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いやよいやよも好きのうち(3)
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soh1
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※「銀魂」の2次創作オリジナル小説です。読む前に、かならず注意事項を確認してください!
「てめえの拳でこれだけ戦えるのに、カブト相撲なんかやりやがって。そんなに、あんな虫けら一匹死んじまったことが気にいらねぇのかよ? くだらねぇな!」
総悟が唾棄するようにつぶやいた一言が、神楽の怒りをさらにあおった。
「うるさいッ! みんなの敵を取ってやるネ、死ねッ、このドS野郎!」
総悟が唾棄するようにつぶやいた一言が、神楽の怒りをさらにあおった。
「うるさいッ! みんなの敵を取ってやるネ、死ねッ、このドS野郎!」
神楽はとどめの一撃を食らわせようと総悟に飛びかかるべく、傍の木の幹を両足で蹴った瞬間、巨木が不気味な音を立てた。
木々に留まっていた鳥たちがいっせいに空へと飛び立ち、周囲を覆っていた狂ったような蝉の鳴き声が沈黙する。
木々に留まっていた鳥たちがいっせいに空へと飛び立ち、周囲を覆っていた狂ったような蝉の鳴き声が沈黙する。
総悟は、一瞬、虚を突かれた。足蹴りで、直径三尺強はあろうかという巨木一本倒せる人間を実際に見たのは、生まれてこの方はじめてだった。
巨木は周囲の大木を巻き込みつつ、怪音を響かせながら地面に向かって傾斜していく。
総悟の隙に気づいた神楽は瞬時に崩れた体勢を整え安全な場所に移動すると、またしても総悟に飛びかかろうとした。
巨木は周囲の大木を巻き込みつつ、怪音を響かせながら地面に向かって傾斜していく。
総悟の隙に気づいた神楽は瞬時に崩れた体勢を整え安全な場所に移動すると、またしても総悟に飛びかかろうとした。
やられる、と思った瞬間だった。神楽のほうが、急に頭を抱えて地面にうずくまった。
「ばッかもーん! こんなところで、なにやってんだ、神楽!」
万事屋の主銀時が、神楽の傍に立っていた。どうやら、巨木の倒れる音を聞きつけて、ここまで駆けつけてきたようだった。
神楽の後頭部に張り手を喰らわせたらしい。手の甲にくっきりと浮き上がる筋を見れば、銀時が怒り心頭に発してるのは明らかだった。
神楽の後頭部に張り手を喰らわせたらしい。手の甲にくっきりと浮き上がる筋を見れば、銀時が怒り心頭に発してるのは明らかだった。
「……まったく、ちょっと目を離した隙にどこに消えたのかと思ったら、またこんなところで喧嘩なんかしやがって。何度、殴られれば気がすむんだ、おまえは!」
頭を再度小突かれて頭を抱えていた神楽が、面を上げて涙目で銀時をにらみ返した。
頭を再度小突かれて頭を抱えていた神楽が、面を上げて涙目で銀時をにらみ返した。
「なにが悪いネ! 喧嘩は自分の拳でやれっていったのは、銀ちゃんネ! あたし、悪いことしてないネ!」
「人の揚げ足を取るんじゃありませんッ! オレが言ったのは、拳を使うなら時と場所をわきまえろ、ってことです! ……まったく、くだらねぇことで、騒ぎ起こすんじゃねぇよ、神楽」
「人の揚げ足を取るんじゃありませんッ! オレが言ったのは、拳を使うなら時と場所をわきまえろ、ってことです! ……まったく、くだらねぇことで、騒ぎ起こすんじゃねぇよ、神楽」
いさめる銀時に、神楽は一歩も退こうとしなかった。総悟の方を指さし、涙ながらに訴える。
「くだらなくなんかないネ! あいつ、おもしろ半分にみんなをいじめて、喜んでるね! せっかっくみんなで遊んでたのに……楽しかったのに! みんなの敵は、アタシが取るしかないネ! そうでしょ、銀ちゃん!」
「くだらなくなんかないネ! あいつ、おもしろ半分にみんなをいじめて、喜んでるね! せっかっくみんなで遊んでたのに……楽しかったのに! みんなの敵は、アタシが取るしかないネ! そうでしょ、銀ちゃん!」
みんなの敵だと? 総悟は嘲弄した。
「てめーが敵を討ちたいのは、死んじまった定春なんとかのためだろ。いい子ぶってんじゃねぇ」
銀時は総悟の言葉にあきれたように頭を振ると、神楽の頭にそっと手を置いた。
「神楽、おまえのそういう優しい気持ちもわかるけどな。なにも、そこまでムキにならなくてもいいだろ。おまえらの喧嘩をここで放置しといたら、ロリ丸どころか、この森のカブトムシが全部、粉々になっちまう」
銀時は総悟の言葉にあきれたように頭を振ると、神楽の頭にそっと手を置いた。
「神楽、おまえのそういう優しい気持ちもわかるけどな。なにも、そこまでムキにならなくてもいいだろ。おまえらの喧嘩をここで放置しといたら、ロリ丸どころか、この森のカブトムシが全部、粉々になっちまう」
銀時はため息まじりにいい、なだめるように神楽の頭をなでた。神楽
はその手を振り払うこともなく、こみ上げる涙を手でぬぐった。
「そうだ、これからここでカブトムシを取って、ガキどものところに持って帰ってやろうぜ。また、みんなで遊べばいいさ」
はその手を振り払うこともなく、こみ上げる涙を手でぬぐった。
「そうだ、これからここでカブトムシを取って、ガキどものところに持って帰ってやろうぜ。また、みんなで遊べばいいさ」
「それ、いい考えですね、銀さん。神楽ちゃん、気を取り直して、みんなの分、カブトムシを取って帰ろうよ。きっと、みんな、喜ぶよ」
銀時に遅れてやってきた新八が言った。心配して全力疾走してきたのか、息がだいぶ上がっている。神楽はあきらめがついたのか、無言で新八の言葉に頷いた。
銀時に遅れてやってきた新八が言った。心配して全力疾走してきたのか、息がだいぶ上がっている。神楽はあきらめがついたのか、無言で新八の言葉に頷いた。
銀時は神楽の頭を抱えるように手を回し、自分の方に引き寄せると、総悟の方をまっすぐ見つめていった。新八も神楽の肩にそっと手を添える。
神楽の言葉に一片も疑う余地がないとでもいいたげに。
神楽の言葉に一片も疑う余地がないとでもいいたげに。
「……なんでぃ」
総悟が不満をあらわにすると、銀時が哀れむような目で総悟を見た。
「万事屋さんは、全員そろってチャイナの味方……ってわけですかい?」
総悟が不満をあらわにすると、銀時が哀れむような目で総悟を見た。
「万事屋さんは、全員そろってチャイナの味方……ってわけですかい?」
総悟が揶揄しても、銀時はただ頭を振った。
「……おまえ、ガキのころ何やってたのかは知らねぇが、もうちょっと<遊び>ってのを学んだほうがいいみてぇだな。いいか、<遊び>ってのは、何をやるにもみんな真剣にひとつのことをやるから、おもしれぇんだぜ。
◆次を読むに続く