蛛糸が縦横無尽に張り巡らされている。
 マリスネストという技である。糸に阻まれダークマイトの拳はマジアベーゼにかすりもしない。
 黄金の腕にまとわりつく蜘蛛糸をダークマイトは払いのけるが、マジアベーゼが腕を振るうと払いのけた倍の糸がダークマイトを縛り上げる。

「ノワルに比べれば貴方程度雑魚もいいところですよ。
 もっとも、あの女も私同様あなたに興味などないでしょうけど。」
「随分言ってくれるじゃないか!
 防御力は大したものだがそれだけではこの俺には勝てないよ!」
「勝つ?何を言っているんですか?」

 軽蔑を込めた視線と共に、蜘蛛糸で絡めとった右腕に真化によって変化した支配の鞭を叩きつけた。
 金属がぶつかり合うような鈍い音が響く。やはり生身の体ではなく錬金で作り出された装甲だった。
 仮面ライダーカリスの攻撃を相殺しアメンの拳に耐え、ダークマイトの”個性”により常時修復可能なオールマイトボディ。
 破壊するにはそれこそ全力の緑谷出久レベルの攻撃力が要求されるが。
 マジアベーゼを相手にした今回に限れば、装甲であった時点でダークマイトは負けていた。

「もう勝負はつきました。」
 マジアベーゼの魔力を浴びたオールマイトの腕を形作る金うねうねと動き、スライムのような形状の魔物となって地面に音を立て溶け落ちた。
 見るものに畏怖を与える力強い腕。すっかりどろどろのゼリー状になった腕が開き細身の男の無骨の腕が露になった。

 「お、俺の体がァ!!!」
 男の顔から余裕な笑みは消え、野良犬に吠えられたかのようなみじめな顔でマジアベーゼから飛び離れた。
 マリスネストに縛られたダークマイトの体がかさぶたのように剥がれ落ち、オールマイトの皮を被った特徴のない男の顔が露になった。

 その隙を逃すほど、この場の戦士たちは甘くはない。

「隙を見せたわね。ダークマイト!!」
「アンタの顔はもう見たくない!!」
「貴様らぁ!!!」
 シノンと黒見セリカ。あるいは仮面ライダーカリスと仮面ライダーバルカン。
 マジアベーゼが生み出した魔物たちを足場に空中を駆けあがり、生身を曝したダークマイトに武器を向ける。
 言葉こそ強気だがオールマイトのコスチュームは肉体の変形と共にびりびりに破け、へばりついたようなオールマイトの顔や筋肉の中で男は尻餅をついていた。
 そこにはもはや平和の象徴を名乗る余裕もなければ威厳もなかった。

 (倒さなきゃいけない、この男はここで倒さなきゃいけない。
 たとえこの男が――ただの人間だったとしても!!)
 言葉にならない声で喚く。ダークマイトの中身はヘイローもなければALOのアバターでもない。ただの人間だ。
 シノンとセリカはその姿から精いっぱい目をそらした。
 生理的な嫌悪感からではない。2人は知っている。人間は簡単に死ぬという事実を知っている。
 シャーレの先生のようにヘイローを持たない人間は、銃弾で容易く命の危機を迎えることを。
 人が生み出した武器を本気で振るえば、幼いシノン――朝田詩乃でさえ人を殺せるということを。
 武器を振るえと脳の裏側でアラートが鳴る。グリオンがそうであるようにダークマイトも人の形をした怪物だと叫び続ける。
 同時に2人の中の良心が訴える。仮面ライダーがその武器を全力で人に向けて振るえばどうなるか。部屋な銃弾よりも余程惨くこの男は死ぬということなど子どもにも分かる。

(躊躇っちゃダメ!マジアベーゼが作ったチャンスを無駄には出来ない!
 この男を倒さないことには九堂りんねだって支配されたままだ!倒すしかない!!)
 ・・・・・・・・・
 己の良心に殺される前に仮面ライダーたちはカリスアローを振り下ろしエイムズショットライザーの引き金を引いた。

良心の抵抗故かそれともそんな判断をする余裕が2人にはなかったのか。両方の理由でラウズカードもプログライズキーも装填されていない武器に必殺の威力はない。
 それでも仮面ライダーの一撃は”個性”を有する異能者だろうと斃しうる。殺しうる。
 だがその攻撃は――

『ハイアルケミスリンク!』
『サンユニコーン!ビッグバンノヴァ!』
 ――仮面ライダーの相手をするには不足だった。
 躍り出たマジェードが太陽のような火球を蹴り飛ばし、2人のライダーは焦げるような痛みを両腕に受け墜落していく。
 命れいじゅうの効果は継続中だ。九堂りんねがダークマイトを守るのは必然だが、それに比べても九堂りんねの放つ熱量は常軌を逸していた。

「何よこいつ!さっきよりもずっと強いじゃない!!」
 バルカンの姿でも息が苦しい。
 酸素が急速に燃え口の中肌がちりちりと音を立て乾いていた。
 その理由に気づいたのは九堂りんねの赤く光る右腕を見た梔子ユメだった。
          ・・・・・・・
「りんねちゃんは……令呪を使ってる!!」
「なんですって!!」

『ジャカジャカジャッカル!!』
 アメンバッグルに装填されたジャッカルレリーフ。艶のある電子音と共にユメは駆けだした。

「ダークマイトの支配は、令呪を使用させることまでできるっていうの!?」
 反応が最も遅かったのは美嘉だ。この場において戦闘経験が群を抜いて少ないことがここで響く。
 エンジェルマルガムとして両腕を上げると、周囲の残骸がオレンジ色の怪物に姿を変えた。

「行って!!!」
「「「ガイ・ガイ・チュー‼」」」
 エンジェルマルガムの能力は死者の蘇生。といっても土塊から仮初の命を与える力だ。
 殺し合いにおいて反則としか言いようが、その意思を操ることはエンジェルマルガム本人にもできない。
 その怪物たちが何なのか美嘉にも分からなかったが、必死だった彼女に考える余裕は無い。
 美嘉が自分たちの主人だと理解したオレンジ色の怪物はユメに続いてマジェードへと駆けだした。
 彼女たちは知る由もないが、アビドス高校において宇蟲王ギラが呼び出しミームアスランが意味不明な言葉と共に叩きのめしたサナギムの群れだ。

 加速するアメンとサナギム軍団の前にマジェードは降り立つ。
 胸がえぐれ体は砂と熱気に焼かれている。それでもその姿にはどこか気品のようなものさえあった。
 優雅にさえ見える挙動で仮面ライダーマジェードは……九堂りんねはダークマイトへと振り向き口を開いた。

「ダークマイト……様。」

 先ほどまでの熱気が嘘のように、少女達の背中に怖気が走った。信じられない言葉に全員の足が止まる。
 九堂りんねは肉体こそダークマイトに支配されていたが、その心までは操られてはいないはずだ。
 その心が――既に壊れ始めていた。

 涙を流すダースドラゴンを「バグ」と断じるほど冷徹な男に生殺与奪を握られ。
 マルガムでさえない少女を殺すために攻撃することを強いられる。
 とどめとなったのは緊急キズナワープだ。
 肉体を再構成させ転移するその技術を動かすには強い絆が必要だが、九堂りんねとダークマイトに絆などない。
 だが【全てを捧げてダークマイトに従い尽くす】と言う命令が、ダークマイトの「来い」という言葉に従うことが可能な唯一の現象――マナメタルによる緊急キズナワープを引き起こした。

「貴方に……貴方のために彼女たちを討ち果たします!!」
 吊り橋効果という言葉がある。
 高所のつり橋に立つと恐怖で鼓動が速くなりそれを恋慕による興奮だと脳が錯覚する、錯誤帰属とも呼ばれる心理現象。
 九堂りんねに起きた現象は、いわばその究極系。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 緊急キズナワープができたということは、ダークマイトと九堂りんねは深い絆で結ばれている。
 九堂りんねの脳はそう認識した。
 九堂りんねの心はその矛盾に耐え切れず、壊れた。
 陶酔したかのような叫びに尻餅をついたままのダークマイトだけが笑顔を浮かべる。マジアベーゼの力で失われた顔はオールマイトの表情に戻りつつあった。

 加速して飛び掛かるジャッカルレリーフのアメンを前に令呪で本領を取り戻した――否、狂気によりリミッターが外れてしまった九堂りんねは顎にめがけて殴りかかる。
 パンチ力7.9tを誇るマジェードの拳が風を切る。亀井美嘉や黒見セリカを前にした時よりも遥かにキレが増していた。

「危なっ!!」
 紙一重で躱す。ユメが見切れたわけではなく幸運としか言いようがない攻防だった。
 だが回避のために大きく姿勢を崩したユメは、がら空きになった脇腹への攻撃に対応できない。
 ミシミシと響いた音が、ユメの脇腹から響いたのかりんねの右足から出たのかはもはや知る由もない。
 内臓まで響く衝撃と共にユメの体はボールのように蹴り上げられた。

「がっ……!!」
 横隔膜を揺らす衝撃にユメの肺が全ての息を吐きだした。キヴォトス人の頑健な肉体だろうとアメンの装甲がなければ呼吸さえままならなかっただろうと嫌な想像を浮かべてしまう。
 落下地点にサナギムがいなければユメは戦闘不能だっただろう。代わりに2匹のサナギムはぐじゃりと嫌な音を立てて土塊に還った。
 残るサナギムたちは顔を見合わせたが、こいつらは元々宇蟲王ギラの配下だったサナギムだ。逃亡と言う選択肢はない。

「「「ガイ・ガイ・チュー‼」」」
「あははははははははは!!!!!」
 仲間の仇だとサナギムたちは果敢に攻めるも、高笑いとともに振り下ろされるマジェードの拳に一匹また一匹と土に還る。
 その姿に戦いを拒むような様子は残っていなかった。
 ダークマイトに『命れい』され、絆を結び、隷属する。
 ダークマイトがそうであるように、九堂りんねは殺し合いに乗った。
 その姿がどういう意味をもつか、ダークマイトを除いて唯一その罪の重さを知るシノンが。最初に気づいてしまった。

「駄目……駄目よ!その一線を越えてしまったら。
 自分を壊してでも戦おうとする今の貴女が、心から殺し合いを望んでしまったら!
     ・・・・・・・・・・・
 貴方を、殺さなきゃ止められないじゃないの!」
「止める必要なんてない。
 ダークマイト様の作る平和のため、死ぬのは貴方達敵(ヴィラン)!」
 九堂りんねなら死んでも言わないだろう台詞だ。
 姿は同じ仮面ライダーマジェードのはずなのに、そこには一ノ瀬宝太郎らが知る太陽のような輝きも一角獣のような純白さも残っていなかった。
 ダークマイトは満足げにその様子を眺めていたが、りんねの足がシノンに向かう様子に怒鳴り声をあげた。
 ダークマイトにとってシノンや他の人間は脅威ではない。『敵(ヴィラン)』ならぬ彼の『敵』はこの場に一人しかいない。

「違うりんね!そんなやつらはどうでもいい!
 あの蜘蛛女だ!あいつを殺すんだ!!!」
「はい、ダークマイト様。」
「もはや平和の象徴とのたまうメッキさえ剥がれましたか!
 その程度の心づもりで正義の使者を名乗ろうなどと!
 本当に……本当に心底頭に来ますね!!!ダークマイト!!!」
 シノンに向いていた姿勢をぐるりと不気味にねじり仮面ライダーマジェードが動く。一歩進むたびに焼け焦げ
 ダークマイトを完全に無力化させるために空中を猛スピードで突っ切っていたマジアベーゼだったが、狂気に呑まれ全力を超えた今の仮面ライダーマジェードのほうが速かった。

「マリスネスト!」
 夜蜘蛛の帳は継続中だ。
 真化状態の魔法少女さえ封じられる蜘蛛の糸。
 ダークマイトの攻撃だって防いで見せた糸で九堂りんね動きを縛ろうとしたが。

 『アルケミスリンク!』
 「ウィザードマルガムの魔法みたいなものよね。
 私にそんなものは、効かない!」
 りんねがドライバーを動かすと絡みつく糸が力なくほどけて、黒い粒子となって消え去った。

 この九堂りんねは一ノ瀬宝太郎や黒鋼スパナと同じ世界の住人ではない。
 オロチマルガムの出現時にガッチャ―ドデイブレイクが現れず破滅した世界線の九堂りんね。
 だが、浮世英寿たちと出会いウィザードマルガムと戦ったのは分岐点より前のことだ。

 だから九堂りんねは知っていた。
 ザ・サンには無尽蔵のエネルギーが。
 ユニコンには浄化の力がそれぞれ宿る。
 両者が混ぜ合わされば――ウィザードマルガムの悪夢の魔法さえ浄化できる。
 ――マジアベーゼの魔法だって浄化できても不思議ではない。

 マジアベーゼは、ダークマイトの天敵である。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 そして仮面ライダーマジェードは、マジアベーゼの天敵だった。

 蜘蛛糸による盾を失ったマジアベーゼの首が締め上げられる。
 マジェードの握力に潰された気管が必死に酸素を取り込もうと足掻くが、マジアベーゼの体は急速に力を失っていく。
 真化が維持できない。通常形態に戻ったマジアベーゼの体が更なる苦痛で潰れたカエルのように泡を吹き、必死に意識を保たせようと足掻く。
 マジアベーゼ耳に高笑いが響く。耳障りな声を上げるような人物はここには一人しかいない。

 「よくやったぞりんね!流石私のヒロインだ!!
 そしてマジアベーゼ!象徴たる私に対する狼藉を償う方法は1つしかない!」
 既にオールマイトの肉体は再構築されていた。
 これ見よがしに立ち上がったダークマイトの顔はこれまでと同じ余裕を浮かべた薄ら笑いだが、その眼だけは一切笑っていない。
 薄汚れた本性を映したかのように真っ黒に淀んだ瞳をマジアベーゼに向けて、ダークマイトは親指を立てて下に向けた。
 その手は赤く光っていた。

「死だ。」
 ダークマイトも令呪を起動する。赤い光に呼応するようにオールマイトの太さにまで膨らんでいた指輪の1つが不気味に赤く光る。
 その指輪はダークマイトが元々持っていた錬金の触媒ではない。
 ダークマイトとも九堂りんねとも異なる、エンヴィーの世界において用いられる錬金の秘術。
 コーネロという男が用いた賢者の石――のまがいものだ。
 だがその効果は3流以下のコーネロが1流の錬金術師たるエドワード・エルリックを相手どれる程度には、錬金術を増幅できる。
 アンナ・シェルヴィーノの個性には及ばないにせよ、ダークマイトという一流の錬金使いにとっては十分な切り札だった。

 ぐじゃりという音がマジアベーゼの内側から響いた。
 アルケミスドライバーから金色の刃が伸びてマジアベーゼの胸を貫いている。
 ドライバーの中で小さく何かが光る。ダークマイトがドライバーに仕込んでいたコインの欠片だった。
 賢者の石と令呪の増幅を受けた今のダークマイトなら遠距離だろうと操作できる。
 万が一りんねが自分に反旗を翻した際に”おしおき”として用意していたものだったが、思わぬところで役に立ったと満足げに顎を撫でた。

 「りんねに首をへし折ってもらえると思ったかい?お前のような醜悪なヴィランは最後の最後まで苦しんで死ぬべきだ!」
 「いつか……誰かが……私を倒す。そんなことは分かっていました。」
 ダークマイトの言葉には耳を貸さず。マジアベーゼは口を開く。
 喉が潰され肺に穴が開いている。酸素を無駄遣いしているかもしれないが喋らないと意識が消えて二度と目覚めなくなる。確信があった。
 これほどの致命傷でもマジアベーゼの変身は解けていない、あと何秒持つのかはマジアベーゼ自身にも分からない。
 それでも今の彼女は気弱でちょっとエッチな中学生柊うてなではなく、エノルミータ総帥マジアベーゼだ。

 「でもそれは……今じゃないし……お前にじゃない……。
 お前が倒した程度で……私は終わらない。」
 命の灯火が尽きるこの時だろうと、マジアベーゼの矜持は変わらない。
 口から血を垂らしながらニヤリと笑う。
 未成熟な少女とは思えない存在感を前に、ダークマイトの背筋がぞわりと冷えた。

(なんだ今のは……恐怖?
 この象徴が!死にかけのヴィラン、それもあんな小娘に……恐怖したのか!?)
「ありえない!オールマイトならお前のようなヴィランの減らず口に足を止めたりしない!
 もう目障りだ!りんね!殺せ!!」
「遅いですよダークマイト!
 令呪を使えるのは……なにも貴方達だけじゃない。」

 腕を掲げる。マジアベーゼの令呪が眩く光り、マジアベーゼのを貫く黄金の刃がグネグネと形を変え無数の針のように尖った。
 りんねの腕に、足に、肩に突き刺さりる針に苦悶の声を上げる。
 思わず手を離したりんねの眼前で、飛翔できないほどに弱ったマジアベーゼがアルケミスドライバーから引きはがされた黄金の塊を引き連れ力なく落下した。
 マジェードの浄化能力に魔物としての性質はすぐさま失われるも、マリスネストと違いダークマイトの金貨が媒体となったものだ。
 スライムのように散らばった黄金がりんねの体にへばりつき動きを止める。
 重力に従い離れていくマジアベーゼに手を伸ばすも、誰かに背中から引き留められるようにりんねの腕は前に進まない。

「しまっ……」
「ベーゼ!!」
 落下するマジアベーゼに向けてセリカが駆けだす。
 仮面ライダーバルカン シューティングウルフ。走力 100mを2.9秒。
 制限でその走力はフルに出せているとはいいがたい。それでも今のセリカの速度はその上限に肉薄していた。
 地面に激突する寸前にスライディングのように姿勢を傾け受け止める。マジアベーゼの魔力を受けた黄金の塊がクッションのように指に馴染み取りこぼすことはなかった。

「あぶ……」
 一息つこうと言いかけた口が受け止めた少女の姿を前に閉じた。
 わずかなニプレスだけで隠された胸元には深々と金色の刃が刺さったままだ。
 マジアベーゼの魔力を受けたからか、刃は分厚いゴムのように曲がりマジアベーゼの傷を塞いでいた。
 とはいえ重症なことは明らかで隙間から赤い液体が滴り落ちている、消えかけた炎のように弱弱しい姿からは鉄の匂いがした。
 その状態でもマジアベーゼが”マジアベーゼ”でいられるのは令呪の恩恵だろうか。

「こんな姿で……アンタ、どうして……」
 答えられないことなど分かっていても、セリカには問わずにはいられなかった。
 セリカやユメにはアビドスを守るという理由がある。ダークマイトとの共存はもはや彼女たちには不可能だ。
 だがマジアベーゼが――柊うてなが戦う理由は何なのだろうか。
 ユメへの同情だけでここまで戦ってくれるのか。尽きるような命で恨み言一つ言わないのか?

「なにがアンタをそうさせるの……」
 マジアベーゼは答えない。
 ただ変わらず薄い息を吐き、取り込めない酸素を取り込もうと静かに足掻いている。

「返してもらおうか!!
 その女は万死に値する!!」
 もはやオールマイトの演技さえ崩れ去っていた。それほどまでにマジアベーゼはダークマイトの絶対性を揺るがす存在だった。
 令呪は未だ継続している。ダークマイトがコインを投げるとわらわらと錬金兵が生み出され、本来の性能を発揮した土気色の怪物が餌に群がる蟻のように寄り集まった。

「そのまま走って!!」
 ユメが叫び、アメンバッグルを動かす。
『スカスカ!スカラベ!!』
『スカスカ!スカーレット・ランペイジ!』
 丸みを帯びた装甲となったユメが作り出した火球が落ち、錬金兵が炎に包まれる。
 その光景にダークマイトは忌々し気に顔を歪めた。冷汗が垂れていたが彼が気づく前にアメンの熱気で焼き消えていた。

「逃がすものか!!」
「逃がしてみせる!!」 
 『ROD・SYNBOL!!』『ファルファル ファルコン!!』『メジェメジェ メジェド!!』

 巨大なシーツを被った奇怪な姿に変身したユメ。同時に空には無数の目玉がダークマイトと錬金兵を見下ろしていた。
 アメンの専用武器 アンクシンボライザー。
 装填されたファルコンメダルが錬金兵の居場所を捉え、神の名を冠するフォームとなったアメンがその全てを焼き払う。

『メジェメジェ メナス・ジ・エンド!!』
 目玉から降り注ぐ光。既に炎でダメージを受けていた錬金兵が耐えられる道理はない。
 1つ1つと音を立てて崩れ去る、錬金兵が消え去るたびにダークマイトへ向けられた光線へと光が束ねられる。
 本来は特権魔法を持つ元上級騎士だろうと倒せる威力だが、支給品となった以上威力は制限されている。
 全ての光を集約しても今のダークマイトは倒せないだろう。

「それでも、令呪が切れるまでは抑え込んでみせる……。」
 稲妻が何度も落ちるような轟音の中でもその言葉ははっきりと聞こえた。
 泣き言でも夢想でもない。何があっても抑え込んでやるという覇気に満ちた姿は、セリカの知る小鳥遊ホシノによく似ていた。
 ともあれこれで数秒は時間を稼げる、セリカはふとシノン(あとついでに美嘉)のことを思い出した。彼女たちの気配がなぜだか消えていたことにようやく気付いた。

「シノン!あんたたちも……」
 振り向きざまに声をかけるも、そこにシノンと美嘉の姿は無い。
     ・・・・・・
 代わりに赤黒いゲートがぽつんと浮いている。誰によるものかは明白だ。
 何の合図もなくいなくなったことに複雑な思いもなくはないが、手の中で消えそうになるマジアベーゼの呼吸に思考は一瞬にして切り替わる。
 セリカは走った。
 時間がなかった。マジアベーゼがマジアベーゼでいられる内でないと仮面ライダーバルカンの全力疾走には耐えられないことは、仮面ライダーにも魔法少女にも疎いセリカにも分かる。

「許さん……許さんぞ羂索!マジアベーゼ!!」
 轟音が遠ざかっていく。梔子ユメの雄姿も見えない。
 それでもダークマイトの言葉が耳にこびりついて離れなかった。



 「逃げ足の速い奴らだ。だがそう遠くには行っていないはず。
 急いで追いかけないとなぁ。」
 令呪の効果が切れた。それはダークマイトのものでもあり、マジアベーゼのものでもある。
 逃げる時間を稼ぎ切った梔子ユメはすぐさま両腕を翼に変えて飛び立った。追うのは容易いだろうが体勢を立て直されると面倒だ。
 頭をぼりぼりとかくダークマイトの隣に、黄金に動きを防がれていたりんねが駆け寄る。
 マジアベーゼほどではないにせよ装甲の傷は深い。既に仮面ライダーマジェードの姿を保てず錬金アカデミーの制服姿だ。
 その眼には恋人を前にするような狂気的な光が瞬いていた。

「申し訳ありません。マジアベーゼを取り逃がしてしまい……」
「……。」
 ダークマイトは寛大な男だ。少なくとも自分ではそう思っている。
 失敗した部下だって一度はチャンスを与える。この場のダークマイトは経験していないことだが、配下のパウロが被検体に出し抜かれた時も一度は許した。
 オールマイトの顔で、象徴としての余裕たっぷりに許した。

「そうだねりんね。君は失敗した。」
 調教を受けた獣が鞭を持った人間に反応するように、りんねの体がびくりと震えた。
 凪いだ水面のように穏やかな目が下水のように淀んでいた。

「ダークマイト……さま?」
「安心したまえ、俺は紳士だ。ヒロインに手をあげたりはしない。
 だが、今の君ではだめだ。俺のヒロイン足りえない。
 ……なあ、りんね。世界を前に進めるためには何が必要だと思う?」
「……秩序と規則でしょうか?」
「破壊だよ。
 新たなるステージに進むためには大いなる破壊が必要なんだ!
 君がヒロインとして新たなステージに立つために、断腸の思いで俺は獅子の子を千尋の谷へ突き落とすとも!」
 どこまでが本心なのかダークマイトにさえ分からない。頭の中に浮かんだ言葉をただ立て続けに吐き出していた。
 分かることは、ダークマイトはりんねを許す気など全くないということ。
 そしてこれからりんねが酷い目に合うということだけだった。
 ダークマイトはりんねに向けて手を掲げ、唱える。

「こうだったねりんね。君の知る錬金術を聞いていて正解だった。
   ・・・・・・
 ……金色に染まれ!!」
「えっ……えっ……あ。」

 言葉の意味を理解した時には手遅れだった。
 ダークマイトの”個性”。『錬金』は触媒を用いて物質を想像する能力だ。
 アンナ・シェルビーノの個性を受けた時のように、賢者の石を持つ今のダークマイトなら如何なる物質だって取り込める。
 マルガムの触媒は、ケミーと人の悪意。りんねからその存在を知った今のダークマイトなら、作れてもおかしくはない。

 ケミーならいる。仮面ライダーマジェードとしての相棒、ザ・サンとユニコンのカードがある。
 悪意もある。ダークマイトと言う悪に文字通り絆された。あの瞬間確かにりんねは悪となった。
 平気で人を傷つける、踏みにじる。ダークマイトと同じ類の悪に落ちた。
 触媒はここに全て揃っている。錬金術師だろうとマルガムに堕ちる例は黒鋼スパナを初めいくらでもあるのだ。

「しまっ……いや……いや……」
 何度も見てきた光景だ。グリオンがマルガムを生み出す時と同じ言葉だった。
 何度も聞いた悲劇だ。グリオンとの戦いの中で仲間は次々と死んでいった。
 ベルトの中からザ・サンとユニコンのカードが排出される。りんねの体から無数に伸びた黄金の触手が彼らを取り込み混ざり合う。
 心をミキサーでかき混ぜられるような苦痛の中、九堂りんねは正気を取り戻す。
 自分の行動を悔いる暇もないままに、心に入り込むケミーの悲鳴がりんねの精神を砕いた。
 ザ・サンが哭いていた。ユニコンが哭いていた。
 りんねも哭いた。

「いやあああああああああああああ!!!!」
「残念だよりんね。だがこれも試練だ!
 おとぎ話のプリンセスが怪物となった王子を愛し人に戻したように!君なら怪物の姿を乗り越えて真のヒロインとなれるはずだ!」

 黄金の渦が卵のようにりんねを閉じ込め。砕けて怪物を生んだ。
 左腕は一角獣の頭のように剣と一体化し、右腕は焼け焦げたように黒ずんでいた。
 全身の装甲はぐずぐずに溶けた銀を思わせる。胸から突き破ったマルガムの腕が仮面ライダーマジェードの仮面を握りつぶしていた。
 その姿の正式な名はサンマルガムユニコーンミクスタス。
 だがこの場においては別の名前が与えられた。

 「さあ行くがいいりんね――いや、マジェードマルガムと名付けよう!
 その醜き試練を乗り越え、真のヒロインとなるために!」
「うああ。」
 角の折れた馬のようなマルガムの顔は拷問でもされているかのように右目と口がふさがってる。
 馬は人の言葉を喋らない。ダークマイトの曲解したヒロイン像を形にしたような顔だった。

 泣いた少女のような嘶きをダークマイトはイエスだと解釈し、ある一点を指さす。
 赤黒いワープゲートがぽっかり浮かんでいた場所へと、ダークマイトの指示通り唸り声と共にマジェードマルガムは歩き出した。



071:空と虚① プルス・ケイオス 投下順 071:空と虚③ ガールズリミックス:ライジング
時系列順
柊真昼
真人
魔獣装甲のエケラレンキス
柊うてな
梔子ユメ
シノン
黒見セリカ
亀井美嘉
冥黒ノノミ
魔王グリオン
冥黒アヤネ
ダークマイト
九堂りんね

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