無限桃花~In to the BLOODSKY~
『ではもう青森に向かっているのか。三人で大丈夫なのかね?』
「ええ。東京の守りもありますから。まだ全ての寄生が移動した訳ではない。それより南澤大臣、サイロバスターは用意出来ましたか?」
『全くこの男は‥‥‥。どこから聞いたんだか。08式は既に三沢に届いている。もうF2に搭載して命令を待ってる』
「ありがとうございます」
『まだ公にしてない物だ。解っているとは思うが口外はするな』
「ええ。ではまた連絡します。今度は無線を使います。それでは」
「ええ。東京の守りもありますから。まだ全ての寄生が移動した訳ではない。それより南澤大臣、サイロバスターは用意出来ましたか?」
『全くこの男は‥‥‥。どこから聞いたんだか。08式は既に三沢に届いている。もうF2に搭載して命令を待ってる』
「ありがとうございます」
『まだ公にしてない物だ。解っているとは思うが口外はするな』
「ええ。ではまた連絡します。今度は無線を使います。それでは」
南澤との会話を終え、黒丸は携帯を閉じる。
「先輩、なんとかバスターって何ですか?」
「聞いてたか。まぁ気にするな。俺らには直接関係無い物さ」
「ホントですかぁ?じゃあ、その包みは何ですか?前から持ち歩いてましたけど‥‥」
「これか?最近手に入れた武器だよ」
「何なんですかソレ」
「まだ秘密だ」
「馬鹿な上にケチか」
「‥‥お前最近生意気になったな」
「元からですよ~だ。ねぇ桃花さん‥‥って、あれ?」
「先輩、なんとかバスターって何ですか?」
「聞いてたか。まぁ気にするな。俺らには直接関係無い物さ」
「ホントですかぁ?じゃあ、その包みは何ですか?前から持ち歩いてましたけど‥‥」
「これか?最近手に入れた武器だよ」
「何なんですかソレ」
「まだ秘密だ」
「馬鹿な上にケチか」
「‥‥お前最近生意気になったな」
「元からですよ~だ。ねぇ桃花さん‥‥って、あれ?」
激しい振動と騒音が響くヘリの中で、桃花は眠りこけていた。村正を抱えたまま、すぅすぅと静かな寝息だけ漏らして。
理子は思わず見とれる。
今までは寄生と唯一対抗出来る戦士として見ていたが、今の眠っている桃花は女性から見ても驚くほどに魅力的な女性だったのだ。
理子は思わず見とれる。
今までは寄生と唯一対抗出来る戦士として見ていたが、今の眠っている桃花は女性から見ても驚くほどに魅力的な女性だったのだ。
「‥‥改めて見たら綺麗な人ですね」
「ああ。しかし随分余裕だな。もうすぐ死ぬかも知れない戦いの前だってのに」
「無粋な人だな‥‥。余裕なさすぎですよ先輩」
「ああ。解ってるよ」
「ああ。しかし随分余裕だな。もうすぐ死ぬかも知れない戦いの前だってのに」
「無粋な人だな‥‥。余裕なさすぎですよ先輩」
「ああ。解ってるよ」
途中の給油を挟み、ヘリは目的地へと接近する。約3時間の空の旅はもうすぐ終わるだろう。
先程の青空は消え去り、雪国の灰色の空が辺りを包んだ。雪が降っているのが見える。眼下には真っ白な大地が広がっている。
やがて雲が厚くなり、雪で視界が鈍り始めた。到達したのだ。
辺りはまるで異世界のような灰色に覆われ、下も上も見えない。レーダーが無ければ自分がどこに居るのかも解らないだろう。
そしてその先に、灰色の中に浮かぶ紅い空がぼんやりと見えはじめる。
彼方の造った、天神の細道、魔道の出口だ。
「あれは‥‥‥。なんて事‥‥」
辺りはまるで異世界のような灰色に覆われ、下も上も見えない。レーダーが無ければ自分がどこに居るのかも解らないだろう。
そしてその先に、灰色の中に浮かぶ紅い空がぼんやりと見えはじめる。
彼方の造った、天神の細道、魔道の出口だ。
「あれは‥‥‥。なんて事‥‥」
理子が言った。
剣のように鋭く尖った山の先が血のような紅い雲で覆われた光景は、既にこの世の物では無かったのだ。
剣のように鋭く尖った山の先が血のような紅い雲で覆われた光景は、既にこの世の物では無かったのだ。
突如、眠っていた桃花が目覚める。そして叫んだ。
「ここで降ろして!」
黒丸達はいきなりの発言に驚いた。無理もない。目的地まで、飛んで行けば後少しなのだ。徒歩ならばかなりの距離がある。
「桃花さん、何を言ってるんです!?もう目の前だ。何もここで降下しなくても‥‥‥」
「違います!居るんです。自衛隊の飛行機を落とした奴が!‥‥凄い!こんな強い気配初めて‥‥」
「例の炎の壁を出した奴ですか!?」
「ええ。こいつは‥‥‥。倒さないといけない」
「‥‥‥解りました。では降下準備を」
「違います!居るんです。自衛隊の飛行機を落とした奴が!‥‥凄い!こんな強い気配初めて‥‥」
「例の炎の壁を出した奴ですか!?」
「ええ。こいつは‥‥‥。倒さないといけない」
「‥‥‥解りました。では降下準備を」
ヘリは地上付近まで高度を下げた。ドアが開き、冷たい雪と風が室内へなだれ込む。
そして黒丸と理子がロープを使い降下する。一方桃花は‥‥。
そして黒丸と理子がロープを使い降下する。一方桃花は‥‥。
「ちょっと桃花さん!?」
桃花はそのままドアから身を乗り出し、地上10メートルほどの高さから飛び降りた。着地点には雪煙が上がり、衝撃の強さを物語る。
その中から現れた桃花は、既に抜き身の村正を持ち戦闘服を纏っていた。
その中から現れた桃花は、既に抜き身の村正を持ち戦闘服を纏っていた。
「桃花さん‥‥?」
「居る‥‥‥。とてつもない奴だ。影糾はこんな奴すら手駒に出来るんだ‥‥」
「居る‥‥‥。とてつもない奴だ。影糾はこんな奴すら手駒に出来るんだ‥‥」
桃花は静かに立ち尽くす。それは近づいてくる。桃花へ向かって。
灰色の景色の中、人影が一歩、また一歩と近づいてくる。
そしてーーー
灰色の景色の中、人影が一歩、また一歩と近づいてくる。
そしてーーー
「ようやく来ましたね。無限の天神よ」
現れたのは老人だった。とても穏やかな顔付きをした、優しそうな老人。
「出来れば来て欲しくは無かったんですが‥‥。仕方無いですね‥‥‥‥。彼方は貴方に会いたがってますよ」
「あなたは‥‥‥婆盆ね?」
「いかにも‥‥‥」
「あなたは‥‥‥婆盆ね?」
「いかにも‥‥‥」
一陣の風が吹くと、老人の姿はみるみる内に筋骨逞しい姿へと変貌する。カラスのような翼と葉扇子を持つ天狗へと。
「ここが我等の最後の足掻き。ここを超えれば彼方へとたどり着くだろう。だが、それは私が許さぬ」
「彼方はそれでいいの?」
「‥‥‥良いのだ。これで‥‥」
「私に会いたいから呼んだんでしょ?」
「いかにも。だが、彼方と会えばお主は全てを知る。無限の一族の秘密‥‥。いかにして天神の力を手にしたか、いかにして千年の呪いを受けたか。
彼方はそれを知って欲しくは無いと思っているのだ。お主に、人のままで在って欲しいが為に」
「大丈夫だよ。何となくだけど、最初から解ってた。詳しくは知らないけど、たとえ私が何であろうと私は私。私にとって彼方は彼方のまま」
「‥‥‥強いなお主は。では、さっそく始めよう。彼方の意志や、お主の意志があるように、私にも意志がある」
「周りに居る連中も出したら?あと、さっきから隠れている怪物も‥‥‥」
「元よりそのつもりだ」
「彼方はそれでいいの?」
「‥‥‥良いのだ。これで‥‥」
「私に会いたいから呼んだんでしょ?」
「いかにも。だが、彼方と会えばお主は全てを知る。無限の一族の秘密‥‥。いかにして天神の力を手にしたか、いかにして千年の呪いを受けたか。
彼方はそれを知って欲しくは無いと思っているのだ。お主に、人のままで在って欲しいが為に」
「大丈夫だよ。何となくだけど、最初から解ってた。詳しくは知らないけど、たとえ私が何であろうと私は私。私にとって彼方は彼方のまま」
「‥‥‥強いなお主は。では、さっそく始めよう。彼方の意志や、お主の意志があるように、私にも意志がある」
「周りに居る連中も出したら?あと、さっきから隠れている怪物も‥‥‥」
「元よりそのつもりだ」
婆盆が扇子を振るうと、それを合図に辺り一面に妖が溢れ返った。全て彼方に寄生された、操り人形の妖怪達。人間の寄生は生贄に、彼らは兵として集められたのだ。
「先輩ぃ!すんげー数ですよぉ!!」
「問題無い。桃花さん!」
「問題無い。桃花さん!」
黒丸は桃花へ言った。
「こいつらは私と理子だけで何とかします。桃花さんは婆盆に集中して下さい」
桃花は小さく頷いた。同時に、理子が慌てて叫ぶ。
「このバカ!この数相手に何言ってんですか!脳みそ動いてます!?」
「黙れ。さっき言った新しい武器を出すまでさ」
「黙れ。さっき言った新しい武器を出すまでさ」
「新しい武器って、ちょっとそれって‥‥!」
「そうだ。あの猿参とか言う奴が持っていた、天叢雲剣だよ」
「皇室に返すんじゃないんですか?」
「もちろん返すさ。これが終わったらな」
「そうだ。あの猿参とか言う奴が持っていた、天叢雲剣だよ」
「皇室に返すんじゃないんですか?」
「もちろん返すさ。これが終わったらな」
黒丸達は戦闘体制に入る。一方の桃花と婆盆も、お互い睨み合ったまま。最初に均衡を破ったのは婆盆だった。
「人が居てはお主も闘いにくいであろう。どれ、少し移動しようか。奴が暴れるにも丁度良い」
突風が吹く。桃花はそれに吹き飛ばされ、黒丸達と引き離された。
着地した場所はただっ広い平野。辺りには何も無い。婆盆と桃花を除いて。
着地した場所はただっ広い平野。辺りには何も無い。婆盆と桃花を除いて。
「無限の天神よ。改めて言おう。お前を彼方には会わせない。たとえ彼方の意志に反したとしても」
「それがあなたの意志?」
「そうだ。さぁ、無限の天神。今度こそ引導を渡そう。私と、奴の力で!」
「それがあなたの意志?」
「そうだ。さぁ、無限の天神。今度こそ引導を渡そう。私と、奴の力で!」
地面が激しく揺れ動く。地割れが起き、その下をはいずる巨大な影がうごめいていた。
「さぁ現れよ!大寄生・八岐大蛇!!」
地面は天地が逆さまになったようにひっくり返り、大量の土砂と雪が辺りに飛び散った。巨大な穴がぽっかりと口を空け、その中にはまるで特撮映画のような怪物が現れた。
日本の神話に登場する最大の妖、八岐大蛇。
「行くぞ、無限桃花!今ここでお主を葬り去ってくれる!彼方に‥‥お主を会わせる訳にはいかぬのだ!」
日本の神話に登場する最大の妖、八岐大蛇。
「行くぞ、無限桃花!今ここでお主を葬り去ってくれる!彼方に‥‥お主を会わせる訳にはいかぬのだ!」