交信局(行進曲) (後編) ◆0UUfE9LPAQ


 ● ○ ●


席に着いてコーヒーを口に含み返事を打つ。

「お待たせしました。待ってくれてありがとうございます」

最初の言葉はこんなものでいいだろう。
「逃げるな」と言われたことに対しては何も言わず、更に礼を言うことで心の広い振りをする。
心が広い振りをするのはいいものだ。
そうすることで相手の隙をつけるしな。

「待っていたぞ戦場ヶ原3年生。来客はどうだったのか?」

直江津高校の名前から突き止めたようだな。
それを承知で教えたわけだから特定されたところで別に困らないが。

「私の勘違いだったみたい。外には誰もいなかったわ」
「だろうな。人に会いたかったならもっと早く出るべきだ」
「見てきたように言うのね」
「実際見せてもらったぞ。貴様がそのような不吉な身なりで女の言葉を使っているところもな」
「まさか…監視カメラの映像を見たのね」
「無論だ。そこのセキュリティをいじることなど雑作も無いのだ。カメラの映像を見ることができないと何故考えない」
「返す言葉もないわ」

などと言ってみたがその可能性には気付いていた。
あらゆる状況を想定して席に戻っているのだ。
むしろそれぐらい見抜いてもらわないと困る。
相手を言いくるめる方法はざっと20通り程考えていたが、俺の外見がばれていたことを想定したパターンの方が多いしな。
次にどのようなことを言われても対応できると思っていたが次に言われた言葉は――

「まあいい。そこで提案があるのだが、手を組まないか?」
「いいのか?」

しまった、思わず素が出てしまった。
先程組みたくないと言われたから向こうから言ってくることは無いと思っていたが…
つまり、向こうに何らかの変化があったということか。
しかし、この提案は願ってもない。

「やっと素の姿が出たではないか。ただし条件があるが」

まあ、妥当なところだろうな。
組んでもらえるというメリットを考えれば多少のデメリットは受け入れよう。

「どんな条件だ?」
「簡単だ。黒神めだかの悪評を広めて欲しい」
「自分の悪評を広めてくれとはおかしなことを言う」
「確かにその通りだが、少し考えればわかるだろう?」
「やっぱりお前も騙っていたということか」
「そういうことだ。ふむ、もう無理にキャラを偽る必要はないな」
「それでもお前が黒神めだかを騙る必要はないと思うのだが」
「最初はあなたに黒神めだかの悪印象を植え付けようと思ったけど無理そうだったからね。方針を変えたまでだよ」

最初と同じ口調になったな。
だからと言って何かが変わるわけでもないが。

「お前が黒神めだかの悪評を広める目的がわからないな」
「黒神めだかの正しさは危なすぎる。それが映像を見て思ったことだ」
「その危うさはお前に向くのか?それともお前が守りたい人間に対してか?」
「守りたい人間に対してだよ。いるだなんて匂わせたつもりはなかったんだけどね」
「俺は詐欺師だからな、それぐらい読むことはできる」
「さすがだね。ではそろそろちゃんと名簿に記載されているあなたの名前を教えてもらえるかな」
「俺が教えたらお前も名前を教えてくれるのならな」
「もちろんそのつもりだよ」
「ならばいいだろう。俺の名前は貝木泥舟だ」
「私の名前は玖渚友だよ。詐欺師からぎっちゃんとでも呼ばせてもらおうか」

ぎっちゃん…だと…

「気持ち悪いからやめろ。そんな呼ばれ方をされるぐらいなら呼び捨てで構わん」
「ひどいこと言うねえ」

それはお前だ。
何が悲しくて変な呼ばれ方をされなければならないのだ。
斧乃木のお兄ちゃん呼ばわりの方がまだマシだ。

「さっき話してた映像とは何のことだ?」

とりあえず話を戻す。
こういう話は早く切り上げるのが一番だ。

「箱庭学園で行われた生徒会戦挙の映像だよ」
「それで箱庭学園の生徒の情報を手に入れたのか」
「その通り」
「映像を見せてもらうことはできるか?」
「ここまで来てくれるならね」
「玖渚、お前はどこにいる?」
「斜道卿壱郎研究施設と言えばわかるかな」
「そう遠くないな…今から行くがいいか?」
「構わないよ。それと、条件とは別に一つお願いがあるんだけど」
「言ってみろ。聞くだけ聞いてやる」

聞いた後で実行するかしないかは別だが。

「急に上からだね。麦藁帽かぶって釘バットを持った男がいたら『暴君が探している、掲示板を見ろ』と伝えてくれればいい」
「わかった。見かけたら伝えておこう」

釘バットとは危なすぎるのだが…
殺し合いに乗っている風でなかったら伝えるだけ伝えよう。
他にも色々情報交換をし――

「よろしく頼むよ」
「ああ。では後でな」

会話は終わった。
それにしても予想以上の収穫だった。
もうここには用は無いし早く行くとしよう。
研究施設とやらは直線距離ではそう遠くないが山の中腹にあるのか…
まあいいだろう、俺は歩みを進める――
が、俺の足は研究施設とは関係無い方向へ進んでいく。
このまま進むと俺にとって不都合があるということか――
この辺は百戦錬磨と言うか、海千山千と言うか、身体が覚えた危機回避意識という奴である。
ならばそれに従った方がいいだろう。
このまま進めばランドセルランドか、玖渚の元へ無理して向かう必要も無いわけだし今は俺の直感に従うまでだ。


【1日目/午前/D-6】
【貝木泥舟@化物語】
[状態]健康
[装備]
[道具]支給品一式×2、ランダム支給品(2~8)、「箱庭学園の鍵、風紀委員専用の手錠とその鍵、貴重品諸々、ノーマライズ・リキッド」(「」で括られてる物は現地調達の物です)
[思考]
基本:周囲を騙して生き残る
 1:玖渚と手を組む代わりに黒神めだかの悪評を広める
 2:ランドセルランドに向かってみる
 3:麦藁帽をかぶり、釘バットを持った男(軋識)に出遭ったら伝言を(伝えられれば)伝える
 4:怒江はとりあえず保留
[備考]
 ※貴重品が一体どういったものかは以後の書き手さんにお任せします。
 ※取得した鍵は、『箱庭学園本館』の鍵全てです。
 ※言った情報(少なくとも吸血鬼、重し蟹、囲い火蜂については話しました)、聞いた情報の真偽、及びそれをどこまで理解したかは後の書き手さんにお任せします。


 ● ○ ●


伊織さんに連れられて僕は2階の部屋にいる。
作業部屋とのことらしい。

「とりあえずここでいいでしょう」
「まあ僕はどこでもいいけど…」
「さてと」

伊織さんがもったいつけてる。
…早く話してくれないかな。
僕の立場じゃそういうことは言えないんだけど。
――なんて思ってたら

「様刻さん、申し訳ないんですが私が教えられることはほとんど無いですね」
「……は?」

いきなりぶっちゃけやがった。

「だって人識君と一緒に行動してたんでしょう?」
「そうだけど」
「そもそも私この世界に入って半年も経ってないんですから」
「いや…だって時宮をなんとかしたいなら協力しないこともないって言ってたじゃないか」
「あれは私の主人公化計画の一環です」
「そんなことのために大言壮語を言ったのか!?」
「大言壮語だなんて心外ですよう。私だって多少は暴力の世界で生き抜く術を身につけています」
「暴力の世界?」
「そういえば言ってませんでしたっけ。この世界は大きく4つに分類されてまして――」

そして零崎や時宮を含む暴力の世界、玖渚さんがいる権力の世界、病院坂一族が近しいかもしれない財力の世界、そして僕が住む普通の世界について概要を教えてもらった。
僕にはほとんど無縁の世界だった。
病院坂一族は財力の世界や権力の世界に関わっててもおかしくなさそうだけど伊織さんは病院坂の名前を聞いたことがないそうだ。
だけど僕もくろね子さんから玖渚機関だとかその手の名前を聞いたことがない。
日本の中で玖渚機関が関わってないものはないという話らしいけど…

「大体わかりましたか?」
「一応は」
「これはちょっと深いとこに入れば誰でも知ってる基本常識なんですけどね」
「で、伊織さんは今は暴力の世界の住人だと」
「そういうことです」
「その今ってのが少し気になるんだけど」
「零崎だけは殺し名の中でも特殊なんですよ」
「特殊?」
「血ではなく流血で繋がるとでも言いますか、人識君以外はみなさん元々は普通の世界の住人なんですよ」
「その例えでもイマイチわからないんな」
「ある日突然目覚めるとでも言えばいいですかね。才能よりは性質らしいです」
「性質…ねえ。零崎が違うのはどういうことなんだ?」
「人識君は親が両方とも零崎という純血なんですよ」
「へえ」
「まあ時宮の対策は私より人識君の方が多くのことを知ってて当然ですから私が教えられることなんて無いんですよう。そもそも呪い名なんて殺し名より希少なんですから」
「…もう僕がここにいる意味無いんじゃないか?」
「そんなこと言わないでください!ここで様刻さんに逃げられたら私主人公になれないじゃないですか!」
「逃げるとか物騒なこと言うな。そもそもその主人公ってなんなんだよ」
「決まってるじゃないですか、この殺し合いの打倒ですよ」
「今までそんなこと一言も言ってなかったよな!?」

どこからそんな話が出た。
伏線もほのめかしもなかったはずだ。

「様刻さんだって放送は聞きましたでしょう?零崎の人間が殺されているんです」
「曲識とか言ったっけ…」
「その人ですよ。確かに私は他の零崎とほとんど接点は無いですが人識君や双識さんは必ず零崎を開始するでしょうからね。だったら」

「私の敵です」

一拍おいて力強く伊織さんは言った。
強い…な。
率直な感想だった。
二人の人間が目の前で死んだのにそれでもまだその現実から逃げようとしていた僕とは違う。
現実を見据え、戦おうとしている。
僕もいい加減結論を出すべきなのだろう。
時宮時刻は絶対に殺す。
でもあいつを殺した後のことまでは考えていなかった。
選択肢としては―
 1・そのまま優勝を目指す(そして二人を生き返らせる?)
 2・協力してこの殺し合いを打倒する
 3・流れに身を任せる
 4・自殺?
まず1と4は却下、馬鹿馬鹿しいにも程がある。
3の流れに身を任せるってのも結局は現実から逃げてるだけだ。
――となると2か、うん、おもしろいじゃないか。
くろね子さんなら選択肢を出して迷うまでもなく結論を出すだろう。
そして僕も渋々文句を言いながらそれに付き合っただろう。
成功すればいい冥土の土産になる――冥土が存在するかは別として。

「伊織さん」
「はい、なんですか?」
「それに僕も協力させてくれないか?」
「うーん…まあいいでしょう」

曖昧な返事だな、何か不都合でもあるのだろうか。

「何か問題でもあるのか?」
「あるんですけど…ああ、でも様刻さんが一緒にいてくれるなら一応解決できますね」
「そうなら早く言ってくれ。どんな問題なんだ?」
「いやまあ、私とある人から殺しを禁止させられていまして、弱らせるくらいならやりますのでとどめは様刻さんがやってください」

いやいやいやいやいや、いくらなんでもそれはないだろ。
最初から最後までずっとぶっちゃけっぱなしじゃないか。
……今更かもしれないけど僕は頼る人を間違えたような気がする。


 ● ○ ●


合格点とまではいかないけど及第点ってとこかな
結局完全に言い負かすことはできなかったしいーちゃんのことも見抜かれちゃったけど判定勝ちってところだろうね。
そんなこと言ったつもりはなかったのに言われたってことは鎌をかけられたのかな。
だとすると私のミス以外の何者でもないね。
でもちゃんとした情報もいただけたし黒神めだかの悪評を広めてもらえれば万々歳。
これでぐっちゃんと話せるようになれたら最高なんだけどさすがにそこまでうまくは運ばないかな。
とりあえず今までのログを削除っと。
まずは掲示板に人捜しの情報を書き込もうか。
いーちゃんとしーちゃんの容姿を書き込んで博士のところにいるよ…っと。
あ、しーちゃんは人間失格でしーちゃんだよ。
いーちゃんの友達で舞ちゃんのお兄さんのね。
それと目撃情報を書き込むところも欲しいかな。
黒神めだかのことはここに書き込めばいいし。
殺しているのを見たとか直接言うのは嘘だとばれたときに掲示板自体の信憑性が危なくなるし危険だとか匂わせる程度でいいか。
後は雑談用とか情報交換用とか色々作って…
完成!
後は確認用に別のPCからアクセスしてみて、うん、大丈夫。
IDも別になるみたいだしいざというときは自演もできるね。
じゃ、一番大切なことを確かめないと。
私の支給品の携帯電話でアクセスして…こっちも大丈夫。
携帯は電話もメールもできるけど番号やアドレスを知らないとダメみたい。
ある意味当然だね。
『管理人に連絡』のボタンも作ったしいーちゃんやぐっちゃんが気付いてくれればいいんだけど。
連絡さえくれればこっちのものだし。
よーし、こんなもので終了!


 ■ □ ■


当掲示板はバトルロワイアルについて情報を交換するためのものです。
参加者のスレ立ては制限させていただいておりますが要望スレに書き込んでいただければ早急に管理人が対応します。
ただし、情報の真偽等については保証できませんので全て自己責任でお願いします。
                                           管理人◆Dead/Blue/

1:探し人・待ち合わせ総合スレ
 1 名前:管理人◆Dead/Blue/ 投稿日:1日目 午前 ID:kJMK0dyj
 会場の人を探したり待ち合わせをするためのスレです。
 マーダーに利用される可能性もあるので書き込みの際は慎重に!

 2 名前:◆Dead/Blue/ 投稿日:1日目 午前 ID:kJMK0dyj
 テスト

 3 名前:◆Dead/Blue/ 投稿日:1日目 午前 ID:kJMK0dyj
 死んだような人間の目をした男性と顔面刺青の男性を探しています
 博士のところにいると言えばわかるはず
 顔面刺青の男性へ、現在あなたの妹さんと一緒に行動しています


2:目撃情報スレ
 1 名前:管理人◆Dead/Blue/ 投稿日:1日目 午前 ID:kJMK0dyj
 会場の中で目撃した人物について語るスレです。
 名前も知らないのが大半でしょうから必ずしも鵜呑みにしないように!

 2 名前:名無しさん 投稿日:1日目 午前 ID:MIZPL6Zm
 黒髪で長髪の女性が返り血を浴びているのを見た
 もしかしたら殺し合いに乗っているかもしれない


3:情報交換スレ
 1 名前:管理人◆Dead/Blue/ 投稿日:1日目 午前 ID:kJMK0dyj
 情報交換をするためのスレです。


4:雑談スレ
 1 名前:管理人◆Dead/Blue/ 投稿日:1日目 午前 ID:kJMK0dyj
 雑談をするためのスレです


5:要望スレ
 1 名前:管理人◆Dead/Blue/ 投稿日:1日目 午前 ID:kJMK0dyj
 管理人への要望等はこちらに



掲示板管理者へ連絡


 ■ □ ■


目撃情報を書き込むにはちょっとタイミングが早すぎたかな?
いや、スレ立ての時刻を朝にずらせばいっか。
さてと、これで僕様ちゃんはここから離れるわけにはいかなくなったね。
一番下の連絡ボタンに気づいてくれるかなー。
トリップを見れば二人なら一発でわかってくれると思うんだけど。
うにに、これ以上期待してもしょうがないね。
僕様ちゃんは僕様ちゃんにできることをやるだけだよ。


 ● ○ ●


「伊織さん、いくらなんでもそれはないと思う……」

様刻さんが引き気味です。
さすがに無茶なお願いでしたか。
でもでも!私哀川のおねーさんに殺しを止められているんですから!
この会場にいるとはっきりしてしまった以上私は不殺を貫かなければなりませんし。
あ、でも私様刻さんに哀川のおねーさんのことは言ってませんでしたっけ。
一応教えておいた方がいいですよね。

「そもそも殺人鬼たる私が殺しを禁止させられているのには理由がありまして」
「傍目からはとても殺人鬼には見えないけどな」
「それは私が我慢してるからですよ」
「……詳しいことは聞かないでおこう」
「話を戻しますと、さっき話した4つの世界のうちでは一般人に所属している方に止められていまして」
「殺人鬼が一般人に?」
「あくまでも分類上は、ですよ。正直言ってあの方は4つの世界のどれにも収まり切らない人です」
「この会場には?」
「もちろんいらっしゃいますよ。名簿の一番最初にあった哀川潤さんですよ」
「名前だけじゃわからないんだけど男?女?」
「女性ですよ。これでも人類最強と呼ばれているんですから!」
「人類最強?いくらなんでも大仰な…」
「では電車を自分の身一つで止められる人間がいると言ったら信じます?」
「……信じない」
「それをやってのけるのが哀川のおねーさんなのです!私も人識君もあの方を敵には回したくありませんから頑張って不殺を貫いているのです」
「まあ、一応わかった」

わかってもらえましたか。
電車を止めたと言っても半信半疑でしょうがね。
ですが、哀川のおねーさんのすごさは言葉で言い表せるものではないんですから。
しかし、零崎を開始するからには殺し尽くさなければなりませんし。
困ったものですね…

「話はこれぐらいでいいでしょうか?」
「結局ほとんど収穫無かったようなものだけど…」

しょうがないじゃないですか。
私が知っていることは少ないんですし、それを教えてくれた人識君が同じことを様刻さんに教えていた以上私が新たに教えてあげられることなんてあるわけないですよう。

「とりあえず下に降りますか」
「外へは行かないのか?」
「まずは玖渚さんと話をしてみましょう。そろそろ作業も終わっているでしょうし」
「しかしあんな小さいのにねえ…」
「小さいからって舐めてはいけませんよ。それに玖渚さんは私より年上です」
「…伊織さんは何歳なんだ?」
「私は16ですよ」
「16!?」

意外そうにしてます。
私身長は低い方ではないですからね。

「玖渚さんは19ですからね」
「僕より年上なのか!?」
「まあ話はこれぐらいにして下に行きましょう」


 ■ □ ■


「玖渚さーん、今大丈夫ですか?」
「あー舞ちゃん、大丈夫だよー」
「作業終わったんですね」
「うに。とりあえず掲示板作ってみたんだ」
「へえ、凄いじゃないですか」
「舞ちゃんが探してるしーちゃんのことも書いておいたよ」
「それはそれは、ありがとうございます。あ、そうだ、そういえば屋上でこんなの見つけたんですけど」
「うにうに。これはハードディスクみたいだね。調べてみるよ」
「よろしくお願いしますね」
「これぐらいなんでもないよ、それでだけど舞ちゃんかぴーちゃん携帯持ってたりしない?」
「うなー。私は持ってないですね。様刻さんは?」
「ん、入ってた…けどこれはスマホか?」
「それでいいから貸して貸して」
「はい」
「ありがと。………………はい、返すね」
「何をしたんだ?」
「とりあえず何か情報ないかなと思ってみたけど空っぽだったみたい。ついでにアドレス帳に登録しておいたから僕様ちゃんといつでも電話できるよ。それにブックマークに掲示板のことも登録したんだ」
「電話できるということは別行動ですか?」
「僕様ちゃんはここに残って掲示板の管理とかハッキングとかしたいからさ。舞ちゃんたち外行ってきなよ」
「いいんですか?」
「ここのセキュリティは万全だからね。よっぽどのことがなければ大丈夫。それとお願いがあるんだけど」
「なんですか?」
「もし誰かに会って話すことがあったら『黒神めだかは危険だ』とかそういうこと伝えて欲しいんだ」
「わかりました。ではお言葉に甘えさせていただきます。様刻さん、行きましょうか」
「ああ」
「何かあったらすぐ電話してくださいね」
「任せといてー、行ってらっしゃーい」
「行ってきまーす」


【一日目/午前/D-7斜道卿壱郎の研究施設】
【玖渚友@戯言シリーズ】
[状態]健康
[装備] 携帯電話@現実
[道具]支給品一式、ハードディスク、ランダム支給品(0~2)
[思考]
基本:いーちゃんに害なす者は許さない。
 1:掲示板を管理して情報を集める、ハードディスクを解析してみる。
 2:貝木、伊織、様刻に協力してもらって黒神めだかの悪評を広める。
 3:いーちゃんとも合流したい。
 4:ぐっちゃんにも会いたいな。
[備考]
 ※「ネコソギラジカル」上巻からの参戦です。
 ※箱庭学園の生徒に関する情報は入手しましたが、バトルロワイヤルについての情報はまだ捜索途中です。
 ※めだかボックス、「十三組の十三人」編と「生徒会戦挙」編のことを凡そ理解しました。
 ※言った情報、聞いた情報の真偽(少なくとも吸血鬼、重し蟹、囲い火蜂については聞きました)、及びそれをどこまで理解したかは後の書き手さんにお任せします。
 ※掲示板のIDはkJMK0dyjが管理用PC、MIZPL6Zmが玖渚の支給品の携帯です。
 ※携帯のアドレス帳には櫃内様刻が登録されています。


 ■ □ ■


「ではこれからどこに向かいますか?」
「何かあてがあるわけでもないしどこでも構わないよ。時宮を見つけられればそれでいい」
「それを考えたら端に向かうよりは中央に向かう方がいいですよね」
「だな」
「箱庭学園にはもう時間的に無理でしょうしランドセルランドに行きますか」
「そうさせてもらうよ」


最初に登ったときとは違って下りは楽ですね。
隣にいるのが様刻さんだからというのもあるのでしょうが。
さっきも言った通り放送で呼ばれた零崎は私の存じあげない方でしたが、人識君や双識さんが黙っているはずがありません。
でしたら私も黙っているわけにはいかないのです。
哀川のおねーさんは怖いですが最悪ばれなければいいのです。
今はあてもないですし自分で調べるか玖渚さんからの情報を待ちましょう。
それまでは様刻さんと一緒に時宮を探しますか。

「うふふ」
「?今何か言った?」
「いえ、別に何も」



それでは零崎を開始します!


【一日目/午前/D-7】
無桐伊織@人間シリーズ】
[状態]殺人衝動が溜まっている
[装備]『自殺志願』@人間シリーズ
[道具]支給品一式、ランダム支給品(0~2)
[思考]
基本:零崎を開始する。
 1:曲識を殺した相手や人識君について情報を集める。
 2:今は様刻さんと一緒に時宮を探す。
 3:黒神めだかという方は危険な方なのでしょうか。
[備考]
 ※時系列では「ネコソギラジカル」からの参戦です。
 ※黒神めだかについて詳しい情報を知りません。

【1日目/午前/D-7】
【櫃内様刻@世界シリーズ】
[状態]健康 、『操想術』により視覚異常(詳しくは備考)
[装備] スマートフォン@現実
[道具]支給品一式、ランダム支給品(0~2)
[思考]
基本:死んだ二人のためにもこの殺し合いに抗う。
 1:時宮時刻を殺す。
 2:黒神めだか…ねえ。
[備考]
 ※「ぼくときみの壊れた世界」からの参戦です。
 ※『操想術』により興奮などすると他人が時宮時刻に見えます。
 ※黒神めだかについて詳しい情報を知りません。
 ※スマートフォンのアドレス帳には玖渚友が登録されています。


帰り道 時系列順 紆余曲折、あるいは猪突猛進
帰り道 投下順 紆余曲折、あるいは猪突猛進
静寂を切り裂く脆弱な義理策 貝木泥舟 黒いスーツとランドセル
静寂を切り裂く脆弱な義理策 玖渚友 繋がれた兎(腐らせた楔)
今まで楽しかったぜ 櫃内様刻 marshmallow justice
今まで楽しかったぜ 無桐伊織 marshmallow justice

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最終更新:2013年03月07日 17:32