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F-1-668

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匿名ユーザー

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鬼神様の面


668 :創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 22:29:58 ID:O/wLS48D

現代に場面を変えてみた
ふぁんたじぃじゃなく伝奇くさくなってきた

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真っ青な空に黒い髪をたなびかせた女の子。
僕は小さな手を伸ばす。
その子は不思議な笑顔を浮かべて
頭から倒れるように踊り場から消えた。

「…まただ…」

もう何十回も見た、あの夢。

僕は小学生になるお祝いに、母と行ったデパートの屋上で
飛び降り自殺の現場を目撃してしまった。

高校を卒業した今では、たまに夢でしか思い出さないけど
あの笑顔は何だったのか、今でも分からない。

そして大学受験も終わり、僕は卒業旅行を計画していた。
行き先を決めない気ままな一人旅だ。
今はあちこちで春祭りが行われているらしく、
どこにしようか集めてきたパンフレットを見ていた。

あの笑顔だ!
それは鬼の面だったが、あの女の子と同じで
怒ってるようにも見える、口もとだけの笑顔。

祭りが明日なのを確認して、パンフレットと
着替えを鞄に詰め込み電車に乗り込んだ。

昼過ぎに人に聞きながら着いたその神社は
何だか老人ばかりで、僕一人が場違いな気がした。

境内では何人かの白装束の人が、頭飾りと
あのお面をつけて拍子に合わせて踊っていて、
それを観客が遠巻きに見ている。


「あの~お婆さん、こんにちは」
「おや、見かけん顔じゃな。
 どこん家の子じゃったかね? 」

「僕、観光に来たんです。
 あの人たち、何をしてるんですか? 」
「ああ、ありゃ鬼神さまに豊作の舞を奉納しとるんじゃ」

「へぇ~、変わったお面ですね」
「ありゃ退魔の面とゆうてな。
 この辺りに代々伝わるものじゃ」

「何だか歌舞伎っぽいなぁ」
「あんれ、若い者にはそう見えるんかいのぅ。
 鬼神様が土にお戻りになって
 作物の恵みを下さる前に、この世の悪疫や禍いに
 睨みを利かせておるのじゃ。
 ありがたやありがたや…」

「面白い伝説ですね。
 でも、なんで笑ってるんでしょう? 」
「さてのう、わしゃ詳しく知らんで
 神主様にお聞きなされ」

そのお婆さんは、白い頭巾をつけた男を指差した。
やはり鬼のお面をつけている。

白装束の踊りが終わると、一斉に拍手が起こり
彼らはお面を外した。
中学生か高校生だ。
たぶん地元の子だろう。

神主もお面を外したが意外に若い男だ。
何となく僕と同じくらいの歳じゃないかな。
あの年で神主なんて大変だ、きっと。

白装束の子供たちが、お酒を振舞って回っている。
それが無礼講の合図なのか、老人たちが騒ぎはじめた。
ここでは普通かも知れないけど、
とても老人とは思えない騒ぎ方だ。


僕の前に、白い杯が差し出された。

「あなたも一杯いかが?」

びっくりしたのを見られて、クスクス笑われてしまった。
化粧をしているせいか印象的な目の女の子だ。
きっと美人になるんだろうな。

「ええっと~僕、未成年だから」
「まあ、今日はお祭りよ。
 楽しまなきゃ」
「そうかな?
 じゃあ、一杯だけ」

あれ?
日本酒って、こんな色だっけ?
何だか白いなぁ。

「ささ、どうぞ」
「じゃあ、いただきます」

お酒は隠れて飲んだビールしか知らないけど、
これは美味しいのかな?
きっとそうだ、だって地球が回ってるのが分かるんだから。
さっきの女の子が心配そうに回転しながら見ている。

「真っ赤なんだけど大丈夫?」
「らいじょうぶ、らいじょうぶ。
 こんなのいっぷぁいのんだくらいで」

そのまま記憶が無くなった。
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続くのかな…






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