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満月の時。戦闘開始
「こちら十二時塔。狼の群を確認しました」
九時を過ぎた頃。連絡用に設置されている筒からそんな報告が届いた。
「数は……正確にはわかりませんが百はいるかと」
「そんだけいれば積み重ねれば壁も越えられるかもな。一応警戒しとけ」
本部で待機しているビゼンが冗談っぽく言いながら指示を飛ばす。
兵士はそれに苦笑しながら了解と答えた。
「狼たちはどのぐらいの数がいるんだ?」
机に広げた地図に落書きをしていた亀に質問する。やる気が見られない。
「ちゃんと調査したわけじゃないけどだいたい三千ぐらいはいるんじゃないかな」
「ということは今正面門前にいる狼も一部でしかないということか」
「百匹程度じゃ壁は突破出来ないしどう出るかな」
地図の正面門前によくわからない絵と百という数字を書き足す。
もしかしてこの蛸の出来損ないみたいなのは狼のつもりなのだろうか。
この禍々しさは海に住む支配者だと言われても納得してしまう出来だ。
「こ、こちら十二時塔。先ほどの数を……訂正します」
先ほどと違い明らかに声が震えている。耳を澄ますと小さく叫び声のようなものが聞える。
「丘が……狼に埋め尽くされています。百どころじゃありません。五百、いや検討もつかないほどいます!」
「進軍してるのか?」
「いえ、こちらからの攻撃範囲少し奥で待機しています。え、ちょっと待ってください」
兵士の声が途切れる。筒の傍で会話しているらしく何かが喋っているのが聞える。
「狼の群の中に二本足の魔物が二匹います!」
「ビゼン。十二時塔に向かって」
「ああ。わかってる」
黙って聞いていた亀が指示を出す。
二本足で立つ魔物……。以前亀が言っていた狼の長のことのはずだ。
しかし二匹もなぜ。
「こちら四時塔。狼の群を目視しました。数はかなり多いです」
「こちら七時等。同じく狼の群を確認。一体何匹いるんだ……」
立て続けに入る二つの塔からの報告。
三時から八時までは森に隣接している塔なので今回報告の入った塔はどちらも視界が悪い。
そのせいで発見が遅れたか、もしくは同時にわざと姿を見せたのか。
「よし。壁を点火しよう。それと壁近くの木は全部切り倒して」
まさかあれを使うのか。
筒に入らない程度の声量で亀に問いかける。
「いいのか。森が大炎上するぞ」
「今使わずにいつ使うか。こんだけ大群が押し寄せるなんて予想してなかったし。
いくら壁側は守備が堅いと言っても相手出来るのも限界がある」
筒から聞える了解の返答を聞いた後、亀はソーニャのほうに振り返る。
「きみは四時塔に飛んで防衛に当たってくれ。
七時塔にはロゼッタを送って僕も正面へ行こう」
「そうだ、この銃弾はそっちが持っていったほうが……」
懐が銃を取り出そうとしたソーニャを亀が制止する。
「こうなった以上何匹上位の狼がいるかわからない。それは四人の中で一番弱い君が持っていけ」
「ひどい言われようだが了解した」
ロゼッタに連絡をした後外套を纏い、屋上へと向かう。
吹雪は先ほどより若干弱くなっている、気がした。普段は眺めのいいここも今はただただ白い。
魔法陣に積もっていた雪を足で除けていく。
「狼たちは何故人間を狙うのだろうか」
「本能に近いものだろう。もしくは命令か」
「仮に今、北の国の魔術師を殲滅したら狼たちはどうなるんだ?」
「わからないね。魔物化が解けるかも知れないし、今まで通り人間を襲うかもしれない。だけどね」
亀がソーニャの肩に手を置く。
「戦闘前に余計なことを考えるな。自衛団団長ならばこの町を襲うものは殲滅しろ。それが仕事だ」
「……ああ」
吹雪を貫いて狼の遠吠えが聞える。魔法陣は光を帯び、起動した。
九時を過ぎた頃。連絡用に設置されている筒からそんな報告が届いた。
「数は……正確にはわかりませんが百はいるかと」
「そんだけいれば積み重ねれば壁も越えられるかもな。一応警戒しとけ」
本部で待機しているビゼンが冗談っぽく言いながら指示を飛ばす。
兵士はそれに苦笑しながら了解と答えた。
「狼たちはどのぐらいの数がいるんだ?」
机に広げた地図に落書きをしていた亀に質問する。やる気が見られない。
「ちゃんと調査したわけじゃないけどだいたい三千ぐらいはいるんじゃないかな」
「ということは今正面門前にいる狼も一部でしかないということか」
「百匹程度じゃ壁は突破出来ないしどう出るかな」
地図の正面門前によくわからない絵と百という数字を書き足す。
もしかしてこの蛸の出来損ないみたいなのは狼のつもりなのだろうか。
この禍々しさは海に住む支配者だと言われても納得してしまう出来だ。
「こ、こちら十二時塔。先ほどの数を……訂正します」
先ほどと違い明らかに声が震えている。耳を澄ますと小さく叫び声のようなものが聞える。
「丘が……狼に埋め尽くされています。百どころじゃありません。五百、いや検討もつかないほどいます!」
「進軍してるのか?」
「いえ、こちらからの攻撃範囲少し奥で待機しています。え、ちょっと待ってください」
兵士の声が途切れる。筒の傍で会話しているらしく何かが喋っているのが聞える。
「狼の群の中に二本足の魔物が二匹います!」
「ビゼン。十二時塔に向かって」
「ああ。わかってる」
黙って聞いていた亀が指示を出す。
二本足で立つ魔物……。以前亀が言っていた狼の長のことのはずだ。
しかし二匹もなぜ。
「こちら四時塔。狼の群を目視しました。数はかなり多いです」
「こちら七時等。同じく狼の群を確認。一体何匹いるんだ……」
立て続けに入る二つの塔からの報告。
三時から八時までは森に隣接している塔なので今回報告の入った塔はどちらも視界が悪い。
そのせいで発見が遅れたか、もしくは同時にわざと姿を見せたのか。
「よし。壁を点火しよう。それと壁近くの木は全部切り倒して」
まさかあれを使うのか。
筒に入らない程度の声量で亀に問いかける。
「いいのか。森が大炎上するぞ」
「今使わずにいつ使うか。こんだけ大群が押し寄せるなんて予想してなかったし。
いくら壁側は守備が堅いと言っても相手出来るのも限界がある」
筒から聞える了解の返答を聞いた後、亀はソーニャのほうに振り返る。
「きみは四時塔に飛んで防衛に当たってくれ。
七時塔にはロゼッタを送って僕も正面へ行こう」
「そうだ、この銃弾はそっちが持っていったほうが……」
懐が銃を取り出そうとしたソーニャを亀が制止する。
「こうなった以上何匹上位の狼がいるかわからない。それは四人の中で一番弱い君が持っていけ」
「ひどい言われようだが了解した」
ロゼッタに連絡をした後外套を纏い、屋上へと向かう。
吹雪は先ほどより若干弱くなっている、気がした。普段は眺めのいいここも今はただただ白い。
魔法陣に積もっていた雪を足で除けていく。
「狼たちは何故人間を狙うのだろうか」
「本能に近いものだろう。もしくは命令か」
「仮に今、北の国の魔術師を殲滅したら狼たちはどうなるんだ?」
「わからないね。魔物化が解けるかも知れないし、今まで通り人間を襲うかもしれない。だけどね」
亀がソーニャの肩に手を置く。
「戦闘前に余計なことを考えるな。自衛団団長ならばこの町を襲うものは殲滅しろ。それが仕事だ」
「……ああ」
吹雪を貫いて狼の遠吠えが聞える。魔法陣は光を帯び、起動した。