「此処、妖精國だったかな?」
オベロンが名簿を何度も見返すものの、
そんなことでメンバーについて何かが変わるわけもなく。
何だか突っ込みどころが多すぎて、何とも言えない表情になって最後として名簿を見る。
キャメロットにティンタジェル、モルガン、藤丸立香、ガウェイン、そして自分。
名簿を見て思わず呟かずにはいられない状況に少しばかり困惑する。
もっともガウェインについてはキャメロット城も知らないようなので、
名前だけが一緒の人物の可能性は十分にありうることでほぼ除外されているが。
ティンタジェル城については彼女の反応から見知った間柄なのは理解できる。
「バッドすぎるニュースとグッドニュース、どれを聞いてみるかい?」
「バッドニュースについてですが、多分モルガンのことですよね?」
「勿論その通りだ。あれは僕が知りうる限りの参加者だと一番強いんじゃないかな。
さっきの燃やす能力を持った人に苦戦するようじゃ、一対一はまず無理だろうね。
グッドニュースについてだが、君に協力してくれるだろうカルデアのマスターがいる。
彼女はドがつく人のお人好しだ。君のことにも関してはまず二つ返事で信用してくれるだろう。
あ、因みに僕はモルガンの息子と言う『役割』ではないからそこは気にしないでくれるかな?
と言っても、それを信じるかどうかは、君次第ではあるのは変わらないけどね。」
「現状の状態でモルガンの打倒は、
貴方の言葉通りならとても心許ないのは容易に想像できます。
カルデアのマスターと呼ばれる方や、他にも多くの人の手が必要になるでしょう。」
モルガンと言えばアーサー王最大の敵。
息子とも扱われたことのあるオベロンからも脅威のお墨付きをもらっている。
となれば、アーサー王の居城としては捨て置けないことなのは確かなことだ。
先ほどの男だって武器がなければ城娘と言えどかなり危うかった部分があるのは否定できない。
言い訳にするつもりはないが、燃やす能力は初見殺しにも程がある。近くに水源を探そうにも、此処は空の島。
全身を消火できるだけの水源が大幅に減ってる状態で受ければ、まず助かる手段はないと言ってもいいぐらいの状況だ。
「うんうん、流石は騎士王様の城を元に宿した城娘だ!
騎士道精神もあるけれど、敵を倒さなければならないという合理性は頼もしいよ。
それはアーサー王らしく仲間に引き入れたからかな? それともアーサー王を反面教師にしたものかい?」
「……どちらでもあり城娘の業、でしょうね。これは。」
城主や城に纏わる物語、それを内包するのが城娘の持つ業と言うものだ。
飢餓で大勢死んだ場合城は食欲旺盛になる、城主の都合相容れないと言った、
顕現してからそういうのが付きまとうことが城娘としては普通のことになる。
円卓が形を成さなくなったのは何も裏切りがあったからとか、それだけではない。
いくつもの国を取り込んで、人数が増えて円卓は昔のままでいられなくなったのもある。
余りの寛大さによってブリテンは滅びの道を辿った。それらを彼女は知り尽くしていた。
此処でもう新たな円卓を築き、しかし同時にカムランのような結末を避けようという、
意識は否定できるかどうかと言われれば否定はできなかった。
「となれば僕の出番かな。口八丁で方々から借金できる程度には、僕は話術には自信があるんだ。」
「それはとてもよくないことですので、元の世界でちゃんと返済してくださいね。
加えて、共に歩むべき仲間をその場しのぎで集めることこそ、円卓崩壊につながってしまいます。」
「分かってる分かってる、誠実な君のことだからそういうと思ったよ。
でも今は、僕の世界の借金に君はうつつを抜かしている場合じゃない……だろ?」
見事にけむに巻いて誤魔化そうとしていることは察して少し呆れるが、
別の元の世界へ戻った後のことを今話しても仕方のないことだろう。
既に十二人。殺し合いのペースや敵とみなした相手との戦闘、
様々な要因もあるので後を考えると多くても出会えるのはそこまで多くない。
そして、集まるまでにどれだけモルガンに殺されていることもありうる。
時間も仲間も、何もかもが足りないのは間違いなかった。
「さて、そこで提案だけど、まず南に行くのはやめよう。
此処にいるモルガンは僕の知るモルガンなのは間違いない。
だからキャメロットを確認しに行くのは確率的にかなり高い。
ちょうど僕たちがいる場所はB-1、ぐるりと一周してみよう。
そのころには戦える人は集まるかもしれないからね……と、納得はできないだろうね。」
納得いくかどうかで言えばできるはずもないことはオベロンもわかっていた。
だからか、返す言葉がなく仕方ないとは思いつつも、彼女は気落ちするかのような表情だ。
一人でも多くの物語を守りたい。望む者がいる限りその願いは揺らぐことは決してない。
けれど取捨選択を見誤れば、彼女が知る悲劇の結末のように終わりを迎えるだろうと。
「君は無敵でも最強でもない以上は、どうしようもないことだよ。
相手は一人でも戦争ができる冬の女王。一人無策で挑むのはただの蛮勇だ。
勿論挑むなって話じゃない。参加者にいる以上確実に勝つ手段があるはずさ。
この戦いが『ベリアルが優勝させたいのはモルガンです』とかだったら流石に話は別だけど。」
「そうですね……その判断が妥当かと。」
「ところで話は変わるんだけど、君全身燃えてなかったかい? 火傷が戻ってるような。」
先ほど全身を燃やされたようにも見えた。
しかしそれに対して服の一部は焼けてはいるものの、
見た目についてはそこまで大きな変化は見受けられない。
髪の毛も、燃えたとは思えないほど綺麗なブロンドの髪を束ねており元通りだ。
「城娘の力ならある程度ですが回復できます。
と言ってもこれは見た目だけ取り繕ったものなので、実際はハリボテに近しいです。
ちゃんとした霊験あらたかで縁のあるものを集めれば回復しやすいのですが……此処にはないかと。」
「霊験あらたかで縁のあるもの、と言うと?」
「例えばですが、鋏に縁のある城娘であれば霊力のこもった鋏、とかになります。
私の場合だと多分本とかになるのでしょうか。アーサー王伝説は架空の物語。ゆえに武具よりも本がいいのかもしれません。」
「流石に、ベリアルがアーサリアンでもなければ用意はされてなさそうだ。
普通の回復できる霊薬みたいなものを探す方が多分だけど早そうだね。
君にも僕にもないのあるけれど、他人が譲ってくれるとは思えない代物なのが厄介だ。」
殺し合いにおいて傷を癒やすというのは誰であれ大事のためにとっておくもの。
どの参加者であれども絶対確保しておきたい物。簡単に譲ってはくれないだろう。
ならばどうするか。信頼に足る存在と証明するか、あるいは敵対する相手から手に入れるか。
もっとも、後者はその前に使われてしまう可能性が高いのは否定できないが。
「使うことがないに越したことはありません。そのような状況は、大事に至ってないことですから。」
「一理はあるね。敵が持ってたら最悪だけど。」
「勿論、そこも気つける必要があります。」
モルガンとかのような連中に渡っていたらと想像したくない。
その為にも今は、参加者を探しに行かねばならないのだけは分かる。
「……さて、そろそろ動きましょう。反旗を翻す者達が、全員私達みたいに戦える人とは限りませんので。」
軽く肩を竦めながらも仕方ないなと思えた。
この清廉潔白な心は別の世界のアーサー王関係者と似たようなものか。
なんてことを思いながら、先に行く彼女を追いかけていく。
(にしても冬の女王といい彼女といい、何故いるのやら。ベリアルは何を考えてるんだ。)
まさか、参加者の枠組みで出てくるのは正直に言えば驚かされた。
抑止力としてカルデアのマスターがいるから安心とでもいうのか。
そんなわけがないだろう。流石に殺し合いの範疇に能力は抑えられてるだろうが、
あれの強さは一人で戦争ができるような存在だ。だから色々と下準備をしてきた。
だというのに此処にいるのは、バランスを考えてるのかと感じずにはいられない。
あるいは、一人で戦争できるやつが何人かいるからこうなったのか。それは定かではない。
(ま、どっちでもいいんだけどね。役割を押し付けられた彼女がどうするかだ。)
物語としてそうあれかしと焼き付けられた城娘の業。
汎人類史でもなければ、異聞帯(ロストベルト)でもない。
ただ消費されるだけの物語にしかいない居城が、その城娘が消費する存在を守り抜きたいと願う。
心の奥まで頑固だ。数多の敵と戦い続けて、ブリテンを統一した騎士王の居城なだけはあると軽く関心はする。
「どうかしましたか? 何か考え込んでるようですが。」
「ん? 別に? カルデアのマスターの無事を願っているだけだよ。」
さわやかそうな笑顔で、適当に相槌を打つ。
それが本心かどうかは、当然彼だけが知ることだ。
【B-1/深夜/1日目】
【キャメロット城@御城プロジェクト:RE】
[状態]:全身に火傷(中)(見た目は取り繕ってる)
[装備]:ふぶきのつるぎ@ドラゴンクエスト2(HD-2D版)
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2(回復系ではない)
[思考・状況]
基本方針:一人でも多くの物語を守る。
1:オベロンを名乗る男と共にゆく。不安もあるが、あの微笑みに思う所もあるから。
2:出来るだけ多くの仲間がほしい。
3:先の逃げ出した男(奥伝達)には警戒。
4:ティンタジェル城も探しておきたい。
[備考]
※参戦時期は無限航海6-3 赤竜伝説で賢者マーリンとの対話後
※最低でもイベント3は経験済みです
【オベロン@Fate/Grand Order】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3(回復系ではない)
[思考・状況]
基本方針:どうせ終わらせる事には変わりはないだろ?
1:彼女(キャメロット)、中々悪くないことを言うじゃないか。当分は協力してあげるよ。
2:カルデアの連中、マスター一人だけってマジか。どうすんだよこれ。
[備考]
※参戦時期はモルガンの攻撃で一旦退場した後から。
※宝具『彼方とおちる夢の瞳』は基本的に使用不可、もしくは使用が出来たとしても出力が大幅減となっております
最終更新:2026年04月24日 22:26